更年期障害や月経前症候群(PMS)は、多くの女性が経験する辛い症状です。
ホルモンバランスの乱れにより、心身に様々な不調が現れ、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
そんな悩みを和らげるためにおすすめの漢方薬が『加味逍遥散(かみしょうようさん)』です。
加味逍遥散は、ストレスやホルモンの変動によるイライラ、疲労感、不安感を緩和し、心身のバランスを整える効果があります。
特に、更年期障害やPMSに伴う症状を総合的にサポートし、女性の健康を支える頼りになる存在です。
本記事では、加味逍遥散の成分や効果、具体的な使用方法について詳しく解説していきます。
40歳を過ぎて生理周期が不規則になってきた女性におすすめの加味逍遥散は、「月経困難症」や「身体表現性障害」「抑うつ状態」などにも効果があります。
つらい症状にお悩みの方は、ぜひお読みください。
体が火照ったり、気分が変調したりと閉経前後の多くの女性が「更年期障害」に悩んでいるみたいだよね。
また、月経(生理)が始まる3~10日ほど前から身体や心にいろいろな症状が起こる「月経前症候群(PMS)」でも悩んでいる女性は多いようなんだよ。
個人差も大きいようなんですが、相当つらいようなんです。
更年期障害治療の場合、女性ホルモンを補充する治療もあるのですが、『加味逍遥散』は女性ホルモンを補充療法と併用すること可能ですし、あまり症状が強くないときは漢方薬だけで更年期障害が改善することも珍しくはありません。
「更年期障害」「月経前症候群(PMS)」「月経困難症」 などを含め、
女性の様々な症状におすすめの漢方薬が『加味逍遥散』なのです。
イライラ解消、心も体もスッキリ!PMSを漢方で軽くしよう
PMS(生理前症候群)でイライラしたり、気分が落ち込んだり、情緒が不安定になることはよくありますよね。
これって、実は「肝鬱(かんうつ)」という状態が関係しています。
肝は自律神経や感情を司る重要な役割を果たしていて、その機能が不安定になると、イライラや抑うつ、感情の波が大きくなるんです。
そんな時におすすめする漢方が『加味逍遥散(かみしょうようさん)』です。
この処方は、肝の機能を安定させて、PMSの症状を落ち着かせるのに効果的です。
特にイライラや気分の波が強い方にはぴったり。
私も患者さんにこの処方を使うことが多いですが、だいたい服用を続けていくうちに、だんだんと症状が和らいでくるんですよ。
でも、もしPMSが長期間続いて、イライラが激しくなったり、不眠や頭痛が出てきた場合は、「肝火(かんか)」という状態に変化している可能性があります。
この時、肝の気が滞って熱を持ち、暴力的なイライラや不眠、頭痛などを引き起こします。このような状態に対しては、『竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)』が効果を発揮します。
「竜胆」という生薬が肝火を冷ます作用があり、イライラや頭痛を軽減してくれるんです。
例えば、長年PMSに悩んでいる患者さんに、『竜胆瀉肝湯』を処方したところ、3回目の生理あたりから少しずつ楽になってきたという報告もあります。
特に生理前の不眠がひどかった方には、改善が見られました。
また、PMSの症状としてむくみや頭痛が気になる場合もあります。
生理前に顔や足がむくむようなら、これは「脾腎陽虚(ひじんようきょ)」という証かもしれません。
この場合、『牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)』や『苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)』が有効です。
むくみを取るために、このような漢方を取り入れると、症状が軽くなることが期待できます。
さらに、PMSの頭痛には「血瘀証(けつおしょう)」が関係していることが多いです。
割れるような痛みが特徴です。こうした症状には、『桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)』や『桃核承気湯(とうかくじょうきとう)』が効果的です。
これらの処方で血行を促進し、痛みを和らげます。
PMSは単なる生理前の不調ではなく、体内のバランスが乱れることが原因です。
漢方で体質を整えることで、症状を軽減できるので、ぜひ試してみてくださいね。
以下は、PMS(生理前症候群)の症状に対応する漢方治療の内容を表にまとめたものです。
症状 | 原因 | 証 | 漢方処方 | 効果・特徴 |
---|---|---|---|---|
イライラ、情緒不安定、抑うつ | 肝の機能不安定、ストレス | 肝鬱(かんうつ) | 加味逍遥散(かみしょうようさん) | 肝の機能を安定させ、PMSによる感情の波を和らげる |
激しいイライラ、不眠、頭痛 | 肝の気滞、熱を帯びた肝 | 肝火(かんか) | 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう) | 肝火を冷まし、イライラや頭痛、不眠を軽減 |
むくみ(顔や足のむくみ) | 脾と腎の機能低下 | 脾腎陽虚(ひじんようきょ) | 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう) | むくみを取り除き、体液バランスを整える |
割れるような頭痛 | 血行不良、血の滞り | 血瘀証(けつおしょう) | 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)桃核承気湯(とうかくじょうきとう) | 血行を促進し、頭痛を軽減 |
この表を参考に、PMSの症状に応じた漢方治療を選択することができます。各症状に最適な処方を取り入れることで、体質改善や症状軽減を目指しましょう。
更年期障害とはどのような状態なの? / エストロゲンの減少で起こる不調に、あなたにぴったりなサポート
50歳前後の年齢で閉経を迎え、この閉経の時期をはさんだ前後10年間(一般的に45〜55歳頃)を『更年期』といいます。
更年期障害とは、年齢を重ねるごとに卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することでホルモンのバランスが崩れ、心身にさまざまな不調があらわれ、生活などに支障が出ることをいいます。
「更年期障害」の解説が ”ミルメディカル 家庭の医学 動画版” にてアップされていました!
更年期障害の代表格!『ホットフラッシュ』にも加味逍遙散が効果的!
「ホットフラッシュ」とは、上半身ののぼせ・ほてり(急に顔が熱くなったり)、発汗(汗が止まらなくなったり)などが起こる、更年期障害の代表的な症状です。
「上半身だけ暑くて、顔も赤くなりのぼせてしまって…」「冬でも突然、頭と顔に大汗をかいてしまう…」など、更年期年代の女性に多い悩みです。
『加味逍遙散』を服用することで
”ホットフラッシュ” などのつらい更年期症状が改善する可能性は十分あります!
「ホットフラッシュ」に効果的なツボ!TOP3!
「ホットフラッシュ」はいつ症状が出るかわからないし、
出てしまったときに少しでも楽になる方法はないのかな?
自分でその場で道具も使わずに
セルフケアできるおすすめの方法が『ツボ押し』です!
ホットフラッシュに効果的なツボがこちらです!
- 大衝(たいしょう):
足の甲の親指と人さし指の骨が交わるところから、やや指先よりのへんでいるところ
- 神門(しんもん):
手掌側の手首のしわ上で、小指側にある腱の内側
- 三陰交(さんいんこう):
内くるぶしのいちばん高いところに小指をおき、指幅4本そろえて、人さし指があたっているところ
身体表現性障害とはどのような状態なの?
「身体表現性障害」とはストレスが原因となって身体症状にあらわれる病気です。
様々な症状があるにもかかわらず、内科等で検査しても異常なしと診断される場合等がこれに該当します。
原因がわからないため、重い病気なんじゃないかと深く悩んでしまい、いつもそのことが頭から離れず、日常生活に支障をきたしてしまいます。
【加味逍遥散】の生薬構成(ツムラ)/ 柴胡から薄荷まで、10種類の生薬が奏でる調和の力
柴胡(サイコ)、芍薬(シャクヤク)、当帰(トウキ)、茯苓(ブクリョウ)、蒼朮(ソウジュツ)、山梔子(サンシシ)、牡丹皮(ボタンピ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、薄荷(ハッカ)
【加味逍遥散】の効能効果(ツムラ)
冷え症、虚弱体質、月経不順、月経痛、更年期障害
【加味逍遥散】の特徴・説明
仕事のストレスやイライラが原因で、乾いた咳や痰が気になることってありますよね。
こうした症状は、実は「肝火犯肺(かんかはんぱい)」という状態が関係しています。
肝は精神や感情にも影響を与える臓器で、ストレスや感情の乱れが続くと、肝の気が滞り、熱を持って肺に影響を与えることがあります。
その結果、こみ上げるような咳が出て、顔が赤くなることも。
このような状態に効果的なのが『加味逍遥散(かみしょうようさん)』です。
『加味逍遥散』は、肝の機能を穏やかに整え、精神的な緊張を和らげてくれます。
また、熱を冷ます働きがあるので、イライラや顔の赤みといった「熱」の症状にもぴったりです。
ストレスが原因の咳や情緒不安定な症状を改善するために、『加味逍遥散』を試してみると、心身ともにスッキリと整うかもしれませんよ。
- 『加味逍遥散』は身体症状が多く、色々な症状が出たり、消えたりするような場合に使用されます。
- 『加味逍遥散』は女性に使用される3大漢方薬にひとつです。
『当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・加味逍遙散(かみしょうようさん)・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)』の3剤が女性に使用する3大漢方薬です。
- 『加味逍遥散』は「柴胡」を含んでおり、炎症や精神症状の改善にも適しています。
- 『加味逍遥散』は『逍遙散』に「牡丹皮、山梔子」が追加されて、駆瘀血作用と鎮静作用が強化されたと考えられています。
”加味” とは生薬を加えたという意味で、別名を『丹梔逍遙散(たんししょうようさん)』と言います。
- 『加味逍遥散』の味は表現法が難しいですが、わずかに苦いです。
「逍遥(しょうよう)」という言葉の意味は、「あちこちをぶらぶら歩くこと・散歩・そぞろ歩き」です。
『加味逍遙散』の名前の由来は、「あちこちに移り変わる症状に効果がある」ことからつけられたようです。
血の不足から気が余り、たまった気が熱に変わってさまざまな症状を引き起こしているような場合に『加味逍遥散』は用いられます。
【加味逍遥散】のエビデンス
エビデンスとは、科学的根拠、つまり実験や調査などの研究結果から導かれた「裏付け」があることを指します。
- ホットフラッシュに対する効果
- 抗不安作用
- ホルモン補充療法が無効または効果不十分な例に加味逍遥散が効果を発揮する場合がある
- 精神症状を有する閉経女性に効果が認められた
【加味逍遥散】のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。
”不安障害” には『加味逍遥散』を処方することが多いです。
男性にも使用してもよいですし、即効性も期待できます。
(引用:漢方.jp)
”更年期障害” や ”自律神経失調症” には数年単位で『加味逍遥散』を飲んでもらうつもりで処方しています。
”男性更年期障害” にも『加味逍遥散』は効果が期待できます。
(引用:漢方.jp)
更年期障害の ”ホットフラッシュ” には『加味逍遥散』がファーストチョイスですね!
体ががっちりした女性で ”胸脇苦満” が強いような場合には『柴胡加竜骨牡蛎湯』の方が良いことが多いです。
『柴胡加竜骨牡蛎湯』は ”作用が強い柴胡剤” というイメージです。
また、のぼせが強いような場合には『女神散』も使用しています。
(引用:漢方.jp)
【症例報告】ストレス(気逆)による頭痛
▶患者情報
年齢:42歳
性別:女性
体型:やせ型
主訴:頭痛
▶現病歴
患者さんは、発作的な頭痛を訴えて来院されました。西洋医学的には特に異常は認められなかったため、漢方的診察を実施しました。問診にて、患者さんは小学校6年生の娘を育てており、最近、娘が夏休みに入ったことで家にいる時間が増え、さらに受験生として塾の成績が下がり、精神的にイライラしていることが分かりました。頭痛は精神的なストレスと関連していると考え、ストレス(気逆)によるものと診断しました。
▶診断
ストレス(気逆)による頭痛
▶処方
加味逍遥散(かみしょうようさん、ツムラTJ-24)3パックを毎食前に処方しました。
▶経過
処方後、患者さんは精神的なストレスが軽減し、頭痛の発作頻度も減少しました。引き続き、漢方治療を継続し、症状の改善が見られました。
▶考察
ストレスによる気の逆流(気逆)が引き金となり、頭痛が生じることがあります。精神的な要因が強い場合、加味逍遥散が効果的に気の流れを整え、頭痛の緩和に寄与することが確認されました。この症例では、漢方薬を用いることで、患者さんの心身のバランスが改善し、症状が軽減したことが示唆されます。
27歳女性が仕事のストレスや感情の起伏で、乾いた咳が頻繁に出るようになりました。
痰が絡み、顔が赤くなるほどの激しい咳が続き、病院で検査しても原因は不明でした。
これは「肝火犯肺」という状態で、ストレスで肝の機能が滞り、熱が肺に影響を与えて咳が出る症状です。
『加味逍遥散』を服用し、3ヶ月で咳は落ち着きましたが、痰が残ったため、さらに『半夏厚朴湯』を服用。
その後、咳も痰もなくなり、症状が改善しました。
【加味逍遥散】の注意点
- むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
- 「山梔子」を含んだ漢方薬を長期服用(5年以上)することで、稀に「腸間膜静脈硬化症」をおこす可能性があると指摘されています。
服用中に腹痛・便秘・下痢がひどくなってきたら注意が必要です。
腸間膜静脈硬化症は、大腸の壁から腸間膜の静脈にかけて石灰が沈着し、大腸の静脈の流れが悪
くなる病気で、静脈硬化性大腸炎とも呼ばれています。
【加味逍遥散】の入手方法 / 通販で買える!楽天とAmazonのおすすめ商品一覧
ストレスやイライラでお悩みのあなたにぴったりなのが、『加味逍遥散』です。
この漢方薬は、精神的な緊張を和らげ、穏やかに心を落ち着かせる働きがあります。
肝の機能を整え、ストレスが引き起こす不調にアプローチ。
さらに、顔が赤くなるような「熱」の症状を冷ます効果もあるので、イライラや精神的な不安定さに悩む方に最適です。
日々の忙しさに負けず、心も体もリフレッシュしたい方は、ぜひお試しください。
『加味逍遥散』で、穏やかな毎日を取り戻しましょう。
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
自分の体質、知っていますか?漢方的視点で不調を徹底分析!
なんだか疲れやすい、肌の調子が悪い…その不調、実は体質が原因かもしれません!
東洋医学や中医学では、不調の原因を体質のバランスの乱れと考え、漢方体質診断や気血水診断を通じて自分の状態を知ることが大切なんです。
気・血・水や五行バランスを整えることで、未病ケアに繋がり、健康体質へと導けます。
さらに、漢方薬や薬膳生活を取り入れると効果的!
まずは簡単な体質チェックをして、自分の体の声を聞いてみましょう。
日々のちょっとした不調が気にならなくなると、生活がグッと楽になりますよ。
さあ、今すぐチェックを始めて、体質改善の第一歩を踏み出しましょう!
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「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。
代表の河邊甲介は、漢方医学、薬膳、そして腸活を組み合わせた独自のアプローチで、個々の健康に寄り添います。
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