鉄分をたくさん摂れば、貧血は治るの?貧血には様々な原因があります!

鉄分をたくさん摂れば、貧血は治るの?貧血には様々な原因があります!
のんびり太郎
のんびり太郎

貧血とは、赤血球やヘモグロビンの不足により、体内の酸素供給が十分に行われない状態のことを指します。

疲労感やめまい、頭痛などの症状が現れ、日常生活に支障をきたす可能性も。

主な原因は栄養不足や出血、慢性疾患などが挙げられます。

早期発見と適切な治療が重要であり、食生活の改善や鉄やビタミンの摂取、原因疾患の治療が行われます。

定期的な健康チェックと医師の指導により、健康な生活を維持することが大切です。

鉄分が不足して起こる「鉄欠乏性貧血」

貧血のうち、鉄が不足して起こる「鉄欠乏性貧血」であれば、『フェロミア🄬(一般名:クエン酸第一鉄)』『フェロ・グラデュメット🄬(一般名:乾燥硫酸鉄)』『フェルム🄬(一般名:フマル酸第一鉄)』などの鉄剤を補給することで改善します。

鉄を摂ることはあくまで血液の「材料」を補給するだけで、作られた製品である「赤血球」のトラブルや、血液の工場である「骨髄」のトラブルにはあまり関係がありません。

鉄を摂っても良くならない場合、鉄不足以外の原因を疑う必要があります。

一度病院で検査を受けることをお勧めします。

鉄剤を服用すると便の色が黒くなることがありますが、体に異常が出ているわけではないので心配する必要ははありません。

鉄剤とお茶

緑茶

「鉄剤はお茶で飲んではいけない」と昔から言われています。

これは、「鉄」がお茶に含まれる「タンニン」と複合体を形成し、吸収されにくくなるという理由からです。

しかし近年、貧血状態の身体は鉄を吸収する力が高まっていることもあり、鉄剤をお茶で飲んでも貧血治療には大きく影響しないことが明らかになってきました。

このことから、最近ではお茶を厳しく制限する必要はないとされています。

実際、『フェロミア🄬』は「タンニン」が豊富な緑茶で服用した場合でも、鉄の吸収や貧血治療の効果に影響しないことが確認されています。

ただし、『フェロ・グラデュメット』では鉄の吸収が半分程度にまで大きく低下するという報告もあるため、濃い緑茶を日常的に飲む習慣がある人は、より影響の少ない『フェロミア』を選ぶのが無難です。

鉄欠乏性貧血の治療では、体内に貯蔵されている鉄の量も回復させなければならないため、貧血の症状が治まっても3~6ヶ月程度は薬を飲み続ける必要があります。

症状が治まったら薬を止めて良いというわけではありません。

自分の赤血球を攻撃してしまう「溶血性貧血」

「溶血性貧血」は、免疫システムが自分の赤血球を攻撃してしまうことによって起こり得る症状の1つです。

通常、自分の赤血球は”敵”ではないため、免疫が攻撃することはありません。

これが何らかのトラブルによって赤血球を「敵=抗原」と誤認してしまうと、赤血球に対する抗体が作られてしまいます。

こうした貧血の場合、いくら鉄を補給して赤血球の産生を促しても、作ったそばから抗体によって破壊されてしまいます。

詳細な原因によって治療方法は様々ですが、免疫抑制剤やステロイド等を使用する必要があります。

骨髄の機能異常で起こる「再生不良性貧血」

赤血球だけでなく、白血球や血小板は ”骨髄” で作られています。

この ”骨髄” に何らかの異常が起きて、造血機能が働かなくなると、まともな赤血球が作られなくなり、貧血を起こします。

この場合、赤血球だけでなく免疫に関わる白血球や、血液を固まらせる血小板なども影響を受けるため、感染症にかかりやすくなったり、血が固まりにくくなったりといった随伴症状も起こることがあります。

薬の副作用で起きた場合には薬の中止を検討します。

腎臓が悪くなっても貧血になる「腎性貧血」

赤血球を増やすホルモンである「エリスロポエチン」は、腎臓で作られています。

そのため、「慢性腎臓病」になるとエリスロポエチンが減り、赤血球が作られなくなります。

その結果、『腎性貧血』と呼ばれる貧血症状を起こします。

腎性貧血に対しては、鉄を補給するだけでは改善せず、エリスロポエチン製剤による治療が必要です。

特に鉄の補給だけで治療しようとすると ”鉄過剰” の状態になりやすいため、過不足ない投与をしなければなりません。

薬剤師としてのアドバイス:鉄の補給で簡単に治らない場合は、別の原因を疑おう

貧血は、出血が続いていても起こります。

自覚症状がないまま「胃潰瘍」「がん」などを発症していた結果、その出血によって貧血を起こしているといったケースもあります。

胃潰瘍の場合は、便の色が黒くなることがあります。

また、貧血の自覚症状は「起立性低血圧」とも非常によく似ているため、間違って認識しているケースも多々あります。

鉄は食事などで補給することも可能ですが、それで改善が見られない場合には、一度病院で検査を受けるようにしましょう。

子どもの貧血は、ピロリ菌が原因の可能性も

10歳以上の年長児の、繰り返す鉄欠乏性貧血は、ピロリ菌の感染が原因である可能性があります。

この場合、鉄剤を飲んでいる間は症状が改善するものの、薬を中止するとすぐに症状がぶり返す、といったケースが多く見られます。

除菌によって根本的な解決が望めますので、一度病院で検査するようにしてください。

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