副鼻腔炎や鼻炎におすすめの漢方薬が『葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)』です。
風邪をひいた後の鼻づまりや・鼻水に効果が認められています。

副鼻腔炎によく使用される漢方薬は次のようなものがあります。
- 『葛根湯加川芎辛夷』:
急性期といわれる症状が出始めの頃で、透明で水っぽい鼻水が出るようなときが目安。
- 『辛夷清肺湯』:
症状が長引いてきて、粘稠度があり色のついた鼻水が出るようなときが目安。
副鼻腔炎とはどのような状態なの?
副鼻腔炎とは、鼻腔(鼻の中)の周囲には副鼻腔と呼ばれる粘膜に覆われた空洞があり、細い穴で鼻腔に通じています。
頬・額の下・両目の間の骨の中にあります。
この副鼻腔に炎症が起こることを副鼻腔炎といいます。
鼻づまりや鼻水、頭痛や咳などの症状がみられるほか、匂いがわからなくなることがあります。

副鼻腔はこんな形をしています!

副鼻腔炎に使用されるお薬にはどのようなものがあるの?
- 抗菌薬:
急性副鼻腔炎であれば、7~10日間の服用が一般的です。
一方、慢性副鼻腔炎の場合は、少量のマクロライド系とよばれる抗菌薬を 3ヵ月間くらいを目安に長期間服用する治療が行われます。
- ステロイド剤:
基本的には点鼻薬です。
炎症を抑える効果があり、鼻症状改善を目的として使用されます。
- 抗ヒスタミン剤:
ヒスタミンの働きを抑えることでアレルギー反応を抑える薬です。
- 去痰剤:
粘液成分の粘りをとったりすることで、老廃物の排泄を助ける薬です。

抗ヒスタミン剤の「フェキソフェナジン(アレグラ🄬)」は、便秘で使われる「酸化マグネシウム」と一緒に飲むと フェキソフェナジン の効果を弱めてしまう可能性があります。
そのほか、マクロライド系抗生物質の「エリスロマイシンステアリン酸塩(エリスロシン🄬)」と一緒に飲むと、アレグラの血液中の濃度を上昇させ、副作用のリスクが高まる可能性があります。
葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)の生薬構成(ツムラ)
葛根(カッコン)、大棗(タイソウ)、麻黄(マオウ)、甘草(カンゾウ)、桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、辛夷(シンイ)、川芎(センキュウ)、生姜(ショウキョウ)
葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)の効能効果(ツムラ)
鼻づまり、蓄膿症、慢性鼻炎
葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)の特徴・説明
- 副鼻腔炎・鼻炎では、漢方薬のなかで、第一選択薬とされています。
- 風邪をひいた後の鼻づまり、膿性鼻汁、副鼻腔周囲の鈍痛などに即効性があり、服用後30分くらいで症状が改善してくることもあります。
- 味は表現法が難しいですが、辛いです。

生薬の一つである「辛夷(シンイ)」が含まれている漢方薬は、基本的に鼻の症状によいと考えてもらえばよいと思います。
アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎に「鼻うがい」の効果が確認されました!

2022年1月10日(月)NHK放送の ”東洋医学ホントのチカラ「健康の大問題 解決SP」” にて「鼻うがい」の効果について解説がありました!
見逃した方は「NHKオンデマンド」にて視聴できます!
また、放送後1週間は「NHKプラス」でも視聴が可能です。


「鼻うがい」とは、生理食塩水などを使って鼻の中を洗う行為で、インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」がルーツとされています。
「鼻うがい」がなぜアレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎に効果を発揮するのかというと、鼻の中にある線毛(せんもう)細胞と粘液の働きが良くなるためであると考えられています。
生理食塩水によって、異物を排除する働きが改善するのですね。

「鼻うがい」のやり方について分かりやすく解説してくれている動画があったよ!
葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、とは経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。

鼻が詰まって眠れない・口呼吸している様な場合のこどもの睡眠障害には『葛根湯加川芎辛夷』がおすすめです!
(引用:漢方.jp)

鼻づまりには中医学で言う”肺”を温める作用のある『葛根湯加川芎辛夷』と”肺”を冷ます作用のある『辛夷清肺湯』を併用すると、今までの経験上、効果が高まるような感じがあります。
(引用:がんじゅうふぁみりー)

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。

『葛根湯加川芎辛夷』は、クラシエ製薬からは「ベルエムピK®」という商品名で販売されています。
コメント