のどの調子が悪いかなと思ったらすぐにでも使用してもらいたい!
そんな漢方薬が『桔梗湯(ききょうとう)』です。
のどの痛み・口内炎などの口腔内の炎症に効果があります。
味は甘くて子供でも喜んで飲んでくれます。

時々、のどが痛くなることがあるんだけど何かいい漢方薬はあるのかな?


のど飴に「せき・こえ・のどに」でお馴染みの『浅田飴』があるのですがご存じですか?
この『浅田飴』の主成分には「桔梗」が含まれているんです。


その「桔梗」が主な生薬として構成されている漢方薬が『桔梗湯』なんです。
のどの不調には『桔梗湯』がおすすめなのですが、
桔梗湯は、そのまま普通に服用するより ”白湯に溶かして冷ましてから「うがい」をするように口に含んで少しずつ飲み込む” ように使用するとより効果的です!


桔梗湯は、『漢方薬のうがい薬』と言っても良さそうだね!

ちなみに、漢方薬で冷やして服用することを勧めることが多いものが『桔梗湯』と『小半夏加茯苓湯』です!
ただし、お湯で飲んでも問題はありません!
【桔梗湯】の生薬構成(ツムラ)
甘草(カンゾウ)、桔梗(キキョウ)
【桔梗湯】の効能効果(ツムラ)
扁桃炎、扁桃周囲炎
【桔梗湯】の特徴・説明

『桔梗湯』は西洋薬でいう頓服薬のような感じで使用してもらうといいと思います。
- 口内炎が出来て痛みがつらいような場合に『桔梗湯』をお湯に溶かして、冷たく冷やして口の中にしばらく含んでいると痛みが和らいできます。

※漢方エキス剤の場合ならば、白湯に溶かしてから冷やして口内に含むようにして飲んだり、溶かした漢方薬を氷らせて口に含んだりすると効果的です!
※「黄連解毒湯」、「半夏瀉心湯」は、口内炎にしみて痛みが出る場合があります。痛みがつらい時は「桔梗湯」の方がしみません。
- 漢方薬は体格や体力などに合わせて方剤を選ぶことが多いのですが、『桔梗湯』は体質を問わず使用できます。
- 「桔梗」はキキョウの根を加工した生薬で「去痰・排膿」を目的として使用されます。
- 『桔梗湯』の味は表現法が難しいですが甘いです。おいしく感じることも多いです。

『桔梗湯』は子供でも喜んで飲んでくれる漢方薬のひとつです。

のどの痛みには『桔梗湯(ききょうとう)』と『銀翹散(ぎんぎょうさん)』どっちがいいの?

風邪をひいてのどが痛くてつらい時に、『桔梗湯(ききょうとう)』と『銀翹散(ぎんぎょうさん)』のどっちが効くのかな?


『桔梗湯(ききょうとう)』と『銀翹散(ぎんぎょうさん)』の使い分けのポイントは次の通りです。
- 桔梗湯(ききょうとう):時に咳がでて、咽喉がはれて痛む場合の扁桃炎、扁桃周囲炎におすすめ。
- 銀翹散(ぎんぎょうさん):のどの痛みから始まって、発熱、口渇があり、寒気のないかぜの初期におすすめ。
舌尖(下の先端部)が赤いことも目安のひとつになります。
桔梗湯の効果的な使用方法を薬剤師がワンポイントアドバイス!
『桔梗湯』はもちろん普通に服用してもいいのですが、50~100mlのお湯に1包(2.5g)を溶かした後、冷ましてから少しずつ口に含んで『うがいするような感じ』で服用するのが効果的です。
飲むというよりのど飴を舐めるイメージで使用するといいと思います。

『桔梗湯』は常に声を出してのどを酷使するようなひとにはおすすめの漢方薬です。

『桔梗湯』を服用する際の注意点として、「甘草」の量が3.0g(1日量)と多めなので、数週間以上続けて使用する時はむくみ・血圧上昇などの症状が現れる「偽アルドステロン症」と言われる副作用が稀に出てしまうことがあります。
その際は一旦使用をやめてください。
「偽アルドステロン症」は使用を中止すれば改善する副作用です。
【桔梗湯】のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。

抗がん剤の副作用による口内炎には『桔梗湯』がおすすめです!
(引用:漢方.jp)
『桔梗の花言葉』とは

写真は『桔梗の花』です。
キキョウは東アジアに広く分布する多年草です。

キキョウは日当たりのよい草原で見られますが、国内ではそのような場所が激減したため絶滅危惧種になっています。
桔梗の花言葉は「永遠の愛」「気品」です。
京都本能寺に滞在中の織田信長を家臣の明智光秀が突如謀反を起こして襲撃した事件である ”本能寺の変” を起こした『明智光秀』率いる明智氏の家紋が「桔梗」なのです。
明智氏は美濃国に移住した源氏である土岐氏の支流とされ、その土岐氏も「桔梗」を家紋としていました。
主筋ゆかりの家紋なのですが、明智氏のものは「水色桔梗」といって家紋としては珍しく色がついているのです。


NHK大河ドラマ『麒麟がくる』は本能寺の変を起こした『明智光秀』を通して描かれる戦国絵巻です。
【桔梗湯】の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
【桔梗湯】の入手方法
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
漢方薬のメーカーは「ツムラ」「クラシエ」が2大メーカーです。そのほか、「三和」「コタロー」などあります。どこのメーカーが優れているかは自分は正直わかりません。
同じ方剤名でもその中に含まれる生薬は植物などが原料になっているので、生産地・生産時期・天候などで変わります。ただ、しっかりと厳しい基準をクリアしたものですので心配はありません。
ちなみに、「ツムラ」さんの粉末は、粒子が大きいですがお湯に溶かすときれいに完全に溶けてしまいます。
「クラシエ」さんの粉末は、粒子が細かいですが、お湯に完全には溶けず、粒子が沈殿した感じになります。
実際に飲み比べて、お好みのメーカーを選んでいただければ良いと思います。
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