高血圧症で虚弱体質のひとにおすすめの漢方薬が『七物降下湯(しちもつこうかとう)』です。
高血圧におすすめな漢方薬はあるのかな~?
漢方薬は、西洋薬のように純粋に血圧そのものを下げる作用はあまり期待できないと思ってもらってた方がいいですね。
ただ、漢方薬の特徴として西洋薬と異なる点は、西洋薬の様にピンポイントで作用し、血圧を下げるというわけではなく、高血圧が高くなっている原因となる体質や性格・環境に目を向けることにより血圧を下げたり、高血圧による付随症状が改善され、全体的に体調が次第に良くなってくるところなのです。
どのくらいから高血圧と言われてしまうの?【高血圧の基準値とは】
日本高血圧学会は5年ぶりに改訂となる「高血圧治療ガイドライン2019」を発表し、2019年版での高血圧の基準値には変更なく、診察室血圧140/90mmHgで、家庭血圧135/85mmHgとされています。
しかし、合併症のない75歳未満の成人の降圧目標は130/80mmHg未満とするなど、一般成人、高齢者、冠動脈疾患患者の降圧目標が厳格に変更されました。
令和6年度版「標準的な健診・保険指導プログラム」改定:高血圧の受診基準が変更
特定健診における新たな血圧受診基準
厚生労働省の令和6年度版「標準的な健診・保険指導プログラム」によると、特定健診における“未治療”の患者さんの血圧値に応じた受診推奨が以下のように変更されました。
- 収縮期血圧(上の血圧)が160mmHg以上 または 拡張期血圧(下の血圧)が100mmHg以上 の場合は、“すぐに”医療機関の受診を 推奨
- 収縮期血圧が140mmHg以上160mmHg未満 または 拡張期血圧が90mmHg以上100mmHg未満 の場合は、生活習慣を1ヶ月間改善する努力をした上で、“改善しない場合には” 医療機関の受診を 推奨
血圧基準の引き上げが話題に
令和6年4月より、“未治療”の患者さんが“すぐに”医療機関を受診すべき血圧の基準値が、これまでの140/90mmHg以上から160/100mmHg以上に引き上げられました。
これが話題となっています。
高血圧の診断基準と目標値は従来通り
日本高血圧学会は、高血圧の診断基準と目標値について、従来と変わりはないと発表しています。
例えば、診察室血圧150/90mmHg の患者さんは、従来通り高血圧と診断されます(家庭内血圧基準も満たせば)。
ただし、特定健診では以前、“すぐに”医療機関を受診するよう勧奨されていた血圧域 が、現在では一旦生活習慣の改善を試み、“改善しない場合に”医療機関を受診するよう勧奨されています。
この変更は、未治療の患者さんに対する医療機関受診の勧奨基準の緩和を意味します。
生活習慣の改善を継続
今回の基準改定は、治療を受けている患者さんが急に薬を中止する または 減量する、減塩や運動を減らすことを促すものではありません。
これまで通り、生活習慣病の改善に取り組むことが重要です。
高血圧の受診基準が変更のまとめ
令和6年度版の健診・保険指導プログラムの改定により、特定健診における血圧受診基準が引き上げられましたが、高血圧の診断基準や目標値には変わりがありません。
医療機関への受診基準が緩和されたことで、未治療の患者さんはまず生活習慣の改善に取り組むことが求められます。
治療中の患者さんは、引き続き治療と生活習慣の改善に努めましょう。
参考資料
・日本高血圧学会
血圧とはどのようなものなの?
血圧とは、血液が動脈を流れる際に血管の内側にかかる圧力のことです。
血圧の “上” とか “下” という言い方をしますが、上とは心臓が収縮して血液を送り出したときの「収縮期血圧(最高血圧)」のことで、下とは心臓が拡張したときの「拡張期血圧(最低血圧)」のことになります。
なぜ高血圧は危険なの?
高血圧の怖さは脳卒中だけではなく、脳以外にも多くの臓器・部位にさまざまなかたちで悪影響(=合併症)が現れます。
高血圧を治療するのは、そうした合併症を未然に防ぐためです。
高血圧は、俗に「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」と呼ばれています。
サイレントキラーとは、初期には症状が表れない(自覚できない)まま進行していき、気づいた時には後の祭り、最終的には致命的な合併症を引き起こしてしまう病気をさします。
高血圧は、長期にわたって放置されると多くの深刻な健康問題を引き起こすため、非常に危険です。
以下に、その具体的な理由を詳しく説明します。
1. 心臓への負担増加
高血圧は、心臓に対して常に高い圧力をかけるため、心臓が血液を全身に送り出すためにより強く、より多くの回数収縮する必要があります。
これにより、心臓の筋肉が肥大し、次のような問題を引き起こします。
- 心不全:心臓の筋肉が厚くなりすぎると、効率的に血液を送り出すことができなくなり、心不全を引き起こします。
- 心筋梗塞:高血圧によって動脈が硬くなり(動脈硬化)、血管が詰まりやすくなり、心筋梗塞(心臓発作)を引き起こすリスクが増加します。
2. 脳への影響
高血圧は脳の血管にも悪影響を及ぼし、以下のような深刻な問題を引き起こします。
- 脳卒中:高血圧は脳の血管を損傷し、脳内出血や脳梗塞(血栓が脳の血管を詰まらせる)が発生しやすくなります。
- 認知症:慢性的な高血圧は脳の微小血管を損傷し、認知症のリスクを高めます。
3. 腎臓への負担
腎臓は血液をろ過して老廃物を排出する役割を持っていますが、高血圧は腎臓の血管を損傷し、次のような問題を引き起こします。
- 腎不全:高血圧が長期間続くと、腎臓の機能が低下し、最終的には腎不全に至ることがあります。腎不全になると、透析治療や腎移植が必要になります。
- 慢性腎臓病(CKD):高血圧は慢性的な腎臓病の主要な原因の一つであり、腎機能の低下が進行するリスクが高まります。
4. 動脈への影響
高血圧は動脈の内壁に対して持続的な高圧力をかけ、次のような影響を及ぼします。
- 動脈硬化:動脈の内壁が硬化し、柔軟性を失う動脈硬化が進行します。これにより、血流が制限され、さまざまな臓器に対して十分な酸素と栄養が供給されなくなります。
- 動脈瘤:動脈の弱い部分が膨らみ、動脈瘤が形成されます。動脈瘤が破裂すると、致命的な出血を引き起こすことがあります。
5. 目への影響
高血圧は眼の血管にも影響を与え、以下のような問題を引き起こします。
- 網膜症:高血圧は眼底の血管を損傷し、網膜症を引き起こします。網膜症が進行すると、視力低下や失明のリスクが高まります。
6. その他の健康リスク
高血圧は他にも以下のような健康リスクを高めます。
- 末梢動脈疾患:手足の血管が狭くなり、血流が不足することで痛みや潰瘍が生じます。
- 代謝症候群:高血圧は代謝症候群の一部であり、肥満、高血糖、脂質異常症とともに、心血管疾患のリスクを大幅に増加させます。
高血圧のリスクのまとめ
高血圧は心臓、脳、腎臓、動脈、目など全身のさまざまな臓器や器官に対して深刻な影響を及ぼし、多くの重大な健康問題を引き起こす可能性があります。
そのため、高血圧を予防し、適切に管理することが非常に重要です。
定期的な健康診断と健康的な生活習慣を心がけ、高血圧のリスクを低減しましょう。
(参考資料:一般社団法人 日本臨床内科医会)
【七物降下湯】の生薬構成(ツムラ)
芍薬(シャクヤク)、当帰(トウキ)、黄耆(オウギ)、地黄(ジオウ)、川芎(センキュウ)、釣藤鈎(チョウトウコウ)、黄柏(オウバク)
【七物降下湯】の効能効果(ツムラ)
高血圧に伴う随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重)
【七物降下湯】の特徴・説明
- 『七物降下湯』は、昭和期の漢方復権に尽力した代表的な日本の医師である「大塚 敬節」が創製した漢方薬です。
本人の説明によると、高血圧が長く続き、特に最高血圧が高くて腎硬化症もともなうような場合に使用するといいと言われています。
現在使用されている148種類の医療用漢方薬の中で一番新しい方剤が『七物降下湯』です。
大塚敬節先生が高血圧であった自分が服用するために創薬したようなのです。
- 『七物降下湯』は西洋薬の降圧剤に比べると、血圧そのものを低下させる力は小さいのですが、西洋薬とは違うメカニズムで血圧を下げたり、高血圧による随伴症状を緩和させるために西洋薬と併用するとよい場合が多いと考えられます。
- 『七物降下湯』の味は表現法が難しいですが、えぐいです。
【七物降下湯】のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、とは経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。
『七物降下湯』は中医学では ”血虚の肝陽化風” に用いる漢方薬です。
昭和期の漢方復権に尽力した代表的な日本の医師である大塚敬節先生が自分の高血圧を改善するために自らの手で創薬した漢方薬なのです。
肝陽化風では陽気が優位にな状態であり、熱が上昇するため、足が地につかないようなフワフワした様な感覚になります。
(引用:がんじゅうふぁみりー)
”血虚” とは中医学で言う ”血(けつ)” が少なくなっている状態をあらわしています。
”血” とは血液と栄養全般を意味しています。
血虚になる主な原因は出血と ”脾” が弱いこと(脾虚)なのです。
女性であれば生理での出血、手術・ケガなどによる出血が当てはまります。
現代医療で言う ”貧血” は中医学では ”血虚” と ”脾虚” が原因であると考えます。
中医学には ”脾は気血を生む源” という言葉があります!
(引用:がんじゅうふぁみりー)
”肝陽化風” とは陰虚体質の人がストレスなどで交感神経が優位な状態(興奮状態)になって「頭痛・顔面紅潮・目の充血・口が苦い・イライラ・怒りっぽい・手足がふるえる・耳鳴り」などの上部の熱証がみられることを表しています。
【七物降下湯】の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
【七物降下湯】の入手方法 / 通販で買える!楽天とAmazonのおすすめ商品一覧
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
腸内細菌が血圧に関係しているって本当なの⁉
最近の研究において、腸内フローラのパターンの違いや腸内細菌叢の悪玉菌の割合の多さなどが、血圧に影響を及ぼすことが徐々に分かってきています。
小腸に存在する免疫活性化スイッチを多くの乳酸菌が押すことによって、善玉菌の割合を増やし、悪玉菌の割合を減らしていくことが出来ると言われています。
詳細はこちらの記事を参考にしてください!
腸内フローラは、血圧を制御する機能にも関わっていると考えられ、それらの機能不全は高血圧症をまねくものと考えられる。
Khalesi et al. 71)は、システマティックビューの結果、プロバイオティクスが高血圧症患者の血圧低下に有効であったとしています。
腸内フローラと健康(川崎医療福祉学会誌 Vol. 30 No. 1 2020 15-35)
腸内フローラとはどのようなものなの?
ヒトの腸内には、およそ100兆個、500~1,000種類もの腸内菌がすみついています。
この菌のかたまりを腸内細菌叢といい、花畑のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれています。
プロバイオティクスとはどのようなものなの?
腸内菌のうち体内でよい働きをするものや、それを含む食品を「プロバイオティクス」と呼んでいます。
ヨーグルトや乳酸菌飲料に含まれているビフィズス菌などの乳酸菌が代表です。
おすすめのヨーグルト【ケフィア】
豆乳で発酵させるヘルシーなケフィア豆乳ヨーグルトは、酵母と乳酸菌のW発酵でヨーグルトより乳酸菌の種類が豊富です。
複数の乳酸菌と複数の酵母が同時に発酵しているので、通常のヨーグルトにはない効果が期待できます。
通常のヨーグルトは1~2種類の乳酸菌で発酵しますが、ケフィア豆乳ヨーグルトは5種類の乳酸菌と3種類の酵母で発酵します。
ケフィア豆乳ヨーグルトは、酸っぱくなくてまろやかな美味しさなんだよ!
おすすめの整腸剤【ファスコン整腸錠プラス】
ファスコン整腸錠プラスには、有益な腸内細菌である乳酸菌(フェカリス菌)(アシドフィルス菌)(ビフィズ ス菌)と、有益な腸内細菌の増殖を促す(納豆菌)の4種に加え、消化酵素(ビオヂアスターゼ2000)が配合されています。
4種の生菌が腸内バランスを整えるため腸内フローラが改善され、多くの方が体調の変化を実感されています!
「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。
代表の河邊甲介は、漢方医学、薬膳、そして腸活を組み合わせた独自のアプローチで、個々の健康に寄り添います。
漢方相談や薬膳に関するオンライン相談も提供し、遠方の方々も利用できます。
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わんこ腸活に関するアドバイスも行っています。
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コメント
なるほど~勉強になりました。
メッセージありがとうございます。