紫外線を浴びすぎると日焼けやシワ、シミ、白内障、皮膚がんなど健康にさまざまな悪影響を与えますが、一方では、紫外線を浴びるとことによって、体内ではビタミンDが合成されます。
ビタミンDは、腸からのカルシウムの吸収を高める作用を持ち、骨や歯を作るのに必要な栄養素なのです。
紫外線（日光浴）にはメリットとデメリットがありますが、上手に利用することで健康の促進につながります。
太陽の力を上手に利用することが大切だね！
太陽の光にはどのようなものがあるの？
太陽の光には、人の目で実際に見ることが出来る光と見ることが出来ない光があります。
目に見える光を「可視光線」といい、目に見えない光は「赤外線」「紫外線」と呼ばれています。
紫外線は、その中で最も波長の短い光で、波長によって「UVA」「UVB」「UVC」に分類されます。
宇宙から降り注ぐ紫外線でオゾン層などの大気圏をすり抜けて実際に地表に届くのは、そのうちUVAとUVBなのです。
逆に、赤外線とは、可視光線よりも波長が長い光になります。ちなみに光のエネルギーは、波長が短い方が大きくなります。
太陽光（日光浴）にはどのようなメリットがあるの？
日光浴を行うことで「ビタミンD」が生成されます。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けて骨を丈夫にしたり、免疫力を高めたりする働きが確認されていて、健康維持に欠かせない栄養素なのです。
また、起床後すぐに太陽の光を浴びることで、「体内時計」がリセットされ、不眠の改善が期待されます。
そのほか、別名「幸せホルモン」とも呼ばれる「セロトニン」の分泌を高めるため、うつ病などのメンタル疾患の改善にも効果があることが研究発表されています。
- 「ビタミンD」の生成：夏なら木陰で30分、冬なら手や顔に1時間程度、日に当たるだけでじゅうぶんです（引用：公益財団法人 骨粗鬆症財団）。
- 「体内時計」のリセット
- 幸せホルモン「セロトニン」の分泌アップ
太陽光（日光浴）にはどのようなデメリットがあるの？
紫外線を浴び過ぎると美容面では「肌の老化」を進行させる原因になります。
また、「皮膚がん」になるリスクも高まってしまいます。
目の影響として、「角膜の炎症」や「白内障の原因」になることもあります。
長時間の強い光は、眼精疲労だけではなく体全体の疲労感の原因にもなるようです。
マラソン選手がサングラスをかけて競技しているのは疲労感の軽減を狙っていたのですね！
2000年のシドニー五輪女子マラソンで金メダルを獲った「高橋尚子」選手が、かけていたサングラスを30キロ付近で投げ、スパートをかけたことが印象的だったよね！
UVAが肌に及ぼす作用にはどのようなものがあるの？
UVAは、肌に急激なダメージを与える作用は弱いのですが、紫外線全体の約9割を占め、少しずつダメージが蓄積されます。
そのため、肌の奥の真皮にまで到達するため、肌のハリや弾力を失わせて「肌の光老化」を引き起こす原因になるのです。
また、メラニン色素を酸化させ、肌を黒くさせる「日焼け（サンタン）作用」もあります。
UVBが肌に及ぼす作用にはどのようなものがあるの？
UVBは、紫外線全体の約1割と量は少ないのですが、肌への作用が強いため、短時間でも肌へのダメージが大きくなります。
「肌が赤くなる（サンバーン）」や、「肌が黒くなる日焼け（サンタン）」を引き起こします。
波長が短いUVBは、肌表面の表皮細胞やDNAを傷つけるなど、生体への影響が強いのです。
紫外線指数とはどのようなものなの？
紫外線指数は、人体に影響を与える有害紫外線量を計算し、紫外線の強さをランクで表しています。
他の指数と異なり、日中積算予測と時間別予測を行っています。
「やや強い」レベルからは紫外線対策をしましょう。
日本気象協会から『紫外線指数』が、全国の今日・明日・10日間の紫外線指数が発表されています。
紫外線対策におすすめのサイトです！
日焼け止めに書かれている「SPF」「PA」って何？
「SPF」とはどのような指標なの？
SPFは、（Sun Protection Factor）の略で、主に「UVBの防止効果」を表しています。
SPFは、１〜50＋までの数値で表記されますが、数値の大きい方がUVBの防止効果は高くなります。
例えば、「SPF20」と「SPF30」の2種類の商品を重ねて使用しても単独で使用するよりは効果が高まる可能性はありますが、「SPF50」の効果と同等になるわけではありません。
※「SPF20」+「SPF30」≠「SPF50」
「PA」とはどのような指標なの？
PAは、（Protection grade of UVA）の略で、「UVAの防止効果」を表しています。
PA+（効果がある）～PA++++（効果が極めて高い）などと表記され、+（プラス）の数が多いほどUVAの防止効果は高くなります。
「紫外線アレルギー」とはどのような状態なの？
日光（紫外線）を浴びると、肌や目にかゆみや湿疹などのアレルギー症状が出る人がいます。
この紫外線アレルギーの原因は、大きく2つの理由が考えられています。
- 紫外線を浴びることによりアレルゲンが生成されて症状が出る場合
- 塗り薬や化粧品、飲み薬・湿布薬の成分などと紫外線が反応してアレルギーを引き起こす場合
湿布薬の成分で起こるものに「フェルビナク」があります。この成分が含まれている商品名では有名なものが『モーラス🄬』です。
「光線過敏症」といわれて、湿布を貼ったところに紫外線が当たると赤くなったりかぶれたりしてしまいます。
紫外線アレルギー対策方法を紹介！
- 日中のスキンケアとして、「日焼け止め」を取り入れる（※アレルギー体質の人は「日焼け止め」使用前にパッチテストを行うことをお勧めします。アレルゲンが日焼け止めの場合は使用しない）
- 長袖など肌を出さないように服装の工夫をする
- 紫外線アレルギーがひどい場合は、部屋のカーテンや窓にもUV加工されているものを使用する
- 紫外線の強い時間帯である10：00～14：00くらいの外出を避けたり、紫外線カット率が高い日傘を使用する
いろんな方法で上手に紫外線を避けてくださいね！
ゴルファー三浦桃香を「もう死にたい」とまで追いつめた太陽とは…
渋野日向子・原英莉花を筆頭に1998年度生まれの「黄金世代」の一人として、注目されてきたゴルファーの「三浦桃香」さんも『紫外線アレルギー』に苦しめられているひとりだったようです。
「三浦桃香」さんは、宮崎県出身で身長169cm。2013年「九州中学校ゴルフ選手権」優勝など実績もあって、持ち味のドライバー飛距離は280ydなんだって。
一日中、外でプレーした後は、37度台の微熱や全身のだるさに加え、顔や手に発疹ができるようになってしまったとのこと。
原因が「紫外線アレルギー」ということが分かったのですが、屋外でプレーするしかないゴルフという競技において致命的なことでした。
プロテストに受かりたい。試合で良い成績を残したい。そのためには練習したい。それなのに、練習すると体調を崩し、試合での成績が悪くなる。
「私は何のためにゴルフをしているんだろう」。
終わりのない悪循環に、悩む日々が続いていました。
（引用：朝日新聞）
結局は、ゴルフの実力は申し分ないけれど、紫外線アレルギーのため、どうすることも出来ず「プロテストを断念する」ことになってしまったようなのです。
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