”痰湿(たんしつ)” の漢方的養生法!【体質別養生法】

”痰湿(たんしつ)” の漢方的養生法!【体質別養生法】
のんびり太郎
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漢方的には体質は8つに分することが出来ます!

体質ごとに養生法は異なります。

それぞれの体質(タイプ)別に解説していきます。

”痰湿” とはどのような状態なの?

痰湿たんしつ」とは、水分代謝がうまくいかず、余分な水分や脂肪が溜まっている状態です。

体が余分なものを外に排泄しようと、吹き出物や痰、軟便や下痢、水っぽいオリモノなどが現れます。

中医学では ”たん” とは、津液と呼ばれる体に必要な潤い成分が、からだを上手く巡らず変化したネバネバ・ドロドロした粘稠なもので器官や組織内に停滞した状態を痰湿体質と言います。

”痰湿” の主な症状とは?

中医学では湿(しつ)とは次のようなものを意味を示します。

  • 身体にある余分な水分であり、むくみなどの原因となります。
  • 湿が関節に溜まると関節が腫れ、痛みが出ます。
  • 湿がお腹に溜まると食欲不振・吐き気や下痢などの原因となります。
  • 湿が頭部に溜まると頭痛や頭重などの原因となります。
  • めまいがする:内耳にも余分な水がたまりやすく、それが原因でめまいを起こしやすくなると漢方では言われています。
のんびり太郎
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湿が身体に溜まると ”重い・重だるい” という症状が現れてきます。

頭痛も起こりやすく、その特徴は “頭の上に重いものがのしかかっているような頭重感”、“きつい帽子をかぶって締め付けられるような頭帽感” として表現されます。

雨や台風など低気圧が使づいてくると頭痛が悪化しやすいのも痰湿の頭痛の特徴です。

”痰湿タイプ” におすすめの養生法とは?

一度にたくさんの水を飲まないようにする

痰湿とは余分な水が身体に溜まっている状態です。

さらに痰湿では水の巡りも悪くなっているため、身体にたまっている水分を上手に循環させて排泄するということができません。

身体に入ってくる水を制限することが先決です。

水分補給は適度に行いましょう。

一度にたくさん飲むのではなく、少量を小まめに飲むと良いでしょう。

果物・生野菜は控えめに!

サラダ

果物・生野菜は身体を冷やしてしまうために、水の巡りが悪くなってしまいます。

水の巡りの悪化は、痰湿に直結してしまうため注意が必要です。

そのほか、ビール、冷たい牛乳、冷たい緑茶、アイスクリームなどは身体を冷やす代表格です。

陽気な心で熱を増やす

溜め込んだものを発散させるポイントは「熱」と「動き」なのです。

明るい気持ちで生活することで、気の巡りが良くなり、水の巡りが改善します。

けつすいを運んでくれる働きがあると漢方では考えられています。

軽い運動で心地よい汗をかく

溜め込んだものを発散させるポイントは「熱」と「動き」なのです。

身体を動かして身体に溜まった水分を追い出しましょう!

サウナも汗をかくという結果は同じなのですが、強烈な温度と湿度によって、漢方では体表部分を守ってくれている ”肺” に大きな負担をかけると考えるために、痰湿によってすでに大きな負担がかかっている状態では弱り目に祟り目になってしまいます。

”痰湿タイプ” におすすめの食材とは?

のんびり太郎
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痰湿タイプには水を減らし、水の巡りを良くする食材がおすすめです!

豆類

【黒豆(くろまめ)】滋養強壮、目の疲れに!

小豆・黒豆・緑豆・エンドウ豆などの豆類は水の巡りをサポートする食べものだと言われています。

豆類の水溶性成分に水の巡りを良くする有効成分が含まれていると考えられています。

そこでおすすめなのが “お茶” なのです。

トウモロコシのひげ(南蛮毛なんばんげ)を煎じたお茶も水の巡りをサポートする働きがあると漢方では言われています。

川魚

鮎・鯉・鮒・なまずなどの川魚も水の巡りをサポートする食べものだと言われています。

大麦・玄米・米ぬか・はとむぎなどの雑穀

【はと麦(はとむぎ/よくいにん)】イボや肌荒れなどのお肌のトラブルに!

はと麦茶には利水・利尿作用があり、むくみを改善することがよく知られています。

そこでおすすめのメニューは、「はと麦玄米ご飯」です。

玄米2合半に、はと麦半合をともに水で炊き、薬味をさっくりと混ぜ込めば出来上がりです。

”痰湿タイプ” におすすめの漢方薬

のんびり太郎
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身体のどこの部分の「湿」を解消するかで分類してあります!

胃腸

五苓散(ごれいさん)

象病・めまいにおすすめの漢方薬が五苓散ごれいさんです。

水分の調節を得意とする漢方薬です。

漢方的には『利水りすい作用』と言います。

五苓散は、水分が足りないときは水分を逃がさないようにし、水分が余っているときは水分を排出するというとても便利な漢方薬です。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

足腰が冷える、生理不順がつらいなど様々な婦人科系疾患におすすめの漢方薬が当帰芍薬散とうきしゃくやくさんです。

『当帰芍薬散』は、全身に大切な栄養素を与えてくれて、血行を良くする作用が認められている漢方薬です。

血行を良くするのと同時に、水分代謝を整えることで余分な水分をカラダからとり除いて、足腰の冷え症や生理不順を改善します。

五積散(ごしゃくさん)

クーラーのかけ過ぎや寒冷など、生活や職場の環境または気象の変化によって、体が冷えて神経痛・関節痛などの痛みが出たり、体の冷え、肩こり、疲労感、便秘、腰痛、手足のむくみ、肌あれ、睡眠不足、生理痛、月経不順、頭痛、めまい、のぼせ、だるさなど自律神経失調症におすすめの漢方薬が五積散ごしゃくさんです。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

膝の痛みのファーストチョイスとなる漢方薬が防已黄耆湯ぼういおうぎとうです。

水分代謝に働きかけてむくみを取る漢方薬です。

のんびり太郎
のんびり太郎

水太りタイプの「痩せ薬」として名前を知っている方も多い漢方薬です。

水の巡りを良くする作用がある方剤ですね!

肥満症・関節疾患・多汗症などにも用いられます。

「気」「熱」を増やす作用はないため、腎陽虚の場合は効果が薄いことが多いです。

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