不安や動悸に悩む方にとって、日常生活が非常に辛く感じられることがあります。
特に、不安障害や神経症は精神的な負担だけでなく、身体的な症状も伴うため、一層の苦しみをもたらします。
西洋医学の治療法も多く存在しますが、近年では漢方薬が自然な治療法として再評価されています。
漢方薬は、体質や症状に応じた個別の処方が可能で、副作用が比較的少ないとされています。
本記事では、不安や動悸に効果的とされるおすすめの漢方薬を紹介し、それぞれの特徴や効果について詳しく解説します。
あなたの症状に合った漢方薬を見つけ、心身のバランスを取り戻す手助けとなれば幸いです。
比較的に虚弱体質な人で不安感が強い場合におすすめの漢方薬が『加味帰脾湯(かみきひとう)』です。
不安障害・神経症・動悸・貧血などに用いることが多い漢方薬です。
コロナ禍の中、緊張感と不安感が続いているね…。
強いストレスが続いてしまうと心身ともに何らかの不調が出てしまいます。
ストレスを上手に解消していかないといけないけど、なかなか難しいですよね…。
ストレスによる体調不良を感じたら漢方薬の助けを借りてみてください!
不安が強い時におすすめの漢方薬が『加味帰脾湯』なのです。
不安障害とはどんな状態なの?
不安障害(不安神経症・強迫性障害)になると、不安や恐怖の感情が普段の状態とは異なって過剰に付きまとってしまうことで日常生活に支障をきたしてしまいます。
過度のストレスや疲れなどをきっかけに、感情のバランスが崩れてしまうことで、理由にそぐわないような強い不安と恐怖が出現してしまうのです。
「社会不安障害」と言われる状態では、人前での会話などで極度の不安と緊張を感じてしまい、混乱に陥るなどの症状が現れます。
また人前で仕事をしたり字を書くなど、普通の人であれば特に緊張や不安を感じない場面でも強い不安を感じることがあります。
不安障害になると危険や危機でないものにまで強い不安や恐怖を感じてしまうので、日常生活に支障が出てしまうのがつらそうだよね。
不安障害は、多くの人が経験する一時的な不安とは異なり、持続的で過度な不安や恐怖を感じる状態を指します。
この障害は、日常生活に大きな支障をきたし、個人の生活の質を著しく低下させることがあります。
以下に、不安障害の具体的な症状や種類、原因、治療法について詳しく解説します。
不安障害の主な症状
不安障害の症状は多岐にわたり、個人によって異なりますが、一般的には以下のようなものがあります:
- 過度な心配や緊張:常に最悪の事態を想像し、何もない状況でも不安を感じる。
- 身体的症状:動悸、息切れ、めまい、発汗、震え、胃の不調など。
- 集中力の低下:不安が強く、集中力が続かない。
- 睡眠障害:寝付きが悪い、夜中に目が覚める、悪夢を見る。
不安障害の種類
不安障害にはいくつかの種類があります。
代表的なものは以下の通りです。
- 全般性不安障害(GAD):持続的で過度な不安が特徴。具体的な対象がなくても不安が続く。
- パニック障害:突発的な強い不安発作(パニック発作)を繰り返す。発作中は、強烈な恐怖や身体症状が現れる。
- 社交不安障害:他人の評価や批判を恐れるため、社会的な状況を避ける。
- 特定の恐怖症:特定の物や状況に対して強い恐怖を感じる。
不安障害の原因
不安障害の原因は一つに限定されず、複数の要因が絡み合っています。
主な原因としては以下が考えられます。
- 遺伝的要因:家族に不安障害の人がいる場合、発症リスクが高まる。
- 脳の化学物質のバランス:セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質のバランスが乱れると、不安を感じやすくなる。
- 環境的要因:ストレスフルな出来事やトラウマ、過去の経験が影響する。
不安障害の治療法
不安障害の治療は、症状の緩和と原因の解消を目指して行われます。
一般的な治療法は以下の通りです。
- 薬物療法:抗不安薬や抗うつ薬が処方されることが多い。
- 認知行動療法(CBT):不安を引き起こす思考パターンを変えるための心理療法。
- 生活習慣の改善:適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠が重要。
不安障害のまとめ
不安障害は、持続的で過度な不安や恐怖を特徴とする精神的な状態です。
多岐にわたる症状があり、種類もさまざまですが、適切な治療を受けることで改善が期待できます。
自身や周囲の人が不安障害の症状に悩んでいる場合、早めの専門家への相談が大切です。
生活の質を向上させるためにも、適切な対策を講じましょう。
不安障害の詳細や治療法についてさらに知りたい方は、信頼できる医療機関や専門家に相談することをおすすめします。
どうして不安が強くなってしまうの?【不安とセロトニンの深い関係】
不安になっている時は、人の体の中ではどのようなことが起きているのかな?
不安には脳内神経伝達物質のひとつである「セロトニン」が深く関係していることが分かっています。
「セロトニン」とは、脳内の神経伝達物質のひとつで、「ドパミン」・「ノルアドレナリン」を制御し精神を安定させる働きをします。
必須アミノ酸であるトリプトファンから生合成される脳内の神経伝達物質のひとつで、視床下部や大脳基底核・延髄の縫線核などに高濃度に分布しています。
セロトニンには、他の神経伝達物質であるドパミン(喜び、快楽など)やノルアドレナリン(恐怖、驚きなど)などの情報をコントロールし、精神を安定させる働きがあります。
セロトニンが低下すると、これら2つのコントロールが不安定になりバランスを崩すことで、攻撃性が高まったり、不安やうつ・パニック障害などの精神症状を引き起こすといわれています。
近年、セロトニンの低下の原因に、女性ホルモンの分泌の減少が関係していることが判明し、更年期障害と関わりがあることが知られるようになりました。
何でもバランスが大切なんだね!
(引用:厚生労働省 e-ヘルスネット)
【加味帰脾湯】の生薬構成(ツムラ)
黄耆(オウギ)、柴胡(サイコ)、酸棗仁(サンソウニン)、蒼朮(ソウジュツ)、人参(ニンジン)、茯苓(ブクリョウ)、遠志(オンジ)、山梔子(サンシシ)、大棗(タイソウ)、当帰(トウキ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、木香(モッコウ)、竜眼肉(リュウガンニク)
【加味帰脾湯】の効能効果(ツムラ)
貧血、不眠症、精神不安、神経症
【加味帰脾湯】の特徴・説明
「山梔子」を含有製剤の長期投与(多くは5年以上)により、大腸の色調異常、浮腫、びらん、潰瘍、狭窄を伴う腸間膜 静脈硬化症があらわれるおそれがあると言われています。
長期投与する場合にあっては、定期的にCT、大腸内視鏡等の検査を行うこ とが望ましいとされています。
(引用:日本漢方生薬製剤協会)
- 『加味帰脾湯』は構成生薬に「遠志(オンジ)」が含まれているため健忘・記憶障害などに用いることもあります。
- 『加味帰脾湯』は構成生薬に「遠志(オンジ)」が含まれているために、血糖値のコントロールをみる指標である『1,5-アンヒドロ-D-グルシトール(1,5-AG)』が正しく測定できない可能性があります。
- 『加味帰脾湯』の味は表現法が難しいですが、わずかに甘味を帯びて特異な感じです。
『加味帰脾湯』を服用するとちょっと胃がもたれて飲みにくいという様な場合は、加味帰脾湯より虚弱な体質の人向けの『帰脾湯』がおすすめです!
東洋医学においては、疲労時の出血として ”脾不統血(ひふとうけつ)” という概念があり、『帰脾湯』、『加味帰脾湯』が代表方剤とされてきました。
脾不統血とは気の不足によって血を身体内に保持する力が低下している状態を指しています。
このような状態になるのは中医学では ”固摂作用” が低下した結果と考えられています。
現代医学的には皮下出血、鼻血、血尿、血便、痔出血、不正性器出血、経血過多などが主な症状です。
血糖コントロールの指標のひとつ『1,5-アンヒドロ-D-グルシトール(1,5-AG)』に影響を与える「遠志(オンジ)」とはどのような生薬なの?
『1,5-アンヒドロ-D-グルシトール(1,5-AG)』って何?
『1,5-AG』は、検査(採血)時点から過去数日間の血糖レベルがわかる指標です。
尿糖の排泄量に伴い数値が下がるという仕組みから、食後だけ高血糖になっているケースなど、病状が比較的軽度の時点から、より敏感に反応が現れるので、糖尿病の早期発見に役立つ血液検査になります。
『1,5-AG』は、ほかの血糖値の指標となる検査項目『HbA1C(ヘモグロビン・エーワンシー)・グリコアルブミン(GA)』とは異なり、数値が低い方が糖尿病の状態が悪いので勘違いしないようにしてくださいね!
お薬の成分が、様々な検査結果に影響を与えることもあるって本当なの?
本当なんです!
漢方薬の中にも血糖の指標のひとつである『1,5-アンヒドロ-D-グルシトール(1,5-AG)』の検査結果に影響を与えてしまうものがあるので紹介しておきますね。
「遠志(オンジ)」自体に、1,5-アンヒドロ-D-グルシトール(1,5-AG)が多く含まれているので、本来の血糖コントロール状態に比べて『1,5-AG 値が高くなる』可能性があります。
つまり、遠志を服用していると、糖尿病の状態が誤って本当より良く見えてしまうのです。
「遠志(オンジ)」は、ヒメハギ科のイトヒメハギの根を乾燥したもので、漢方的には精神を安定させたり、動悸、健忘、不眠、咳嗽、多痰、腫れ物などのに効果が期待できる生薬です。
「遠志(オンジ)」が健忘・記憶障害などにも効果が期待できることもあり、「遠志エキス」として商品化されています。
エーザイからは「遠志(オンジ)の恵み®」、ロート製薬からは「キオグッド®」、大正製薬からは「メモリーケア®」というように様々な商品名で販売されています。
【加味帰脾湯】のエビデンスとは
エビデンスとは、科学的根拠、つまり実験や調査などの研究結果から導かれた「裏付け」があることを指します。
- アルツハイマー病モデルマウスにおける対象記憶認識改善作用
- 空間記憶障害改善作用(マウス)
【加味帰脾湯】のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、とは経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。
”老人の不眠症” に『加味帰脾湯』をよく使用しています。
(引用:漢方.jp)
”『加味帰脾湯』が肥満症の改善に役立つのではないか” というエビデンスが少しずつ構築され始めています。
『加味帰脾湯』が肥満症を改善させると考えているメカニズムは ”オキシトシン” と言われるホルモンの関与なのです。
『加味帰脾湯』がオキシトシンニューロンを活性させたことが認められたのです。
オキシトシンは ”愛情ホルモン・幸せホルモン” と呼ばれており、精神の安定に働いていますが、最新の研究により食欲抑制や脂肪分解などの効用も報告されています。
西洋薬で肥満症を改善する効果が実証されている薬剤(やせ薬)はGLP-1受容体作動薬と言われる糖尿病薬ですね。
(引用:漢方.jp)
コロナ後遺症で困っている人には、まずは飲んで欲しい漢方薬は『加味帰脾湯』です!
”食欲や気力を改善する「人参」や「黄耆」などを含む参耆剤(じんぎざい)” であり、心身が疲れ、血色が悪い人の、貧血、不眠症、精神不安などを改善してくれます。
(引用:漢方.jp)
【加味帰脾湯】の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
【加味帰脾湯】の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。
代表の河邊甲介は、漢方医学、薬膳、そして腸活を組み合わせた独自のアプローチで、個々の健康に寄り添います。
漢方相談や薬膳に関するオンライン相談も提供し、遠方の方々も利用できます。
また、わんこの健康も見逃しません。
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