“お子さんに元気になってもらうために、漢方薬を飲んでもらいたい!”というのは、漢方薬に携わる者にとって切実な願いです。
しかし、漢方薬は苦くて飲みにくいイメージがあります。
そのため、漢方薬を飲んでくれるよう子供に促す方法について試行錯誤される方も多いでしょう。
また、医師から漢方薬を処方されたけれど、子供が嫌がって飲んでくれないという場合もあります。
そのような質問を受けることも少なくありません。
小児科領域でも、漢方薬が効果を示すことが多いです。
しかし、良い薬でも子供が嫌がって飲まないということでは効果がありません。
工夫次第で子供が漢方薬を飲めるようになる場合もあります。
そのノウハウについて説明させていただきます。
子供に漢方を好きになってもらう方法:漢方嫌いにならないコツ
保護者・本人のやる気を引き出す
漢方薬の服用は、保護者や本人のやる気が重要です。
処方された漢方薬が効果的であることを理解してもらうために、しっかりと説明することが必要です。
飲む理由やその効果、期待される効能を丁寧に伝えることで、やる気を引き出します。
また、保護者や本人に対して褒めたり励ましたりすることも大切です。
味の調整:初めての漢方薬の服用が大切
漢方薬の味は苦いものが多いため、初めての服用が重要です。
初めての経験が良好であれば、次回以降も抵抗なく服用してもらえる可能性が高まります。
そのため、初めての漢方薬は飲みやすいように味を工夫することが大切です。
特に初めての場合は、嫌な思いをさせずに漢方薬を飲んでもらうために、工夫が必要です。
年齢別に理解する:小児の服薬態度は成長とともに変化する
年齢層 | 服薬態度 |
---|---|
乳児期(0-1歳) | 比較的飲ませやすい |
幼児期(2-5歳) | 薬に敏感で、しばしば服薬拒否 |
学童期(6歳以降) | 服薬の必要性を理解すれば比較的飲ませやすい |
生まれてすぐから味覚があると言われていますが、生後6ヶ月ほどまでは、特に何も考えずに飲んでくれることが多く、無理矢理でもあまり覚えません。
ただ、この時期は酸味を嫌う傾向がありますので、例えば麻黄湯は飲んでくれても小青竜湯を嫌がることがあります。
しかし、この1歳未満の期間が比較的服薬しやすく、この時期から漢方薬に慣れ親しんでいると、その後の服薬が容易になります。
最も苦労するのは、自我が目覚めてきた2歳から5歳ほどの年齢です。
この時期には薬に敏感になり、飲むことを嫌がったり、薬を食品に混ぜることにすぐに気付いてしまうことがあります。
しかし、6歳以降になると服薬の必要性を理解してくれるため、まずくても頑張ろうという姿勢が現れます。
漢方薬を子供に飲ませる方法について:成功の秘訣と工夫
方法 | 説明 |
---|---|
口内なすりつけ | 漢方薬を粉末状にし、指やスプーンで口の中に直接なすりつける方法。 |
粉をそのまま(粉→水・水→粉) | 漢方薬を粉末状にし、水と混ぜて飲ませる方法。または、水を飲ませた後に漢方薬の粉末を口に入れて飲ませる方法。 |
お湯に溶かす | 漢方薬をお湯に溶かして飲ませる方法。お湯で溶かすことで味を和らげることができる。 |
味の調整 | 漢方薬の味をマスクするために、蜂蜜や果汁などで味を調整する方法。 |
剤型の変更(錠剤) | 漢方薬を錠剤などの他の剤型に変更することで、子供が飲みやすくなる方法。 |
漢方薬を飲ませる方法について
1)口内なすりつけ:
小さい赤ちゃんには口腔内に漢方薬をおさゆで練ったものをなすりつける方法が適しています。舌の上には味覚が集中しているため、頬の内側になすりつけると良いでしょう。
2)粉をそのまま:
小学生以上の子供には、漢方薬の粉をそのまま飲ませる方法が適しています。水を飲んだ後に粉を口に入れると、漢方薬の味が口中に広がりますが、小さいお子さんには難しい場合があります。
3)お湯に溶かす:
漢方薬の本来の飲ませ方はお湯に溶かして飲む方法です。お湯に溶かすことで匂いもしっかりかぎ、味わって飲むことができます。エキス剤は、煎じ液をフリーズドライしたもので、インスタントコーヒーのような飲み方です。
4)漢方薬を何かに混ぜて飲む:
漢方薬を何かに混ぜて飲みやすくする方法もあります。子供が飲みやすいように工夫してみましょう。
5)錠剤:
粉薬が苦手な場合は、漢方薬の錠剤もあります。
子供に人気!飲みやすい漢方薬とは?おすすめランキング
飲みやすい漢方 | 飲みにくい漢方 | かなり飲みにくい漢方 |
---|---|---|
小建中湯 | 半夏瀉心湯 | 呉茱萸湯 |
黄耆建中湯 | 小青竜湯 | 黄連解毒湯 |
甘麦大棗湯 | 消風散 | 荊芥連翹湯 |
麦門冬湯 | 当帰四逆加呉茱萸生姜湯 | 温清飲 |
桔梗湯 | 辛夷清肺湯 | 柴胡清肝湯 |
芍薬甘草湯 | 清肺湯 | – |
– | 排膿散及湯 | – |
親御さんもお子さんがどんな味の漢方薬を飲むのか少しだけ味見をしたほうがよいかと思います。
初めて漢方薬を飲むお子さんには飲みやすいものから初めてください。
例えば、アトピー性皮膚炎のお子さんでも湿疹がひどいからといって、最初に『黄連解毒湯』や『温清飲』を服用するのではなく、まずは『黄耆建中湯』などの飲みやすいものから始めたほうがよいと思います。
比較的飲みやすいものから服用して、その際、飲ませ方もしっかり理解してもらい、漢方薬に慣れ親しみましょう。
漢方薬との相性抜群!混ぜるとおいしく飲める食品リスト
カテゴリ | 項目 |
---|---|
おやつ | アイス、ヨーグルト、練乳、ジャム、あんこ、はちみつ(1才以上)、チョコクリーム |
飲み物 | ぶどう・りんごジュース、CCレモン、カルピス、ヤクルト、ココア、ミロ |
おかず | カレー、スープ、味噌汁、マヨネーズ、のりの佃煮、たこ焼きソース |
調理過程で混ぜるもの | ホットケーキ、クッキー、ゼリー、ハンバーグ |
服薬補助剤 | 服薬ゼリー、オブラート |
漢方薬と混ぜたら飲みやすくなるものの一覧です。
処方箋と一緒に処方できるもの、定番のおやつや飲み物、甘いものが嫌いなお子さんのためのおかず、料理する課程で混ぜるもの、服薬補助剤など、様々な選択肢があります。
「漢方氷」の作り方は、五苓散1包をお湯100mlで溶かし、単シロップ(オリゴ糖など)を10-15ml加えてから冷凍室に入れます。
2-3時間で完成します。
真夏の熱中症予防にお勧めの「五苓散氷」は、単シロップを加えたものを凍らせることもできます。
甘さと冷たさで苦味を軽減する方法は、漢方薬をアイスに混ぜることです。
漢方薬を完全にアイスに混ぜ込むと、まずい味になるため、アイスと漢方入りアイスを交互に食べる方法が良いです。
このような方法は、苦い西洋薬を飲ませるときにも役立つ指導法です。
特に白くまくんのようなざらざら感やクッキークリームのつぶつぶ感は、漢方のざらつきを軽減してくれます。
大人の味覚とは異なり、お子さんは酸味のあるヨーグルトも好むことがあります。
実際にヨーグルトで食べるお子さんも多いです。
特に生後6ヶ月からのベビーダノンや1才からのプチダノンは、ムース状で濃厚な味わいがあり、通常のヨーグルトよりも飲みやすくなっています。
練乳は、漢方の苦みを和らげるために使われることがあります。
あんこも同様で、和菓子を食べ慣れているお子さんに混ぜてみると良いでしょう。
また、はちみつは1才以上の子供に与えることができます。
特に咳には効果的で、麦門冬湯や五虎湯と混ぜることで有効性を高めることができます。
チョコクリームに混ぜたり、漢方薬に溶かしたチョコをかける方法もあります。
漢方薬をジュース類と混ぜる際、漢方薬が溶けにくく、コップの底に残ることがあります。
この問題を解決するために、まずは少量のお湯で漢方薬を練り、5分ほど放置してからジュースを混ぜると、漢方薬が溶けやすくなります。
葡萄ジュースは色が濃いため、漢方薬の茶色がわかりにくくなります。
カルピスが好きなお子さんには、漢方薬を混ぜて飲ませることができます。
炭酸系は、しゅわしゅわして漢方薬が飲みやすくなることがあります。
一方、オレンジジュースは漢方との相性が悪いため、避けるほうが良いです。
シナモンとリンゴは相性が良いので、りんごジュースやりんごジャムと桂皮(シナモン)を含む漢方薬が飲みやすくなります。
ココア系
- 最強の漢方マスクアイテム:ココアの中の油性成分のカカオバターが味蕾を覆って苦味の感覚をブロックします。
- 離乳が進んでいる1才以上なら飲める:乳製品、麦芽、ナッツなどが混入している場合があるのでアレルギーに注意してください
- ココアが好きなら漢方薬が飲みやすい:苦い半夏瀉心湯や辛夷清肺湯でも比較的飲みやすくなります。
ミロはエキス剤の顆粒がよく混ざり合います。
顆粒どうしを混ぜて、そのまま食べることができます。
ただし、脱脂粉乳が加えられているので乳アレルギーのお子さんには注意が必要です。
また、麦芽飲料に含まれる麦芽糖は建中湯類と相性が良いです。
「ミロ大匙2杯+牛乳150ml+小建中湯2包」はとても美味しい組み合わせです。
味噌汁が美味しくなるのは『小建中湯』、コクが出るのは『柴胡加竜骨牡蠣湯』、『補中益気湯』、『抑肝散』です。
カレーは色も味も濃いので漢方薬の存在がわかりにくくなります。
夜驚症のお子さんには、晩御飯の一品に漢方薬を混ぜるようにお勧めしています。
特に、コーンスープと『抑肝散』はとても飲みやすいです。
「小青竜湯マヨネーズ」は、マヨネーズの酸味が『小青竜湯』の酸っぱい苦さをマスクします。小青竜湯には五味子が入っており、酸っぱいですが、マヨネーズとの相性がよいです。
見た目は粒マスタードのようになります。
服薬補助剤の「おくすり飲めたねゼリー」は、漢方薬の量が多いため、ゼリーで完全にサンドしきれないことがあり、ゼリーの味が苦い味に負けてしまうことがあります。
メーカーや種類によって異なりますが、値段は1日3回分で約300円程度かかります。
しかし、これが大好きで飲んでいるお子さんもいます。
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