気力体力が低下して、食欲不振・胃腸の不調が出ているひとにおすすめの漢方薬が『四君子湯(しくんしとう)』です。
似たような漢方薬に『六君子湯』があるけど『四君子湯』との使い分けとかはあるのかな?
『四君子湯』は ”気虚” といわれる気の量の不足を改善する基本処方です。
『四君子湯』は『六君子湯』より胃腸機能が低下して、体力が弱った方に使用することが多い方剤です。
『六君子湯』は、生薬構成では『四君子湯』+『二陳湯(にちんとう)』になります。
『二陳湯』は、水滞といわれる体内の水分代謝の異常状態を治療する基本処方です。
食欲不振が続くときは要注意!何かの病気のサインかもしれません…
食欲不振に陥る場合、その陰に病気が潜んでいる可能性があります。
数日程度であれば問題ないことも多いですが、長期に渡ったり、急激に体重減少が起こったりする際は医療機関を受診しましょう。
例えば、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃炎、最悪の場合は胃がんなど、消化器系の疾患や心臓や肝臓、腎臓などほかの臓器の病気が食欲不振を引き起こしていることも考えられます。
また、メンタル疾患でも食欲不振は頻発しますので、原因は数え切れません。
検査をしても異常がなければ、食欲不振には漢方薬が大活躍します!
四君子湯(しくんしとう)の生薬構成(ツムラ)
蒼朮(ソウジュツ)、 人参(ニンジン)、 茯苓(ブクリョウ)、 甘草(カンゾウ)、 生姜(ショウキョウ)、 大棗(タイソウ)
四君子湯(しくんしとう)の効能効果(ツムラ)
胃腸虚弱、慢性胃炎、胃のもたれ、嘔吐、下痢
四君子湯(しくんしとう)の特徴・説明
- 虚弱者の胃腸不良や食欲不振に使用されることが多い漢方薬です。
古典的漢方ではこのような状態は ”脾胃虚弱” と呼ばれます。
- 気力体力の低下したような状態に時が使用の目安になります。
痩せていて、顔色が悪いようなイメージです。
古典的漢方ではこのような状態は ”気虚” とも呼ばれます。
- 「腹診」では、みぞおち付近を揺すると、ポチャポチャと音がします。
水の停滞しやすい体質をあらわします。
古典的漢方では ”心下振水音(しんかしんすいおん)” と呼ばれます。
- 『四君子湯』は様々な方剤の骨格になっていることが多く、『四君子湯』に生薬を加減することで様々な漢方薬に派生します。
- 味は表現法が難しいですが、わずかに辛くて苦いです。
四君子湯(しくんしとう)のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、とは経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。
『四君子湯』は中医学的には ”補気健脾” の基本処方となっています。
ポイントは ”脾は気血を生む源” ということです。
”脾虚” かどうかの判定の基準は次の通りです。
- 食欲不振・食が細い・食事がおいしくない
- 下痢や泥状便・お腹が張る
- 吐き気・嘔吐がある
- 疲れやすい・倦怠感・四肢がだるい
”気虚” かどうかの判定の基準は次の通りです。3つ以上当てはまれば気虚です。
- 疲れやすい
- 普段から元気がない
- 食欲がない・小食である
- 声が小さい
- 少し動いただけで汗が出る
- 食後眠くなる・食後体が重い
- 手足がだるい
- 下痢や軟便が多い
- 持久力が無く、長距離走などは苦手
- 風邪をひきやすい・風邪をひくと治りにくい
「補気」とは気を補うことで益気とも言います。
元気にすると思ってください。
「健脾」とは脾を健やかにすることを言い、お腹を丈夫にすることです。
”補脾胃” の作用をもつ代表的な生薬は「山薬」と言いヤマイモです。
中医学的には ”脾” とは消化器全般を表して、食べ物を栄養に換えからだの隅々に運ぶ作用のことを言います。
現代医学の解剖学的な「脾臓」とは異なります!
四君子湯(しくんしとう)の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
四君子湯(しくんしとう)の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。
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