漢方薬は基本的には年齢に関係なく使用できます。
体の症状だけではなく、こころの症状にも漢方薬は効果が期待できるのです。
こども(小児)には、お薬の味も含め飲んでもらうためには工夫も必要なことも多いですが飲めればきちんと効果が期待できます。
森こどもクリニックの院長である ”森蘭子先生” のお話では漢方薬の使い方の極意として次のようなことをポイントに挙げられていました。
- 患者さん(こども)やお母さん(保護者)とのコミュニケーションが大切!
- 漢方薬は困った感が強くなった時が始めるタイミングです。
- こどもが飲めた場合はしっかり褒めてあげて、同時に飲ませた保護者も褒めてあげましょう。
- 漢方薬が好きと話す場合は効いていることが多いですね!
こども(小児)の消化器症状におすすめの漢方薬
こども(小児)の腹痛におすすめの漢方薬
- 小建中湯(しょうけんちゅうとう):
こどもの腹痛にはファーストチョイス!
- 黄耆建中湯 (おうぎけんちゅうとう):
寝汗をよくかく、皮膚症状(アトピー、湿疹、痒みなど)がある場合。
- 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう):
腹痛が長年に渡り続いている様なこじれたような場合。
- 安中散(あんちゅうさん):
お菓子などの甘いものを好んで毎日食べている様な場合。
粉薬は飲めないが錠剤・カプセル剤は飲めるような場合は「オースギ安中散料エキスT錠®」「コタロー安中散エキスカプセル®」もあります。
(一部引用:森蘭子先生講座)
こども(小児)の悪心・嘔吐・食欲不振におすすめの漢方薬
- 五苓散(ごれいさん):
嘔吐してしまうような場合には、こどもには特におすすめの漢方薬。
- 六君子湯(りっくんしとう):
こども(小児)の悪心・嘔吐・食欲不振にはファーストチョイス!
『六君子湯』が飲みづらいという場合は『四君子湯(しくんしとう)』が飲める場合もあります。
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):
吐き気が主症状で、口内炎がよく出来るような場合におすすめ。
(一部引用:森蘭子先生講座)
こども(小児)の下痢におすすめの漢方薬
- 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう):
急性的な腹痛・下痢に使用されます。
- 小建中湯(しょうけんちゅうとう):
虚弱体質で冷えている様な場合におすすめ。
- 啓脾湯(けいひとう):
消化不良が強い場合の下痢におすすめ。
- 真武湯(しんぶとう):
冷えがかなり強い場合が使用の目安になります。
(一部引用:森蘭子先生講座)
漢方薬を使用するとかえって下痢症状が悪化するような場合は ”乳糖不耐症” も考えましょう!
基本的には、ほどんどの漢方エキス剤は ”乳糖” が賦形剤として使用されています。
賦形剤とは、医薬品の成型・増量・希釈を目的として固形製剤に加えられる添加剤のことです。
漢方エキス剤の中で乳糖を使用していないメーカーに『東洋薬行』があり、乳糖ではなく ”デンプン” が使用されています。
※エキス製剤中のエキス分含量を測定する場合、一般的には賦形剤に比重の高い乳糖が使用されますが、東洋薬行ではデンプンを使用することで、より確実な含量数値測定をしています(引用:東洋薬行HP)
こども(小児)の便秘におすすめの漢方薬
- 桂枝加芍薬大黄湯エキス顆粒(けいしかしゃくやくだいおうとう):
お腹が張って残便感があるような場合が使用の目安になります。頓服的な使用でも効果が期待できます。
- 小建中湯(しょうけんちゅうとう):
虚弱体質で冷えている様な場合におすすめ。
- 大建中湯(だいけんちゅうとう):
腹痛やお腹の張りがあり、お腹が冷えていてお腹をこわしやすいような場合が使用の目安になります。
- 大柴胡湯(だいさいことう):
発達障害のあるこどもの便秘におすすめの漢方薬です。
(一部引用:森蘭子先生講座)
漢方薬以外でこども(小児)の便秘におすすめの薬
- ポリエチレングリコール製剤(モビコール®):
浸透圧性下剤であるポリエチレングリコール(PEG)に塩化ナトリウムなどの電解質を含有した製剤であり、小児(2歳以上)及び成人に使用可能な慢性便秘症治療薬です。
水で溶解して経口投与します。
モビコール®は、しょっぱい塩味の味があります。
モビコール®を味噌汁に入れるとこどもも問題なく飲んでくれます!
(引用:漢方.jp)
”フローチャートこども漢方薬-びっくり・おいしい飲ませ方” がお勧めの書籍です!
坂崎弘美先生が執筆されていて、漢方薬が飲めないというこどもに対して、どんな漢方薬にどんな食材が合うのかいろいろと試行錯誤された集大成です。
参考になりますよ!
- 整腸剤:
腸内フローラの改善により便秘を改善します。
- オリゴ糖:
糖質のうち、最小単位である単糖が2個から10個程度結びついたもので、少糖とも呼ばれています。
低消化性(低エネルギー)で、整腸作用や腸内細菌を増やす作用が認められています。
(一部引用:森蘭子先生講座)
こども(小児)の呼吸器系症状におすすめの漢方薬
こども(小児)の咳におすすめの漢方薬【心因性咳嗽】
- 柴朴湯(さいぼくとう):
心因性咳嗽の場合にはファーストチョイスです!
心因性咳嗽とは精神的なストレスや緊張によって引き起こされる咳を指します。
人が自分の周りにいると咳が出ることが多いという特徴があります。
特に緊張した状態の時や日中に出ることが多く、逆に何かに集中している時や、夜寝ている間は出ないのが特徴です。
- 麦門冬湯(ばくもんどうとう):
喉が乾燥して敏感になっている様な場合におすすめ。
- 抑肝散(よくかんさん):チック症におすすめ。
音声チックには、風邪でもないのに咳払いをする、「アッ」とか「オッ」と声を出すなどの症状が現れます。
(一部引用:森蘭子先生講座)
こども(小児)の喉の違和感におすすめの漢方薬
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):
喉が詰まったような感じがすると訴えるような場合にはファーストチョイスです!
こども(小児)の頭痛におすすめの漢方薬
- 五苓散(ごれいさん):
こどもの頭痛にはファーストチョイスです!
- 川芎茶調散 ( せんきゅうちゃちょうさん ):
生理が始まった女の子で生理周期に伴う頭痛にはおすすめの漢方薬です。
『五苓散』が効かなかった男の子にも効果が期待できます。
- 呉茱萸湯(ごしゅゆとう):
片頭痛・筋緊張型頭痛にも効果が期待できます。
かなり苦くて、こどもは飲めないことも多いです。
自分も頭痛持ちで愛用していますが、かなり苦くてしばらく口の中に苦みが残るくらいですよ!
(一部引用:森蘭子先生講座)
こども(小児)の不眠におすすめの漢方薬
- 酸棗仁湯(さんそうにんとう):
神経が高ぶって興奮してなかなか眠れないような場合におすすめの漢方薬です。
- 甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう):
親や周囲の人に気を使い過ぎるような性格のこどもの不眠におすすめの漢方薬です。
あくびをよくする、泣き虫のこどもに効果が期待できます。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):
元気なこどもで、すぐにイライラしてしまうようなタイプにおすすめの漢方薬です。
- 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう):
虚弱体質で ”怖い夢” をよく見るというようなこどもの不眠におすすめの漢方薬です。
(一部引用:森蘭子先生講座)
こども(小児)の起立性調節障害(立ち眩み・めまいなど)におすすめの漢方薬
- 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう):
元気がなく腹痛や頭痛も伴う様な場合が使用の目安になります。
- 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):
朝になかなか起きれないなど、フワフワするような場合が使用の目安になります。
(一部引用:森蘭子先生講座)
「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。
代表の河邊甲介は、漢方医学、薬膳、そして腸活を組み合わせた独自のアプローチで、個々の健康に寄り添います。
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