加齢に伴う排尿障害、足腰の弱りにおすすめの漢方薬【六味丸(ろくみがん)】

六味丸

アンチエイジングは、多くの人々が関心を持つテーマです。

漢方薬は、その独自の視点からアンチエイジング効果を提供することが知られています。

加齢による身体の変化や老化のサインに対抗するために、漢方薬は古くから使われてきました。

漢方薬は、体内のエネルギーのバランスを整え、血液循環を促進し、体の機能を活性化することで、アンチエイジング効果を発揮します。

例えば、『六味地黄丸(六味丸)』などの漢方薬は、体の内側から栄養を補給し、体力を増強する効果があります。

また、天然の植物やハーブを配合した漢方薬は、抗酸化作用や抗炎症作用を持ち、細胞の老化を遅らせることが期待されています。

漢方薬は、化学的な成分よりも自然な方法でアンチエイジング効果を提供し、身体と心のバランスを整えることで健康な老後をサポートします。

アンチエイジングに興味を持つ人々にとって、漢方薬は自然で安全な選択肢として注目されています。

加齢に伴う排尿障害、足腰の機能低下、皮膚のかゆみにおすすめの漢方薬が『六味丸(ろくみがん)』です。

熱感を訴える場合や暑がりの人に使用されることが多い漢方薬です。

中医学の秘訣:補腎薬で腎の機能をサポートしエイジングケア

補腎薬とは?

補腎薬は、中医学において「腎」の機能をサポートするための薬です。

「腎」は中医学の五臓六腑の一つであり、成長、発育、老化に関与し、尿の生成と排泄も行う重要な臓器です。

腎の重要性と老化

中医学では、女性は28歳、男性は32歳ごろに「腎」の機能がピークに達し、その後は自然な老化プロセスにより機能が低下すると考えられています。

補腎薬はこの老化プロセスに対抗し、腎の機能を維持・サポートするために用いられます。

動物性の補腎薬

特に効果が高いとされる動物性の補腎薬には以下のものがあります。

  • 鹿角膠(ろっかくきょう):鹿の角から作られる膠で、腎の機能を強化します。
  • 亀板膠(きばんきょう):亀の甲羅から作られる膠で、腎を補う効果があります。
  • 阿膠(あきょう):ロバの皮から作られる膠で、血を補い、腎を強化します。

慢性腎臓病と補腎薬

慢性腎臓病では、腎機能の低下が主な懸念事項です。

中医学の観点から、補腎薬は腎機能の低下を防ぐうえで重要な役割を果たします。

これにより、慢性腎臓病の管理においても補腎薬は非常に価値があります。

補腎薬のまとめ

補腎薬は、中医学において「腎」の機能をサポートし、老化プロセスに対抗するために重要な役割を果たします。

特に動物性の補腎薬はその効果が高く、慢性腎臓病の管理にも有用です。

腎の健康を維持し、老化を遅らせるために補腎薬の活用を考えてみましょう。

慢性腎臓病(CKD)の根本原因に漢方薬で対策しよう

腎臓

むくみの原因と中医学のアプローチ

むくみ

むくみは一般的に長時間立っていると足がむくむなどの症状として誰にでも起こります。

しかし、病的なむくみになると朝から顔や手にむくみを感じたり、むくみが取れにくいといった状態になります。

中医学では、水分代謝を「肺」「脾」「腎」の3つの臓腑が担っています。

  • :汗を調整して全身の水分の循環をコントロールします。
  • :飲食物の消化吸収や腸の働きなどを調整します。
  • :ホルモン分泌や成長・発育・老化のスピードをコントロールし、不要な老廃物を尿として排泄します。

中医学では、これらの臓腑が様々な内臓の働きを併せ持った機能があると考えられています。

むくみの治療においては、「肺」「脾」「腎」の3つの働きを調整することが重要です。

単に利尿作用のある漢方薬だけではその原因は解決しません。

正確に病気の原因を把握することが重要です。

タンパク尿の原因と中医学のアプローチ

タンパク尿は腎臓の糸球体の毛細血管が障害された場合に現れます。

健康な腎臓からはタンパク尿は出現しません。

中医学では、以下の2つの要因からタンパク尿が生じると考えています。

血管のバリア力が低下する「脾不統血(ひふとうけつ)」

  • 「脾」は血管壁を丈夫に保ち、傷ついた血管を修復する機能があります。
  • 「脾」の働きが低下すると、血管のバリア力が低下し、タンパク尿が出やすくなります。

腎臓の再吸収機能が低下する「腎気不固(じんきふこ)」

  • 「腎」は水を再吸収して原尿をつくる役割があります。
  • 老化による動脈硬化などでこの機能が低下すると、夜間尿やむくみと共にタンパク尿が出やすくなります。

慢性腎臓病の進行に大きく関わるタンパク尿を、西洋医学ではコントロールが難しい場合がありますが、中医学では腎臓の糸球体を保護・修復する漢方薬が多く見つかっています。

慢性腎臓病の漢方薬治療:症状の緩和と病態の進行を抑える方法

漢方薬の役割と体質改善

漢方薬は、中医学において症状の緩和と病態の進行を抑えるために重要な役割を果たします。

中医学のアプローチは、西洋医学とは異なり、身体全体の調和とバランスの維持に重点を置いています。

特に慢性腎臓病の複雑な病態に対しては、全身のバランスを整える根本的な対策が求められます。

中医学の基本的な治療法

中医学は、体を五臓六腑という臓器や器官の組み合わせで捉え、病気を全体のバランスの乱れと捉えます。

その中で、基本的な治療法があります。

まず、「補腎(ほじん)」は腎臓の機能を向上させ、老化や疾病による腎臓機能の低下を改善します。

次に、「活血(かっけつ)」は血液の循環を促進し、血行不良による症状を和らげます。

また、「袪湿(きょしつ)」は体内の水分代謝を改善し、むくみや湿気による不調を軽減します。

最後に、「解毒(げどく)」は体内の毒素を排出し、健康を回復させます。

これらの治療法は、全身のバランスを整え、病気の症状を和らげるとともに、病態の進行を抑制する役割を果たします。

中医学では、個々の患者の体質や症状に合わせた漢方薬を処方することが一般的であり、体の内側からのアプローチを重視します。

漢方薬の役割主な成分効果
補腎(ほじん)鹿角膠、亀板膠、阿膠腎機能の改善、老化や病気による腎機能低下の改善
活血(かっけつ)丹参、川芎、紅花血液循環の促進、血行不良による症状の緩和
袪湿(きょしつ)白朮、茯苓、猪苓水分代謝の改善、むくみや湿気による不調の改善
解毒(げどく)黄連、黄芩、黄柏、大黄体内の毒素の排出、健康状態の改善

慢性腎臓病治療に役立つ漢方薬:症状の緩和と病態の進行阻止への道

慢性腎臓病は、腎臓の損傷が進行し、機能が徐々に低下する状態を指します。

この病態には、高血圧や貧血などのさまざまな症状が伴い、患者の生活に大きな影響を与えます。

漢方薬は、慢性腎臓病の治療において症状の緩和と病態の進行阻止に役立つことが知られています。

漢方薬は、体のバランスを整え、自然治癒力を高める働きがあります。

例えば、牛車腎気丸や八味地黄丸などの漢方薬は、腎臓の機能を補い、症状の改善に寄与します。

病態の進行を抑えるためには、早期の治療が重要であり、漢方薬はその一環として有効な選択肢です。

漢方薬を取り入れた総合的な治療アプローチは、患者の生活の質を向上させるだけでなく、病態の進行を遅らせ、健康な生活をサポートします。

漢方薬用途
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)腎気を補う
八味地黄丸(はちみじおうがん)腎陽を補う
六味丸(ろくみがん)腎陰を補う
七物降下湯(しちもつこうかとう) 血虚の肝陽化風に用いる
防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)”痰湿” と ”気虚” の改善
真武湯(しんぶとう)体を温め、水還流を促進
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)気血を補い、水の還流を促す

【六味丸】の生薬構成(ツムラ)

地黄(ジオウ)、山茱萸(サンシュユ)、山薬(サンヤク)、沢瀉(タクシャ)、茯苓(ブクリョウ)、牡丹皮(ボタンピ)

【六味丸】の効能効果(ツムラ)

疲れやすくて尿量減少または多尿で、時に口渇があるものの次の諸症:排尿困難、頻尿、むくみ、かゆみ

「アンチエイジング」「腎虚(じんきょ)」に使用される漢方薬

  • 六味丸(ロクミガン)【六味地黄丸(ろくみじおうがん)】

【六味丸】の特徴・説明

  • 『六味丸』は構成生薬では『八味地黄丸』から「桂皮附子」を除いたものになります。
    「桂皮・附子」はどちらも ”熱薬” であるため、熱感があったり、のぼせがあったり、暑がりの人にはあまり向きません。
のんびり太郎
のんびり太郎

『八味地黄丸』を使いたいような場合で熱感があったり、のぼせがあったり、暑がりの人には『六味丸』がよいですね!

「桂皮」は体表部を温める働きがあり、「附子」はからだの内側を温める作用があるとされています。

  • 『六味丸』を小児に使用する場合には、夜尿症(お漏らし)、乾燥傾向のあるアトピー性皮膚炎に使用します。
    類似方剤である『八味地黄丸』には、小児が使用すると副作用が出やすい「附子」が含まれているために慎重に使用しなければいけません。

  • 『六味丸』は構成生薬では「地黄」が含まれているために、胃が弱い人では胃もたれなどの胃腸症状が出ることがあります。

  • 『六味丸』の味は表現法が難しいですが、わずかに酸味があって苦いです。

【六味丸】のクリニカルパール

クリニカルパール(Clinical pearl)とは、経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。

長嶺荒人先生
長嶺荒人先生

『六味丸』の中医学的な効能は ”滋補肝腎”、”清虚熱”、”利湿” になります。

『六味丸』は ”(肝)腎陰虚” に用いる漢方薬です。

陰虚とは血虚に ”ほてり・のぼせ ”が加わった状態とも言え、次のような症状があります。

  • 乾燥(乾燥タイプのアトピー性皮膚炎)
  • ほてりやのぼせ
  • 空咳
  • 喉がよく渇く
  • ドライアイ
  • 落ち着きがない

『六味丸』は3つの補う生薬と3つの瀉する生薬から成り立っているために『三瀉三補丸』と呼ばれることもあります。

(引用:がんじゅうふぁみりー)

のんびり太郎
のんびり太郎

”虚熱” とは、ほてりやのぼせ感などの熱感はあるけれども実際に体温を測っても熱は出ていない場合です。

それに対して、”実熱” とは風邪をひいたりして実際に発熱している様な場合をいいます。

【六味丸】の入手方法

  • 病院で処方してもらう
  • ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。

ほどよい堂
河邊甲介
河邊甲介

「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。

代表の河邊甲介は、漢方医学、薬膳、そして腸活を組み合わせた独自のアプローチで、個々の健康に寄り添います。

漢方相談や薬膳に関するオンライン相談も提供し、遠方の方々も利用できます。

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