「石原さとみ」さんが主演を務めた薬剤師が主人公のドラマ『アンサングシンデレラ』などの影響ももあり、近年、薬剤師を目指している学生が増えたようです。
そのような環境の元、受験生のみなさんや親御さんは、数ある薬学部の中で「進学するのにはどこの大学がいいのだろう」と、悩まれていることと思います。
薬学部を卒業した学生にとって、国家試験は大きな関門です。
しかし、多くの受験生が直面するのは、合格率の低さによるプレッシャーです。
薬剤師国家試験の合格率は極めて低く、これを知ると多くの人が「やばい!」と感じることでしょう。
しかし、実際のところ、公表されている合格率だけが真実ではありません。
一部では、この大学の合格率は「ウソだ」と言われることもありますが、実際に薬剤師国家試験合格率にはからくりが存在します。
薬学部で学んだ知識や技術は、国家試験での合格には不可欠ですが、それだけでは十分ではありません。
受験生は、合格率の数字に怯えるのではなく、自身の学力と努力に自信を持つことが大切です。
合格するためには、日々の勉強を怠らず、模擬試験や過去問題集を積極的に活用することが必要です。
また、合格者の多くが利用しているのが予備校や講座です。
これらの教育機関では、合格に向けた効果的な学習法やアドバイスを提供しています。
受験生は、自身のスタイルに合った予備校や講座を選び、効果的に活用することで、合格への道をよりスムーズに進むことができます。
合格率が低いからこそ、薬剤師国家試験は価値ある資格とされています。
合格すれば、将来のキャリアに大きなプラスとなります。
受験生は、合格率の数字に恐れるのではなく、自身の力を信じて努力を続けることが重要です。
そして、薬剤師としての夢を追い求める姿勢を貫くことが、最終的な合格への近道となるでしょう。
そこで、今回は大学を決める際に考慮するべき指標のひとつとなっている『薬剤師国家試験合格率』について深堀していきたいと思います。
- 薬剤師国家試験の合格率のカラクリ:出願者数と受験者数の差とは?
- 薬剤師国家試験の合格基準と足切り基準
- 【最新】第109回薬剤師国家試験の合格率は68.43%!セグメント別合格者数や合格率の解説
- 【6年制新卒】第109回薬剤師国家試験の合格者数・合格率
- 【6年制既卒】第109回薬剤師国家試験の合格者数・合格率
- 【男女別】第109回薬剤師国家試験の合格者数・合格率
- 薬学部ってどれくらいお金が必要なの?【金銭面/学費・諸経費】
- 薬剤師国家試験は昔に比べて難易度は変わったの?難しくなった?
- 薬学部の今昔(1995年との比較)【薬学部大学入試の偏差値推移】
- 薬学部受験生におすすめのサイト紹介
- まとめ【だまされないで!大学別の薬剤師国家試験合格率の正しい見方】
薬剤師国家試験の合格率のカラクリ:出願者数と受験者数の差とは?
厚生労働省の薬剤師国家試験合格率は「合格者数 ÷ 受験者数」で表示されています。
国公立も私立も上位10校は合格率が90%を超えており、非常に高いことがわかります。
このデータを見て、「この大学に入学すれば、90%以上の合格率が望める」と思うかもしれません。
しかし、出願者数と受験者数のデータを見てみると、そこに差があることに気づきます。
この差がポイントです。
出願者数と受験者数の違いとは?
出願者数とは
出願者数は、薬剤師国家試験の受験申し込みをした人数です。
例えば、薬剤師国家試験の受験申し込み期間は、通常1月です。
新卒者の場合、基本的には6年生の人数と考えて問題ありません。
受験者数とは
受験者数は、国家試験当日に実際に受験した人数です。
つまり、出願者数と受験者数の差は、国家試験に申し込んだけれども当日受験しなかった人数となります。
合格率のカラクリを暴露!
なぜ出願しているのに受験できないのか?
それは、卒業試験・事前試験で受験資格を与えないケースが大半を占めているからです。
多くの大学では、薬剤師国家試験前に卒業試験や事前試験を行います。
その試験で大学の基準点に達しない生徒は、卒業延期や受験資格を与えられません。
卒業試験・事前試験でふるいにかける
卒業試験や事前試験でふるいにかけて、受験者数を絞ると、結果的に国家試験に合格しそうな生徒のみが受験します。
すると、以下のようになります。
例)
- 出願者数: 150名
- 合格者数: 90名
- 合格率: 60%
卒業試験で国家試験に合格できそうにない50名に受験資格を与えない場合:
- 受験者数: 100名
- 合格者数: 90名
- 合格率: 90%
このように、卒業試験や事前試験で絞り込みを行うと、必然的に合格率は上がります。
これが合格率のカラクリです。
真の薬剤師国家試験合格率の基準
真の薬剤師国家試験合格率の計算基準は「合格者数 ÷ 出願者数」です。
実際に出願した人数がすべて受験した時の合格率で求めます。
つまり、「受験できなかった≒本番も不合格になる可能性が大」と仮定します。
上位10校の真の合格率
では、国家試験合格率上位10校の真の合格率を見てみましょう。
例えば、出願者数が150名で、合格者数が90名の場合、真の合格率は次のようになります。
- 真の合格率: 90名 ÷ 150名 = 60%
このように、出願者数を基にした合格率を併記することで、より実態に近い合格率を把握することができます。
2020年/105回薬剤師国家試験の一例
この表は、薬剤師国家試験の合格率と真の合格率を一目で比較できるようにまとめたものです。
大学名 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率(%) | 真の合格率(%) |
---|---|---|---|---|---|
国際医療福祉 | 134 | 134 | 131 | 97.76 | 97.76 |
千葉科学 | 54 | 43 | 42 | 97.67 | 77.78 |
名城 | 243 | 227 | 220 | 96.92 | 90.53 |
東京理科 | 91 | 91 | 88 | 96.70 | 96.70 |
高崎健康福祉 | 86 | 71 | 68 | 95.77 | 79.07 |
明治薬科 | 302 | 265 | 252 | 95.09 | 83.44 |
医療創生 | 47 | 40 | 38 | 95.00 | 80.85 |
近畿 | 154 | 136 | 129 | 94.85 | 83.77 |
第一薬科 | 159 | 74 | 70 | 94.59 | 44.03 |
東邦 | 234 | 214 | 199 | 92.99 | 85.04 |
大学によっては合格率と真の合格率とに大きな乖離がみられますよね!
ここがポイントで目の付け所です!
プラスアルファとして留年率もきちんと見ておくべきです!
国家試験を着眼点とするなら、本当にレベルの高い大学を選ぶには「留年率・真の合格率」を調べてください!
ただし、薬剤師になることだけが目標でないのであれば、各大学の校風や教授・研究内容などを調べて入学先を選定するのも大切なことです!
薬剤師国家試験合格率からくりの結論
薬剤師国家試験の合格率には、出願者数と受験者数の差が大きく影響しています。
卒業試験や事前試験でふるいにかけることで、合格率を高く見せることができるのです。
真の合格率を知るためには、「合格者数 ÷ 出願者数」で計算することが重要です。
これから薬剤師国家試験を受験する皆さんも、このカラクリを理解して、しっかりと準備を進めてください。
『薬剤師』になるためには、「薬剤師国家試験」に合格しなければどうにもならないですから、その大学の薬剤師国家試験合格率は重要な指標ですよね!
そもそも薬剤師になるためにはどうすればいいの?
まず、薬剤師になるためには、「6年制の薬学部のある大学に入学し薬学部を卒業すること」が必須の条件になります。
6年制の薬学部を卒業しなければ、薬や医療の知識が豊富で薬剤師国家試験の問題を完璧にマスターしていたとしても、薬剤師国家試験を受験する資格が与えられません。
そうなんだね。
薬学部が設置されている大学は多いけど、どの大学がいいのかな~?
何を基準に選ぶといいのかな?
いい質問ですね!
「国立・県立大学を含む公立大学薬学部」・「私立大学薬学部」など数ある大学のなかから、”どの大学に進学するのが一番いいのだろう” と考えるのは当然のことだと思います。
近年、特に私立大学は、学生を集めるために様々なアピールをしていますね!
2021年現在は、自分達の年代(昭和40年後半から昭和50年前半生まれ)が学生のころと比べて、”薬学部の数が大幅に増加” しているうえに、”学生数は大幅に減少” しています。
そのため、定員割れを起こしている大学も出始めているので、大学は少しでも多くの優秀な人材を獲得しようと躍起になっています。
その手法の中でよく目にするのが『薬剤師国家試験合格率のアピール』なのです。
じゃあ、基本的に『薬剤師国家試験合格率』が高い大学を希望大学に選べばいいんだね!
ちょっと待って!
一概にそういう訳にもいかないのです。
その『大学別の薬剤師国家試験合格率』はウソではないのですが、隠されたからくりがあるのです!
それでは、その公表されている『大学別の薬剤師国家試験合格率』の数字だけを見比べてはいけない理由を説明していきますね。
どんな裏話があるの?
実は、そこには次のような「数字のトリック」が隠されているのです。
自分の時代でも同様のことが行われていましたが、特に私立大学では、薬剤師国家試験合格率を引き上げるために最終学年時には、薬剤師国家試験対策の模擬試験として「卒業試験」が行なわれ、薬剤師国家試験に合格可能なレベルの学力がなければ卒業させずに留年となってしまいます。
勘が鋭い人は気づいたかもしれませんが、言い変えれば「薬剤師国家試験に合格する可能性のある学生しか卒業させない」ということになります。
そうすれば、大学別の薬剤師国家試験合格率は必然的に高くなりますよね。
つまり、「薬剤師国家試験合格レベルの学力のある学生が少ない大学」は、見かけ上の薬剤師国家試験合格率は高くても、留年率が非常に高いのです。そのうえ、留年だけではなく結局のところ卒業できずに退学している場合も珍しくありません。
知らなかった…。
合格者数では無くて、合格率という点が盲点だね。
ただ、合格者数も各大学で定員が異なるので比較しても意味が無いよね!
ということは、「薬剤師国家試験合格率」を基準として進学先を検討する場合は、薬学部に入学した学生が、留年・退学せずに薬剤師国家試験を受験することが出来ていて、そのなかでの合格率を確認することが大切なのです。
YouTubeチャンネル【薬剤師・薬学生 キャリアのおくすり】では、ストレート合格率ランキングが解説されています。参考なると思いますよ!
留年せずストレートに進級出来ていて、そのうえで薬剤師国家試験合格率が高いことが大学を見極めるポイントだね!
YouTube【CKD薬剤師くらば】さんでも最新の薬剤師国家試験合格率や留年率・退学率などその裏側の情報がアップされていましたよ!
文部科学省から2022年度調査結果の報告が出ています!
薬学部における就学状況および退学状況などは次の通りです。
国試ストレート合格率は私立大の3分の1が50%以下!最低で14.5%の大学も!
退学率は最高42.2%の大学も!
薬剤師国家試験に順調に合格した割合である「ストレート合格率」が低かったのは、姫路獨協⼤学(14.5%)、千葉科学大学(21.6%)、第一薬科大学(23.2%)、日本薬科大学(25.5%)と3割に満たない大学が4大学もあることが報告されています。
2016年度入学者においては、退学の割合が最も高かったのは、千葉科学大学(42.2%)、日本薬科大学(40.7%)、医療創生大学(40.5%)、北陸大学(36.5%)、九州保健福祉大学(32.3%)で、5大学で30%を超えていることが報告されています。
ちょっとこの現実をどうとらえるべきなのでしょうか…。
2023年1月25日に文部科学省が中央教育審議会大学分科会を開催し ”薬学部設置および定員増は例外を除いて不可に” という内容で薬学部の設置等に係る許可の基準の一部を改正する告示案を提示しています。
これまでの経緯を踏まえてなのでしょうが、”時すでに遅し” という感はぬぐえませんね…。
薬局業界は長年にわたり淘汰と再編が叫ばれてきました。
調剤ビジネスの安定した利益を求め、薬局が急増し、店舗数は約6万店にも達しました。
しかし、出店余地の減少と医療財政の危機的な状況により、買収合戦がヒートアップしました。
現在、局面は変わりつつあります。
医療財政の危機により調剤報酬に変化が生じ、一時は買収を進めた薬局やドラッグストアが息切れを起こし、身売りする側に回る事態が起きました。
この動きにより、薬局業界だけでなく、薬剤師のキャリアにも影響が及んでいます。
従来の序列が崩れ、薬学部の急増により負け組の撤退が始まりました。
経営やキャリアにおいて、時代の変化に適応できる者だけが生き残ることが求められています。
薬剤師国家試験の合格基準と足切り基準
薬剤師国家試験に合格するためには、試験の基準や内容についてしっかりと理解することが重要です。
今回は、試験の合格基準、足切り基準、試験科目や配点、試験日程など、受験に必要な基本情報をお伝えします。
合格基準の概要
薬剤師国家試験の合格基準は、平成30年(2018年)8月に厚生労働省が公表した「新薬剤師国家試験についての一部改正について」によって以下のように定められています。
合格基準
- 相対基準による総得点:
- 問題の難易度を補正して得た総得点が、平均点と標準偏差を用いた相対基準により設定された得点以上であること。
- 必須問題:
- 全問題への配点の70%以上であり、かつ、各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上であること。
禁忌肢について
「禁忌肢」とは、薬剤師として選択すべきでない選択肢を含む問題のことです。
第104回薬剤師国家試験以降、禁忌肢が導入されました。
以下の4つの基準が設定されています。
- 公衆衛生に甚大な被害を及ぼす内容
- 倫理的に誤った内容
- 患者に重大な障害を与える危険性のある内容
- 法律に抵触する内容
試験の変遷と合格率
薬剤師国家試験の合格基準は、ここ数年で毎年のように変更されています。以下はその主な変更点です。
第101回薬剤師国家試験(2016年)
- 相対基準が導入され、合格率が76.85%と大幅に上昇しました。
第104回薬剤師国家試験(2019年)
- 禁忌肢が導入されましたが、合格率の大幅な低下は見られませんでした。
第106回薬剤師国家試験(2021年)
- 完全相対基準が採用され、合格点の上限がなくなりました。
第108回薬剤師国家試験(2023年)
- 試験内容がやや平易で、合格基準が高くなりました。
試験科目と配点
薬剤師国家試験は、多くの科目で構成され、各科目に配点が設定されています。
受験者は必須問題と一般問題の両方に取り組む必要があります。
小まとめ
薬剤師国家試験の合格基準や試験内容は年々変動しており、最新の情報を把握しておくことが大切です。
しっかりと試験対策を行い、合格に向けて準備を進めましょう。
【最新】第109回薬剤師国家試験の合格率は68.43%!セグメント別合格者数や合格率の解説
2024年3月19日、厚生労働省より第109回薬剤師国家試験の結果が発表されました。
この記事では、最新の合格率や合格者数の推移、セグメント別の詳細について解説します。
第109回薬剤師国家試験の結果概要
2024年2月に実施された第109回薬剤師国家試験の受験者数は13,585名、合格者数は9,296名で、合格率は68.43%でした。
過去5年間の受験者数、合格者数、合格率の推移
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2020年 | 14,311名 | 9,958名 | 69.58% |
2021年 | 14,031名 | 9,634名 | 68.66% |
2022年 | 14,124名 | 9,607名 | 68.02% |
2023年 | 13,915名 | 9,602名 | 69.00% |
2024年 | 13,585名 | 9,296名 | 68.43% |
合格率の変動要因
第109回薬剤師国家試験の合格率が68.43%であった理由として、以下の要因が考えられます。
- 問題の難易度:
- 試験問題の難易度や出題傾向が例年と異なることが合格率に影響します。
- 受験者の学力:
- 受験者の準備状況や学力の向上が合格率に寄与します。
- 教育カリキュラムの改訂:
- 薬学教育モデル・コアカリキュラムの改訂により、問題の傾向や内容が変化することがあります。
【6年制新卒】第109回薬剤師国家試験の合格者数・合格率
2024年2月に実施された第109回薬剤師国家試験の結果が発表されました。
今回は、6年制新卒に焦点を当て、合格者数や合格率の詳細、過去5年間の推移について解説します。
2024年(令和6年)第109回薬剤師国家試験の結果
- 受験者数:8,416名
- 合格者数:7,100名
- 合格率:84.36%
過去5年間の推移
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2020年 | 9,194名 | 7,795名 | 84.78% |
2021年 | 8,711名 | 7,452名 | 85.55% |
2022年 | 8,665名 | 7,386名 | 85.24% |
2023年 | 8,548名 | 7,254名 | 84.86% |
2024年 | 8,416名 | 7,100名 | 84.36% |
2023年との比較
- 受験者数:132名減少(2023年:8,548名 → 2024年:8,416名)
- 合格者数:154名減少(2023年:7,254名 → 2024年:7,100名)
- 合格率:0.50%下降(2023年:84.86% → 2024年:84.36%)
合格者数・合格率の推移と要因
合格者数および合格率は過去5年間、ほぼ横ばいで推移しています。
2024年は若干の減少が見られましたが、大きな変動はありません。
以下の要因が影響していると考えられます。
- 定員の減少:
- 大学の薬学部の定員が減少していること。
- 入学志願者の減少:
- 少子化や他学部・他学科への志願者の流出。
まとめ
第109回薬剤師国家試験における6年制新卒の合格率は84.36%で、過去5年間でほぼ安定しています。
受験者数や合格者数の減少は見られますが、合格率は依然として高い水準を維持しています。
薬剤師国家試験の受験を検討している方は、これらのデータを参考にし、しっかりと準備を進めてください。
【6年制既卒】第109回薬剤師国家試験の合格者数・合格率
2024年2月に実施された第109回薬剤師国家試験の結果が発表されました。
今回は6年制既卒に焦点を当て、合格者数や合格率の詳細、過去5年間の推移について解説します。
2024年(令和6年)第109回薬剤師国家試験の結果
- 受験者数:4,957名
- 合格者数:2,103名
- 合格率:42.42%
過去5年間の推移
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2020年 | 4,804名 | 2,050名 | 42.67% |
2021年 | 5,035名 | 2,079名 | 41.29% |
2022年 | 5,217名 | 2,126名 | 40.75% |
2023年 | 5,146名 | 2,267名 | 44.05% |
2024年 | 4,957名 | 2,103名 | 42.42% |
2023年との比較
- 受験者数:189名減少(2023年:5,146名 → 2024年:4,957名)
- 合格者数:164名減少(2023年:2,267名 → 2024年:2,103名)
- 合格率:1.63%下降(2023年:44.05% → 2024年:42.42%)
合格者数・合格率の推移と要因
合格者数および合格率は過去5年間で若干の変動がありますが、全体的には40%台前半で推移しています。
2024年は若干の減少が見られましたが、大きな変動はありません。
以下の要因が影響していると考えられます。
- 受験者数の減少:
- 少子化や他学部・他学科への志願者の流出。
- 試験の難易度:
- 試験問題の難易度や出題傾向の変化。
まとめ
第109回薬剤師国家試験における6年制既卒の合格率は42.42%で、過去5年間で若干の変動が見られますが、全体としては40%台前半で推移しています。
受験者数や合格者数の減少は見られますが、合格率は依然として安定しています。
薬剤師国家試験の受験を検討している方は、これらのデータを参考にし、しっかりと準備を進めてください。
【男女別】第109回薬剤師国家試験の合格者数・合格率
2024年2月に実施された第109回薬剤師国家試験の結果が発表されました。
今回は男女別に焦点を当て、合格者数や合格率の詳細、過去5年間の推移について解説します。
2024年(令和6年)第109回薬剤師国家試験 合格者数・合格率(男女別)
性別 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|
男性 | 3,362名 | 64.92% |
女性 | 5,934名 | 70.59% |
- 男性の合格者数:3,362名、合格率:64.92%
- 女性の合格者数:5,934名、合格率:70.59%
今年も女性の合格率が高い傾向が続いています。
過去5年間の推移
年度 | 男性合格者数 | 男性合格率 | 女性合格者数 | 女性合格率 |
---|---|---|---|---|
2020年 | 3,823名 | 67.33% | 6,135名 | 71.06% |
2021年 | 3,436名 | 63.93% | 6,198名 | 71.60% |
2022年 | 3,489名 | 63.67% | 6,118名 | 70.78% |
2023年 | 3,549名 | 66.20% | 6,053名 | 70.76% |
2024年 | 3,362名 | 64.92% | 5,934名 | 70.59% |
2023年との比較
- 男性
- 合格者数:187名減少(2023年:3,549名 → 2024年:3,362名)
- 合格率:1.28%下降(2023年:66.20% → 2024年:64.92%)
- 女性
- 合格者数:119名減少(2023年:6,053名 → 2024年:5,934名)
- 合格率:0.17%下降(2023年:70.76% → 2024年:70.59%)
合格者数・合格率の推移と要因
過去5年間のデータを見ると、男性よりも女性のほうが合格者数および合格率が高い傾向があります。
2024年も同様の傾向が続いています。
以下の要因が影響していると考えられます。
- 学習環境や方法の違い:
- 一部の研究では、女性が男性よりも効果的な学習戦略を使用する傾向があることが示唆されています。
- 試験へのアプローチの違い:
- 女性は計画的に学習を進める傾向があり、試験に対してもより組織的に準備を行うことが多いとされています。
まとめ
第109回薬剤師国家試験における男女別の合格率は、男性が64.92%、女性が70.59%となり、過去5年間の傾向と同様に女性の合格率が高い結果となりました。
男性、女性ともに合格者数および合格率は2023年と比較して若干の減少が見られますが、全体としては安定した結果となっています。
薬剤師国家試験の受験を検討している方は、これらのデータを参考にし、しっかりと準備を進めてください。
薬学部ってどれくらいお金が必要なの?【金銭面/学費・諸経費】
以前は薬学部は履修期間は4年間でしたが、現在は6年間に変更になっています。
そのため、単純計算でも学費・生活費は以前の1.5倍必要になってしまいました。
これに留年してしまうと、さらに相当なお金が必要になります。
私立大学薬学部の学費は、医学部・歯学部を除く他の学部に比べると明らかに高いので、裕福な家庭でないとちょっと無理です…。
ここでも格差社会という問題が見え隠れしてきますね…。
このほかに、毎年、教科書代が別に必要になります。
専門書になるので一冊の単価がこれまた高いのです。
普通に1冊1万円くらいするものもあります。
毎年10冊~20冊くらい必要になり、これはいわゆる学費(授業料)には含まれまていませんので、その都度、各自購入する必要があります。
また、白衣など様々な備品もその都度各自購入になりますので、学費(授業料)以外にも結構なお金が必要になります。
学費(授業料)以外にも毎年その都度、教科書代をはじめとした様々な経費が必要となることも忘れずに考慮してくださいね。
地元から離れた大学に行くことになれば一人暮らしとなるので、もちろんこの他にアパート代や光熱費・食費なども必要になるよね!
薬学部の学費はどれくらい?
2020年の私立大学薬学部6年間の学費の平均は、なんと約1200万円です。
国立大学の薬学部の学費は6年間で約350万円です。
私立大学は、国立大学の約4倍もの学費が必要になるのです。
薬学部・薬科大学の「学費ランキング」はこちら!
大学生の一人暮らしの生活費の平均はどれくらいなの?
「平成30年度学生生活調査」の結果では、自宅から大学に通っている大学生の1年間の生活費は平均43万4100円、月額に換算すると1カ月あたり約3万6000円とのこと。
それに比較して、一人暮らしの大学生の1年間の生活費は、111万1400円(月額約9万2600円)と年間平均の生活費は67万7300円も高いようです。
私立大学で一人暮らしすることになったら、学費・生活費全部で年間に300万円以上必要になるから、ストレートで6年間で卒業できても約2000万円のお金が必要になるんだね…。
薬剤師国家試験は昔に比べて難易度は変わったの?難しくなった?
薬学部が6年制となり、薬剤師国家試験の難易度が難しくなったという話を聞くこともありますが、実際のところどうなんでしょうか?
薬学部を卒業した学生が直面する最大の試練のひとつが国家試験です。
受験生たちの間では、「昔に比べて国家試験の難易度は変わったのか?」という疑問が常につきまといます。
一部では、難しくなったとの声も聞かれますが、果たしてそれは本当なのでしょうか?
まず、国家試験の難易度に関する誤解を払拭するために、合格率を挙げることが重要です。
実際には、国家試験の合格率は比較的低い傾向にあり、その数値を見た多くの受験生が「やばい!」と感じることでしょう。
しかし、合格率だけが難易度を示すものではありません。
合格者たちの努力や学習環境、試験の内容や形式の変化など、さまざまな要因が絡んでいます。
一部では、国家試験が昔に比べて難しくなったという声もありますが、それは必ずしも正しいとは限りません。
試験の内容や難易度は時代とともに変化するものであり、受験者のレベルや社会のニーズに合わせて調整されることもあります。
また、過去の試験と比較して難しく感じる要因は、受験者自身の準備状況や試験への理解度による場合もあります。
さらに、国家試験が難しくなったと感じる背景には、情報の拡散や受験勉強のスタイルの変化も関係しています。
インターネットの普及により、過去の試験内容や合格体験談が簡単に入手できるようになりました。
そのため、受験生が試験に対する理解を深め、より高いレベルの知識を身につける必要が出てきたのかもしれません。
結論として、国家試験の難易度が昔に比べて変わったかどうかは一概に言えません。
時代とともに試験の内容や形式は変化していますが、それに伴って難易度も変わっているとは限りません。
受験生は、合格率や過去の試験内容に振り回されることなく、自身の能力を信じて、効果的な学習を積み重ねることが重要です。
薬剤師国家試験に向けた予備校があるのですが、そこで教鞭をとっている予備校講師のコメントがありましたので紹介してみます。
予備校講師(薬剤師国家試験対策を専門として生業を立てている人)の生の声ですのですごく参考になると思います。
”薬キャリPlus” からはこんな記事も出ていました!
薬学部の今昔(1995年との比較)【薬学部大学入試の偏差値推移】
2003年(平成15年)から薬学部が全国に乱立し始め2006年(平成18年)までのたった3年間に私立大学薬学部が、24校(2倍以上)も新増設されました。
その後も増設は続き、この時から「薬学部は別格」ではなく、「普通の学部」となりました。
現在はそれなりで入学できてしまいます。
それどころか定員割れのような大学も出てきてしまいました。
全体的な薬学部の傾向としては、高偏差値大学と低偏差値大学の二極化が進みました。
いつの時代でも、トップレベルは変わらないのですが、大学の増設により、定員は大幅に増加し、少子化で受験生は大幅に減少したため、大学さえ選ばなければ現在は「入学フリー状態」になっています。
結局のところ、大学受験は『椅子取りゲーム』のようなものなので、現在は競争原理が働かなくなっている状態ですね。
自分たちの時代(昭和40年後半生まれ)は、薬学部入試は恐ろしいほどの倍率(10~20倍は普通)でしたから、ペーパーテストが優秀な学生しか入学できませんでした。
本当に薬学部は非常に希少な狭き門でした。
約25年前(1995年くらい)の薬学部総定員数は、2020年現在の半分以下。
年代人口をみると、昭和40年後半生まれの人口は、現受験生の人口の約2倍であり、これだけでも現在に比較して、単純に4倍の受験倍率になってしまいます。
そのうえ、この時代は前年度大学受験に失敗した浪人生があふれているため、現役生は浪人生とも競争しなければならず、現役合格は本当に至難の業でした。
「代々木ゼミナール」「河合塾」「駿台予備校」など予備校はどこも座る席がないくらい学生が溢れかえっていました。予備校の全盛期だったと思います。
どこの薬学部でも、ほとんどが偏差値60くらいだったんだよね。
だから自分の時代の薬学部の学生は、普通に学生の半数が大学受験浪人経験者で1浪~2浪当たり前でした。まぎれもなく自分もその一人でしたけど…。
「薬剤師国家試験の合格者」は定員制ではありませんので、一定の学力に達していれば極論すれば全員合格も可能です。
それに比べ「大学の入学試験」は、定員というものがありますので、自ずと合格者は上位何人までとなります。いわゆる『椅子取りゲーム』です。
つまり、「大学の入学試験」の場合は、同じ学力でも時代によっては合格にもなるし、不合格にもなります。
この点が「薬剤師国家試験」との大きな違いですね。
結局のところ、何を伝えたいのかといえば・・・。
安易な薬学部入学は「行きはよいよい帰りは恐い」です。
厳しい事をいいますが、現在は以前に比べると薬学部入学はかなり広き門になっています。
だからといって、安易に入学してしまうと複数年にわたる留年や退学などが待ち構えているので、本人はもちろんのこと親御さんまで金銭面も含め大変な目にあってしまいます。
ある程度の覚悟を持って薬学部に進学した方が良いと思います。
薬学部受験生におすすめのサイト紹介
薬学部受験生が参考になりそうな、おすすめのサイトがありましたので紹介してみますね!
まとめ【だまされないで!大学別の薬剤師国家試験合格率の正しい見方】
薬剤師を目指している学生のみなさんや、その親御さんは、進学先の大学を選ぶ際の『薬剤師国家試験合格率』には、『数字のトリック』が潜んでいることにも注意してくださいね!
頼りない先輩からのアドバイスですが参考になれば嬉しいです。
ペーパテストが優秀なのと”立派な薬剤師になる”のは、別問題だと思いますので悪しからず。
試験は試験!どんな職業でもそれからどうなるかは本人次第だよね!
先輩からのちょっと一言!アドバイス!【たまたま先に生まれた先輩の体験談】
個人的な主観ですので参考程度に聞き流してくださいね!
こんな『コロナ禍』において、キャンパスライフが以前のように出来ない苦悩があると思いますが、いろいろな分野の学生との繋がりや、人脈の構築を気づきたいのであれば、単科大学である「○○薬科大学」よりも「○○大学 薬学部」で、キャンパスも他の学部と同じ敷地に併設しているような大学を選ぶと「サークル活動」なども含めて幅広い人脈の構築が出来ると思います。
長い人生のなかで、学生時代の幅広い人脈の構築は、人生に大きな財産になることは間違いありません。
ちなみに、九州地方では、自分の出身大学である『福岡大学』がこの条件に当てはまります!
参考までに・・。
福岡大学は広大な敷地内に、文系~理系、体育学部まで全ての学部が一か所にまとまっています。
福岡大学の凄いところは、約2万人の学生がいてすべて同じ敷地内にまとまっているところです。
田舎の小さな町と同じくらいの人口と一緒なのです。凄くないですか?
サークルも多岐に渡って、文系理系ごちゃまぜ!
積極的に活動すれば人脈構築には申し分なしです!
学生時代の友達って、一生ものだったりしますからね。
自分がもう一度大学生活を送るなら、もう少し色々なサークルに入って、薬学部だけじゃなく他の学部の人とも交流を持って入ればよかったなと思っています。
『七隈祭』という学園祭もすごい規模で、有名人も多数来て盛り上げてくれるよ。
自分の大学生時代には今は亡き「忌野清志郎」さんも学園祭に来てくれました!
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