体の熱や炎症を取り、神経過敏などのイライラを鎮める「瀉剤」(過剰な反応を抑える薬)の代表的な漢方薬です。
のぼせやほてり感におすすめの漢方薬が『三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)』です。

そのほか、『三黄瀉心湯』は、「不眠」にも効果があることがあります。


思い悩んだり、考え込み過ぎるなど悶々として目がさえて眠れない、胸苦しいときなどはこの証の特徴です。
このような状態を「心火」といい、心が過度の刺激を受けて高ぶり、熱を帯びていると考えます。
そのため、「不眠」を引き起こしてしまうのです。

『三黄瀉心湯』を服用する時の注意点はあるのかな?

『三黄瀉心湯』は、作用の強い薬です。
そのため、胃腸が丈夫でない場合は少量服用するか、『黄連解毒湯(おうれんげどくとう)』に変更するほうが良さそうです。

そのほか、『三黄瀉心湯』は、鼻血などの出血を止める効果も期待できるんだって!
ほてりとはどのような状態なの?

一般的に異常な熱感のことを「ほてり」といい、それが頭や顔に起こったものを「のぼせ」といいます。
精神的に緊張したり恥ずかしい思いをしたときや熱があるときにあらわれやすい症状ですが、自律神経のバランスの乱れや更年期障害などの疾患によって、慢性的にほてりが起きる場合もあります。
(引用:井上修二 先生、共立女子大学名誉教授著書)
三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)の生薬構成(ツムラ)
黄芩(オウゴン)、 黄連(オウレン)、 大黄(ダイオウ)

『三黄瀉心湯』は製薬メーカーにより生薬含有量が異なっていて、”最大3倍” もの差があるので注意が必要です!
- ツムラ:黄芩(3g)、 黄連(3g)、 大黄(3g)
- クラシエ:黄芩(1g)、 黄連(1g)、 大黄(2g)
- コタロー:黄芩(1g)、 黄連(1g)、 大黄(1g)
- オースギ:黄芩(3g)、 黄連(3g)、 大黄(3g)
※『三黄瀉心湯』は苦い漢方薬でもあるので、飲みにくい場合は「コタロー」からカプセル剤も販売されています。
三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)の効能効果(ツムラ)
高血圧の随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重、不眠、不安)、鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症
- 加味帰脾湯(かみきひとう):
「抑うつ傾向」「だるさ」「貧血」などがある場合
- 桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう):
嫌な夢をみることが多い場合
- 酸棗仁湯(さんそうにんとう):
疲れているのに眠れないような場合
- 釣藤酸(ちょうとうさん):
朝早く目が覚めて肩こり・耳鳴り・頭痛などがある場合
- 柴胡加竜骨牡蠣湯 (さいこかりゅうこつぼれいとう):
神経過敏で一度気になると眠れないような場合
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう):
火照って眠れないような場合
- 三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう):
火照って眠れないような場合 (※胃腸が丈夫な人向け)
- 人参養栄湯(にんじんようえいとう):
冷えて寝れないような場合
三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)の特徴・説明
- 『三黄瀉心湯』は体質的には、体が丈夫な「実証」タイプのひとに使用されることが多いです。
- 『三黄瀉心湯』の味は表現法が難しいですが、苦いです。
三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、とは経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。

三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
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