潰瘍性大腸炎は、消化器官に慢性的な炎症を引き起こし、下痢や便秘といった不快な症状を伴います。
西洋医学的な治療が主流ですが、漢方薬『啓脾湯』も症状の緩和に効果的とされています。
『啓脾湯』は、脾を健やかに保つことで消化吸収を促進し、腸の調子を整えます。
これにより、下痢と便秘の両方を改善する働きが期待できます。
また、啓脾湯は自然由来の成分から作られているため、副作用が少なく、長期的な服用が可能です。
潰瘍性大腸炎の症状で悩んでいる方にとって、漢方の力を取り入れることで、日常生活の質を向上させることができるかもしれません。
虚弱体質のひとの慢性下痢症、過敏性腸症候群におすすめの漢方薬が『啓脾湯(けいひとう)』です。
特に、「鶏鳴瀉」と呼ばれる明け方(起床時)に起こる下痢に使用されます。
便秘もつらいけど、下痢もつらい症状のひとうだよね。
下痢に使用される漢方薬も色々あるのですが、虚弱体質の人の慢性下痢に使用される漢方薬が『啓脾湯』です。
慢性下痢とはどのような状態なの?
慢性下痢症は、回数にかかわらず4週間以上続く軟便と定義され、米国での有病率は約3~5%、欧州では約4~5%です。
原因疾患は血管性、医原性、感染性、毒素性、アレルギー性、内分泌性、炎症性、腫瘍性、その他多岐にわたるが、非感染性のものが多く、頻度が高いものとして過敏性腸症候群や乳糖不耐症などが挙げられています。
(引用:監修 山中克郎 福島県立医科大学会津医療センター総合内科)
潰瘍性大腸炎:原因不明の炎症性腸疾患とその特徴
潰瘍性大腸炎は、炎症性腸疾患の一つで、大腸の粘膜にびらんや潰瘍を引き起こす原因不明の慢性疾患です。
主な症状として、下痢、血便、腹痛、発熱、貧血などが挙げられ、これらに加えて様々な合併症が発現することもあります。
潰瘍性大腸炎は、厚生労働省により難病指定されていますが、適切な治療を行うことで、健康な人とほぼ変わらない日常生活を送ることが可能です。
炎症性腸疾患とは?
私たちの体は免疫系という防御システムを持ち、異物が体内に侵入した際に炎症という反応を引き起こします。
これは腫れや痛み、発熱などの免疫反応を伴います。
通常、炎症は健康を守るために必要な反応ですが、過剰になると体を傷つけることがあります。
炎症性腸疾患とは、腸において過剰な炎症が起こる病気を指します。
潰瘍性大腸炎の原因と特徴
炎症性腸疾患には、感染性腸炎や薬剤性腸炎など、原因が特定できるものがあります。
しかし、潰瘍性大腸炎のように、原因が特定できず、免疫反応が過剰に起こることで炎症が続く病気も存在します。
この病気では、炎症を引き起こす体内物質が通常よりも多く産生されていると考えられています。
同じく原因不明の炎症性腸疾患にクローン病がありますが、潰瘍性大腸炎は大腸に限られた炎症であるのに対し、クローン病は消化管全体に炎症が起こる可能性があります。
啓脾湯(けいひとう)の生薬構成(ツムラ)
蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、山薬(サンヤク)、人参(ニンジン)、沢瀉(タクシャ)、陳皮(チンピ)、甘草(カンゾウ)、肉(レンニク)、山楂子(サンザシ)
啓脾湯(けいひとう)の効能効果(ツムラ)
胃腸虚弱、慢性胃腸炎、消化不良、下痢
啓脾湯(けいひとう)の特徴・説明
- 『啓脾湯』は慢性的な下痢に使用される漢方薬です。
『啓脾湯』の名前の由来は「消化器全般を意味している ”脾” を啓く(ひをひらく)」ということからなり、消化機能を改善するという意味になります。
- 『啓脾湯』の生薬構成は、消化器症状を改善する基本方剤の『四君子湯』を骨格とし、それに「山薬」・「山査子」などを加えた漢方薬です。
『胃功散(四君子湯+陳皮)』に「山薬」・「沢瀉」・「蓮肉」・「山査子」を加えた漢方薬とも言えます。
「山薬」とはヤマノイモの皮を薄く剥いて乾燥したもので、強壮及び滋養作用と緊張を緩和させる作用を持っています。
「山査子(さんざし)」は整腸作用、消化作用などがあるとされています。
- 『啓脾湯』の味は表現法が難しいですが、わずかに苦くて酸味があります。
啓脾湯(けいひとう)のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。
『啓脾湯』は中医学では ”脾胃気虚の軟便” に使用する漢方薬です。
簡単に言えば、胃腸が弱い人の下痢止めです。
『啓脾湯』は『参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)』を簡素化した処方ですね!
(引用:がんじゅうふぁみりー)
”脾虚” の主な症状は次の通りです。
- 食欲不振
- 食が細い
- 下痢や軟便傾向
- お腹が張りやすい
- 手足・体全体がだるい
- 吐き気・嘔吐がある
『啓脾湯』は中医学での適応症は ”補気健脾・理気化湿・止瀉” になります。
”脾胃気虚の軟便” に使用する漢方薬です。
(引用:がんじゅうふぁみりー)
啓脾湯(けいひとう)の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
啓脾湯(けいひとう)の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
『啓脾湯』の煎じ薬でおすすめの商品がこちらです!
「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。
代表の河邊甲介は、漢方医学、薬膳、そして腸活を組み合わせた独自のアプローチで、個々の健康に寄り添います。
漢方相談や薬膳に関するオンライン相談も提供し、遠方の方々も利用できます。
また、わんこの健康も見逃しません。
わんこ腸活に関するアドバイスも行っています。
「ほどよい堂」で、健康に関する様々な疑問や悩みを解決しませんか?
コメント