- 疲れやすく、季節の変わり目に体調を崩しやすい
- 1年に何度も風邪をひく
- 食が細くて、体力が無い
- 気力が湧かない
上記の症状が当てはまる ”基礎体力が低下したようなとき” におすすめの漢方薬が『補中益気湯(ほちゅうえっきとう)』です。
疲れが溜まっている様な時は風邪など体調を壊しやすいと思うけど、
”新型コロナなどの感染症が蔓延しているような時” に飲んでおくと良い、
おすすめの漢方薬はあるのかな?
気力・体力を回復し、免疫力を高める作用が認められている漢方薬(補剤)はいくつかあるのですが、その中でもおすすめな漢方薬が『補中益気湯』です。
そうなんだ~。
『補中益気湯』は免疫力をアップしてくれるんだね!
『補中益気湯』のインフルエンザ感染症に対しての研究結果が発表されていて、すでにインフルエンザには予防効果があることが認められています。
ということは、新型コロナに対する感染予防効果も十分期待できそうですよね!
『補中益気湯』は簡単に説明すると ”気力・体力ともに元気にさせてくれる漢方薬” です。
気力・体力を向上させ免疫力を高めることで、『補中益気湯』は新型コロナ感染症の予防効果が期待できる薬の候補として日本感染症学会からも発表されています。
【補中益気湯】の生薬構成(ツムラ)
人参(ニンジン)、蒼朮(ソウジュツ)、黄耆(オウギ)、当帰(トウキ)、陳皮(チンピ)、大棗(タイソウ)、柴胡(サイコ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、升麻(ショウマ)
【補中益気湯】の効能効果(ツムラ)
体力虚弱で、元気がなく、胃腸のはたらきが衰えて、疲れやすいものの次の諸症:虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒
”免疫アップ”、”アンチエイジング” など「補剤」には様々な可能性が秘められています!
補剤とは胃腸の働きを良くし、滋養強壮して自然治癒力を高める漢方薬です。
体力や気力などの生体のもつエネルギーを向上させる働きがあります。
『補中益気湯』が自律神経機能を調節してくれることが論文に発表されました!
日本東洋医学雑誌において『六君子湯・補中益気湯の副腎皮質機能・自律神経機能に及ぼす影響の検討(岡孝和・小宮山博朗・中川哲也・松浦達雄・岡佳恵)』というタイトルで、『六君子湯』および『補中益気湯』の血清コルチゾル値および心電図R-R間隔変動係数 (CVR-R) に及ぼす影響を検討した結果が発表されていました!
『六君子湯・補中益気湯』は副腎皮質および自律神経機能に対して調整的に作用するようなのです。
その結果として、この作用がストレス性疾患に対して有用な作用であることがまとめられていました!
自律神経失調症などでつらい思いをしている人は、
『補中益気湯』を一度試してみるのも良さそうだね!
【補中益気湯】の特徴・説明
- 『補中益気湯』は体力の低下した虚弱者によく用いられる方剤で ”補剤” の代表です。
- 『補中益気湯』は漢方薬の王者という意味で ”医王湯” とも呼ばれてます。
- 『補中益気湯』という名前は ”中(胃・腸)”・”気(元気)”を表しているので、胃腸を整え元気を増す漢方薬という意味になります。
- 『補中益気湯』は味は表現しづらいですが、わずかに甘い感じです。
『補中益気湯』にインフルエンザ予防効果はあるの?
気力・体力を充実させる『補中益気湯』には免疫力を高める効果が期待できます。
近年では、『補中益気湯』によって免疫を活性化させるメカニズムについての研究が多数行われ、エビデンスも蓄積されてきています。
また、インフルエンザの感染を抑えることができたという研究成果も報告されているのです。
2009年 新型インフルエンザ(A/H1N1 pdm2009)が流行した際、愛生病院の職員を対象として、補中益気湯の服用の有無がインフルエンザ感染症に対してどう影響するのかという内容の研究が帝京大学 新見正則氏によって行われました。
対象となったのは358人の職員で、補中益気湯を服用しなかった179名のうち7例がインフルエンザに感染し、補中益気湯を服用した179名(途中でやめた人を含める)では1例のみがインフルエンザに感染しました。
この結果から、補中益気湯で新型インフルエンザを予防できる可能性があることが推測できます。
『補中益気湯』を服用していることでインフルエンザの予防も出来るんだね!
インフルエンザ流行時にはぜひ飲んでみたいな。
【補中益気湯】のエビデンス
エビデンスとは、科学的根拠、つまり実験や調査などの研究結果から導かれた「裏付け」があることを指します。
- 免疫栄養改善効果
- Th1/Th2バランスの調整作用
- 虚弱高齢者に対する効果
- 帯状疱疹後神経痛の予防効果
- アトピー性皮膚炎に対する効果
- 手術侵襲ストレスによる免疫抑制を防ぐ効果
- がん化学療の全身倦怠感に対する効果
- NK細胞活性に及ぼす作用と抗腫瘍作用
- 腫瘍免疫に対する作用・抗腫瘍作用
(臨床医のための漢方薬概論:稲木一元著より引用)
【補中益気湯】のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。
慢性扁桃炎(匂い玉:口蓋扁桃の膿栓)には、
まず『小柴胡湯加桔梗石膏』+抗生剤によって炎症を抑え、
その後『補中益気湯』+マクロライド長期投与(1~3か月間)を行った後、
『補中益気湯』のみでかなりの効果が期待できます。
(引用:明解!西洋医学で耳鼻科漢方)
”耳管開放症” には『補中益気湯』が効果が期待できます。
というのは、”耳管開放症” の病態がいわゆる ”虚” の状態にあることが要因となっています。
治療としては同時にATP(アデホスコーワ腸溶錠®)も併用すると良いです。
『八味地黄丸(八味丸)』を使用すると良いことも多いです。
『補中益気湯』で効果が得られないような際は、『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』が効くことがあります。
(引用:明解!西洋医学で耳鼻科漢方)
”耳管開放症” について分かりやすく解説している動画ありましたので紹介しておきますね!
経産婦で腹圧性尿失禁がある場合に、
『補中益気湯』が功を奏することがあります。
(引用:漢方.jp)
肺炎・気管支炎の予防に、
補気剤である『補中益気湯』が良いと考えています。
(引用:漢方.jp)
慢性扁桃炎でよく熱を出している人で、扁桃腺摘出手術をする予定だった人が、
『補中益気湯』の服用によって手術回避できた経験があります。
マクロライド系抗生物質の少量投与を併用することもあります。
(引用:漢方.jp)
急性低音障害型感音難聴(ALHL)には『補中益気湯』がおすすめです!
また、『補中益気湯』が有効なステロイド不要な急性低音障害型感音難聴(ALHL)の9つの特徴は次の通りです。
- 低血圧:110mmHg以下
- 症状が変動する
- 健側にも症状があることがある
- 純音聴検において両側低音部低下もしくは健側も低音部低下あり
- 女性に多い
- 疲れている・ストレスが多い
- 肩こりがある
- 反復することがある
- 聴検と症状が不一致することがある
(引用:漢方.jp)
『補中益気湯』を子供に使う際のポイントとして挙げておくべきことは、服用をやめると途端に元気が無くなってしまうことがあることです。
『補中益気湯』は本治に使用する方剤なのですが薬の効果が良いので、元気が無くなった時だけに使用するようにした方がいいかもしれません。
そのため、年齢が若い人の場合には慢性的に長期服用する場合は『四君子湯』の方がいいと思います。
(引用:がんじゅうふぁみりー)
【補中益気湯】の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
【補中益気湯】の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
「腸」が「免疫の司令塔」だった⁉
いま話題の腸内細菌には、腸に集結する免疫細胞と不思議な会話を交わしながら、私たちの全身をさまざまな病気から守る免疫力をコントロールしていることが解明されてきています。
NHKスペシャル「人体」ではタモリさん・山中伸弥さんをW司会に、アメリカ大リーグで活躍する田中将大投手と、小島瑠璃子さんをゲストに迎え、「腸と免疫」の研究の最前線に迫っていました!
『NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワーク 第4集 万病撃退!“腸”が免疫の鍵だった』には免疫に関する興味ある内容が記されていたよ!
漢方薬の効果に腸内細菌が関係しているって本当⁉
漢方薬に含まれている有効成分として多くの ”配糖体” が知られています。
配糖体(はいとうたい)あるいはグリコシド(英: glycoside)は、糖がグリコシド結合により様々な原子団と結合した化合物なのですが、糖がついた結果として水溶性が高くなり、脂質でできた消化管の細胞膜を通りにくいため、簡単には体に吸収されないのです。
そのため、漢方薬が体に吸収されるには、”漢方薬が下部消化管に届いた後に腸内細菌によって糖が外される” 必要があります。
漢方薬が効きやすい人と効きにくい人の差には、
腸内細菌叢の違いが関係していることがあります。
腸内細菌叢の違いが、漢方薬の効果に個人差が大きい要因となっています。
つまり、
腸内環境を改善することで漢方薬が効くようになる可能性があるんです!
腸内環境の改善に何かおすすめの方法はないのかな?
オリゴ糖や食物繊維を積極的に摂取したり、整腸剤を利用することをおすすめします。
『ファスコン整腸錠プラス』 には、有益な腸内細菌である乳酸菌(フェカリス菌)(アシドフィルス菌)(ビフィズ ス菌)と、有益な腸内細菌の増殖を促す(納豆菌)の4種に加え、消化酵素(ビオヂアスターゼ2000)が配合されています。
お腹の調子を整え、乱れがちなお通じを改善してくれます。
「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。
代表の河邊甲介は、漢方医学、薬膳、そして腸活を組み合わせた独自のアプローチで、個々の健康に寄り添います。
漢方相談や薬膳に関するオンライン相談も提供し、遠方の方々も利用できます。
また、わんこの健康も見逃しません。
わんこ腸活に関するアドバイスも行っています。
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