痰が切れにくく咳が続いているような症状がある慢性閉塞性肺疾患(COPD)におすすめの漢方薬が『清肺湯(せいはいとう)』です。

新型コロナに効果が期待できると言われている漢方薬のひとつが『清肺湯(せいはいとう)』です。


その他、新型コロナウイルス感染症の予防に期待される漢方薬のひとつに『清肺排毒湯(せいはいはいどくとう)』があります。
構成製薬は、「麻黄、炙甘草、杏仁、生石膏 (先煎)、 桂枝、澤瀉、猪苓、白術、茯苓、柴胡、黄芩、姜半夏、生姜、紫菀、冬花、射干、細辛、山薬、枳実、陳皮、藿香」です。
残念ながら日本で販売されているエキス剤にはありません。

『清肺排毒湯(せいはいはいどくとう)』は日本で販売されている次のエキス剤の3種類を合わせるとほぼ同じ内容になります。
『清肺排毒湯』≒『麻杏甘石湯』+『胃苓湯』+『小柴胡湯加桔梗石膏』

【漢方薬 「清肺排毒湯」の新型コロナ予防的投与の有効性を証明した最新論文を解説】との題目で医療法人社団癒合会 医道五十三次クリニックさんから発表されていました。
『清肺排毒湯』を標準的な薬物療法と併用することにより、新型コロナウイルスの軽度から重症患者の治療効果を大幅に高めることが確認されたという内容でした。
慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とはどのような状態なの?

慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とは、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。
タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。
最大の原因は喫煙であり、喫煙者の15~20%がCOPDを発症します。治療によっても元に戻ることはありません。
慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)の症状にはどのようなものがあるの?
歩行時や階段昇降など、身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難や慢性のせきやたんが特徴的な症状です。
一部の患者では、喘鳴や発作性呼吸困難などぜんそくの様な症状を合併する場合もあります。
(引用:日本呼吸器学会)
清肺湯(せいはいとう)の生薬構成(ツムラ)
当帰(トウキ)、 麦門冬(バクモンドウ)、 茯苓(ブクリョウ)、 黄芩(オウゴン)、 桔梗(キキョウ)、 杏仁(キョウニン)、 山梔子(サンシシ)、 桑白皮(ソウハクヒ)、 大棗(タイソウ)、 陳皮(チンピ)、 天門冬(テンモンドウ)、 貝母(バイモ)、 甘草(カンゾウ)、 五味子(ゴミシ)、 生姜(ショウキョウ)、 竹筎(チクジョ)
清肺湯(せいはいとう)の効能効果(ツムラ)
痰の多く出る咳
清肺湯(せいはいとう)の特徴・説明
- 「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」に用いられる漢方薬の第一選択薬とされています。咳と膿性の痰が慢性的に続く場合が使用の目標とされています。

『清肺湯』は痰がなかなか切れにくくて、やっと出た後もすっきりしないような場合に使用されます。
- 名前からも分かるように「肺を清める」とされる漢方薬です。漢方で「肺」は呼吸の通り道である鼻、咽、気管支、肺などの「呼吸器全般」をあらわしています。
- 生薬構成では「貝母(ばいも)」といわれる鎮咳・去痰・排膿作用がある生薬が重要と考えられています。

「貝母(ばいも)」は「アミガサユリ」のりん茎が基原になっています。

- 味は表現法が難しいですが、甘くて苦いです。
清肺湯(せいはいとう)の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
清肺湯(せいはいとう)のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。

誤嚥性肺炎には『清肺湯』をベースとして、悪化を防ぐために『茯苓飲合半夏厚朴湯』や『半夏厚朴湯』を併用するのも良いかもしれません。
(引用:漢方jp)

気管支拡張症には『清肺湯』が良いことが多いです。
(引用:漢方.jp)

『清肺湯』は痰を出すために咳き込むような場合に使用することが多いです。
つまり、痰が多量に出てくるような場合に使用します。
一方で類似薬である『麦門冬湯』は痰が少ない空咳が使用の目安になります。
(引用:がんじゅうふぁみりー)
清肺湯(せいはいとう)の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。

『清肺湯』は小林製薬から「ダスモック®」という商品名で販売されています。
漢方薬のメーカーは「ツムラ」「クラシエ」が2大メーカーです。そのほか、「三和」「コタロー」などあります。どこのメーカーが優れているかは自分は正直わかりません。
同じ方剤名でもその中に含まれる生薬は植物などが原料になっているので、生産地・生産時期・天候などで変わります。ただ、しっかりと厳しい基準をクリアしたものですので心配はありません。
ちなみに、「ツムラ」さんの粉末は、粒子が大きいですがお湯に溶かすときれいに完全に溶けてしまいます。
「クラシエ」さんの粉末は、粒子が細かいですが、お湯に完全には溶けず、粒子が沈殿した感じになります。
実際に飲み比べて、お好みのメーカーを選んでいただければ良いと思います。
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