認知症予防には食事が重要ですが、どの食事が最適なのでしょうか?
「MIND食」「DASH食」「地中海食」が注目されています。
これらの食事は、心血管疾患のリスクを減らすだけでなく、認知症のリスクも低減する可能性があります。
MIND食は、認知症予防に特化した食事パターンで、野菜、果物、穀物、魚、ナッツなどを積極的に摂取します。
DASH食は、塩分を控えた食事で、野菜、果物、穀物、低脂肪乳製品、魚、ナッツなどを中心に摂取します。
地中海食は、オリーブオイル、魚、ナッツ、果物、野菜など地中海沿岸地域で伝統的に摂取される食品が中心です。
これらの食事は、健康的な食生活と総合的な予防策として取り入れることで、認知症予防に効果的である可能性があります。
高齢化社会になった日本では「認知症」になることは珍しいことではなくなりました。
しかし、現在の医療では認知症を治すことは難しいとされていますが、認知症予防に何も打つ手がないわけではありません。
あまり聞き慣れないかもしれませんが、『MIND食』『DASH食』『地中海食』と呼ばれている食事内容が世界的に認知症予防によいとするデータが認められています。
なるべく早い段階から認知症にならないように予防することが大切だよね!
認知症にならないようにするためにも、今すぎにでも出来ることはしておいた方が良いのです!
そこで今回は、認知症予防対策として『食事』に注目してみました!
認知症とはどんなもの?
認知症は、加齢や疾患によって脳の機能が低下し、日常生活に支障をきたす症状の総称です。
認知症には多様なタイプがあり、主な症状には記憶力の低下、思考能力の衰え、言語障害、判断力の低下などが挙げられます。
記憶障害、見当識障害、判断力の低下(中核症状)を引き起こす脳の認知機能障害を指しています。
これらの症状は進行性であり、日常生活や社会参加に大きな影響を与える可能性があります。
この障害が日常生活に支障をきたすようになると「認知症」と呼ばれるようになります。
認知症とは症候に対する名称であり、種々の原疾患があります。
最も多く代表的な認知症が『アルツハイマー病』です。
その他の原疾患としては脳梗塞に引き続いておこる『脳血管性認知症』、幻視を伴う『レビー小体病』、『前側頭型認知症』などがあります。
早期発見と適切なケアや予防策が重要であり、健康な生活習慣や認知症予防に効果的な食事、脳トレーニングなどが推奨されています。
(参考文献:厚生労働省)
DASH食とは
『DASH食』とは「高血圧予防のための食事法」で、NIH(アメリカ国立衛生研究所)の主導で行われた臨床試験に基づく食事療法のことです。
「Dietary Approaches to Stop Hypertension」 の略になります。
DASH食の具体的な内容は、野菜や乳製品、果物、魚や大豆製品などを積極的に食べることです。
これらの食品には塩分の排出を促す効果のあるカリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維などが豊富に含まれており、同時に摂取することでその効果がさらに高まると言われています。
『DASH食』の特徴
- 食塩制限がある(ナトリウム2.3g/日=食塩5.8g/日)。※地中海食にはない
- 低脂肪あるいは無脂肪の乳製品を毎日摂取することを推奨。※地中海食はその推奨がゆるめ
- アルコール量は男性28g/日、女性14g/日まで
地中海食とは
『地中海食』とは、イタリア、ギリシャ、スペインなどの地中海沿岸の国々の人が食べている伝統的な料理のことで、以下のような共通の特徴があります。
赤ワインを摂取することも、認知症予防に効果があるようですね。
『地中海食』の特徴
- 果物や野菜を豊富に使用する
- 乳製品や肉よりも魚を多く使う(魚油などに含まれるn‐3系不飽和脂肪酸が豊富)。
- オリーブオイル、ナッツ、豆類、全粒粉など未精製の穀物をよく使う。
- 食事と一緒に適量の赤ワインを飲む
赤ワイン【ポリフェノールの脳神経系に対する作用】
ボルドー大学中央病院の Orgogozoらは、ボルドーのジロンド県ドルドーニュ在住 65歳以上の3777名について、飲酒量と死亡率、認知症、アルツハイマー症のリスクとの関係を、 3年間にわたり調べたようです。
赤ワインを毎日 3~4杯 (375~500mL)飲んでいる群では、認知症の発症リスクが非飲酒群に比べ約 1/5、 アルツハイマー症の発症リスクが 1/4で、死亡率も約 30%低下していることが確認されました。
このデータのワイン飲酒量は若干多い様にも思われるようですが、適量のワイン飲酒(グラス 1~3杯、100~300mL)は、心臓病に良いばかりでなく、脳神経疾患にも良いことが示唆されています。
(参考資料:佐藤充克 -2018-agriknowledge.affrc.go.jp)
【DASH食と地中海食の共通点】
- 肉類は控えめにする
- 魚を適度に摂取
- 野菜、果物、豆類、全粒穀物をよく摂る
MIND食とは
『MIND食』とは、心臓病の予防効果やダイエット効果が確認されている「地中海食」と、高血圧を防ぐために米国で考案された「DASH(ダッシュ)食」という2つの優れた食事法をベースに、認知症の予防を目的に新たに考案された食事法です。
『MIND食』において積極的に摂るべき食品【10項目】
- 緑黄色野菜(週6日以上)
- その他の野菜(1日1回以上)
- ナッツ類(週5回以上)
- ベリー類(週2回以上)
- 豆類(週3回以上)
- 全粒穀物(1日3回以上)
- 魚(なるべく多く)
- 鶏肉(週2回以上)
- オリーブオイル(優先的に使う)
- 赤ワイン(1日グラス1杯まで)
『MIND食』においてなるべく摂取を控えるべき食品【5項目】
- 赤身の肉(週4回以下)
- バター(なるべく少なく)
- チーズ(週1回以下)
- お菓子(週5回以下)
- ファストフード(週1回以下)
認知症予防が認められたデータ
認知症になっていない高齢者923人を対象に、平均4年半にわたる観察を続けた結果MIND食の15項目のうち、平均9.6項目実行したグループ(厳密に実行)は、平均5.6項目しか実行していないグループ(少し実行)に比べて、アルツハイマー型認知症の発症率が53%低かったことが認められました。
また、平均7.5項目実行したグループ(ゆるやかに実行)では35%低かったことが、2015年に、米シカゴのラッシュ大学医療センターでの実験が発表されています。
ポリフェノールの抗酸化作用
ブルーベリーなどのベリー類には抗酸化物質である「ポリフェノール」が豊富に含まれています。
また、赤ワインには、脂溶性の高いカテキンやポリフェノール類が多く抽出され、赤ワインは白ワインの約10倍程度のポリフェノールを含みます。
オリーブオイルの認知症予防効果
オリーブオイルは、品質により細かく区別されています。
国際オリーブ協会では、9種にオリーブオイルを区分して、その中で最も品質が優れているものが『エキストラバージン・オリーブオイル』と言われています。
「エキストラバージンオリーブオイル」が、脳の機能を改善させて、認知機能低下を抑制する可能性があることが、最新の研究で示唆されました。
その研究内容が次の通りです。
テンプル大アルツハイマー病研究所の所長、ドメニコ・プラティコは、アルツハイマー病や前頭側頭型認知症の患者の脳にみられる異常なタウタンパク質の蓄積を防ぐ効果があるのかどうかを、マウスを用いて研究しています。
その結果、エキストラバージンオリーブオイル入りの餌を与えたマウスは通常の餌を与えたマウスと比べて、タウタンパク質の蓄積が60%少なく、学習テストや記憶テストの成績でも上回ったことが発表されています。
おすすめの『オリーブオイル』は、スペイン・アンダルシア州の有機栽培畑で育てられたピクアルとピクード、オヒブランカ、アルベキナの4種類のオリーブを収穫し、24時間以内に搾油した有機栽培 エキストラバージン オリーブオイル です。
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まとめ
現時点において、認知症予防に軍配があがったのは『マインド(MIND)食』でした!
ただ、『DASH食』『地中海食』なども健康によいことは変わりません。
結局は、バランスのよい食事・適度な運動・趣味など充実した生活などが心身ともに健康を保つには大切なようです!
2019年3月27日までに公開された研究について、既存のレビューと選択された記事からの参照リストが調べられました。(合計56の記事が含まれています)
観察研究によると、MIND食は、地中海食やDASH食よりも認知機能低下やアルツハイマー認知症を予防する可能性がありますが、確固たる結論を導き出すには、MIND食に関するより多くの証拠が必要です。と考察されていました。
van den Brink AC、Brouwer-Brolsma EM、Berendsen AAM、van deRestO。AdvNutr。2019年11月1日; 10(6):1040-1065。土井:10.1093 / advances / nmz054。PMID:31209456
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