胃腸が弱く、体質的に虚弱傾向のひとで関節痛・神経痛・しびれ感がある場合におすすめの漢方薬が『桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)』です。
帯状疱疹後神経痛(PHN)とはどのような状態なの?
帯状疱疹後神経痛とは、帯状疱疹の皮疹(水疱など)が消失し、帯状疱疹が治癒した後も続く痛みのことで、帯状疱疹の合併症としては最も頻度が高く、3ヵ月後で7~25%、6ヵ月後で5~13%の人が発症しているという報告もあります。
帯状疱疹後神経痛の代表的な症状には、“持続的に焼けるような痛み”、“一定の時間で刺すような痛みを繰り返す” などがあります。
他にも、”ヒリヒリ、チカチカ、ズキズキ、締めつけられる、電気が走る” と表現されるような痛みを感じることがあります。
感覚が鈍くなる状態(感覚鈍麻)や、触れるだけで痛みを感じる状態(アロディニア)もよく見られます。
(引用:疼痛.jp)

”帯状疱疹” について分かりやすく解説している動画がありますので紹介しておきますね!
【桂枝加朮附湯】の生薬構成(ツムラ)
桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、蒼朮(ソウジュツ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、附子末(ブシマツ)
【桂枝加朮附湯】の効能効果(ツムラ)
関節痛、神経痛
- 疎経活血湯(そけいかっけつとう):血虚を伴う慢性的な痛みに
- 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう):体が丈夫なひとの関節痛・神経痛に
- 葛根加苓朮附湯(かっこんかりょうじゅつぶとう):関節痛に(上半身の痛み)
- 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう):冷え性で虚弱傾向のひとの関節痛に
- 苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう):腰骨より下の痛みに
- 薏苡仁湯(よくいにんとう):関節痛や筋肉痛、神経痛などに
- 二朮湯(にじゅつとう):四十肩・五十肩に
- 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう):こむら返り・筋肉の痙攣
【桂枝加朮附湯】の特徴・説明
- 『桂枝加朮附湯』は関節リウマチなどの関節痛や三叉神経、坐骨神経痛、帯状疱疹後神経痛などの各種神経痛などに使用されます。
- 『桂枝加朮附湯』は体質的には胃腸虚弱で冷え性などの ”陰虚証” といわれる場合が使用の目安になります。
- 『桂枝加朮附湯』の味は表現法が難しいですが、甘味とわずかな辛味です。
【桂枝加朮附湯】のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、とは経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。

脊柱管狭窄症には『桂枝加朮附湯』をよく処方しています。
痛みが強い場合には「附子」を加えることがあります。
効果が薄い場合には、ノイロトロピン®やリリカ®を併用することもあります。
(引用:漢方.jp)

更年期の関節痛には『桂枝加朮附湯』が良く効きますね!
更年期の方は、手指の関節痛の方が多いです。
(引用:漢方.jp)

様々な治療をしてきたものの顔面痛が治らない患者さんで、天気が悪くなると痛みが強くなるという話により、”水毒” があると考え、『桂枝加朮附湯』に「附子末」を加えて治療すると改善したという経験があります。
(引用:第24回日本脳神経外科漢方医学会 学術集会)

『桂枝加朮附湯』は寒い季節の浮腫んだ関節痛に使用される漢方薬です。
冷えると痛みが強くなる様な場合に使用すると良い漢方薬ですね!
『桂枝加朮附湯』は中医学的には ”寒湿痺” に使用する漢方薬です。
”寒湿痺” とは寒さや湿気が原因で関節や筋肉に痛みやしびれを引き起こすことを意味します。
『桂枝加朮附湯』を構成生薬から解説すると次の通りです。
「大棗・生姜・甘草」で脾を丈夫にし気を高め、「芍薬・甘草」で筋肉のこわばりを改善し、「桂枝・附子・生姜」で体を温め「蒼朮」で余分な水分(湿)を取り除く漢方薬です。
『桂枝加朮附湯』単独では効果が弱い時には次のような漢方薬を併用すると良いです。
- むくみが強い場合:『桂枝加朮附湯』+『薏苡仁湯』
(引用:がんじゅうふぁみりー)

(整形外科)
『桂枝加朮附湯』を使う場合の目安は次の通りです。
- 細身の中高年女性で手指・肩・膝が拘縮や痛みを訴える場合で”冷えると痛い・冷たくてこわばる”と言う場合
- 胃がかなり弱くてロキソニン®・ボルタレン®などのNSAIDsの服用が出来ないようなタイプ
『桂枝加朮附湯』はへバーデン結節が出来ている様な人に良い漢方薬ですね!
(引用:漢方.jp)
【桂枝加朮附湯】の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
【桂枝加朮附湯】の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
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