高齢者や体力が無い人の風邪におすすめの漢方薬が『麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)』です。

風邪の漢方薬は『葛根湯』ってイメージが強いけど…。
『麻黄附子細辛湯』なんて初めて聞いたよ。

『葛根湯』は日本では誰でも知っている漢方薬のひとつですよね。

高齢者の風邪には『葛根湯』じゃダメなの?

それに加えて、高齢者や虚弱体質の人は体が冷えていることが多いので、体を温める効果が強い生薬の「附子」が含まれている『麻黄附子細辛湯』の方がおすすめなのです。

風邪とはどのような状態なの?

主にウイルスが原因で起こる鼻・のどの急性の感染症が、一般的には『風邪』と呼ばれています。
風邪の原因はほとんどがウイルスなのです。
風邪の原因である「ウイルス」に対して「抗生物質」は全く効果がありません。
抗生物質が効果があるのは「細菌」であり、「ウイルス」と「細菌」は全く別のものなのです。
「抗生物質を飲めば風邪が早く治る!」という確かなデータは世界中どこにもありません。
現在では抗生物質の乱用による「薬剤耐性菌」の出現が世界的な問題になっています。
薬剤耐性菌とはどのようなものなの?
「薬剤耐性菌」とは、抗菌薬が効かない薬剤耐性(AMR=Antimicrobial Resistance)を持つ細菌のことです。
- 必要のない症例での抗菌薬の投与
- 必要以上の広域抗菌薬の投与
- 必要以上の抗菌薬の長期投与

新薬開発の現状は、次々と現れる薬剤耐性菌に対して抗菌薬の開発が追いつかなくなってきています。
これはかなり危険な状態なのです。

多剤耐性菌を正しく理解するために日本感染症学会から情報発信されています!
もっと詳しく知りたくなったあなたはこちら! ⇒【日本感染症学会HP】
麻黄附子細辛湯の生薬構成(ツムラ)
麻黄(マオウ)、細辛(サイシン)、附子末(ブシマツ)
麻黄附子細辛湯の効能効果(ツムラ)
感冒、気管支炎
麻黄附子細辛湯の特徴・説明
- 『麻黄附子細辛湯』は、風邪の初期に使用することの多い方剤です。
体質的には「陰症」といわれる体が弱い人や高齢者、病み上がりの人に効果的です。
手足が冷え、頭痛や寒気があり、顔色が悪く、背中全体が寒い、声に力が無いなどの症状が処方の目安とされています。
- 『麻黄附子細辛湯』の構成生薬である「附子」は新陳代謝を改善します。
附子剤は高齢者に使用頻度の多い生薬です。
- 『麻黄附子細辛湯』を服用すると胃腸障害が出る場合は『桂枝湯』を併用することで胃腸障害が出にくくなります。
『麻黄附子細辛湯』に『桂枝湯』を合わせると『桂姜棗草黄辛附湯』という方剤になります。
- 『麻黄附子細辛湯』の味は表現法が難しいですが、わずかな甘味と辛味です。
麻黄附子細辛湯のクリニカルパール
クリニカルパール( Clinical pearl )とは、経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。


『麻黄附子細辛湯』は、のどがチクチクと痛むような風邪の時にお勧めです!
体がだるくてすぐにでも横になりたくなるような場合が目安です。
また、「アレルギー鼻炎」にも効果が期待できます。

『桂姜棗草黄辛附湯(桂枝湯+麻黄附子細辛湯)』は精神的なショックが原因で起こったような際の腰痛にも効果が期待できます。
(引用:心とからだの臨床医学)

寒冷蕁麻疹には『麻黄附子細辛湯』を使っています。
(引用:漢方.jp)


麻黄附子細辛湯の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
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