近年、脂質異常症と食事中のコレステロール、特に卵の摂取との関係が注目を集めています。
卵は高コレステロール食品として知られ、かつては心血管疾患のリスクを高めるとされていました。
しかし、最新の研究では、卵の摂取が必ずしも血中コレステロール値や心血管リスクを増加させるわけではないことが示されています。
この記事では、脂質異常症の理解を深めるために、卵とコレステロールの真実に迫り、健康的な食生活を送るためのヒントを提供します。

コレステロールについての誤解が長らく広まってきました。
特に、卵に含まれるコレステロールが脂質異常症の原因とされてきました。
しかし、最新の研究結果は、この関係について新たな光を当てています。
この記事では、脂質異常症と卵の関連性を探り、卵の栄養価、コレステロール含有量について詳しく解説します。
脂質異常症の基本

脂質異常症の定義と主な種類
脂質異常症(Dyslipidemia)は、血液中の脂質(脂肪物質)の異常なレベルや組成に関連する疾患です。
脂質は、コレステロールとトリグリセリドなどの脂肪分子で構成されており、正常な範囲を超えた異常なレベルは健康リスクを増大させる可能性があります。
脂質異常症の主な種類には以下のものがあります。
- 高コレステロール血症(Hypercholesterolemia):
このタイプでは、低密度リポタンパクコレステロール(LDL-C)が通常より高いレベルに存在し、これが動脈硬化のリスクを増加させます。
LDL-Cは通常「悪玉コレステロール」と呼ばれます。 - 高トリグリセリド血症(Hypertriglyceridemia):
トリグリセリドは血中の脂質の一部であり、高レベルのトリグリセリドは心血管疾患のリスクを増大させます。
特に、高コレステロール血症と組み合わさるとリスクが増幅されることがあります。 - 低HDLコレステロール血症(Hypoalphalipoproteinemia):
高密度リポタンパクコレステロール(HDL-C)が通常より低いレベルにある状態で、これは「善玉コレステロール」として知られ、動脈硬化の進行を抑制する役割を果たします。
低HDL-Cは心臓疾患のリスクを増大させる可能性があります。
脂質異常症は、個人の生活習慣、遺伝的要因、食事習慣などに影響を受け、心血管疾患のリスクを増加させる要因となります。
脂質異常症の診断や治療には、生活習慣の改善、薬物療法、栄養指導などが含まれ、患者の個別の状況に合わせたアプローチが必要です。
脂質異常症が健康に及ぼす影響
脂質異常症は、健康に様々な影響を及ぼす可能性があります。
主な影響について以下に説明します。
- 心血管疾患のリスク増加:
脂質異常症は、高LDLコレステロール(低密度リポタンパクコレステロール)や高トリグリセリド、低HDLコレステロール(高密度リポタンパクコレステロール)などの脂質異常を含み、これらは心血管疾患(心臓病や脳卒中など)のリスク因子です。
異常な脂質レベルは、動脈硬化(atherosclerosis)の進行を促進し、血管内にコレステロールが蓄積し、血管が狭くなることで血液の流れが制限され、血栓が形成される可能性を高めます。 - 膵炎のリスク増加:
高トリグリセリド血症は、急性膵炎のリスクを増加させることがあります。
トリグリセリドの異常な上昇は、膵臓の炎症を引き起こす可能性があります。 - 脂肪肝:
高トリグリセリド血症や肥満による影響などがある場合、肝臓に脂肪が異常に蓄積する脂肪肝の発症リスクが増加します。 - 代謝症候群(メタボリックシンドローム)のリスク:
脂質異常症は、代謝症候群と呼ばれる一連のリスク因子の組み合わせの一部として考えられることがあります。
代謝症候群には高血圧、高血糖、過体重、高トリグリセリド、低HDLコレステロールが含まれ、心血管疾患や糖尿病のリスクを増加させる可能性があります。
脂質異常症の影響を最小限に抑えるためには、適切な治療や生活習慣の改善が重要です。
これには健康的な食事、適度な運動、薬物療法、禁煙、適度なアルコール摂取の管理が含まれます。
脂質異常症に関する診断と治療については、医師の指導を仰ぐことが大切です。
卵の栄養価とコレステロール含有量

卵の栄養価
卵は栄養価が豊富で、多くの重要な栄養素を含んでいます。以下に、卵の主要な栄養価について詳しく解説します:
- たんぱく質(Protein):
卵白(卵の透明な部分)には高品質のたんぱく質が豊富に含まれています。卵1個に約6グラムのたんぱく質が含まれており、アミノ酸プロファイルもバランスがとれています。
これは筋肉の成長や修復、体の機能維持に必要な栄養素です。 - 脂質(Fat):
卵黄には脂質が含まれており、特に単不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸が豊富です。
これらの脂質は心臓の健康に良い影響をもたらすとされています。
ただし、卵黄にはコレステロールも含まれているため、過剰な摂取には注意が必要です。 - ビタミン(Vitamins):
卵には多くのビタミンが含まれています。
特に、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンKなどが含まれており、これらは免疫機能、骨の健康、視力、皮膚の健康などに重要です。 - ミネラル(Minerals):
卵にはミネラルも豊富に含まれており、鉄、亜鉛、リン、セレンなどが含まれています。これらのミネラルは、血液、骨、免疫システムの正常な機能に不可欠です。 - コリン(Choline):
コリンは卵に多く含まれる栄養素で、脳の機能や細胞膜の構築に重要な役割を果たします。
特に胎児の脳の発達に必要な栄養素です。 - ルテインとゼアキサンチン(Lutein and Zeaxanthin):
これらの抗酸化物質は、卵黄に多く含まれており、目の健康を維持するのに役立ちます。
特に加齢黄斑変性などの眼の疾患の予防に寄与します。
卵はこれらの栄養素がバランスよく含まれており、健康的な食事の一部として非常に価値が高い食品です。
卵黄に含まれるコレステロールの量
卵黄に含まれるコレステロールの量は、卵1個あたり約200ミリグラム(mg)です。
これは日本の食品成分表に基づいた一般的な値で、コレステロール含有量は鶏の餌や飼育方法、鶏の品種によって多少異なる場合があります。
卵黄に含まれるコレステロールは、一部の人にとっては懸念の要因となることがあります。
長らく、高コレステロール食品として卵が避けられることがありましたが、最新の研究によれば、食事から摂取されたコレステロールが直接的に血中コレステロールに影響を与えることは複雑で、個人差があります。
体内でのコレステロールの調節には食事以外の要因も影響します。
健康な成人において、通常の摂取量である卵1日1個程度を摂ることは、多くの場合、血中コレステロール値に重大な影響を与えないとされています。
総括すると、卵黄にはコレステロールが含まれますが、通常の摂取量であれば、健康な成人にとって問題にはなりません。
しかし、個人の健康状態やリスク要因に応じて、食事戦略を検討し、医師や栄養士のアドバイスを受けることが重要です。
過去の誤解と最新の研究結果


どこの医療機関に行っても以前は、脂質異常症には『卵』は絶対ダメ!と耳にタコができるくらい言われ続けていました。
ところが、2015年「日本人の食事摂取基準」が改訂されて従来設定されていたコレステロ-ルの1日の食事摂取基準(男性:750㎎未満、女性:600㎎未満)が撤廃されてしまいました。
理由は、食事によるコレステロ-ルの摂取量と血液中のコレステロ-ルの相関性がエビデンスとして明確に示すことが出来ないということでした。

ただし、コレステロ-ルの摂取制限撤廃は、あくまで健康な人に対してであり、高LDLコレステロ-ル血症患者には当てはまらないということです。
日本動脈硬化学会などから、誤解しないように警鐘がならされています。

実際に、これまでの医学においても「昔の常識」が「今では非常識」ということも数多く起きています。
『正しい』は時代によっても変化することを理解しておかないといけないのでしょうね。
過去に卵がコレステロールに与える影響についての誤解を紹介
過去には、卵がコレステロールに与える影響について誤解が広まっており、一部の誤った信念が存在しました。
以下に、主な誤解とその背後にある理由を紹介します。
- 卵摂取と血中コレステロールの直接的な関連性:
過去、卵の摂取が血中コレステロールを直接増加させると広く信じられていました。
卵黄に含まれるコレステロールが、体内のコレステロールレベルに影響を及ぼすと考えられていました。
この誤解の背後には、コレステロールの役割や代謝プロセスについての不正確な理解がありました。 - 「悪玉コレステロール」の誤解:
卵黄は、コレステロールを増加させると信じられていたため、特に低密度リポタンパクコレステロール(LDL-C)の高値がある人々には避けるべきとされていました。
実際には、卵黄の摂取が血中コレステロール値を増加させることは個人によって異なり、一概に「悪玉コレステロール」を高めるわけではありません。 - コレステロール制限の推奨:
以前の栄養ガイドラインでは、コレステロール制限が一般的に勧められていました。
これにより、卵などの高コレステロール食品の摂取が減少しました。
しかし、後の研究により、食事からのコレステロールが血中コレステロールに与える影響が複雑で個人差があることが明らかになりました。
現在では、卵が一部の人々にとって健康的な食品であることが理解されており、コレステロール制限についてのガイドラインも変更されています。
ただし、脂質異常症や心臓疾患のリスクが高い人々は、個別の状況に合わせた食事戦略を検討し、医師や栄養士の指導を仰ぐことが重要です。
個人差と注意点

卵の摂取が脂質異常症に与える影響は個人差がある
卵の摂取が脂質異常症に与える影響には個人差があり、以下にその理由を説明します。
- 遺伝的要因:
個人の遺伝的要因は、コレステロール代謝に大きな影響を与えます。
一部の人々は、遺伝的に高いコレステロール合成能力を持つため、食事からのコレステロールが血中コレステロールにほとんど影響を与えません。
他の人々は、遺伝的にコレステロールを効率的に代謝しない傾向があり、食事からのコレステロールが血中コレステロールにより大きな影響を及ぼすことがあります。 - 生活習慣と食事の違い:
個人の生活習慣と食事内容によっても影響が異なります。
たとえば、飽和脂肪酸を多く含む食事との組み合わせや、運動不足、肥満などの要因は、卵の摂取が脂質異常症に与える影響を増幅する可能性があります。 - 既存の脂質異常症の有無:
既存の脂質異常症の診断を受けた人々は、一般の健康な人々と比べて食事の影響を受けやすくなります。
彼らは通常、コレステロール制限食を守る必要がある可能性が高いため、卵の摂取によるリスクが高まることがあります。 - 個人の反応の違い:
ある人は卵を摂取しても血中コレステロール値に変化がほとんど見られない一方、別の人は卵の摂取によりコレステロール値が上昇することがあります。
これは個人の代謝プロセスや生理学的な違いによるものです。
総括すると、卵の摂取が脂質異常症に与える影響には個人差があり、一概に全ての人に当てはまるルールは存在しません。
個人の遺伝的背景、生活習慣、既存の健康状態などが影響します。
したがって、卵を含む食事戦略は、個別の状況に合わせて検討し、必要に応じて医師や栄養士のアドバイスを受けることが重要です。
脂質異常症や心臓疾患のリスク因子を持つ人々に向けた注意点
脂質異常症や心臓疾患のリスク因子を持つ人々に向けた注意点は以下の通りです。
- 医師の指導を仰ぐ:
脂質異常症や心臓疾患のリスク因子を持つ場合、まず医師に相談しましょう。
医師は適切な検査や評価を行い、個人に合った治療プランを提供します。 - 食事戦略:
栄養士のアドバイスを受け、健康的な食事戦略を立てましょう。
飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を制限し、食事に果物、野菜、全粒穀物、魚、健康的な脂肪(オリーブオイルなど)を含めることが重要です。 - コレステロールの摂取を管理:
卵の摂取量を調整し、コレステロール制限食を守る必要があるかもしれません。
医師の指示に従い、適切なコレステロール制限を確保しましょう。 - 適度な運動:
身体活動を増やし、適度な運動を行うことで、体重を管理し、心臓の健康を改善できます。
医師の許可を得てから、運動計画を立てましょう。 - 禁煙:
タバコの使用は心臓疾患のリスクを高める要因の一つです。
禁煙を検討し、必要なサポートを受けましょう。 - ストレス管理:
ストレスは心臓疾患のリスク因子と関連しています。
ストレス軽減の方法を見つけ、リラクゼーション技巧やメンタルヘルスのサポートを利用しましょう。 - 薬物療法:
医師から処方された薬物療法を遵守しましょう。
脂質異常症の管理には、コレステロール降下薬(スタチンなど)が使われることがあります。
脂質異常症や心臓疾患のリスク因子を持つ人々は、個人の状況に合わせた継続的なケアと注意を必要とします。
医師と連携し、健康的な生活スタイルを維持することが重要です。
健康的な卵の食べ方

バランスの取れた食事としての卵の役割
卵はバランスの取れた食事において重要な役割を果たします。
以下に、卵がバランスの取れた食事における役割について述べます。
- 高品質なたんぱく質源:
卵白には高品質のたんぱく質が豊富に含まれています。
たんぱく質は筋肉の成長や修復、免疫機能の維持に必要な栄養素であり、バランスの取れた食事には不可欠です。 - ビタミンとミネラルの供給源:
卵にはビタミン(B12、D、A、E、Kなど)やミネラル(鉄、セレン、リンなど)が含まれており、これらは体内の様々な機能に関与します。
特にビタミンB12は神経機能に不可欠であり、ビタミンDは骨の健康に重要です。 - コリンの供給源:
卵はコリンという栄養素の重要な供給源です。
コリンは脳の機能や細胞膜の構築に必要な栄養素であり、特に脳の発達や記憶の機能に関与します。 - 抗酸化物質の供給:
卵にはルテインとゼアキサンチンという抗酸化物質が含まれており、目の健康を維持し、加齢黄斑変性などの眼の疾患の予防に寄与します。 - 低カロリーで満足感を提供:
卵は比較的低カロリーでありながら、食事の満足感を高めることができます。
これは、ダイエットや体重管理に役立ちます。
バランスの取れた食事において、卵はたんぱく質、ビタミン、ミネラル、コリンなどを提供し、健康的な食事の一部として非常に価値が高い食品です。
ただし、個々の栄養ニーズや制約に合わせて適切に摂取することが重要です。
脂質異常症治療薬を服用するとかえって死亡リスクがあがる?


週刊誌などの特集で「脂質異常症治療薬を服用するとかえって死亡リスクがあがる」というような内容が記載されていることがありますよね。
このような記事をみると実際のところ、「コレステロ-ルは高い方がいいのか、低い方がいいのか、どちらが正しいのだろうか?」と迷いますよね。
「脂質異常症治療薬を服用するとかえって死亡リスクがあがる」という内容の記事の根拠は、日本において脂質異常症治療薬である「スタチン」を投与されている患者5万人を対象に実施されたコホート研究(J-LIT研究)の結果、総コレステロ-ル値が最も低い群(160㎎/dL未満)が最も死亡率が高く、それに対して、総コレステロ-ル値が高い群(180~259㎎/dL)が最も死亡率が低かったという報告によるものになります。
この内容について、千葉大学細胞治療内科学講座教授の横手幸太郎氏は「LDLコレステロ-ル値を下げると死亡率が増える」という懸念は、これまでの様々な研究結果から否定されていると断言されています。
「コレステロ-ル値が低いから死亡したのか、あるいはもともと死亡リスクが高い人でコレステロ-ル値が低かったのか」という判断は難しく、統計には『因果の逆転』と呼ばれる現象かあることを考慮する必要があるということなのです。
また、日本動脈硬化学会からも同様の見解が示されています。
脂質異常症(高脂血症)の治療薬を服用することが死亡リスクに与える影響について、以下に詳しく説明します。
脂質異常症治療薬とは
脂質異常症の治療には、主に以下の薬が使用されます。
- スタチン系薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬):
- 代表例:アトルバスタチン、シンバスタチン
- 効果:LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を下げる。
- フィブラート系薬:
- 代表例:フェノフィブラート、ゲムフィブロジル
- 効果:トリグリセリドを下げ、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を上げる。
- ニコチン酸(ナイアシン):
- 効果:LDLコレステロールとトリグリセリドを下げ、HDLコレステロールを上げる。
- 効果:LDLコレステロールとトリグリセリドを下げ、HDLコレステロールを上げる。
- 胆汁酸結合樹脂:
- 代表例:コレスチラミン
- 効果:腸内で胆汁酸と結合し、コレステロールの再吸収を抑える。
- PCSK9阻害薬:
- 効果:LDLコレステロールを著しく低下させる。
死亡リスクに関する議論
脂質異常症治療薬に関する議論では、特にスタチン系薬が多くの研究対象となっています。
スタチンの有効性と安全性については、以下のポイントが議論されています。
- 心血管イベントの予防:
- 多くの研究で、スタチンは心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントの予防に有効であることが示されています。これにより、総死亡率の低下も報告されています 。
- 多くの研究で、スタチンは心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントの予防に有効であることが示されています。これにより、総死亡率の低下も報告されています 。
- 副作用のリスク:
- スタチンは筋痛、筋肉損傷、肝機能障害、糖尿病発症リスクの増加などの副作用が報告されています。
- 一部の患者では、副作用が強く出るため、薬の服用が継続できない場合があります。
- メタアナリシスの結果:
- 多くのメタアナリシス研究では、スタチンの使用が総死亡率の低下に寄与することが示されています 。
- しかし、一部の研究では、高齢者や特定のリスクプロファイルを持つ患者において、スタチンの有効性が限定的であることが示唆されています。
- スタチン不耐症:
- 一部の患者はスタチン不耐症を持ち、これにより薬を服用することで逆に健康リスクが高まる場合があります 。
- これには、強い筋痛や肝機能障害が含まれます。
- 生活習慣との併用:
- 薬物療法は、生活習慣の改善と併用することで最大の効果を発揮します。単に薬を服用するだけでは十分な効果が得られない場合があります。
最近の研究と考察
近年の研究では、以下の点が強調されています。
- 個別化医療:
- 患者のリスクプロファイルに基づいた個別化医療が重要であるとされています。これにより、副作用リスクの高い患者には適切な代替療法が選択されます。
- 患者のリスクプロファイルに基づいた個別化医療が重要であるとされています。これにより、副作用リスクの高い患者には適切な代替療法が選択されます。
- 新しい治療法の登場:
- PCSK9阻害薬や新しいタイプの脂質異常症治療薬が開発され、副作用の少ない効果的な治療法が提供されています。
- PCSK9阻害薬や新しいタイプの脂質異常症治療薬が開発され、副作用の少ない効果的な治療法が提供されています。
- 統合的アプローチ:
- 薬物療法だけでなく、食事療法、運動療法、禁煙などの統合的アプローチが推奨されています。
小まとめ
脂質異常症治療薬の使用が死亡リスクを上げるかどうかについては、個々の患者のリスクプロファイルと治療のバランスを考慮する必要があります。
多くの研究では、スタチンを含む脂質異常症治療薬が心血管リスクを低下させ、総死亡率を減少させる効果が確認されています。
ただし、副作用や不耐症のリスクも存在するため、医師と患者が密に連携し、適切な治療法を選択することが重要です。
参考文献
・Taylor, F., et al. (2013). “Statins for the primary prevention of cardiovascular disease.” Cochrane Database of Systematic Reviews.
・Silverman, M. G., et al. (2016). “Association between lowering LDL-C and cardiovascular risk reduction among different therapeutic interventions: a systematic review and meta-analysis.” JAMA.
・Stroes, E. S., et al. (2015). “Statin-associated muscle symptoms: impact on statin therapy—European Atherosclerosis Society Consensus Panel Statement on Assessment, Aetiology and Management.” European Heart Journal.
まとめ
- コレステロール含有量:
卵黄にはコレステロールが含まれますが、卵1個あたりのコレステロール量は約200ミリグラムです。 - コレステロールと脂質異常症:
過去、卵が脂質異常症のリスクを高める要因と誤解されていましたが、最新の研究によれば、食事からのコレステロールが直接的に血中コレステロールに影響を与えることは個人差があり、単純化された関係ではありません。 - 個人差:
卵の影響は個人差があり、遺伝的要因、生活習慣、既存の脂質異常症の有無、および食事全体の内容に影響されます。 - 健康的な食事と卵:
卵は高品質なたんぱく質、ビタミン、ミネラル、コリン、抗酸化物質などを提供し、バランスの取れた食事に貢献します。 - 個別のアドバイス:
脂質異常症や心臓疾患のリスクが高い人々は、医師や栄養士と協力し、卵の摂取量と食事戦略を個別に調整する必要があります。

「卵は1日に何個まで食べていいの?」ということが議題に上がることがありますが、何事にも通ずる考え方の一つとして「ほどほど」ということがあります。
ほどよく美味しく食べるのが無難な気がします。


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