ぐるぐる回るような回転性のめまいにおすすめの漢方薬が『苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)』です。

耳の調子が悪いな~って思っていたら、突然グルグル回るようなめまいが起きたんだよね。
びっくりしちゃった。

めまいにはグルグル回ったり、フワフワしたり色々な種類の『めまい』があるんだよ。


めまいの原因も様々で、命にかかわる場合もあるので早めの受診が大切です。
ただ、ほとんどの場合は耳の中にある三半規管が原因だったり、自律神経の不調によるものなどなので、あまり心配しすぎないで下さいね!

メニエール病とはどのような病気なの?
『メニエール病』とは、蝸牛症状を伴う発作性のめまいを反覆する「内耳性めまい疾患」です。
発作時はめまい・平衡障害のため就床を要し、悪心・嘔吐などの自律神経症状を伴うことが多いとされています。
間歇期には正常に回復する例もあるのですが、発作を反覆すると聴力障害、前庭・半規管障害が不可逆となることもあります。
発作間隔は数日から数年に及ぶものもあり症例により異なります。
- 発作性の回転性(時に浮動性)めまいを反覆する。
- めまい発作に伴って変動する蝸牛症状(耳鳴・難聴)がある。
- 第8脳神経以外の神経症状がない。(※内耳神経と呼ばれ聴覚・平衡感覚を支配しているものが第8脳神経です)
- 原因を明らかにすることができない。
※1),2),3),4)が存在する時はメニエール病を疑う(90%)
(参考文献:日本めまい平衡医学会)

メニエール病について分かりやすく解説してくれている動画がありましたので紹介しますね!

【苓桂朮甘湯】の生薬構成
茯苓(ブクリョウ)、蒼朮(ソウジュツ)、桂皮(ケイヒ)、 甘草(カンゾウ)
【苓桂朮甘湯】の効能効果
神経質、ノイローゼ、めまい、動悸、息切れ、頭痛
- 五苓散(ごれいさん):水分代謝の異常をともなうめまいに
- 沢瀉湯(たくしゃとう):グルグル回るめまいに(回転性めまい)
- 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう):起立性調節障害による立ちくらみに
- 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):メニエル病や良性発作性頭位めまい症に!めまいの第一選択薬
- 真武湯(しんぶとう):フワフワするようなめまいに(浮遊性めまい)
【苓桂朮甘湯】の特徴・説明
- 回転性(メニエール病など)・発作性・頭位性のめまいに効果があります。
- 構成生薬数は少なめの4種類で、即効性が期待できます。
- 体質に関係なく、めまいなどの症状があれば服用して問題ありません。
- 「痰飲(水毒)」、「気逆」によって起こるめまい・立ちくらみ・のぼせなどに用いられる方剤です。
- 味は表現法が難しいですが、甘いです。
- 「気象病」は、気候や天気の変化が原因でおこるカラダの不調の総称で、頭痛やめまい、疲労感、関節痛、気持ちの落ち込み(うつ)、吐き気、喘息などさまざまな症状が出るのが特徴です。このようなときにおすすめの漢方薬が『苓桂朮甘湯』です。
【苓桂朮甘湯】のクリニカルパール

急性期のめまいには基本的に『苓桂朮甘湯』を用いますが月経不順・冷え性があれば『四物湯』を合わせるとよいです。
『苓桂朮甘湯』+『四物湯』⇒『連珠飲(れんじゅいん)』と呼ばれています。
※『連珠飲』は江戸時代の医師である本間 棗軒(ほんま そうけん、文化元年(1804年) – 明治5年2月8日(1872年3月16日))が創薬しました。

パニック障害などの過換気症候群による症状は漢方医学的には ”奔豚気(ほんとんき)” と呼び「気逆」と考えられています。
パニック障害はやがて「ひきつけ(テタニー)」を起こすことがありますが、その場合に使用すると良い漢方薬が『苓桂朮甘湯』と『甘麦大棗湯』です。
別々に使用してもよいのですが『苓桂朮甘湯』と『甘麦大棗湯』を合わせると『苓桂甘棗湯』となります。

”奔豚気(ほんとんき)” に対する漢方薬治療は次の2通りがあります。
- ①『苓桂朮甘湯』+『甘麦大棗湯』⇒『苓桂甘棗湯』
- ②『苓桂朮甘湯』+『柴胡加竜骨牡蛎湯』
この場合の使い分けは構成生薬の「甘草」の量に着目して、①は急性期、②は慢性期と考えています。
①の場合は「甘草」の量が1日量として7gになってしまうからです。
※パニック障害などのような急に起きる状態には「甘草(1日量として3g以上)」が含まれていることが必須なのです。

”掌蹠膿疱症” には『苓桂朮甘湯』がテキメンに効果が期待できます。
(引用:漢方.jp)

”掌蹠膿疱症” について分かりやすく解説している動画がありますので紹介しますね!
【苓桂朮甘湯】の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
【苓桂朮甘湯】の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
漢方薬のメーカーは「ツムラ」「クラシエ」が2大メーカーです。そのほか、「三和」「コタロー」などあります。どこのメーカーが優れているかは自分は正直わかりません。
同じ方剤名でもその中に含まれる生薬は植物などが原料になっているので、生産地・生産時期・天候などで変わります。ただ、しっかりと厳しい基準をクリアしたものですので心配はありません。
ちなみに、「ツムラ」さんの粉末は、粒子が大きいですがお湯に溶かすときれいに完全に溶けてしまいます。
「クラシエ」さんの粉末は、粒子が細かいですが、お湯に完全には溶けず、粒子が沈殿した感じになります。
実際に飲み比べて、お好みのメーカーを選んでいただければ良いと思います。
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