杏仁(きょうにん)は、杏(あんず)の果実から取り出した種子で木の種類によって「苦味」と「甘味」に分けられます。
漢方で生薬として使用されるのは「苦味杏仁」で、杏仁豆腐を作る際に使用する杏仁霜は「甘味杏仁」です。
杏仁は、アーモンド科の杏仁属(Prunus dulcis)に属する種子で、主に食用や調理に使用されます。
杏仁は、栄養価が高く、たんぱく質、炭水化物、脂肪、食物繊維、ビタミンE、マグネシウム、カルシウムなどの栄養素を含んでいます。
杏仁には、健康に良い影響を与えるとされる多くの健康効果があります。
杏仁には皮膚や髪の健康に良いとされるビタミンEが豊富に含まれています。
杏仁オイルは、スキンケア製品やヘアケア製品にも使用され、保湿効果があります。
杏の種子には、アミグダリンという成分が含まれており、これが苦味の主な原因です。
アミグダリンはアーモンドや桃、杏、プラムなどの種子に含まれる成分で、加水分解によってシアン化水素を生成するため、大量に摂取すると毒性があることが知られています。
ただし、普通に食べる範囲であれば、種子から十分な量のシアン化水素が生成されることはありません。
また、杏の場合、アミグダリンの含有量は比較的低いため、普通に食べる分には問題ありません。
杏仁豆腐の材料である杏仁霜は甘杏仁を粉末状にしたものです。
杏仁豆腐は、日本や中国、台湾、香港などのアジアの国々で広く食べられており、家庭で手作りすることもできます。
杏仁の薬膳データ
- 体質:気滞・陰虚
- 五性:温
- 五味:甘
- 帰経:肺・大腸
データの項目の見方
薬膳の観点からの区別とその食材に合う体質が分かります。
五味(ごみ)
薬膳における五味とは、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(塩辛い味)の5つの味のことです。
五味はそれぞれに対応する臓腑があり、その臓器に吸収されやすいといわれています。
- 酸味 – 肝 – 胆
- 苦味 – 心 – 小腸
- 甘味 – 脾 – 胃
- 辛味 – 肺 – 大腸
- 鹹味 – 腎 – 膀胱
五性(ごせい)
薬膳における五性とは、食材や生薬がもつ体を温めたり冷やしたりする性質のことです。
寒 / 涼 / 平 / 温 / 熱 があり、寒・涼の食材は体を冷やし、温・熱は体を温めます。
平は体を温めたり冷やしたりする性質のどちらもありません。
帰経(きけい)
薬膳における帰経とは、食材や生薬がどの臓腑・経絡に入り効果的に働くかを示した道しるべです。
臓腑や経絡、精神に影響を与えるといわれています。
個々の体質に合う帰経の食材を取り入れることで、体を良い状態に近づけられると考えられています。
体質(体質)
体質は、気滞体質 / 気虚体質 / 瘀血(血瘀)体質 / 血虚体質 / 痰湿体質 / 陰虚体質 / 湿熱体質 / 陽虚体質の8つに分かれ、それぞれの体質によっておすすめの食材や養生法が異なってきます。
その時の体質に合った食材・生薬を摂ることで体を良い状態に近づけられると考えられています。
杏仁のおすすめの食べ合わせ
杏の種である杏仁には、アーモンドのような味と香りがあり、食用として利用されることもあります。
アーモンドに含まれる栄養素も含まれており、疲労回復や美肌効果などに期待されています。
はちみつ(咳止めに)
のどの調子を整え、咳を鎮める杏仁と肺やのどを潤してくれるはちみつで、のどの炎症を抑え咳止め効果が期待できます。
はちみつは、蜜蜂が花の蜜から作り出す天然の甘味料で、栄養価が高く健康に良いとされています。
高級なはちみつとは、生産量が限られ、希少性があることや、特定の地域や季節にしか取れない、種類や品質が優れていることなどが挙げられます。
例えば、マヌカハニーは、ニュージーランド原産の特別な種類の蜂蜜で、天然の抗菌作用があり、喉の痛みや風邪の予防などに効果があるとされています。
また、アカシアハニーやラベンダーハニーなど、特定の植物から採取されるはちみつは、花の香りや風味が強く、高級感があるとされます。
さらに、高級なはちみつは、製造過程にもこだわりがあります。
例えば、手作業で採取され、濾過せずに原液のまま瓶詰めされる「生はちみつ」は、栄養素が豊富で、花の香りや風味が豊かです。
ミント・氷砂糖(喉の腫れ・痛みを和らげる)
ミントと氷砂糖は冷やす作用があるため、のどの炎症を抑えてくれます。
杏仁と一緒に取ることで効果UP。
氷砂糖とは、白砂糖を水に溶かして再結晶させた結晶状の砂糖です。
一般的には、角のない透明な結晶が特徴的で、冷たいドリンクやデザートに用いられることが多いです。
氷砂糖は粒度が細かく、溶けやすいため、冷たい飲み物に入れるとすぐに溶けて甘味を加えることができます。
また、煮物やスイーツ作りにも使われ、独特の甘みと香りを出すことができます。
一般的な白砂糖と比べて、氷砂糖はやや高価ですが、見た目が美しく、食感や風味にも優れているため、特別な料理や飲み物には欠かせない素材の一つとされています。
杏仁の注意ポイント
苦杏仁は取りすぎると、アミグダリンが含まれているため、過剰摂取によって健康被害を引き起こすリスクがあります。
アミグダリンがシアン化水素に変換され、中毒症状を引き起こすことがあります。
1日10gまでが目安です。
杏仁のおすすめレシピ
おすすめレシピは ”COOKPAD(クックパッド)” から引用しています!
杏仁の保存方法
直射日光を避け、冷暗所で保存してください。
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