虚弱体質で、神経過敏なひとの様々な体調不良におすすめの漢方薬が『柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)』です。
呼吸器症状からメンタル症状まで守備範囲が広い漢方薬です。
『柴胡桂枝乾姜湯』は ”多汗症” といわれる状態でも、首から上の汗が多い方に使用される漢方薬です。
西洋医学的には ”自律神経失調症” と診断されて、有効な治療方法がない場合が多いのですが、そのような場合に使用されるのが『柴胡桂枝乾姜湯』なのです。
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)の生薬構成(ツムラ)
柴胡(サイコ)、 黄芩(オウゴン)、栝楼根(カロコン)、 桂皮(ケイヒ)、 牡蛎(ボレイ)、 甘草(カンゾウ)、 乾姜(カンキョウ)
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)の効能効果(ツムラ)
更年期障害、血の道症、神経症、不眠症
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)の特徴・説明
- 『柴胡桂枝乾姜湯』は柴胡剤の一種で、柴胡剤のなかでは最も虚弱体質のひと(虚証)に使用される漢方薬です。
『柴胡桂枝乾姜湯』は柴胡剤の中で最も華奢な感じの人におすすめの漢方薬です。
生薬の一つである「乾姜」が体を温める作用があり、華奢な感じの人によく使用されます。
大塚敬節先生は『柴胡加竜骨牡蛎湯』の虚証に用いると説明しています。
- 『柴胡桂枝乾姜湯』は神経過敏をやわらげ、体の熱や炎症を取って心身の働きを整える漢方薬です。
- 『柴胡桂枝乾姜湯』には「牡蛎」が含まれており「気を鎮める」作用が期待されます。
- 『柴胡桂枝乾姜湯』は味は表現法が難しいですが、辛くて渋いです。
- 『柴胡桂枝乾姜湯』は ”臍上悸(さいじょうき)” と言われ、へその上あたりを押さえると「ドクドク」と脈を感じる状態が認められる場合に使用するといいと言われています。
漢方医学の腹部症候の一つに「臍上悸」があります。
日本 東洋医学会編『専門医のための漢方医学テキスト』) には「腹部動悸(心下悸・臍上悸・臍下悸):臍の 周囲の大動脈の触知を指すとされています。
腹力・腹壁の緊張度と 交感神経過緊張との兼ね合い、腹部大動脈の拍動が 腹壁に伝墦する状態と説明されています。
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)のクリニカルパール
『柴胡桂枝乾姜湯』の中医学的な効能効果・適応症は次の通りです。
- ”半表半裏(はんぴょうはんり)証 ”に対する発汗・功下の誤治
- 肝鬱化火(かんうつかか)・胃寒・津虚
”半表半裏(はんぴょうはんり)証 ” とは感染症の経過に見られる表証でも裏証でもない状態です。
特徴的な症状には ”往来寒熱” と言われる悪寒と熱感が交互にやってくる状態や胸脇部の張った痛み、食欲不振、悪心、口が苦いなどが挙げられます。
(引用:がんじゅうふぁみりー)
- 半表半裏(はんぴょうはんり):
表と裏の間を指して、胸膈や肝臓など横隔膜周辺領域(呼吸器から上部消化器)のことです。
- 往来寒熱(おうらいかんねつ):
悪寒と熱感が交互にやってくる状態のことで、例えば、午前は熱が出て、午後は悪寒がするといった現象です。
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。
代表の河邊甲介は、漢方医学、薬膳、そして腸活を組み合わせた独自のアプローチで、個々の健康に寄り添います。
漢方相談や薬膳に関するオンライン相談も提供し、遠方の方々も利用できます。
また、わんこの健康も見逃しません。
わんこ腸活に関するアドバイスも行っています。
「ほどよい堂」で、健康に関する様々な疑問や悩みを解決しませんか?
コメント