めまい・月経前症候群(PMS)におすすめの漢方薬【半夏白朮天麻湯㊲(はんげびゃくじゅつてんまとう)】

半夏白朮天麻湯

胃腸の弱いひとの「めまい・頭痛」におすすめの漢方薬が『半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)』です。

起立性調節障害による低血圧なども効果があります。

また、月経前症候群(PMS)にも効果が認められることもあります。

ハルくん
ハルくん

『半夏白朮天麻湯』は自律神経失調症や更年期障害などの女性に起こるつらい症状を緩和してくれる漢方薬のひとつだよ!

のんびり太郎
のんびり太郎

もちろん、女性だけでなく男性にも使用できます。

”めまいや頭痛” がつらい時などには試してみるといいですよ。

月経前症候群(PMS)とはどのような状態なの?

出典:NHK健康ch

月経前症候群(PMS)とは、月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するものをいいます

月経前症候群(PMS)の原因にはどのようなものがあるの?

出典:NHK健康ch

月経前症候群(PMS)の原因ははっきりとはわかっていませんが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられています。

排卵のリズムがある女性の場合、排卵から月経までの期間(黄体期)にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されます。

この黄体期の後半に卵胞ホルモンと黄体ホルモンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことがPMSの原因と考えられています。

しかし、脳内のホルモンや神経伝達物質はストレスなどの影響を受けるため、PMSは女性ホルモンの低下だけが原因ではなく多くの要因から起こるといわれています。

月経前症候群(PMS)の症状にはどのようなものがあるの?

出典:NHK健康ch

月経前症候群(PMS)の精神神経症状として情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感、身体的症状として腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどがあります。

とくに精神状態が強い場合には、月経前不快気分障害(premenstrual dyspholic disorder : PMDD)の場合もあります。

                           (引用:日本産科婦人科学会

【半夏白朮天麻湯】の生薬構成(ツムラ)

半夏(ハンゲ)、白朮(ビャクジュツ)、陳皮(チンピ)、茯苓(ブクリョウ)、麦芽(バクガ)、天麻(テンマ)、生姜(ショウキョウ)、黄耆(オウギ)、人参(ニンジン)、沢瀉(タクシャ)、黄柏(オウバク)、乾姜(カンキョウ)

【半夏白朮天麻湯】の効能効果(ツムラ)

胃腸虚弱で下肢が冷え、めまい、頭痛などがある者

「めまい」に使用される漢方薬

  • 沢瀉湯(たくしゃとう):
    グルグル回るめまいに(回転性めまい)

【半夏白朮天麻湯】の特徴・説明

  • 『半夏白朮天麻湯』は漢方的には ”痰飲(たんいん)” といわれる、水毒体質で手足が冷えるような場合に使用されます。                                                                           簡単に説明すると、胃下垂などでお腹をゆらすとポチャポチャと聞こえるような場合です。
    漢方的には ”水毒”、すなわち、水分代謝が悪いことでめまいが起きると考えます。

  • 『半夏白朮天麻湯』を使用する際のめまいは、フワフワとするような場合や、グルグル回るよな場合のどちらにも使用できます。

  • 『半夏白朮天麻湯』に含まれている生薬の「沢瀉」はめまいに、「天麻」は頭痛によいとされています。

  • 『半夏白朮天麻湯』は ”参耆剤” と呼ばれる補剤の代表的方剤です。
    参耆剤とは生薬の「人参」「黄耆」を一緒に含む方剤の一群を指します。
    人参の効能は健胃・強壮強精、黄耆は止汗・利尿・強壮です。

  • 『半夏白朮天麻湯』の味は表現法が難しいですが、苦いです。

【半夏白朮天麻湯】のクリニカルパール

クリニカルパール(Clinical pearl)とは、とは経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。

江川美保先生
江川美保先生

月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(premenstrual dyspholic disorder : PMDD)に対して、三大婦人科系漢方薬(当帰芍薬散加味逍遥散桂枝茯苓丸)が効果がないような時に『半夏白朮天麻湯』を使用すると劇的に症状が改善する可能性があります。

(参考:江川美保先生 京都大学医学部付属病院 産婦人科/2021年現在)

松田邦夫Dr
松田邦夫Dr

低血圧症に『半夏白朮天麻湯』を使用することもありますが、使用の目安は ”疲れやすくて、胃腸が弱いこと” なります!

その他、低血圧症の漢方薬の代表には『真武湯』があります。

(引用:漢方.jp)

長嶺荒人先生
長嶺荒人先生

月経前症候群(PMS)は中医学的には ”疏泄(そせつ)の失調” と考えます。

この場合に使用する漢方薬は『加味逍遥散』です。

何らかのストレスでイライラする場合も同様に ”疏泄(そせつ)の失調” と考えます。

私はちょっとでもイライラする感じが出たらすぐに『加味逍遥散』を飲みますね!

『加味逍遥散』は ”肝鬱化火(かんうつかか)” に使用する漢方薬なのですが、イライラが過度になり震えが出るような興奮した場合 ”心肝火旺(しんかんひおう)” にはちょっと弱いので、その場合には『柴胡加竜骨牡蛎湯』または『桂枝加竜骨牡蛎湯』を使います。

(引用:がんじゅうふぁみりー)

のんびり太郎
のんびり太郎

肝鬱化火(かんうつかか)” とは肝欝があり、陽気の停滞あるいは平素から内熱があるために、引き続いて肝火の症状が現れることで、頭痛・めまい・イライラ・怒りっぽい・顔色が赤い・口が苦い・目の充血・目が痛むなどがみられます。

”心肝火旺(しんかんひおう)” とはイライラしがち・寝つきが悪い・あれこれ考えすぎて眠れなくなる・ストレスを感じやすいなどの症状が現れている状態のことを意味しています。

京大病院産科婦人科/江川美保先生ってどんな医師?

出典:Kyoto University

2010年春に京大病院産科婦人科において「ヘルスケア」の専門外来を開設し、以来思春期から老年期まであらゆる年代の女性に寄り添う診療を行っておられる医師です。

科学的根拠にもとづいた「婦人科的ホルモン療法」や「こころとからだの症状にも、漢方療法も取り入れた心身一如の治療」など患者さんの悩みを一緒に解決してくれる医師です。

京大病院産科婦人科/江川美保先生は、「女性のこころとからだに関する悩みや心配に幅広く対応する自由診療」も行っておられます。

のんびり太郎
のんびり太郎

ひとりで悩まずに一度アクセスしてみることをお勧めします!

月経前の悩みに寄り添う会とはどのような組織なの?

江川美保先生がTwitterにて、「月経前の悩みに寄り添う会〜 PMS/PMDD/PMEのみかた〜 」を立ち上げられています。

つらい症状に困っている方は、ぜひ参照してみてください!

【半夏白朮天麻湯】の入手方法

  • 病院で処方してもらう
  • ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。

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