「横紋筋融解症」とは怖い副作用?筋肉が溶けてしまうの…

「横紋筋融解症」とは怖い副作用?筋肉が溶けてしまうの…

「横紋筋融解症」という言葉を耳にすると、多くの人がその深刻さに驚くでしょう。

実際、この病態は筋肉が破壊され、筋細胞からの成分が血中に流れ込むという怖い副作用を引き起こします。

横紋筋融解症は、激しい運動や外傷、特定の薬剤の使用などが原因で発症し、放置すると腎不全などの重大な合併症を引き起こす可能性があります。

本記事では、横紋筋融解症の原因、症状、治療法について詳しく解説し、その予防策についても触れていきます。

筋肉の健康を守るためには、この病態を正しく理解し、適切な対策を講じることが重要です。

怖い副作用に対する正しい知識を身につけ、健康を維持するためにぜひお読みください。

のんびり太郎
のんびり太郎

薬局でお薬をもらうときに、薬剤師から「筋肉痛がでていませんか?」と聞かれたことはありませんか?

薬剤師は、お薬の副作用のひとつである『横紋筋融解症』の確認を行っているのです。

横紋筋融解症の自覚症状

痛み
  • 筋肉痛になる
  • 尿の色が赤褐色(紅茶・コーラのような色)になる
  • 手足が痺れる、力が入らない

多くの場合、薬を飲み始めて初期に、”筋肉痛”から始まります。

一般的に、最も筋肉量の多い大腿部(太もも)で感じ始めることが多い傾向にあります。

極めて稀な副作用ではありますが、運動をした覚えもないのに、薬を飲み始めたら筋肉痛になった、という場合は、この副作用を疑う必要があります。

脂質異常症治療薬の服用時に認められることが多いとされていますが、様々な薬剤でも起こり得ますので、特異的なものではありません。

また、「横紋筋融解症」は薬による副作用とは関係なく、過度な筋力トレーニングや、細菌やウイルスの感染、脱水・熱中症などによっても起こることがあります。

腎障害の危険、腎臓への負担の方が問題

「横紋筋融解症」は、文字通り骨格筋が壊死・融解する病態です。

骨格筋細胞が壊死する際、細胞に含まれていた「ミオグロビン」「クレアチンキナーゼ」等の成分が流出し、血液中に大量に流れ込みます。

大量に流れ込んだ「ミオグロビン」等の物質は腎臓の尿細管に沈着し、腎臓の機能を障害します。

また、時には全身の臓器にも影響を及ぼし、多臓器不全などを起こす恐れもあります。

つまり、筋肉が溶けてしまうことが怖いのではなく、溶けた筋肉から流れ出た物質によって、腎臓をはじめ全身の臓器が障害されることが怖い副作用です。

また、万が一起きてしまった場合でも、すぐに対応することができれば重症化することもありません。

名前のインパクトに怯えるのではなく、実態を正しく知っておくようにしましょう。

筋肉痛=横紋筋融解症?

脂質異常症治療薬(コレステロールを改善する薬)の副作用で気をつけなければいけない副作用に横紋筋融解症があります。

そのため、お薬を服用している患者さんには筋肉痛の有無について確認することがありますが、筋肉痛の症状を訴える患者さんは多いです。

そもそも筋肉痛は薬の副作用とは関係なく、普通に生活しているだけでも普通に起こり得る症状です。言い換えれば、筋肉痛は薬の副作用にしか起こらない症状ではないということです。

米国の調査では、スタチン系薬剤(脂質異常症治療薬)服用者における筋肉痛は2~7%で生じますが、それが全て薬の副作用からの症状とは限らず、本来重要視すべき重篤な筋障害は0.08%(1万人に8人)程度とされます。

つまり、必ずしも筋肉痛=横紋筋融解症とはなりません。

しかし、軽症といえども筋症状が出た段階で、当然注意は必要となります。

横紋筋融解症の発現症例の多くは、全身倦怠感、筋肉痛とともに、CPK(クレアチンフォスフォキナーゼ)、血中や尿中ミオグロビンの上昇等が認められますので、投与に際しては、筋肉痛の発現やCPKの変動などに注意する必要があります。

何年も飲んでいるので副作用ではない?

一般的に、脂質異常症治療薬の副作用で横紋筋融解症が発症するリスクが高い期間は、使用開始から数ヶ月~2年程度とされています。

報告されている重篤な横紋筋融解症の発現時期は、約半数が投与1ヶ月以内です。

しかし1年以上たってからの発現することもあるので、何年も飲んでいる薬だから大丈夫といった考え方は危険です。

勝手にお薬を自己判断で中断

服薬中に何か体調の変化を感じて、インターネット検索や薬剤情報提供書(調剤薬局で渡されるお薬の説明書)などに載っていた症状に同じ・近いからといって、本当にその症状がお薬の副作用であるかの検証は行わず、自己判断で薬の副作用が出たと決めつけて、勝手に中止したり、減薬して医師には飲んでいるふりをしている場合も多いようです。

医師は、きちんと服用していて今の状態であると思っている為、今後治療していくにあたって、過量投与など様々な誤診をひき起こす原因となり得ます。

もし、中断した場合はその旨を必ず主治医に報告してください。

その副作用の発現率を調べていますか?(100万人に1人くらいの頻度かも)

その症状は、たまたま検索に引っかかっただけで、ほかにその症状が起こり得る要因は全くないですか?

その症状は薬の副作用にだけ起こるものですか?

100万人に1人くらいの頻度で起きる副作用でも情報として記載されています。

のんびり太郎
のんびり太郎

100万人に1人くらいにしか起こらないような副作用であれば、あなたに起きている症状がお薬の副作用である可能性はかなり低いです。
副作用である可能性もありますが、検査すれば副作用であるかどうか分かることもあります。

医師・薬剤師にちゃんと報告して解決しましょう!

あまり心配し過ぎて取り越し苦労にならないようにしてくださいね。

副作用には即時型・遅延型などいろいろあります。症状と服用時点の関連性は?

薬の副作用には、即時型と遅延型などさまざまな種類があります。

即時型の副作用は、薬を服用してから数分から数時間以内に現れるもので、アレルギー反応や胃の不快感などが典型的です。

一方、遅延型の副作用は、薬の服用後数日から数週間、場合によっては数か月後に現れることがあり、肝機能障害や発疹などが含まれます。

これらの副作用の出現タイミングと症状を正しく理解することで、薬を安全に使用するための重要な情報となります。

薬を使用する際のリスクを最小限に抑え、健康を維持するための知識を深めるために、ぜひご一読ください。

のんびり太郎
のんびり太郎

他にもいろいろ検証すべきことはたくさんあります。

本当にその症状は副作用ですか?

薬剤師には、アドバイスを行うことは出来ますが、副作用などを診断する権限は与えられていません。

副作用かな?と思ったら必ず医師の診断を受けましょう。

ほどよい堂
河邊甲介
河邊甲介

「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。

代表の河邊甲介は、漢方医学、薬膳、そして腸活を組み合わせた独自のアプローチで、個々の健康に寄り添います。

漢方相談や薬膳に関するオンライン相談も提供し、遠方の方々も利用できます。

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