虚弱体質のひとの慢性下痢症、過敏性腸症候群におすすめの漢方薬が『啓脾湯(けいひとう)』です。
特に、「鶏鳴瀉」と呼ばれる明け方(起床時)に起こる下痢に使用されます。

便秘もつらいけど、下痢もつらい症状のひとうだよね。


下痢に使用される漢方薬も色々あるのですが、虚弱体質の人の慢性下痢に使用される漢方薬が『啓脾湯』です。

慢性下痢とはどのような状態なの?
慢性下痢症は、回数にかかわらず4週間以上続く軟便と定義され、米国での有病率は約3~5%、欧州では約4~5%です。
原因疾患は血管性、医原性、感染性、毒素性、アレルギー性、内分泌性、炎症性、腫瘍性、その他多岐にわたるが、非感染性のものが多く、頻度が高いものとして過敏性腸症候群や乳糖不耐症などが挙げられています。
(引用:監修 山中克郎 福島県立医科大学会津医療センター総合内科)
啓脾湯(けいひとう)の生薬構成(ツムラ)
蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、山薬(サンヤク)、人参(ニンジン)、沢瀉(タクシャ)、陳皮(チンピ)、甘草(カンゾウ)、肉(レンニク)、山楂子(サンザシ)
啓脾湯(けいひとう)の効能効果(ツムラ)
胃腸虚弱、慢性胃腸炎、消化不良、下痢
啓脾湯(けいひとう)の特徴・説明
- 『啓脾湯』は慢性的な下痢に使用される漢方薬です。
『啓脾湯』の名前の由来は「消化器全般を意味している ”脾” を啓く(ひをひらく)」ということからなり、消化機能を改善するという意味になります。
- 『啓脾湯』の生薬構成は、消化器症状を改善する基本方剤の『四君子湯』を骨格とし、それに「山薬」・「山査子」などを加えた漢方薬です。
『胃功散(四君子湯+陳皮)』に「山薬」・「沢瀉」・「蓮肉」・「山査子」を加えた漢方薬とも言えます。
「山薬」とはヤマノイモの皮を薄く剥いて乾燥したもので、強壮及び滋養作用と緊張を緩和させる作用を持っています。
「山査子(さんざし)」は整腸作用、消化作用などがあるとされています。
- 『啓脾湯』の味は表現法が難しいですが、わずかに苦くて酸味があります。
啓脾湯(けいひとう)のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。

『啓脾湯』は中医学では ”脾胃気虚の軟便” に使用する漢方薬です。
簡単に言えば、胃腸が弱い人の下痢止めです。
『啓脾湯』は『参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)』を簡素化した処方ですね!
(引用:がんじゅうふぁみりー)

”脾虚” の主な症状は次の通りです。
- 食欲不振
- 食が細い
- 下痢や軟便傾向
- お腹が張りやすい
- 手足・体全体がだるい
- 吐き気・嘔吐がある

『啓脾湯』は中医学での適応症は ”補気健脾・理気化湿・止瀉” になります。
”脾胃気虚の軟便” に使用する漢方薬です。
(引用:がんじゅうふぁみりー)
啓脾湯(けいひとう)の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
啓脾湯(けいひとう)の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。

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