動悸・息切れにおすすめの漢方薬【炙甘草湯(しゃかんぞうとう)】

炙甘草湯(しゃかんぞうとう)

慢性疲労状態で、動悸・息切れがある人におすすめの漢方薬が『炙甘草湯(しゃかんぞうとう)』です。

循環器科で検査しても心臓には異常は認められないのに、突然、心臓がドキドキしたり、息切れするような症状が強い人に適している漢方薬です。

『炙甘草湯(しゃかんぞうとう)』には、血液の流れを整えたり、不整脈を改善したり、精神の安定にも関わる生薬が配合されています。

ハルくん
ハルくん

動悸や息切れなどの症状は何が原因となっているのかな?

のんびり太郎
のんびり太郎

動悸や息切れの原因は様々で、貧血の場合や、甲状腺機能亢進症、心臓が原因の不整脈など治療が必要な場合があります。

まずは早めに病院を受診して原因をみつけてくださいね!

ハルくん
ハルくん

年齢のせいだと放置していたらいけないんだね。

のんびり太郎
のんびり太郎

まずは西洋医学的に動悸や息切れの原因を診断・治療してもらって、それでも症状がつらい時には漢方薬を併用すると症状が和らぐこともあります。
今回は、動悸などの症状を和らげてくれる『炙甘草湯(しゃかんぞうとう)』について解説してみますね!

甲状腺の病気である「バセドウ病」とはどのような病気なの?

「バセドウ病」とは、びまん性甲状腺腫大(首の甲状腺がびまん性に腫れて大きくなること)、頻脈(脈が速くなること)、眼球突出(眼が出てくること)を3大徴候とする自己免疫性疾患であり、甲状腺機能亢進症を認める疾患の70〜80%を占めています。

甲状腺機能亢進症は、血液中の甲状腺ホルモンが過剰になって、全身の代謝が亢進し、特有な臨床症状を呈する状態を言います。

バセドウ病は、英語圏では「グレーブス病」とも呼ばれます。

ハルくん
ハルくん

甲状腺機能亢進症について分かりやすく解説してくれている動画があったよ!

出典:YouTube【2分で分かる医療動画辞典 ミルメディカル】

バセドウ病の症状とはどのようなものなの?

主なバセドウ病の症状は、頻脈、体重減少、手指のふるえ(振戦)、発汗増加などの甲状腺ホルモン過剰に伴う症状が現れ、びまん性甲状腺腫、眼球突出など特有の症状があげられます。

(引用:日本小児内分泌学会

のんびり太郎
のんびり太郎

甲状腺機能亢進症である「バセドウ病」に罹患すると、甲状腺ホルモンの影響で1日中運動を続けているような状態になってしまいます。

ハルくん
ハルくん

それで甲状腺機能亢進症になると痩せてくるんだね。

のんびり太郎
のんびり太郎

甲状腺腫瘍について分かりやすく解説してくれている動画がありましたので紹介しますね!

出典:2分で分かる医療動画辞典 ミルメディカル

「バセドウ病」を患っている人は意外と多い⁉多くの有名人も…

シンガーソングライターの「絢香」さん、元ピンクレディーの「増田恵子」さん、落語家の「立川志らく」さん、非公表ながらサッカー選手の「本田圭佑」さんなど甲状腺の病気は特別な病気ではないのです。

のんびり太郎
のんびり太郎

バセドウ病の特徴である「眼球突出」ですが、サッカー選手の「本田圭佑」さんもその症状がうかがえますね。

出典:NAGOYA GRAMPUS 
出典:ウキペディア

【炙甘草湯(しゃかんぞうとう)】の生薬構成(ツムラ)

地黄(ジオウ)、 麦門冬(バクモンドウ)、 桂皮(ケイヒ)、 大棗(タイソウ)、 人参(ニンジン)、 麻子仁(マシニン)、 生姜(ショウキョウ)、 炙甘草(シャカンゾウ)、 阿膠(アキョウ)

【炙甘草湯(しゃかんぞうとう)】の効能効果(ツムラ)

体力がおとろえて、疲れやすいものの動悸、息切れ

【炙甘草湯(しゃかんぞうとう)】の特徴・説明

  • 体力が低下しているひとが、疲労倦怠感・動悸を訴える場合に使用される漢方薬です。
    メンタル症状に関係なく使用できます。

  • 更年期障害やバセドウ病などで抗甲状腺剤などの補助療法として使用されることもあります。

  • 構成生薬の「炙甘草」は、マメ科のウラルカンゾウやスペインカンゾウの根などを乾燥し炒めたものです。
    漢方的には、健胃、鎮痛、鎮痙、去痰などの効能があります。
    また、炒めることで補気作用が強くなるといわれています。
のんびり太郎
のんびり太郎

「炙甘草」は「甘草」を蜂蜜であぶったものです。

  • 味は表現法が難しいですが、えぐいです。

【炙甘草湯(しゃかんぞうとう)】のクリニカルパール

クリニカルパール( Clinical pearl )とは、経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。

長嶺荒人
長嶺荒人

『炙甘草湯』は中医学的な効能は ”益気通陽” ”滋陰補血” です。

中医学的には ”心気虚” と呼ばれる状態「疲労感を伴い動くと悪化するような動悸・息切れ・胸苦しさ・不安感・めまい・冷や汗」などが出ている場合に『炙甘草湯』を用います。

これに冷え(陽虚)があれば『八味地黄丸』『麻黄附子細辛湯』「附子末」を併用します。

(引用:漢方.jp)

長嶺荒人
長嶺荒人

同じ動悸でも原因が異なれば使用する漢方薬も変わってきます。

中医学的に「”心血虚””心気虚” の動悸の違い」は次のように判断すると良いですね!

  • 心血虚:安静時の動悸で不安を伴う

  • 心気虚:軽い動作後の動悸と息切れ

心気虚に使用する漢方薬の代表が『炙甘草湯』です。

また、心血虚に使用する漢方薬の代表が『加味帰脾湯』で、目安は安静時に不安感を伴う場合の動悸になります。

(引用:漢方.jp)

長嶺荒人
長嶺荒人

寝汗には2つのタイプがあります!

  • 寝入りばなの寝汗⇒気虚タイプ

  • 明け方の寝汗⇒陰虚タイプ

(引用:がんじゅうふぁみりー)

【炙甘草湯(しゃかんぞうとう)】の注意点

むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。

【炙甘草湯(しゃかんぞうとう)】の入手方法

  • 病院で処方してもらう
  • ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。

ほどよい堂
河邊甲介
河邊甲介

「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。

代表の河邊甲介は、漢方医学、薬膳、そして腸活を組み合わせた独自のアプローチで、個々の健康に寄り添います。

漢方相談や薬膳に関するオンライン相談も提供し、遠方の方々も利用できます。

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