血液検査の項目・BNPとは?

血液検査の項目・BNPとは?
のんびり太郎
のんびり太郎

循環器系の専門病院では『BNP』『ANP』という血液検査をすることも多いです。

いったい何を調べているのという疑問にお答えしていきます。

『BNP』とはbrain natriuretic peptideの略で脳性ナトリウム利尿ペプチドのことです。

『ANP』とはatrial natriuretic peptideの略で心房性ナトリウム利尿ペプチドのことです。

BNPは何の指標?

ANPは心房が、BNPは心室が分泌する循環調整ホルモンであり、心臓の負荷が増えたり、心筋の肥大が起こるとANP・BNPの血液濃度が増加します。

本来、BNPは利尿作用、血管拡張作用、レニン・アルドステロン分泌抑制、交感神経抑制、肥大の抑制などの作用があって、心筋を保護するように働くホルモンです。

現在、BNPは治療薬ではなく、心不全の生化学的マーカーとして広く臨床現場で用いられており『慢性心不全治療ガイドライン』の心不全の診断の項にも記載されています。

高齢社会においては高血圧や虚血性心疾患など、心臓病の有病者は増えつつあり、心臓病の早期発見、早期治療が重要です。

心疾患のスクリーニングとして、人間ドックや健診などでは心電図がよく用いられますが、心電図だけでは検出できない心臓病の早期発見にBNPの測定は有用とされています。

また、心臓病の診断がついてすでに治療を受けている患者さんにおいては、その治療効果の判定や予後の推定などにもとても役立っています。

心不全は高血圧による心肥大、虚血性心疾患(心筋梗塞など)、弁膜症、心筋症などのいろいろな病気によって起こる症候群と考えられています。

心不全の症状としては息切れ、疲れやすい、咳や呼吸困難、浮腫みや食欲低下など様々ですが、中には加齢や運動不足、喫煙による肺の問題などと思われていることもあります。

それらの症状が心不全によるものかどうか区別するのに有用です。

慢性腎不全、透析、肝硬変、甲状腺機能亢進症など心臓病以外でも上昇する場合があり、値が高い場合には、専門医で精密検査を受ける必要があります。

血漿BNP値の基準値は18.4pg/ml以下です。

大まかには18.5~39pg/mlは要経過観察、40~99pg/mlは心疾患の疑いがあるので要精密検査、100pg/ml以上の場合は治療を要する心不全の疑いがあるので専門医に相談する必要があります。

心房細動などの不整脈があると100 pg/ml近くに上昇することがあります。

急性心不全で緊急入院が必要な場合には500pg/ml以上に上昇したり、また、心臓移植が必要なほど重症の心不全の例では1000pg/mlを超えることもあります。

各種の心不全の治療を行うことによりBNP値も減少してくるので、その値を目安に薬の種類や量の調整が行われます。

まとめ

BNP値測定は、①心疾患のスクリーニング、②心不全の重症度評価、③心不全に対する治療効果判定、④心不全患者の予後予測指標などに有用とされています。

(参考文献:日本心不全学会)

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