『四逆散(しぎゃくさん)』は、肝鬱気滞(かんうつきたい)証に効果的な漢方薬で、精神的なストレスや緊張からくる体調不良を改善します。
肝気が滞ることで、体の調整がうまくいかなくなり、過食嘔吐や神経痛などの症状が現れることもありますが、『四逆散』はその肝気の流れをスムーズにし、心身のバランスを整える力を持っています。
例えば、職場のストレスで過食嘔吐に悩んでいた24歳女性が服用を始めたところ、2ヶ月で症状が減少し、1年後には過食嘔吐が改善され、心身ともに元気を取り戻しました。
さらに、『四逆散』にはオートファジーを抑制する効果もある可能性が示唆されており、膵炎や胃潰瘍、胆嚢炎などに対する新たな治療法として期待されています。
『四逆散』で、あなたの心と体の調和を取り戻し、健やかな毎日をサポートします。
ストレスや精神的緊張などによる不快な胃腸症状(みぞおちがつかえたり、胃やお腹がキリキリ痛む)におすすめの漢方薬が『四逆散(しぎゃくさん)』です。

ストレスは上手に発散しないとだね!


『四逆散』は、漢方のトランキライザー(安定剤)とも言われることも多く、「イライラ、不安、気分の変動、胃腸症状に効果が期待できます。
江戸時代中期の名医「和田東郭」は、『四逆散』を好んで使用してしたという記録が残っている様です。
ストレス性胃腸炎(神経性胃腸炎)とはどのような状態なの?/ 不安や緊張が胃腸にダメージ、ストレス性胃腸炎にご注意

ストレス性胃腸炎とは、不安や緊張、イライラしたときに、お腹に痛みが現れる病気です。
腹痛をはじめ、便秘、下痢、吐き気、めまい、疲労感、不安感、肩こり、頭痛などの症状が現れることがあります。
誰でも発症する可能性があるものですが、ストレスを感じやすい人に起こりやすい傾向があります。
(引用:平塚共済病院・小田原銀座クリニック・久野銀座クリニック 内科医 岡村 信良先生)
『四逆散』がオートファジー関連病に有効である可能性が⁉
大阪大学は、2020年3月6日に漢方薬である、『四逆散』が、オートファジーの活性を抑えることを見出し、その機構を明らかにしたと発表しました。
研究成果は、米国科学誌「PLOS One」に掲載されました。
何らかの原因によって、オートファジーの活動が落ちたり、または過剰になったりすると、さまざまな病気(がん、アルツハイマー病など)の発症や進行に影響することが明らかになりつつあるのですが、大阪大学大学院歯学研究科・生命機能研究科(兼任)の野田健司教授らの研究グループによって、四逆散が、飢餓誘導性のオートファジーを阻害することが解明されました。

これからの研究が期待できそうだね!

オートファジーとはどのようなものなの?/ 細胞の自浄作用、オートファジーで病気を遠ざける
オートファジーは、酵母や植物、動物など、すべての真核生物に備わっている細胞内の浄化・リサイクルシステムです。
細胞内の変性タンパク質や不良ミトコンドリア、さらには細胞内に侵入した病原性細菌などを分解して浄化することで、さまざまな病気から生体を守っています。
また栄養状態が悪くなったとき、過剰なタンパク質を分解して、生存に必要なタンパク質にリサイクルします。
(引用:理化学研究所、SPring-8)

2016年に東京工業大学の大隅良典栄誉教授が、「オートファジー(自食作用)」を解明したとして、生理学・医学賞という分野でノーベル賞受賞したのも記憶に新しいですよね!
(出典:ウキペディア)
四逆散(しぎゃくさん)の生薬構成(ツムラ)/ 柴胡、芍薬、枳実、甘草。四逆散で心身の調和をサポート
柴胡(サイコ)、 芍薬(シャクヤク)、 枳実(キジツ)、 甘草(カンゾウ)
四逆散(しぎゃくさん)の効能効果(ツムラ)
胆嚢炎、胆石症、胃炎、胃酸過多、胃潰瘍、鼻カタル、気管支炎、神経質、ヒステリー
四逆散(しぎゃくさん)の特徴・説明
『四逆散』は、肝鬱気滞(かんうつきたい)証に効果的な漢方薬です。
この証は、精神的ストレスや長期的な緊張によって肝の機能(肝気)が滞り、体内の調整がうまくいかない状態を指します。
肝は自律神経系と密接に関係しており、ストレスが解消され、リラックスした瞬間に尿もれが生じることがあります。
『四逆散』は、肝気の鬱結を和らげ、流れをスムーズにする作用を持ち、過食嘔吐や帯状疱疹後神経痛など、ストレスからくる症状を改善します。
例えば、職場での人間関係が原因で過食嘔吐を繰り返していた24歳女性に四逆散を処方した結果、2ヶ月後に症状の頻度が減少し、6ヶ月後には憂鬱感が改善され、1年後には過食嘔吐を経験しなくなりました。
『四逆散』は、ストレスや体調不良に関連する肝気の滞りを解消し、心身のバランスを整えることで、全体的な健康回復を促進します。
- 『四逆散』は体質的には、体が丈夫な「実証」傾向のひとに使用されることが多い漢方薬です。
古典的漢方では、”胸脇苦満” があることが目安になります。
- 『四逆散』の味は表現法が難しいですが、苦いです。
胸脇苦満とはどのような状態なの?/ 胸脇苦満、心と体のバランスを整える柴胡の力
両側の肋骨弓の下を押すと、圧痛と抵抗を認めるもののことを指します。
胸脇苦満は気管支炎、肺炎、胸膜炎、肝炎など横隔膜周囲の臓器の炎症や種々の精神疾患ででやすいとされ、「柴胡(さいこ)」という生薬の入った漢方薬、すなわち柴胡剤の使用を考慮する所見とされています。
現在では柴胡剤は感染症に使用されることは少なく、精神疾患、ストレス性疾患に使用されることが多い方剤です。
(引用:静岡県立病院 漢方外来 尾崎正時Dr)

『四逆散』は次のような感じのひとに使用すると良いようです!
- 些細なことが気にかかる
- 神経質で用心深い
- 自分の健康に自身が持てない
四逆散(しぎゃくさん)のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、とは経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。

異型狭心症のような場合の捉えどころのない胸痛に『四逆散』を処方することがあります。
その他、胸部の手術をした後の痛みにも効果が期待できます。
島根大学、循環器科の北村 順先生が講演で、心臓神経症に『四逆散』が効くことを話されていました。
痛みの原因のひとつに横隔膜の過緊張があるとされています。
この過緊張を柴胡剤が緩めてくれるのではと考えています。
(引用:漢方.jp)

原因不明の胸背部痛など ”ストレス性の体幹痛” には『四逆散』が効果が期待できます。
『四逆散』にデュロキセチン(サインバルタ®)を併用することでより高い効果が期待できます。
『四逆散』を使用する際の傾向は、性格的に優しくて真面目なひとでストレスが多くかかっているもののストレスを自覚していない場合が多いように感じています。
(引用:漢方.jp)

ストレスで悪化するようなIBS(過敏性腸症候群)には『四逆散』がファーストチョイスです。
手汗をかきやすい過緊張タイプのひとにおすすめの漢方薬です。
(引用:漢方.jp)

疏泄(そせつ)とは精神機能や臓腑の活動をのびやかに円滑に保つことです。
自律神経系の働きを整える作用のことです。
強いストレスを継続的に受け続けると肝の気や血を巡らすはたらきである疏泄がうまくゆかなくなってしまいます。
この組み合わせがある漢方薬は『四逆散』です。
その他『柴胡疎肝湯 (さいこそかんとう)』、『柴芍六君子湯 (さいしゃくりっくんしとう)』などが代表的な漢方薬です。

四逆散は、精神的ストレスによる肝鬱気滞(かんうつきたい)証に効果的な漢方薬です。
肝気の鬱結を和らげ、肝気の流れをスムーズにすることで、帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛の改善が期待されます。
症例では、ストレスが原因で免疫力が低下した患者に四逆散を処方したところ、症状の軽減と回復が見られました。
四逆散は、肝気の流れを整え、ストレスからくる体調不良に効果的です。

患者は24歳女性、職場での人間関係によるストレスが原因で過食嘔吐を繰り返していました。
夜遅く、一人の時に菓子パンを大量に食べ、トイレで吐く行動を繰り返していました。
舌は紅く、白い舌苔が薄く付着。診断は「肝鬱気滞(かんうつきたい)」証とし、肝気の流れをスムーズにするため四逆散を処方。
治療後、2ヶ月で過食嘔吐の頻度が減少、6ヶ月後には憂鬱感が改善、1年後には過食嘔吐を1ヶ月間経験せず、睡眠も改善。
職場でのストレスは残るものの、症状は大きく軽減しました。
四逆散(しぎゃくさん)の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
四逆散(しぎゃくさん)の入手方法 / 通販で買える!:楽天とAmazonのおすすめ商品一覧
『四逆散』は、肝鬱気滞(かんうつきたい)証に効果的な漢方薬で、精神的ストレスや緊張による体調不良を改善します。
ストレスが溜まると、肝気が滞り、体の調整がうまくいかなくなります。
『四逆散』は、そんな肝気の滞りを和らげ、スムーズに流れるようにサポートします。
過食嘔吐や帯状疱疹後神経痛など、ストレスからくる症状にも効果が期待できます。
『四逆散』で心と体のバランスを整え、健やかな毎日を取り戻しましょう。
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。

『安中散』と『四逆散』を混合した胃薬として「大正漢方胃腸薬アクティブ<微粒> 」が販売されています。
弱った胃の機能を高め、胃を元気にして、胃もたれを改善してくれます。
ストレスで胃が痛いような場合におすすめです!
自分の体質、知っていますか?漢方的視点で不調を徹底分析!

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代表の河邊甲介は、漢方医学、薬膳、そして腸活を組み合わせた独自のアプローチで、個々の健康に寄り添います。
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