みぞおち付近に起こる胃の痛み・不快感におすすめの漢方薬が『安中散(あんちゅうさん)』です。
『安中散』が使用される目安に、胃の症状は、空腹時に症状が出やすい傾向があり、ストレスに影響されやすいような状態があります。
最近、お腹が減ると「胃が痛くなる」ことがあるのですが…。
ストレスが溜まってきたりして、胃の調子が悪くなるときには、漢方薬もおすすめです!
今回は、空腹時の胃の痛みに良く効く漢方薬『安中散』について解説してみます!
神経性胃炎とはどのような状態なの?
慢性的に胃の不調があるものの、内視鏡などで検査をしても特別な異常がみとめられず、胃の機能障害が原因と考えられるとき、「神経性胃炎」と呼ばれています。
欧米では、神経性胃炎のような機能的な胃の障害を「上腹部不定愁訴(しゅうそ:non-ulcer dispepsia〈NUD〉)」と呼ぶことが提唱され、わが国でも胃の不定愁訴(はっきりとしない不調)に対してNUDという病名が使われています。
神経性胃炎の原因・症状にはどのようなものがあるの?
胸やけ、腹部膨満感、食欲不振、夜間や空腹時の上腹部痛などが主な症状になります。
胃カメラなどの検査でも異常がみとめられず、ストレスや患者の性格など、心理的な要因が関与している場合が多くあります。
(参考資料:時事メディカル)
胃炎について分かりやすく解説してくれている動画がありましたので紹介しますね!
『安中散』が「アニサキス」の動きを抑制するって本当⁉
東京都立衛生研究所の村田以和夫氏によって、『安中散』や『平胃散』などが「アニサキス」の運動性に影響を与えることが明らかとなったと発表されていました。
また、生薬のケイヒ、ウイキョウ、リョウキョウ、ショウキョウ、シュクシャがアニサキスに対して強い運動抑制作用があることが明らかとなっています。
だだし、これは試験管内での実験であり、漢方薬のメーカーであるツムラからは「動きを鈍らせる効果があるといえるが、人体では実験していない」という回答があっていました。
アニサキスとはどのようなものなの?
「アニサキス」は、寄生虫(線虫)の一種です。
その幼虫(アニサキス幼虫)は、長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。
アニサキス幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。
「アニサキス」はこんな寄生虫だよ!
アニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を生(不十分な冷凍又は加熱のものを含みます)で食べることで、 アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。
かなり強い腹痛を伴うようです。
(引用:厚生労働省HP)
【安中散】の生薬構成(ツムラ)
桂皮(ケイヒ)、延胡索(エンゴサク)、牡蛎(ボレイ)、茴香(ウイキョウ)、甘草(カンゾウ)、縮砂(シュクシャ)、良姜(リョウキョウ)
【安中散】の効能効果(ツムラ)
神経性胃炎、慢性胃炎、胃アトニー
【安中散】の特徴・説明
- 慢性胃炎・逆流性食道炎(GERD)・機能性ディスペプシア(FD)などの、ストレスで悪化するような上腹部の疾患に使用されます。
主な症状は、胸やけ・げっぷ・胃痛・吐き気などです。
保険適応漢方薬の中で「茴香(ういきょう)、延胡索(えんごさく)、縮砂(しゅくしゃ)、良姜(りょうきょう)」が含まれているのは『安中散』だけなのも特徴のひとつです。
- 体質的には、痩せていて胃下垂があり、冷え性、疲れやすいようなひとに効果があります。
- 「延胡索(えんごさく)」は、鎮痛作用を有しています。
「延胡索」が含まれている漢方薬に生理痛や生理不順などに使用することが多い『折衝飲 ( せっしょういん )』があります。
- 味は表現法が難しいですが、わずかに苦いです。
【安中散】のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、とは経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。
『安中散』は配合生薬「延胡索」の鎮痛作用により生理痛にも効果が期待できます。
(引用:漢方.jp)
腹痛には『安中散』+『芍薬甘草湯』頓服が良いですよ!
(引用:漢方.jp)
【安中散】の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
【安中散】の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
『安中散』は、アリナミン製薬からは「ストレージ タイプI」という商品名で販売されています。
「太田漢方胃腸薬II」は、漢方処方の『安中散』に「茯苓(ブクリョウ)」を加えることによって、効きめを強化してあります。
また、胃腸虚弱にもすぐれた効果をあらわします。
「太田漢方胃腸薬II」には、剤型が錠剤と散財(粉)が用意されています!
「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。
代表の河邊甲介は、漢方医学、薬膳、そして腸活を組み合わせた独自のアプローチで、個々の健康に寄り添います。
漢方相談や薬膳に関するオンライン相談も提供し、遠方の方々も利用できます。
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