慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎などで、咳や痰がつらいひとにおすすめの漢方薬が『滋陰至宝湯(じいんしほうとう)』です。
やせ型の虚弱体質のひとに使用されることが多い方剤です。

そのほか『滋陰至宝湯』は、ドライマウス、舌痛症、口腔異常感症などの症状が改善されたという報告もあがっています(※日本東洋医学雑誌 66(1), 22-27, 2015など)。

「舌痛症」ってどんな病気なの?

中高年の女性に好発する疾患で、口腔灼熱症候群(バーニングマウス症候群)の舌に限られる場合を「舌痛症」と呼んでいます。
口腔の粘膜に明らかな病変がないにも関わらず、常に舌の痛みを感じる疾患のようです。


滋陰至宝湯においては、滋陰(潤す)作用を有する生薬である「当帰、白朮、麦門冬」などによって口腔の乾燥を改善して、理気(メンタル系)作用を有する「柴胡、薄荷、香附子」などによってストレスなどが関与している可能性のある口腔の異常感を改善していると考えられますね。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とはどのような状態なの?

慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とは、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。
タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。
最大の原因は喫煙であり、喫煙者の15~20%がCOPDを発症します。治療によっても元に戻ることはありません。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状にはどのようなものがあるの?
歩行時や階段昇降など、身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難や慢性のせきやたんが特徴的な症状です。
一部の患者では、喘鳴や発作性呼吸困難などぜんそくの様な症状を合併する場合もあります。
(引用:日本呼吸器学会)

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滋陰至宝湯(じいんしほうとう)の生薬構成(ツムラ)
香附子(コウブシ)、 柴胡(サイコ)、 芍薬(シャクヤク)、 知母(チモ)、 陳皮(チンピ)、 当帰(トウキ)、 麦門冬(バクモンドウ)、 白朮(ビャクジュツ)、 茯苓(ブクリョウ)、貝母(バイモ)、 甘草(カンゾウ)、 薄荷(ハッカ)、地骨皮(ジコッピ)
滋陰至宝湯(じいんしほうとう)の効能効果(ツムラ)
虚弱なものの慢性のせき・たん
滋陰至宝湯(じいんしほうとう)の特徴・説明
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎などで、咳や痰がつらいひとに使用されることが多い漢方薬です。ネバネバした感じで切れにくい痰の場合が多いです。
- やせ型の虚弱体質のひとに使用されることが多い漢方薬です。
- 構成生薬では、滋養作用のある解熱薬として結核などの慢性的な微熱や体力の低下に用いられる「地骨皮」を含んでおり、クコの根が骨のような形をしていることが名前の由来のようです。
- 味は表現法が難しいですが、苦いです。
滋陰至宝湯(じいんしほうとう)のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、とは経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。

『滋陰至宝湯』と『滋陰降火湯』の使い分けのポイントは、『滋陰至宝湯』は女性に、『滋陰降火湯』は男性に向いている方剤になります。
(引用:漢方.jp)

『滋陰至宝湯』は『加味逍遥散』の ”潤す版” とイメージしてもらうと理解しやすいと思います。
また、口腔内乾燥状態の ”舌痛症” にも効果が期待できることが金沢大学の吉崎教授・小川先生によって報告されていました。
(引用:明解!西洋医学で耳鼻科漢方)
滋陰至宝湯(じいんしほうとう)の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
滋陰至宝湯(じいんしほうとう)の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
漢方薬のメーカーは「ツムラ」「クラシエ」が2大メーカーです。そのほか、「三和」「コタロー」などあります。どこのメーカーが優れているかは自分は正直わかりません。
同じ方剤名でもその中に含まれる生薬は植物などが原料になっているので、生産地・生産時期・天候などで変わります。ただ、しっかりと厳しい基準をクリアしたものですので心配はありません。
ちなみに、「ツムラ」さんの粉末は、粒子が大きいですがお湯に溶かすときれいに完全に溶けてしまいます。
「クラシエ」さんの粉末は、粒子が細かいですが、お湯に完全には溶けず、粒子が沈殿した感じになります。
実際に飲み比べて、お好みのメーカーを選んでいただければ良いと思います。
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