体力が低下して、貧血などの症状がある方におすすめの漢方薬が『十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)』です。
慢性的な疾患に罹患している高齢者は服用してみる価値がありそうです。
免疫をアップさせる働きも認められています。

『十全大補湯』は手術をしたり、抗がん剤投与を受けたりしている場合の体力低下時におすすめの漢方薬のひとつです。


赤ちゃんの肛門付近におできができる『肛門周囲膿瘍』にも『十全大補湯』が効果が期待できるようなんだよね!


『肛門周囲膿瘍』はなかなか治らなくて、切開したり、抗生物質を飲み続けたりすることが多いのですが、漢方薬の『十全大補湯』を服用することにより、おできが再燃しにくいということがわかってきました。
また、『十全大補湯』を服用することで早く治癒してくれるようです。
【十全大補湯】の生薬構成(ツムラ)
黄耆(オウギ)、桂皮(ケイヒ)、 地黄(ジオウ)、 芍薬(シャクヤク)、蒼朮(ソウジュツ)、川芎(センキュウ)、当帰(トウキ)、人参(ニンジン)、茯苓(ブクリョウ)、 甘草(カンゾウ)
【十全大補湯】の効能効果(ツムラ)
病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血
【十全大補湯】の特徴・説明
- 『十全大補湯』は ”補剤” の代表的な方剤です。
補剤とは気力・体力を向上させて元気になる漢方薬のことを意味しています。。

”補剤” には凄い可能性が秘められています!
「免疫力アップ」「アンチエイジング効果」もアリ⁉
- 『十全大補湯』は構成生薬的には「血虚」に用いられる『四物湯』と「気虚」に用いる『四君子湯』を合わせ「黄耆」「桂皮」を足したものが『十全大補湯』になります。
血流改善し、気力がアップされる作用が特徴です。

『四物湯』+『四君子湯』=『八物湯(八珍湯)』と言います!
- 『十全大補湯』は悪性腫瘍・手術後などの体力改善、疲労倦怠感の改善、貧血、冷え性などの改善など様々な症状に効果があります。
- 『十全大補湯』は味は表現法が難しいですが、わずかに甘いです。
【十全大補湯】のエビデンス
エビデンスとは、科学的根拠、つまり実験や調査などの研究結果から導かれた「裏付け」があることを指します。
- 抗がん剤の副作用軽減や免疫賦活作用が認められた。
- がん化学療法時の白血球減少の抑制が認められた。
- 透析患者のエリスロポエチン抵抗性貧血に対する効果が確認された。
【十全大補湯】のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、とは経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。



中医学的に ”肝血虚” に用いる方剤が『四物湯』+『四君子湯』⇒『八珍湯』です。
この『八珍湯』をベースにした方剤である『人参養栄湯』、『十全大補湯』を肝血虚に使用することが多いですね。
この肝血虚を判断するポイントは次のようになります。
男性・小児は2つ以上、生理がある女性は3つ以上当てはまると肝血虚と考えています。
- 皮膚に艶がない・皮膚が乾燥して痒い
- 髪が荒れやすい・抜け毛が多い
- 目が疲れやすい・目が乾燥する・視力が低下してきた
- 筋肉が痙攣しやすく痛みがある(こむら返りなど)
- 爪がもろい・割れやすい
- 立ちくらみがある(貧血傾向)
- 生理の色が以前より薄くなってきた
- 生理の量が以前より少なくなってきた
- 生理の周期が以前より長くなってきた
(引用:漢方.jp)
【十全大補湯】の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
【十全大補湯】の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
コメント