突然のグルグル回るようなめまいや吐き気に悩まされることはありませんか?
そんな時におすすめの漢方薬が『苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)』です。
この漢方薬は、古くからめまいや吐き気、そしてそれに伴う頭痛や動悸などの症状に効果があるとされています。
苓桂朮甘湯は、身体の水分バランスを整える働きを持つことで知られており、特にストレスや疲労からくる自律神経の乱れが原因で起こるめまいに効果的です。
天然由来の成分を使用しているため、副作用も少なく、日常生活に取り入れやすいのも魅力です。
突然のめまいや吐き気に備えて、苓桂朮甘湯を常備しておくことで、安心して過ごすことができるでしょう。
水分の代謝が悪くて、ぐるぐる回るような回転性のめまいにおすすめの漢方薬が『苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)』です。
耳の調子が悪いな~って思っていたら、突然グルグル回るようなめまいが起きたんだよね。
びっくりしちゃった。
めまいにはグルグル回ったり、フワフワしたり色々な種類の『めまい』があるんだよ。
めまいの原因も様々で、命にかかわる場合もあるので早めの受診が大切です。
ただ、ほとんどの場合は耳の中にある三半規管が原因だったり、自律神経の不調によるものなどなので、あまり心配しすぎないで下さいね!
メニエール病とはどのような病気なの?
『メニエール病』とは、蝸牛症状を伴う発作性のめまいを反覆する「内耳性めまい疾患」です。
発作時はめまい・平衡障害のため就床を要し、悪心・嘔吐などの自律神経症状を伴うことが多いとされています。
間歇期には正常に回復する例もあるのですが、発作を反覆すると聴力障害、前庭・半規管障害が不可逆となることもあります。
発作間隔は数日から数年に及ぶものもあり症例により異なります。
(参考文献:日本めまい平衡医学会)
メニエール病は、内耳の障害によって引き起こされる慢性疾患で、主に以下のような症状を特徴とします。
主な症状
- めまい: 突然の回転性めまい発作が特徴で、数分から数時間続くことがあります。発作中は立っていられないほどの激しい回転感を伴うことが多いです。
- 難聴: 一側性(片耳)の感音難聴が一般的で、発作とともに進行することがあります。通常、低音域から始まる難聴が特徴です。
- 耳鳴り: 発作中や発作の前後に耳鳴りを感じることが多いです。耳鳴りは持続的である場合もあります。
- 耳閉感: 耳が詰まった感じや圧迫感を感じることがあり、発作中に特に強くなります。
発症メカニズム
メニエール病の正確な原因は不明ですが、以下の要因が関与していると考えられています。
- 内リンパ液の異常: 内耳のリンパ液(内リンパ液)が過剰に分泌されるか、排出がうまくいかないため、内耳の圧力が異常に高くなることが原因とされています。
- 自律神経の乱れ: ストレスや過労が発症や悪化の要因となることが多いです。
- 遺伝的要因: 家族に同じ病気を持つ人がいる場合、発症リスクが高まることがあります。
診断
メニエール病の診断は、以下の基準に基づいて行われます。
- 反復性の回転性めまい発作: 2回以上のめまい発作があること。
- 難聴: 一側性の感音難聴が確認されること。
- 耳鳴りまたは耳閉感: 耳鳴りや耳の詰まった感じがあること。
- 他の疾患の除外: メニエール病以外の原因でないことが確認されること。
治療
メニエール病の治療は、症状の管理と発作の予防を目指します。
薬物療法
- 利尿剤: 内リンパ液の過剰分泌を抑えるために用いられます。
- 鎮静剤: めまい発作を緩和するために使用されることがあります。
- 抗めまい薬: めまいの症状を和らげるために使用されます。
- ステロイド: 炎症を抑えるために使用されることがあります。
非薬物療法
- 食事療法: 塩分摂取を制限し、内リンパ液のバランスを保つことが推奨されます。
- ストレス管理: ストレスを軽減するためのリラクゼーション法やカウンセリングが役立ちます。
- リハビリテーション: 平衡感覚を改善するためのリハビリが行われることがあります。
外科的治療
薬物療法や非薬物療法が効果を示さない場合、以下のような外科的治療が検討されることがあります:
- 内リンパ嚢開放術: 内リンパの圧力を下げるために行う手術。
- 神経切断術: 聴神経や前庭神経を切断することで、めまいの症状を抑える手術。
小まとめ
メニエール病は、内耳の異常によって引き起こされる慢性疾患で、回転性めまい、難聴、耳鳴り、耳閉感を特徴とします。
治療は主に症状の管理と発作の予防を目指し、薬物療法、非薬物療法、外科的治療が行われます。
適切な診断と治療により、症状を管理し、生活の質を向上させることが可能です。
メニエール病について分かりやすく解説してくれている動画がありましたので紹介しますね!
【苓桂朮甘湯】の生薬構成(ツムラ)
茯苓(ブクリョウ)、蒼朮(ソウジュツ)、桂皮(ケイヒ)、 甘草(カンゾウ)
【苓桂朮甘湯】の効能効果(ツムラ)
神経質、ノイローゼ、めまい、動悸、息切れ、頭痛
【苓桂朮甘湯】の特徴・説明
- 『苓桂朮甘湯』は回転性(メニエール病など)・発作性・頭位性のめまいに効果があります。
- 『苓桂朮甘湯』の構成生薬数は少なめの4種類で、即効性が期待できます。
- 『苓桂朮甘湯』は体質に関係なく、めまいなどの症状があれば服用して問題ありません。
- 『苓桂朮甘湯』は ”痰飲(水毒)” や ”気逆” によって起こるめまい・立ちくらみ・のぼせなどに用いられる方剤です。
- 『苓桂朮甘湯』の味は表現法が難しいですが、甘いです。
- ”気象病” とは気候や天気の変化が原因でおこるカラダの不調の総称で、頭痛やめまい、疲労感、関節痛、気持ちの落ち込み(うつ)、吐き気、喘息などさまざまな症状が出るのが特徴です。
このようなときにも『苓桂朮甘湯』が使用されます。
この表には、気象病の定義、主な症状、発症メカニズム、診断方法、治療と予防のアプローチがまとめられています。
それぞれの項目を通じて、気象病に関する包括的な情報が整理されています。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 天候の変化や気圧の変動によって引き起こされる体調不良や症状の総称。医学的には 「天気痛」や「気圧変動症」とも呼ばれる。 |
主な症状 | – 頭痛(偏頭痛、緊張型頭痛) – めまい(立ちくらみ、ふらつき感) – 関節痛(特にリウマチ患者に影響) – 気分の変動(イライラ、憂鬱感) – 体のだるさ – 耳の症状(耳鳴り、耳閉感) |
発症メカニズム | – 気圧の変動による内耳の圧力変化 – 自律神経の乱れ – 気温や湿度の急激な変化 – 季節性アレルギーの影響 |
診断 | – 問診と病歴の確認 – 身体検査 – 気象データと症状の関連性の確認 |
治療と予防 | – 薬物療法(鎮痛剤、抗炎症薬、抗めまい薬など) – 生活習慣の改善(睡眠、食事、運動のバランス) – ストレス管理(リラクゼーション、カウンセリング) – 気象変化への対応 – サプリメントの使用 |
まとめ | 気象病は天候や気圧の変動によって引き起こされる体調不良であり、個々の症状や原因に 応じた治療と予防が重要。適切な対処により生活の質を改善することが可能。 |
【苓桂朮甘湯】のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。
急性期のめまいには基本的に『苓桂朮甘湯』を用いますが月経不順・冷え性があれば『四物湯』を合わせるとよいです。
『苓桂朮甘湯』+『四物湯』⇒『連珠飲(れんじゅいん)』と呼ばれています。
※『連珠飲』は江戸時代の医師である本間 棗軒(ほんま そうけん、文化元年(1804年) – 明治5年2月8日(1872年3月16日))が創薬しました。
パニック障害などの過換気症候群による症状は漢方医学的には ”奔豚気(ほんとんき)” と呼び「気逆」と考えられています。
パニック障害はやがて「ひきつけ(テタニー)」を起こすことがありますが、その場合に使用すると良い漢方薬が『苓桂朮甘湯』と『甘麦大棗湯』です。
別々に使用してもよいのですが『苓桂朮甘湯』と『甘麦大棗湯』を合わせると『苓桂甘棗湯』となります。
”奔豚気(ほんとんき)” に対する漢方薬治療は次の2通りがあります。
- ①『苓桂朮甘湯』+『甘麦大棗湯』⇒『苓桂甘棗湯』
- ②『苓桂朮甘湯』+『柴胡加竜骨牡蛎湯』
この場合の使い分けは構成生薬の「甘草」の量に着目して、①は急性期、②は慢性期と考えています。
①の場合は「甘草」の量が1日量として7gになってしまうからです。
※パニック障害などのような急に起きる状態には「甘草(1日量として3g以上)」が含まれていることが必須なのです。
”掌蹠膿疱症” には『苓桂朮甘湯』がテキメンに効果が期待できます。
(引用:漢方.jp)
”掌蹠膿疱症” について分かりやすく解説している動画がありますので紹介しますね!
めまいの中でも ”起立性めまい” ”頭位性めまい” のファーストチョイスが『苓桂朮甘湯』です。
即効性もあり、症状が強い場合には投与頻度を増やすのが使用のコツです。
(引用:漢方.jp)
花粉症で『小青竜湯』がよく効くタイプの人は、花粉症の本治療法として『苓桂朮甘湯』を使用すると良い場合があります。
(引用:がんじゅうふぁみりー)
Aさんは近医にて起立性調節障害(以下OD)と診断され、内服薬(ミドドリン塩酸塩)により一時的に軽快しましたが、その後、頭痛や倦怠感が続き、他院で「補中益気湯(ホチュウエッキトウ)」を処方され症状が一時改善しました。
しかし、中学1年の夏休み前から朝起きられず登校できなくなり、再度ミドドリン塩酸塩と「小建中湯(ショウケンチュウトウ)」を処方されましたが、改善されず当院を受診しました。
ODは思春期初期に見られる自律神経失調症であり、不登校の原因の一つでもあります。
起立時の血圧低下にはミドドリン塩酸塩などの昇圧剤が用いられますが、副作用として動悸などが現れることがあり、治療が困難な例も少なくありません。
Aさんの症状における「口渇、立ちくらみ、心下部振水音(みぞおちのあたりを揺らすとポチャポチャと音がする状態)」は「水毒」、「疲れやすい、身体がだるい、体が重い、食欲がない」は「気虚」と漢方医学的に捉えられました。
特に「朝起きられない」症状がODによるものか、うつ症状によるものかが問題となりましたが、気分の抑うつなどは見られなかったため、基本病態を「気虚」ではなく「水毒」と判断し、「苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)」を処方しました。
二週間後、Aさんは「朝起きやすくなり、学校へは週2回午前中行けるようになった」と報告されました。
頭痛がひどいときには「五苓散(ゴレイサン)」を併用しました。
四週間後には「午前中は毎日登校できるようになった」とのことで、母親が代わりに来院し、追加処方を受け、良くなれば廃薬としました。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
疾患名 | 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう) |
説明 | 手のひら(掌)や足の裏(蹠)に膿疱(うみを持った水ぶくれ)が繰り返し発生する慢性の皮膚疾患。生活の質に 大きな影響を与え、治療が難しいことがある。 |
1. 主な症状
症状 | 説明 |
---|---|
膿疱 | 手のひらや足の裏に小さな膿疱が発生し、乾燥して鱗屑(うろこ状の皮膚)となる。 |
紅斑 | 膿疱が出る前や後に皮膚が赤くなることがある。 |
かゆみと痛み | 多くの患者は、かゆみや痛みを伴うことがある。 |
乾燥とひび割れ | 膿疱が乾燥すると、皮膚がひび割れて痛みを引き起こすことがある。 |
2. 発症メカニズム
要因 | 説明 |
---|---|
免疫系の異常 | 自己免疫反応が皮膚に影響を与える可能性がある。 |
感染症 | 扁桃炎や副鼻腔炎などの慢性の細菌感染がトリガーとなることがある。 |
喫煙 | 喫煙が掌蹠膿疱症の発症や悪化に関与しているという報告がある。 |
ストレス | 精神的なストレスが症状を悪化させることがある。 |
金属アレルギー | 歯科金属などの金属に対するアレルギーが関与している場合もある。 |
3. 診断
診断方法 | 説明 |
---|---|
皮膚生検 | 病変部の組織を採取し、顕微鏡で観察する。 |
血液検査 | 感染症や自己免疫疾患を除外するために行われることがある。 |
アレルギーテスト | 金属アレルギーの有無を確認するために行われる。 |
4. 治療
治療法 | 説明 |
---|---|
薬物療法 | 外用薬: ステロイドやビタミンD3の外用薬 内服薬: 免疫抑制薬やレチノイド(重症例) 生物学的製剤: 特定の免疫反応をターゲットにした薬 |
生活習慣の改善 | 禁煙: 喫煙をやめることが症状の改善に寄与することがある。 ストレス管理: リラクゼーション法やカウンセリング |
感染症の治療 | 慢性感染症の治療: 扁桃炎や副鼻腔炎などの慢性の感染症が原因と考えられる場合に治療 |
その他の治療法 | 光線療法: PUVA療法やUVB療法 外科的治療: 重症例では膿疱の除去手術が行われることもある |
掌蹠膿疱症のまとめ
内容 | 説明 |
---|---|
掌蹠膿疱症の概要 | 手のひらや足の裏に痛みやかゆみを伴う膿疱が繰り返し発生する慢性の皮膚疾患。原因は完全には解明されていないが、 免疫系の異常、感染症、喫煙、ストレス、金属アレルギーなどが関与している。 |
治療方法 | 薬物療法、生活習慣の改善、感染症の治療、光線療法などが用いられる。症状の管理と予防には、患者個々の状況に 応じた包括的なアプローチが必要。 |
【苓桂朮甘湯】の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
【苓桂朮甘湯】の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。
代表の河邊甲介は、漢方医学、薬膳、そして腸活を組み合わせた独自のアプローチで、個々の健康に寄り添います。
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