分泌物が少なく乾燥傾向の慢性湿疹におすすめの漢方薬が『当帰飲子(とうきいんし)』です。
虚弱体質で冷え性傾向の高齢者に使用することが多い漢方薬です。
『当帰飲子』は ”老人性乾皮症” にも効果が期待できる漢方薬です。

冬場には乾燥性の肌の痒みは多くなるよね。


特に、高齢になってくると皮脂の分泌量などが少なくなってくるので、角層内に水分がしっかりと保持されにくくなってきます。
そうなると、皮膚にあるセンサーが外部からの刺激を受けやすくなって痒みがでてくるのです。


今回は乾燥肌による痒みにおすすめの漢方薬である『当帰飲子』について解説してみます!
老人性乾皮症とはどのような状態なの?
老人性乾皮症とは、加齢に伴い皮脂や汗の分泌が減少、皮膚の角層の水分保持機能が低下することにより、皮膚が乾燥した状態です。
皮膚に浅い亀裂や白いふけのような鱗屑が生じ、掻痒(そうよう:かゆみ)を伴います。
(引用文献:公益財団法人長寿科学振興財団 )

乾燥肌について分かりやすく解説してくれている動画がありましたので紹介しますね!
老人性乾皮症には保湿剤がおすすめ!
乾皮症の予防・治療には「保湿剤」といわれる外用剤がおすすめです。
保湿剤は皮膚の水分が逃げないように皮膚表面をコーティングしたり、皮膚に水分を与えることができます。
【当帰飲子】の生薬構成(ツムラ)
当帰(トウキ)、芍薬(シャクヤク)、川芎(センキュウ)、蒺藜子(シツリシ)、防風(ボウフウ)、地黄(ジオウ)、荊芥(ケイガイ)、黄耆(オウギ)、何首烏(カシュウ)、甘草(カンゾウ)
【当帰飲子】の効能効果(ツムラ)
冷え症のものの次の諸症:慢性湿疹(分泌物の少ないもの)、かゆみ
【当帰飲子】の特徴・説明
- 慢性湿疹に使用される漢方薬です。古典的には「血燥」といわれる状態に用いるとよいとされています。血燥とは、貧血や抹消循環障害のために皮膚・粘膜が乾燥したイメージです。
- 「荊芥」はアクアポリン(AQP3)に作用して皮膚の乾燥を調節します。
- 虚弱体質で冷え性傾向の高齢者に使用することが多い漢方薬です。
- 構成生薬には『四物湯』が含まれているため、”血虚” の存在が使用目的とされています。
- 「○○飲子」とは、元来、煎じる剤型のことを示しています。
- 味は表現法が難しいですが、わずかに甘いです。
【当帰飲子】の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
【当帰飲子】の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
漢方薬のメーカーは「ツムラ」「クラシエ」が2大メーカーです。そのほか、「三和」「コタロー」などあります。どこのメーカーが優れているかは自分は正直わかりません。
同じ方剤名でもその中に含まれる生薬は植物などが原料になっているので、生産地・生産時期・天候などで変わります。ただ、しっかりと厳しい基準をクリアしたものですので心配はありません。
ちなみに、「ツムラ」さんの粉末は、粒子が大きいですがお湯に溶かすときれいに完全に溶けてしまいます。
「クラシエ」さんの粉末は、粒子が細かいですが、お湯に完全には溶けず、粒子が沈殿した感じになります。
実際に飲み比べて、お好みのメーカーを選んでいただければ良いと思います。
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