”瘀血” の漢方的養生法!【体質別養生法】

”瘀血” の漢方的養生法!【体質別養生法】
のんびり太郎
のんびり太郎

漢方的には体質は8つに分することが出来ます!

体質ごとに養生法は異なります。

それぞれの体質(タイプ)別に解説していきます。

”瘀血(おけつ)” とはどのような状態なの?

”瘀血(おけつ)” とは血の巡りが悪くなっている状態です。

”瘀血(おけつ)” の治療は ”活血かっけつ” が基本となります。

漢方では、けつはカラダを作るための原料になると考えられていて、血液だけでなく、皮膚や髪の毛、爪、筋肉、骨、臓器、さらにはホルモンに至るまでカラダのあらゆる物質はけつによって修復・増強され健康な状態に保たれているとされています。

またけつは、全身に栄養を届けると同時に、カラダの不要なものを回収する役割も果たしています。

けつが正常に全身を巡ることで、カラダの栄養状態は保たれ、同時に浄化もスムーズに行うことができるのです。

瘀血おけつになると血の巡りが悪くなりカラダのあちこちで滞るため、さまざまなトラブルが起こりやすくなります。

瘀血が原因のひとつである生理痛を西洋薬の鎮痛剤だけでごまかしていると、子宮筋腫・子宮内膜症・不妊症などの女性の病気になりやすいと中医学では考えます。

中医学では、がんは瘀血が原因で起こると考えます。

がんのことを中医学では ”血瘀(けつお)” と言います。

”瘀血(おけつ)” の主な症状とは?

  • 脳の血管障害
    血の巡りが悪くなることで、血栓が出来やすくなり、脳梗塞などの脳血管障害があらわれてきます。

  • 子宮に関する疾患
    生理の経血が暗赤色になったり、経血に塊が混ざるなどの変化が見られるようになります。放っておくと生理痛がひどくなる・生理が遅れる・無月経などの生理トラブルになってきます。
    さらに血の巡りが悪くなることで、子宮筋腫・子宮内膜症・不妊症などがあらわれてきます。

  • 神経痛
    チクチク刺すような痛み(刺痛)が起こり、痛む部分に触れると痛みが強くなるのが瘀血おけつの特徴です。

  • 目の下のクマ・顔のくすみ・シミ、そばかす
    瘀血おけつになり血流が滞ると、肌細胞に十分な栄養が届きにくくなるために、正常なお肌のターンオーバーが妨げられ、メラニンなど老廃物の除去も滞りやすくなると漢方では考えています。
    そのため、シミやそばかす、さらにはクマやくすみもできやすくなると言われています。

  • ニキビ、イボなどの肌荒れ
    瘀血おけつによって肌のターンオーバーが乱れることで、肌に老廃物が停滞しやすくなり、脂性肌になりやすいと言われています。
    同時に、ニキビやイボなどの吹き出物や、皮膚が厚くなる角化症などの肌トラブルを引き起こしやすくなると漢方では考えられています。

”瘀血(おけつ)タイプ” におすすめの養生法とは?

カラダを冷やさない!お風呂などでカラダを温めて血の巡りを改善

カラダが冷えると血の巡りが悪くなり瘀血おけつになりやすくなります。

3首(首・手首・足首)を外気に直接当たらないようにして日頃からカラダを冷やさないように心掛けましょう。

また、お風呂につかり、カラダを温めることでけつの巡りをアシストしましょう。

食事の面では、生もの(生野菜・お刺身など)はカラダを冷やすと薬膳では考えますので摂り過ぎには注意が必要です。

飲み物も常温以上のものを飲むようにしましょう!

軽い運動やストレッチで血流を改善

意識的にからだを動かしましょう。

筋肉は動かすことで血液の流れを助けるポンプのような役割を果たしてくれます。

特にふくらはぎの筋肉は “第二の心臓” と言われるほど、血流には欠かせない存在です。

つま先立ちを繰り返すことで血液の巡りが改善します。

ストレッチやヨガ、ウォーキングなど、あなたのライフスタイルに合わせて無理のない範囲で続けてみましょう。

脂っこい食事を控える

薬膳の考え方では、揚げ物は ”瘀血(おけつ)” を引き起こす原因のひとつであると考えられています。

お肉中心の食事、バターやラードなど脂肪の多い食品(飽和脂肪酸)の摂りすぎは血流を妨げる原因になります。

のんびり太郎
のんびり太郎

血液中のオメガ3(EPA):オメガ6(アラキドン酸)のバランスが、1:2くらいまでは心臓病での死亡リスクが低く抑えられていますが、それを超えてオメガ6の方が多くなると、急激に死亡リスクが高まることが示唆されています。

(※大規模疫学調査が長年続けられている福岡県・久山町の研究)

ハルくん
ハルくん

麻布大学の守口徹教授によれば、現代日本人のオメガ3:オメガ6のバランスは、1:10にもなっているようです。

かなり、オメガ6の摂取量が多いね!

のんびり太郎
のんびり太郎

過剰なオメガ6は、白血球を暴走させ、さらには病原菌のような外敵ではなく、血管など自分の細胞も攻撃してしまうようです。

その結果、脳梗塞・心筋梗塞などの血栓症やアトピーなどを惹起させてしまいます。

”瘀血(おけつ)タイプ” におすすめの食材とは?

のんびり太郎
のんびり太郎

瘀血(おけつ)タイプの方には、温かい性質(温性)を持つ食材が適しています。

玉ねぎ、にんにく、みょうが、ウコンなどのスパイス、里芋・レンコン・ごぼうなどの根菜類、はまぐりなどがおすすめです。

また、血液循環を促進する食品や、体を温める効果がある飲み物も積極的に摂り入れることがお勧めです。

玉ねぎ、エシャロット、紫蘇、柑橘類

玉ねぎ

薬膳では玉ねぎ、エシャロット、紫蘇、柑橘類などの香りのある食材には、気や血の巡りをサポートする働きがあると言われています。

栄養学的にも玉ねぎを切ると目に染みる辛味成分は硫化アリル(アリシン)と呼ばれ、血液をサラサラにする効果があることも認められています。

イワシ・サバなどの青魚

いわし

薬膳ではイワシ、サバ、サンマなど青魚はけつの巡りをサポートすると言われています。

栄養学的には、青魚に含まれるEPAやDHAなどのオメガ3不飽和脂肪酸には悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、血流をサポートする働きが認められています。

紅麹、酒粕、甘酒

甘酒

紅麹や酒粕、甘酒などには血の巡りをサポートする働きがあると言われています。

特に紅麹は薬膳でもよく使われている食材です。

”飲む点滴” とも呼ばれる甘酒は、脾胃ひいをいたわって元気のもとである ” をつくり、血の巡りを改善する効果があります。

のんびり太郎
のんびり太郎

甘酒は江戸時代より夏バテ予防として飲まれていたようです。

疲れて気力も体力も出ない、という時におすすめです。

サフラン、紅花

サフランライスで有名なサフランや紅花にはけつの巡りをサポートする働きがあると漢方では言われていています。

紅花こうかは活血化瘀類に分類され、漢方薬の構成生薬としても使用されています。

”瘀血(おけつ)タイプ” におすすめの漢方薬

のんびり太郎
のんびり太郎

「瘀血(おけつ)タイプ」には、漢方薬が有益です。

このタイプは血が停滞しやすく、その解消には特定の漢方薬が効果的です。

例えば、「当帰」や「川芎」などの血行促進作用がある漢方薬は、瘀血の改善に寄与します。

「桃仁」や「紅花」も瘀血を緩和し、血液の流れをスムーズにする効果が期待されます。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

女性の3大漢方薬の一つであり、更年期障害におすすめの漢方薬が桂枝茯苓丸けいしぶくりょうがんです。

手足の冷え、のぼせなどを感じる方の生理痛、月経不順、月経異常などを改善します。

いわゆる女性の「血の道症」といわれる月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を改善します。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

普通の便秘薬では効果がない頑固なつらい便秘におすすめの漢方薬が桃核承気湯とうかくじょうきとうです。

月経不順や月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安のほか、腰痛、痔、打撲などけつの巡りが悪くなっている時に用いられます。

また、高血圧の随伴症状の頭痛・肩こり・めまいの改善にも用いられます。

血府逐瘀湯(けっぷちくおとう)

血府けっぷとは血脈(心臓を含めた血液循環系)のことを指します。

血府逐瘀湯けっぷちくおとう』は、血脈における血瘀けつおを治療する処方の代表格です。

血管の微小循環障害や、精神的ストレス、寒冷刺激、津液の停滞、生理機能の低下などにより、この証になると考えられています。

疾患や体調不良が慢性化、長期化してこの証になることも多いです。

血瘀の特徴のひとつとして、頑固な固定性の鈍痛、あるいは針で刺されたような痛み(刺痛)があります。

痛みの日内リズムとして、日中よりも夜間に痛みが増す場合が多いのも特徴の一つです。

疎経活血湯(そけいかっけつとう)

特に下半身の痛み(腰痛・坐骨神経痛など)におすすめの漢方薬が疎経活血湯そけいかっけつとうです。

筋肉痛・関節痛・神経痛など全身の痛みやしびれなどにも使用されることもあります。

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