急な胃痛、特に冷たい飲食物やプールなど寒い環境が原因なら「胃寒(いかん)証」の可能性があります。
この場合、胃が固まって動かないような痛みや不快感が特徴です。
胃を温める漢方薬『安中散(あんちゅうさん)』が効果的ですよ。
『安中散』は急性・慢性胃炎やストレス性胃炎、逆流性食道炎などに使われ、みぞおちの痛みや胸やけ、げっぷ、嘔気にも対応します。
特に、冷え性で疲れやすい痩せ型の方におすすめです。
腹部の振水音や大動脈拍動が確認される場合も、『安中散』がぴったり。
冷えによる胃の不調がある方は、ぜひ試してみてくださいね。
みぞおち付近に起こる胃の痛み・不快感におすすめの漢方薬が『安中散(あんちゅうさん)』です。
『安中散』が使用される目安に、胃の症状は、空腹時に症状が出やすい傾向があり、ストレスに影響されやすいような状態があります。
最近、お腹が減ると「胃が痛くなる」ことがあるのですが…。
ストレスが溜まってきたりして、胃の調子が悪くなるときには、漢方薬もおすすめです!
今回は、空腹時の胃の痛みに良く効く漢方薬『安中散』について解説してみます!
神経性胃炎とはどのような状態なの?/ 検査で異常なし…でも続く胃の不快感、NUDが原因かもしれません
慢性的に胃の不調があるものの、内視鏡などで検査をしても特別な異常がみとめられず、胃の機能障害が原因と考えられるとき、「神経性胃炎」と呼ばれています。
欧米では、神経性胃炎のような機能的な胃の障害を「上腹部不定愁訴(しゅうそ:non-ulcer dispepsia〈NUD〉)」と呼ぶことが提唱され、わが国でも胃の不定愁訴(はっきりとしない不調)に対してNUDという病名が使われています。
神経性胃炎の原因・症状にはどのようなものがあるの?
胸やけ、腹部膨満感、食欲不振、夜間や空腹時の上腹部痛などが主な症状になります。
胃カメラなどの検査でも異常がみとめられず、ストレスや患者の性格など、心理的な要因が関与している場合が多くあります。
(参考資料:時事メディカル)
胃炎について分かりやすく解説してくれている動画がありましたので紹介しますね!
『安中散』が「アニサキス」の動きを抑制するって本当⁉
東京都立衛生研究所の村田以和夫氏によって、『安中散』や『平胃散』などが「アニサキス」の運動性に影響を与えることが明らかとなったと発表されていました。
また、生薬のケイヒ、ウイキョウ、リョウキョウ、ショウキョウ、シュクシャがアニサキスに対して強い運動抑制作用があることが明らかとなっています。
だだし、これは試験管内での実験であり、漢方薬のメーカーであるツムラからは「動きを鈍らせる効果があるといえるが、人体では実験していない」という回答があっていました。
アニサキスとはどのようなものなの? / サバやアジに潜む危険、アニサキスに注意!
「アニサキス」は、寄生虫(線虫)の一種です。
その幼虫(アニサキス幼虫)は、長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。
アニサキス幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。
「アニサキス」はこんな寄生虫だよ!
アニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を生(不十分な冷凍又は加熱のものを含みます)で食べることで、 アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。
かなり強い腹痛を伴うようです。
(引用:厚生労働省HP)
胃痛を中医学的観点から理解する
胃痛とは、上腹部(みぞおちから臍[へそ]の上辺り)の痛みを指します。
この部位にはいくつかの臓器が関連していますが、多くの場合、胃そのものが痛みの原因となります。
一時的な症状もありますが、慢性的または繰り返し生じる場合には、漢方薬を用いて体質からの改善を図ることが効果的です。
中医学における胃の役割
中医学では、上腹部の痛みは主に「胃気」の失調に関連すると考えられています。
「胃」とは解剖学的な胃だけではなく、口腔を含む広い消化器官全体を指します。
胃は「脾(ひ)」と協力し、以下の機能を果たします。
- 受納: 飲食物を受け入れる。
- 腐熟: 飲食物を消化する。
- 降濁: 消化後の不要な物質を下部へ送る。
胃の機能が失調すると、これらの過程に支障をきたし、胃痛が現れます。
胃痛に見られる主な証(パターン)と対応法
1. 肝気犯胃(かんきはんい)証 – ストレス性胃痛
- 原因: 肝の疏泄(そせつ)機能が滞り、胃気が停滞。
- 症状: 胃の張った痛み、ため息、げっぷ、排便の不快感。
- 対応: 肝気を調整し、胃気を回復させる漢方薬を用いる。
2. 肝火(かんか)証 – 熱を伴うストレス性胃痛
- 原因: ストレスにより肝気が高まり、熱邪が胃に影響。
- 症状: 胃の灼熱感、口臭、胸やけ、怒りっぽさ、不眠。
- 対応: 肝火を鎮め、肝気を調和させる漢方薬を使用。
3. 胃虚肝乗(いきょかんじょう)証 – 胃が弱い体質
- 原因: 胃虚体質がストレスで悪化。
- 症状: 痙攣性の胃痛、疲労、寝不足で悪化。
- 対応: 胃を強化し、ストレスを和らげる漢方薬を処方。
4. 胃熱(いねつ)証 – 胃に熱がこもるタイプ
- 原因: 刺激物や脂っこい食事、アルコールの過剰摂取。
- 症状: 胃の灼熱感、胸やけ、口臭、嘔吐。
- 対応: 胃熱を冷ます漢方薬を用いる。
5. 胃陰虚(いいんきょ)証 – 胃の潤い不足
- 原因: 胃液や唾液などの不足。
- 症状: 鈍痛、口渇、口の粘つき、虚熱(乾燥と熱を伴う)。
- 対応: 胃の陰液を補う漢方薬を使用。
6. 胃陽虚(いようきょ)証 – 胃の冷え
- 原因: 胃気虚証が悪化し冷えを伴う。
- 症状: 空腹時に痛みやすい、冷たい飲食物で悪化。
- 対応: 胃を温め、気を補う漢方薬を用いる。
7. 胃寒(いかん)証 – 寒冷による急性胃痛
- 原因: 寒冷刺激による寒邪(かんじゃ)の侵入。
- 症状: 冷えによる痛み、生つばの増加。
- 対応: 胃を温める漢方薬で治療。
8. 食滞(しょくたい)証 – 胃に食べ物が停滞
- 原因: 暴飲暴食や消化の悪い食事。
- 症状: 胃痛、吐き気、げっぷ、腹部膨満感。
- 対応: 消化を促進し停滞を改善する漢方薬を用いる。
▶胃痛に見られる主な証(パターン)と対応法
証(パターン) | 原因 | 主な症状 | 対応法 |
---|---|---|---|
肝気犯胃(かんきはんい)証 | 肝の疏泄機能が滞り、胃気が停滞 | 胃の張った痛み、ため息、げっぷ、排便の不快感 | 肝気を調整し、胃気を回復させる漢方薬を用いる |
肝火(かんか)証 | ストレスによる肝気の高まり、熱邪が胃に影響 | 胃の灼熱感、口臭、胸やけ、怒りっぽさ、不眠 | 肝火を鎮め、肝気を調和させる漢方薬を使用 |
胃虚肝乗(いきょかんじょう)証 | 胃虚体質がストレスで悪化 | 痙攣性の胃痛、疲労、寝不足で悪化 | 胃を強化し、ストレスを和らげる漢方薬を処方 |
胃熱(いねつ)証 | 刺激物や脂っこい食事、アルコールの過剰摂取 | 胃の灼熱感、胸やけ、口臭、嘔吐 | 胃熱を冷ます漢方薬を用いる |
胃陰虚(いいんきょ)証 | 胃液や唾液などの不足 | 鈍痛、口渇、口の粘つき、虚熱(乾燥と熱を伴う) | 胃の陰液を補う漢方薬を使用 |
胃陽虚(いようきょ)証 | 胃気虚証が悪化し冷えを伴う | 空腹時に痛みやすい、冷たい飲食物で悪化 | 胃を温め、気を補う漢方薬を用いる |
胃寒(いかん)証 | 寒冷刺激による寒邪の侵入 | 冷えによる痛み、生つばの増加 | 胃を温める漢方薬で治療 |
食滞(しょくたい)証 | 暴飲暴食や消化の悪い食事 | 胃痛、吐き気、げっぷ、腹部膨満感 | 消化を促進し停滞を改善する漢方薬を用いる |
胃痛の治療と予防
- 治療: 中医学的には、原因となる体質や証に合わせた漢方薬を用いることが基本です。
- 予防:
- 生活習慣の見直し(適切な食事、ストレスの緩和)。
- 症状が慢性的な場合は、早めに専門家に相談する。
【安中散】の生薬構成(ツムラ)/ 桂皮や良姜の温め効果。「安中散」で冷えた胃に安心を。
桂皮(ケイヒ)、延胡索(エンゴサク)、牡蛎(ボレイ)、茴香(ウイキョウ)、甘草(カンゾウ)、縮砂(シュクシャ)、良姜(リョウキョウ)
【安中散】の効能効果(ツムラ)
神経性胃炎、慢性胃炎、胃アトニー
【安中散】の特徴・説明 / 冷えた胃に、ほっとひと安心。「安中散」で温めケア!
『安中散(あんちゅうさん)』は、胃の冷えからくる不調を改善する漢方薬です。
特に、冷たい飲食物や寒い環境が原因で起こる胃痛、「胃寒(いかん)証」に効果を発揮します。
胃が固まったように動かない痛みや胸やけ、げっぷ、嘔気などが主な症状です。
また、急性・慢性胃炎、ストレス性胃炎、神経性胃炎、逆流性食道炎、消化性潰瘍などにも応用され、みぞおちの痛みや胸やけを緩和します。
腹部が軟弱で、大動脈拍動や振水音が確認される方にも適しています。
冷え性で疲れやすい痩せ型の体質にも対応しており、胃の冷えが引き起こす不快感を根本から改善します。
胃の不調や冷えが気になる方は、『安中散』で胃を温めて快適な日々を取り戻しましょう。
- 慢性胃炎・逆流性食道炎(GERD)・機能性ディスペプシア(FD)などの、ストレスで悪化するような上腹部の疾患に使用されます。
主な症状は、胸やけ・げっぷ・胃痛・吐き気などです。
保険適応漢方薬の中で「茴香(ういきょう)、延胡索(えんごさく)、縮砂(しゅくしゃ)、良姜(りょうきょう)」が含まれているのは『安中散』だけなのも特徴のひとつです。
- 体質的には、痩せていて胃下垂があり、冷え性、疲れやすいようなひとに効果があります。
- 「延胡索(えんごさく)」は、鎮痛作用を有しています。
「延胡索」が含まれている漢方薬に生理痛や生理不順などに使用することが多い『折衝飲 ( せっしょういん )』があります。
- 味は表現法が難しいですが、わずかに苦いです。
【安中散】のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、とは経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。
『安中散』は配合生薬「延胡索」の鎮痛作用により生理痛にも効果が期待できます。
(引用:漢方.jp)
腹痛には『安中散』+『芍薬甘草湯』頓服が良いですよ!
(引用:漢方.jp)
【安中散】の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
【安中散】の入手方法 / 通販で買える!:楽天とAmazonのおすすめ商品一覧
胃の不調に悩んでいませんか?
特に冷たい飲み物や寒い環境で急に胃がキリキリ痛む方におすすめなのが『安中散(あんちゅうさん)』です。
この漢方薬は、胃を温めて和らげる効果があり、急性・慢性胃炎やストレス性胃炎、神経性胃炎など幅広く活用されています。
みぞおちの痛みや胸やけ、げっぷ、嘔気などがある場合にも頼れる存在です。
また、冷え性で疲れやすい痩せ型の方や、腹部の軟弱さが気になる方にもピッタリ。
胃が固まって動かないような不快感が和らぎ、心も身体もホッとできます。
胃の冷えを感じたら、ぜひ『安中散』をお試しください。
毎日の食事をもっと快適に楽しみましょう!
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
『安中散』は、アリナミン製薬からは「ストレージ タイプI」という商品名で販売されています。
「太田漢方胃腸薬II」は、漢方処方の『安中散』に「茯苓(ブクリョウ)」を加えることによって、効きめを強化してあります。
また、胃腸虚弱にもすぐれた効果をあらわします。
「太田漢方胃腸薬II」には、剤型が錠剤と散財(粉)が用意されています!
自分の体質、知っていますか?漢方的視点で不調を徹底分析!
なんだか疲れやすい、肌の調子が悪い…その不調、実は体質が原因かもしれません!
東洋医学や中医学では、不調の原因を体質のバランスの乱れと考え、漢方体質診断や気血水診断を通じて自分の状態を知ることが大切なんです。
気・血・水や五行バランスを整えることで、未病ケアに繋がり、健康体質へと導けます。
さらに、漢方薬や薬膳生活を取り入れると効果的!
まずは簡単な体質チェックをして、自分の体の声を聞いてみましょう。
日々のちょっとした不調が気にならなくなると、生活がグッと楽になりますよ。
さあ、今すぐチェックを始めて、体質改善の第一歩を踏み出しましょう!
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「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。
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