体力が低下していて、疲労倦怠感が強い時におすすめの漢方薬が『黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)』です。
アトピーなどの皮膚症状改善や、虚弱体質の体質改善に使用されます。
子どもの「アトピー性皮膚炎」の体質改善を目標に使用する漢方薬には、『桂枝加黄耆湯』または『黄耆建中湯』がよく使われます。
- 『桂枝加黄耆湯』:
上半身によく汗をかくような場合で、胸から上、頸部顔面に症状がある場合を目標に使用し、発表剤として急性初期の皮疹にも使用します。
(※発表剤:体にこもった悪いものを体表から発散させようとする薬方薬) - 『黄耆建中湯』:
消化機能を改善して、気を補い、発汗異常を改善し浮腫をとり創傷治癒促進作用を期待して使用します。
アトピー性皮膚炎とはどのような状態なの?
アトピー性皮膚炎とは、かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。
アトピー性皮膚炎では、皮膚の “バリア機能”(外界のさまざまな刺激、乾燥などから体の内部を保護する機能)が低下していることが分かっています。
そのため、外から抗原や刺激が入りやすくなっており、これらが免疫細胞と結びつき、アレルギー性の炎症を引き起こします。
また、かゆみを感じる神経が皮膚の表面まで伸びてきて、かゆみを感じやすい状態となっており、掻くことによりさらにバリア機能が低下するという悪循環に陥ってしまいます。
(引用:国立成育医療研究センター)
アトピー性皮膚炎を悪化させる原因にはどのようなものがあるの?
以前は、食物アレルギーがある子がアトピー性皮膚炎を発症すると考えられていました。
しかし最新の研究によって、”湿疹がありバリア機能が低下している皮膚から食物が入り込むことによって、食物アレルギーが発症する”という仕組みが分かってきました。
つまり、生後早期からの保湿を含むスキンケアなどをきちんと行うことで、その後の食物アレルギーなどの『アレルギーマーチ』の予防においても大切な要素であると考えられています。
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『アレルギーマーチ』 ってなに?
アレルギー・マーチとは、アレルギー反応が年齢と共に次から次へと発症してくるようすを例えた言葉のことです。
幼児期の食物アレルギーから始まり、その後のアトピー性皮膚炎、空気中のアレルゲンに対する気管支喘息を発症する連鎖のことを指します。
アトピー性皮膚炎の検査にはどのようなものがあるの?
アトピー性皮膚炎に特有の血液検査として、「TARC」という皮膚の細胞から作られる物質の量を検査するものがあります。
これは、湿疹が悪化すると高くなり、良くなると低くなるという特徴があり、アトピー性皮膚炎の状態を表す指標として用いられます。
また、「特異的IgE抗体」検査を行うことにより、ダニやカビ、ペットなど、以下の悪化要因がどのように関わっているかを検討します。
(引用:国立成育医療研究センター)
黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)の生薬構成(ツムラ)
芍薬(シャクヤク)、 黄耆(オウギ)、 桂皮(ケイヒ)、 大棗(タイソウ)、 甘草(カンゾウ)、 生姜(ショウキョウ)、膠飴(コウイ)
黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)の効能効果(ツムラ)
虚弱体質、病後の衰弱、ねあせ
黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)の特徴・説明
- 『黄耆建中湯』は汗をかきやすかったり(自汗)、寝汗をかきやすい(盗汗)ようなやせ型の体質の人に使用されます。
- 『黄耆建中湯』はアトピー性皮膚炎や湿疹などの皮膚症状に使用されます。
- 『黄耆建中湯』の味は表現法が難しいですが、苦くて甘いです。
黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、とは経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。
痔の手術の際に『黄耆建中湯』を服用してもらうと傷の治りがすごくいいですね!
(引用:漢方.jp)
『黄耆建中湯』は中医学的には ”気・脾虚の腹痛” に使用する漢方薬です。
『黄耆建中湯』でお腹を丈夫にすることで、体質的に虚弱なこどもが風邪などの感染症にかかりにくくなります。
現在流行しているコロナやインフルエンザなどにもかかりにくくなり、もし感染したとしても重症化しにくくなると考えられます。
(引用:がんじゅうふぁみりー)
虚弱体質のこども(大人も含む)の食事のポイントは次の通りです。
ちなみに ”ひ弱い” というのは ”脾(お腹)が弱い” という意味なのです!
- ご飯の時間ではなくお腹が空いてから食事をすると良い
- 朝食は温かいお粥を食べると良い(ナツメやショウガなどを入れると良い)
- 牛乳などの乳製品や小麦粉を使っている製品は避ける
(五白の害:白米・白砂糖・小麦粉・牛乳・食塩は体に良くないと言われている)
- 乳酸菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖を食べると良い
- 生の食材や発酵食品を積極的に食べると良い
- 欧米食は避け、和食中心にすると良い
(引用:がんじゅうふぁみりー)
黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。
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