体質的に虚弱体質の風邪のひき初めにおすすめの漢方薬が『桂枝湯(けいしとう)』です。
体力がない、胃腸が弱い、日頃から疲れやすくかぜをひきやすいなどが使用の目安になります。
また、風邪に使用される漢方薬は多岐にわたり、体質・ひき初め・ひき終わりなど経過によっても様々です。

『桂枝湯』は、汗が自然に出てきて寒気がして微熱があるような場合が使用の目安になります。

風邪とはどのような状態なの?
主にウイルスが原因で起こる鼻・のどの急性の感染症を「風邪」と呼びます。風邪の原因は、ほとんどがウイルスによるものです。
風邪のほとんどの原因である「ウイルス」に対して抗生物質は効きません。
抗生物質が効果があるのは「細菌」であり、「ウイルス」と「細菌」は全く別のものなのです。
実際、「抗生物質を飲めば風邪が早く治る!」という確かなデータは世界中どこにもありません。

抗生物質の乱用による「薬剤耐性菌」の出現が世界的な問題になっています。
桂枝湯(けいしとう)の生薬構成(ツムラ)
桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)
桂枝湯(けいしとう)の効能効果(ツムラ)
体力が衰えたときの風邪の初期

上から実証(体が丈夫)⇒中間⇒虚証(虚弱体質)の順で使用される漢方薬になります。
桂枝湯(けいしとう)の特徴・説明
- 風邪のひき初めで、寒気・頭痛・咽頭痛などの症状がある場合に使用されます。体質的に虚弱なひとが目安となります。
- 『桂枝湯』は、漢方医学の「三大古典」の一つである『傷寒論』に最初に登場する方剤であり、多数の漢方薬の始まり、原点という意味で「衆方の祖」「経方の権興」と呼ばれます。
- 味は表現法が難しいですが、辛くて甘いです。
桂枝湯(けいしとう)のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、とは経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。

高熱が出て『麻黄湯』などの麻黄剤を使用し、一旦解熱したものの再度微熱が出てきたような場合には『麻黄湯』を再開するのではなく、『桂枝湯』を服用した方が良い場合が多いですね。
その理由は、何度も発汗を促すと体力を大いに消失してしまうからです。
(引用:漢方.jp)

中医学では風邪のタイプを大まかに次の2つに分類します。
- 風寒感冒:寒気があり、ゾクゾクとするような風邪症状。悪寒・厚着をしたくなる・温かい飲食物を摂りたくなる・痰や鼻水が透明でサラサラ・汗をかいていない(汗をかいても僅か)・喉は乾かない
- 風熱感冒:熱感があって火照っている様な風邪症状。熱感やほてり感がある・薄着になりたくなる・冷たい飲食物を摂りたくなる・痰や鼻水が黄色っぽく、ネバネバ・汗をかいている・喉が渇く・喉が痛い

風邪の時の漢方薬の使い分けは次の通りです。
- 悪寒があり、汗をかいていない時⇒『葛根湯』※汗をかかせるのが目的で「桂皮(桂枝)+麻黄」を含む「桂麻剤」には強い発汗作用があります。
- 悪風があり、ジトっと汗をかいている時⇒『桂枝湯』
(引用:がんじゅうふぁみりー)

悪寒と悪風の違いとは?
- 悪寒:寒気のため、厚着や布団にもぐっても寒気が取れない状態。汗はかかない(無汗)。
- 悪風:寒気のため、厚着をすると寒気がとれる状態。汗はジトっとかく(自汗)。
桂枝湯(けいしとう)の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
桂枝湯(けいしとう)の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
漢方薬のメーカーは「ツムラ」「クラシエ」が2大メーカーです。そのほか、「三和」「コタロー」などあります。どこのメーカーが優れているかは自分は正直わかりません。
同じ方剤名でもその中に含まれる生薬は植物などが原料になっているので、生産地・生産時期・天候などで変わります。ただ、しっかりと厳しい基準をクリアしたものですのでどのメーカーを選んでも心配はありません。
ちなみに、「ツムラ」さんの粉末は、粒子が大きいですがお湯に溶かすときれいに完全に溶けてしまいます。
「クラシエ」さんの粉末は、粒子が細かいですが、お湯に完全には溶けず、粒子が沈殿した感じになります。
実際に飲み比べて、お好みのメーカーを選んでいただければ良いと思います。
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