膝などの長引く関節痛には胃が荒れない漢方薬がおすすめ!【防已黄耆湯⑳(ぼういおうぎとう)】

防已黄耆湯

膝の痛みのファーストチョイスとなる漢方薬が防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)』です。

水分代謝に働きかけてむくみを取る漢方薬です。

膝が痛んで歩くのもつらくなってきたのですが、年のせいとあきらめるしかないのですかね…。

のんびり太郎
のんびり太郎

膝の痛みはつらいですよね…。

膝の痛みを和らげるためにNSAIDsなどが処方されることが多いと思いますが、NSAIDsなどの西洋薬の痛み止めを飲み続けると胃が荒れたり、血圧が上がったり、浮腫むなどの副作用が出てしまうので注意する必要があります!

そんな時は、漢方薬を試してみることをお勧めします!

変形性膝関節症とはどんな状態なの?

出典:日本整形外科学会

「変形性膝関節症」の原因は、関節軟骨の老化によることが多く、肥満や素因(遺伝子)も関与しています。

また骨折、靱帯や半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することがあります。

加齢によるものでは、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、つかい過ぎによりすり減り、関節が変形します。

男女比は1:4で女性に多くみられ、高齢者になるほど罹患率は高くなります。

主な症状は膝の痛みと水がたまることです。

初期では立ち上がり、歩きはじめなど動作の開始時のみに痛み、休めば痛みがとれますが、正座や階段の昇降が困難となり(中期)、末期になると、安静時にも痛みがとれず、変形が目立ち、膝がピンと伸びず歩行が困難になります。

                         (引用:日本整形外科学会)

【防已黄耆湯】の生薬構成(ツムラ)

防已(ボウイ)、黄耆(オウギ)、蒼朮(ソウジュツ)、生姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)

のんびり太郎
のんびり太郎

『防已黄耆湯』の構成生薬の覚え方!

”防已と黄耆は重症の多汗”

重⇒朮、症⇒生姜、多⇒大棗、汗⇒甘草

(出典:かるたde漢方)

ハルくん
ハルくん

「かるたde漢方」は主要129漢方方剤の薬効を「川柳風かるた」に落とし込み、診察室のやりとりを、「患者イメージイラストと台詞」でビジュアル化した書籍です。

イラストと川柳かるたの「語呂合わせ」で漢方薬を暗記できます!

【防已黄耆湯】の効能効果(ツムラ)

腎炎、ネフローゼ、妊娠腎、陰嚢水腫、肥満症、関節炎、癰、䉜、筋炎、浮腫、皮膚病、多汗症、月経不順

ダイエット効果が期待できる漢方薬!(肥満傾向の方におすすめ)

【防已黄耆湯】の特徴・説明

  • 『防已黄耆湯』は水太りしているような体質で、変形性膝関節症などの膝に水が溜まったような場合に使用されます。
    「むくみ」や「多汗症」を改善する効果もあります。
増山浩一先生
増山浩一先生

『腹証図解 漢方常用処方解説[改訂版]』において、『防已黄耆湯』を処方する目安は次のように示されています。

  • ブヨブヨした肥満(風湿身重)
  • 多汗
  • 下肢浮腫傾向

  • 『防已黄耆湯』は関節リウマチにも使用されることが多い方剤ですが、基本的には西洋薬の補助的な立場として使用されます。
    近年、関節リウマチは生物学的製剤・JAK阻害剤など効果的な治療薬が次々と開発され、劇的な改善が認められることが多くなっています。
のんびり太郎
のんびり太郎

抗リウマチ薬の種類を紹介します!

  • 免疫調整薬(DMARD)
    ブシラミン(リマチル®、ブシレート®)、サラゾスルファピリジン(アザルフィジンEN®)、イグラチモド(ケアラム®)、金製剤(シオゾール®)など

  • 免疫抑制薬
    • 経口薬
      メトトレキサート(リウマトレックス®、メトレート®)、タクロリムス(プログラフ®)

  • 生物学的製剤(注射)
    エンブレル®、ヒュミラ®、シムジア®、シンポニー®、レミケード®

  • JAK阻害薬
    ゼルヤンツ®、オルミエント®、スマイラフ®、リンヴォック®、ジセレカ®

※生物学的製剤は炎症を引き起こす物質であるサイトカイン(TNF-α、IL-6)や炎症を引き起こす細胞(T細胞)を抑制することで炎症を抑え軟骨や骨が破壊されるのを防ぎます。

  • 『防已黄耆湯』は味は表現法が難しいですが、甘いです。

防已黄耆湯の効果と肥満症改善:ダイエットサポートとしての役割

むくみ

防已黄耆湯とは?

防已黄耆湯は、漢方薬の一種で、特に「虚証きょしょう」タイプの体質改善に用いられます。

「虚証」とは、エネルギー(気)が不足している状態を指し、筋肉量が少なく、疲れやすい人に見られる特徴です。

防已黄耆湯の主な効果

防已黄耆湯にはダイエット効果はありませんが、肥満症を改善する効果が期待されています。

肥満症とは、内臓脂肪の過剰蓄積や肥満による健康状態の悪化を指します。

この漢方薬は、特に余分な水分が体に溜まりやすい「水太り」タイプの肥満症に効果的です。

水太りタイプの肥満症と防已黄耆湯

防已黄耆湯は、水分が過剰に体に溜まりやすい水太りタイプの肥満症を改善します。

これにより、ダイエットのサポートとしても役立つことが期待されます。

水太りタイプの肥満症は、体内の水分バランスが崩れ、むくみやすくなる状態です。

虚証タイプの特徴と防已黄耆湯の適用

虚証タイプの人は、胃腸の働きが弱く、十分なエネルギー(気)を作り出せないために、少食で疲れやすくなります。

このため、運動不足になりがちで、筋肉量が減少し脂肪が蓄積しやすくなります。

防已黄耆湯は、このような虚証タイプの人々に適しています。

胃腸の強化とエネルギーの補充

漢方では、虚証タイプの改善には胃腸の働きを強化し、エネルギー(気)を補充することが重要とされています。

防已黄耆湯は、胃腸を整え、エネルギー不足を補うことで、健康的な体質改善をサポートします。

小まとめ

防已黄耆湯は、ダイエット自体には直接効果はありませんが、肥満症の改善に寄与する漢方薬です。

特に、水太りタイプの肥満症や、エネルギー不足の虚証タイプの人々に対して効果が期待されます。

健康的な体質改善を目指す方にとって、胃腸の働きを強化し、エネルギーを補充する防已黄耆湯は有力なサポートとなるでしょう。

防已黄耆湯の効果:多汗症と関節痛への対応

多汗症への効果

エネルギー(気)の不足は、汗腺の開閉機能に影響を与え、異常な発汗を引き起こすことがあります。

中医学では気には「固摂作用」があるとされており、固摂失調により多汗・漏汗・多尿・遺尿といった津液の流出現象が現れます。

これにより、体力が弱くてよく汗をかく多汗症の症状が現れます。

防已黄耆湯は、このような多汗症の改善にも効果があります。

エネルギーを補い、汗腺の機能を整えることで、発汗のコントロールを助けます。

関節痛への効果

防已黄耆湯は、主に下半身の水分代謝を促進する働きがあります。

このため、膝に水分がたまりやすくなる関節痛にも効果的です。

水分代謝を正常化することで、膝の腫れや痛みを軽減し、関節の健康をサポートします。

水太りタイプの肥満症への効果

防已黄耆湯は、水分が過剰に体に溜まりやすい「水太り」タイプの肥満症を改善します。

これにより、ダイエットのサポートとしても役立つことが期待されます。

水太りタイプの肥満症は、体内の水分バランスが崩れ、むくみやすくなる状態です。

虚証タイプの特徴と防已黄耆湯の適用

虚証タイプの人は、胃腸の働きが弱く、十分なエネルギー(気)を作り出せないために、少食で疲れやすくなります。

このため、運動不足になりがちで、筋肉量が減少し脂肪が蓄積しやすくなります。

防已黄耆湯は、このような虚証タイプの人々に適しています。

胃腸の強化とエネルギーの補充

漢方では、虚証タイプの改善には胃腸の働きを強化し、エネルギー(気)を補充することが重要とされています。

防已黄耆湯は、胃腸を整え、エネルギー不足を補うことで、健康的な体質改善をサポートします。

小まとめ

防已黄耆湯は、多汗症や関節痛の改善に効果がある漢方薬です。

特に、エネルギー(気)の不足による多汗症や、膝に水分がたまることによる関節痛に対して有効です。

さらに、水太りタイプの肥満症や虚証タイプの体質改善にも役立ちます。

健康的な体質改善を目指す方にとって、防已黄耆湯は多方面でのサポートとなるでしょう。

肥満に効く漢方薬の選び方:防風通聖散 vs 防已黄耆湯のポイント

肥満症、高血圧に伴う諸症状、便秘がちな方に防風通聖散

『防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)』は、体力が充実して腹部に脂肪が多いような実証タイプの肥満症に適した漢方薬です。

高血圧に伴う動悸、肩こり、のぼせ、むくみなどの症状や、便秘がちな方にも効果的です。

防風通聖散の特徴
  • 体力が充実し、腹部に脂肪が多い実証タイプに適しています。
  • 便秘や高血圧に伴う動悸、肩こり、のぼせ、むくみなど、様々な症状に応用されます。
  • 中国の古典「宣明論」を原典とし、歴史的に実証で熱証体質者に対する瀉剤として使われてきました。
防風通聖散の構成生薬

防風通聖散は18種類の生薬から成り、多様な効能効果を発揮します。

  1. 発表作用(体表の風邪を発散): 防風、荊芥、薄荷、麻黄
  2. 清熱作用(体内の熱を冷ます): 黄芩、連翹、桔梗、石膏
  3. 攻裏作用(裏熱を瀉す): 大黄、芒硝、山梔子、滑石
  4. 補気血作用(血を保護し、内風を治める): 当帰、川芎、芍薬
  5. 調和作用(胃を調和): 生姜
  6. 健脾薬(脾胃の過度な損傷を防ぐ): 白朮、甘草

防風通聖散は、実証タイプの肥満に対する効果が科学的にも証明されており、様々な臨床試験でその有効性が確認されています。

水太りした虚証タイプの人に防已黄耆湯

『防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)』は、中国の古典「金匱要略」に記載された処方で、虚証タイプの肥満に適しています。

特に色白で水太りし、汗をたくさんかく人や下肢のむくみがある場合に効果的です。

防已黄耆湯の特徴
  • 虚証タイプの肥満に適しています。
  • 汗をかきやすく、下肢のむくみなどの症状を改善します。
  • 利水作用と補気作用により、水毒に伴う様々な症状を緩和します。
防已黄耆湯の構成生薬

防已黄耆湯は6種類の生薬から成り、水分代謝を正常化します。

  1. 防已: 風の邪気を去り、発汗を改善、利水作用
  2. 黄耆: 補気作用により、水毒を改善、過剰な発汗を抑制
  3. 白朮: 健脾・利水作用
  4. 大棗: 胃の働きを整える
  5. 甘草: 表の虚を補い、発汗を抑制
  6. 生姜: 胃気を補い、浮腫を改善

防已黄耆湯は、水分代謝不良による浮腫や関節の腫れ、多汗症に対しても効果的です。

適切な漢方薬の選び方

いずれの漢方薬も、患者の体質や症状に合わせて使用することが重要です。

『防風通聖散』は実証タイプの肥満に、『防已黄耆湯』は虚証タイプの肥満に適しています。

服用前には医師や薬剤師に相談し、適切に使用することをおすすめします。

【防已黄耆湯】のクリニカルパール

クリニカルパール(Clinical pearl)とは、経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。

千福貞博先生
千福貞博先生

防已黄耆湯』単独では「麻黄」「附子」が含まれていないため、ちょっと鎮痛作用が弱い感じがあります。

患部を冷やすと痛みが改善する場合は「石膏」が含まれている『麻杏甘石湯』『越婢加朮湯』を併用し、逆に患部を温めると痛みが改善する場合には「附子」が含まれている『桂枝加朮附湯』を併用すると良いです。

どちらでもないような場合には『麻杏薏甘湯』の併用が良いですね!

(引用:漢方.jp)

幾嶋泰郎Dr
幾嶋泰郎Dr

変形性膝関節症の痛みがあり、局所の熱感のないものに『防已黄耆湯』を用いて1~3週間で著効します。

局所の熱感があるときは『越婢加朮湯』にしています。

(引用:漢方.jp)

矢数道明先生
矢数道明先生

腋窩多汗症に『防已黄耆湯』が著効した経験があります。

季節に関わらず、腋下から滴るような汗をかき、わきがにも悩んでいた女性(丸々と太って、筋肉もついていない水太り)に『防已黄耆湯』を与えると翌日から尿量が増え、発汗が減少しました。

(引用:日本東洋医会誌)

<em>山田</em>光胤先生
山田光胤先生

心臓・腎臓などの臓器に異常がない常習性浮腫に『防已黄耆湯』が著効したことがあります。

Tomizawa
Tomizawa

膝関節症などによる”関節水腫”には次のような漢方薬を使用します。

※静脈の血流を改善する目的で『桂枝茯苓丸』または『桂枝茯苓丸加薏苡仁』を併用します。

軟骨や半月板には血液が通っていません。

そのため、関節液が栄養となり、関節(軟骨・半月板)の損傷を治そうとして出てくるのですが、これが出過ぎてしまうと関節が腫れた関節水腫になります。

(引用:漢方.jp)

Tomizawa
Tomizawa

偽痛風(ぎつうふう、Pseudogout)とはピロリン酸カルシウム二水和物(CPPD)の関節軟骨や周囲組織への沈着を原因とした、関節炎を来す疾患の総称です。

穿刺した関節駅は黄褐色を呈することが多いです。

痛風と同じような関節炎の症状を起こしますが、高尿酸血症が見られないことから名付けられました。

このような ”偽痛風” には『越婢加朮湯』『防已黄耆湯』を併用すると良いです。

ぐずぐずと治りが悪いような場合には『防已黄耆湯』『疎経活血湯』の組み合わせに変更しています。

(引用:漢方.jp)

長嶺荒人先生
長嶺荒人先生

血虚と腎虚の改善で不妊症・不育症の95%は改善されるのですが、残りの数パーセントは色白のぽっちゃり型の体型の人なのです。

つまり、”痰湿” と ”気虚” がある場合です。

この場合は『防己黄耆湯』で対応します。

(引用:がんじゅうふぁみりー)

長嶺荒人先生
長嶺荒人先生

風痺(行痺):風邪(ふうじゃ)の侵入による痛みの特徴は次の通りです。

  • 遊走性の痛み
  • 上半身に痛みが起きることが多い

風痺(行痺)に使用される主な漢方薬は『葛根湯』『防已黄耆湯』です。

(引用:がんじゅうふぁみりー)

長嶺荒人先生
長嶺荒人先生

湿痺(着痺):湿邪の侵入による痛みの特徴は次の通りです。

  • 重だるく患部の範囲が広く締め付けられる様な痛み

湿痺(着痺)に使用される主な漢方薬は次の通りです。

  • 『防已黄耆湯』
    脾虚や陽虚に痰湿が加わった様な場合に使用する。
    お腹を丈夫にして元気をつけ浮腫を改善する作用がある。

  • 『麻杏薏甘湯』
    運動後に汗が冷えて急性の痛みが出てくるような場合に使用する

(引用:がんじゅうふぁみりー)

【防已黄耆湯】の注意点

むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。

【防已黄耆湯】の入手方法

  • 病院で処方してもらう
  • ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
のんびり太郎
のんびり太郎

『防己黄耆湯』はロート製薬からは「ラクリア®」、クラシエ製薬からは「コッコアポL®」という商品名で販売されています。

ほどよい堂
河邊甲介
河邊甲介

「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。

代表の河邊甲介は、漢方医学、薬膳、そして腸活を組み合わせた独自のアプローチで、個々の健康に寄り添います。

漢方相談や薬膳に関するオンライン相談も提供し、遠方の方々も利用できます。

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