比較的に虚弱体質のひとの慢性的な関節痛(下肢の関節リウマチ、慢性関節炎、痛風)におすすめの漢方薬が『大防風湯(だいぼうふうとう)』です。
痛風・高尿酸血症とはどのような状態なの?

痛風発作が起こると「風が吹いただけでも痛い」と言われるほどの激痛を伴います。
痛風は足の親指付け根などの関節で発症しやすい疾患です。
痛風発作を予防するために使用される薬として『コルヒチン®』があるのですが、コルヒチンは白血球の作用を抑えることにより痛風発作を予防します。
痛風では血液中の「尿酸」が重要なポイントになります。
尿酸とは、不要となったDNAなどが分解された時に生成される老廃物です。
この尿酸値が高いと「高尿酸血症」と診断されます。
男女ともに尿酸値が7.0mg/dLまでは基準内ですが、これを超えると高尿酸血症と呼ばれます。
【大防風湯】の生薬構成(ツムラ)
地黄(ジオウ)、芍薬(シャクヤク)、甘草(カンゾウ)、防風(ボウフウ)、蒼朮(ソウジュツ)、附子(ブシ)、杜仲(トチュウ)、羌活(キョウカツ)、川芎(センキュウ)、当帰(トウキ)、牛膝(ゴシツ)、乾姜(カンキョウ)、黄耆(オウギ)、人参(ニンジン)、大棗(タイソウ)
【大防風湯】の効能効果(ツムラ)
下肢の関節リウマチ、慢性関節炎、痛風
- 疎経活血湯(そけいかっけつとう):血虚を伴う慢性的な痛みに
- 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう):体が丈夫なひとの関節痛・神経痛に
- 葛根加苓朮附湯(かっこんかりょうじゅつぶとう):関節痛に(上半身の痛み)
- 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう):冷え性で虚弱傾向のひとの関節痛に
- 苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう):腰骨より下の痛みに
- 薏苡仁湯(よくいにんとう):関節痛や筋肉痛、神経痛などに
- 二朮湯(にじゅつとう):四十肩・五十肩に
- 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう):こむら返り・筋肉の痙攣
【大防風湯】の特徴・説明
- 『大防風湯』は慢性関節炎で、関節の腫れや痛み、可動域の障害がある場合に使用されます。
- 『大防風湯』は体質的には虚弱体質の人に使用されることが多いで方剤です。
- 『大防風湯』に含まれている生薬の「防風」には解熱、消炎、鎮痛作用があるとされています。
- 『大防風湯』の味は表現法が難しいですが、わずかに酸味があり、苦いです。
【大防風湯】のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。


『大防風湯』は四十肩・五十肩の難治例に使用すると良い場合もあります。
(引用:漢方.jp)

『大防風湯』は中医学的には ”気血両虚があり、肝腎不足の風寒湿痺” に使用する漢方薬です。
”腎虚” とはいわゆる老化現象のことを意味しています。
腎虚の代表的な症状は頻尿・足腰の衰え・耳鳴り・難聴・目のかすみ・腰痛・下肢痛・乾燥肌による痒みなど様々です。
『大防風湯』は ”鶴膝風(かくしつふう)” と言われる状態がある際に使用すると良い漢方薬です。
(引用:がんじゅうふぁみりー)

”鶴膝風(かくしつふう)” とはふとももやふくらはぎの筋肉が落ちてしまい、膝関節の形状が鶴の膝部に似ることからついた名前と言われています。

【大防風湯】の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
【大防風湯】の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
漢方薬のメーカーは「ツムラ」「クラシエ」が2大メーカーです。そのほか、「三和」「コタロー」などあります。どこのメーカーが優れているかは自分は正直わかりません。
同じ方剤名でもその中に含まれる生薬は植物などが原料になっているので、生産地・生産時期・天候などで変わります。ただ、しっかりと厳しい基準をクリアしたものですので心配はありません。
ちなみに、「ツムラ」さんの粉末は、粒子が大きいですがお湯に溶かすときれいに完全に溶けてしまいます。
「クラシエ」さんの粉末は、粒子が細かいですが、お湯に完全には溶けず、粒子が沈殿した感じになります。
実際に飲み比べて、お好みのメーカーを選んでいただければ良いと思います。
コメント