普通の便秘薬では効果がない頑固なつらい便秘におすすめの漢方薬が『桃核承気湯(とうかくじょうきとう)』です。
月経不順や月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安のほか、腰痛、痔、打撲などに用いられます。
高血圧の随伴症状の頭痛・肩こり・めまいの改善にも用いられます。
桃核承気湯は「熱・実証」向けの方剤であり、体力の充実している方に適しています。
冷えが強い「寒証」や体の虚弱な「虚証」の方は控えるべきです。
また、胃腸が弱く、食欲不振や吐き気、嘔吐、下痢などが起こりやすい場合は慎重に使用する必要があります。
特に軟便や下痢が続いている場合は、使用を控えることが望ましいでしょう。
桃核承気湯は駆瘀血薬としての効果があり、「承気湯類」にも分類されます。
主に食欲はあるが排便がスムーズでない方に使用されます。
これらの情報を踏まえて、安全に利用するためには医師や薬剤師との相談が重要です。

女性は、便秘で悩まされていることが多いよね。


女性は、ホルモンバランスで便秘しやすくなるようですね。
排卵後や妊娠中に増加する「黄体ホルモン」「プロゲステロン」は身体に水を貯める作用があり、腸内の水分が不足し便秘の傾向になるといわれています。
痔核とはどんな状態なの?

いぼ痔(痔核)は、その名のとおり、肛門にいぼ状のはれものができる状態です。
歯状線をはさんで肛門の内側にできるものを「内痔核(ないじかく)」、外側にできるものを「外痔核(がいじかく)」と呼びます。
主に排便時のいきみや便秘などによって、肛門部に負荷がかかることで直腸肛門部の血液循環が悪くなり毛細血管の集まっている静脈叢(じょうみゃくそう)がうっ血して、はれ上がることで起こります。
同じ「いぼ痔(痔核)」ですが、できる場所に違いがあるため、その症状は異なります。

痔におすすめのお薬に『ボラギノール?』があります。
お薬の特徴として、4種の有効成分が痔による痛み・出血・はれ・かゆみにすぐれた効果を発揮します。
- 炎症をしずめる プレドニゾロン酢酸エステル(ステロイド剤)
- 痛みやかゆみをしずめる リドカイン(局所麻酔剤)
- 傷の治りをたすける アラントイン
- うっ血の改善をたすける ビタミンE酢酸エステル(トコフェロール酢酸エステル)
【桃核承気湯】の生薬構成(ツムラ)
桃仁(トウニン)、桂皮(ケイヒ)、大黄(ダイオウ)、芒硝(ボウショウ)、甘草(カンゾウ)
【桃核承気湯】の効能効果(ツムラ)
月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)、痔疾、打撲症
【桃核承気湯】の特徴・説明
- 『桃核承気湯』は漢方的には「於血」「気逆」「小腹急結」が使用の目安となります。

「於血」とは、血行障害やうっ血など、血液の巡りが悪くなった状態
「気逆」とはイライラしているような状態
「小腹急結 (しょうふくきゅうけつ)」とは、 下腹部(特に左下腹部)に抵抗感があり、硬結や痛みも伴う瘀血の腹証のことです。
- 『桃核承気湯』は便秘に使用する漢方薬の中で一番強い下剤作用を示すといわれています。
体質的には ”実証” といわれるがっちり型のひとに使用されることが多い漢方薬です。
- 『桃核承気湯』の味は表現法が難しいですが、わずかに甘く特異です。
婦人科疾患に用いられる漢方処方には、月経不順や月経困難症、月経前症候群(PMS)、更年期障害などがあります。
中でも、「駆瘀血薬」として知られる処方は、血流の滞り(瘀血)を改善する作用があります。
漢方医学では、「瘀血」は病気の原因とされ、現代医学的にはうっ血や微小管循環障害などと解釈されます。
これらの処方は、気の巡りを改善する『加味逍遙散』や水の巡りを改善して冷えを取る『当帰芍薬散』とは異なります。
婦人科疾患に悩む方にとって、駆瘀血薬は重要な治療法の一つとなりますが、適切な使用法や副作用については医師の指示に従うことが重要です。
妊娠中に好ましくない漢方薬・生薬とは

「妊娠中に好ましくない漢方薬・生薬」とは、妊娠期間中に避けるべき漢方薬や生薬のことを指します。
妊娠中は胎児の健康を守るために慎重な医薬品の選択が必要であり、特に漢方薬や生薬の使用には注意が必要です。
例えば、強い下剤や活血薬は血流を過度に刺激する可能性があり、流産の危険性が高まる恐れがあります。
また、体を温める薬も避けた方が良い場合もあります。
このような要因から、妊娠中は特に漢方薬や生薬の選択には医師の指導を受けることが重要です。
分類 | 妊娠中に避けるべき漢方薬 |
---|---|
強い下剤 | 芒硝、番瀉葉、甘逐、巴豆、牽牛子 |
活血薬 | 三稜、莪朮、桃仁、紅花、牛膝、水蛭 |
体を温める薬 | 附子、烏頭、肉桂 |
分類 | 妊娠中に避けるべき漢方エキス剤 |
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実証の薬 | 大柴胡湯、防風通聖散、三黄瀉心湯 |
活血薬 | 桂枝茯苓丸、大黄牡丹皮湯、桃核承気湯、通導散 |
下剤 | 調胃承気湯、大黄甘草湯、麻子仁丸、大承気湯 |
【桃核承気湯】のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。

術後の腸管麻痺性イレウスの予防に大建中湯を処方しても、イレウスを起こしてしまう患者がいます。
そういう患者を診察すると、熱っぽい感じが見られます。
大建中湯は本来、冷えに伴う腹痛や膨満感を温めて治す漢方薬であり、別の病態の患者に使用していたわけです。
こういう患者の場合は、『大建中湯』でなく熱を冷ます『桃核承気湯』が適していたりするわけです。
(引用:千葉中央メディカルセンター和漢診療科部長 地野充時Dr)

『桂枝茯苓丸』が良く効く人で、便秘傾向が強い場合は『桃核承気湯』もおすすめです!





【桃核承気湯】の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
【桃核承気湯】の入手方法 / 通販で買える!楽天とAmazonのおすすめ商品一覧
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。


「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。
代表の河邊甲介は、漢方医学、薬膳、そして腸活を組み合わせた独自のアプローチで、個々の健康に寄り添います。
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