漢方的 ”頭痛” の治し方

漢方的 ”頭痛” の治し方
のんびり太郎
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今回は、漢方的な頭痛の治し方について解説してみます!

頭痛の概要

頭痛(英語:headache、cephalalgia)とは頭部の一部あるいは全体の痛みの総称です。

後頭部と首(後頸部)の境界、眼の奥の痛みも頭痛として扱います。

頭痛は、熱や腹痛と同様に症状の名称ですが、慢性的に頭痛発作を繰り返す場合には病名として扱い「頭痛症」とします。

引用:日本頭痛学会

頭痛の種類には、「片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛」などがあります。

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中医学的には、頭痛の病機は 不通則痛ふつうそくつう不栄則痛ふえいそくつう という考え方があります。

  • 不通則痛:気血の流れが悪くなると痛みが出る
  • 不栄則痛:栄養が足りなければ痛みとなる

中医学における頭痛の分類

外感かまたは内傷かの分類

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中医学では頭痛発症の初期状況、病期の長さ、痛みの性質などの特徴から弁証を進めていきます。

外感性頭痛

外感性頭痛とは、外邪の侵入による急に発生する頭痛のことを意味しています。

外邪の侵入によって頭部の経絡を阻滞させることで頭痛が起きていると考えます。

  • 寒さによるもの(風寒)
    寒さが頭部への血流を障害させることにより起こります。
    頭痛は急に発症し、割れるような激しい痛みであり、痛みは首~背中まで広がり、風や寒さにあたることを嫌います。
    汗はかきません(無汗)。
    治療は「疏風散寒解表そふうさんかんげひょう」となります。
    おすすめのツボは「風池ふうち風門ふうもん大椎だいつい外関がいかん」です。
    代表的な方剤は川芎茶調散せんきゅうちゃちょうさん+『麻黄湯桂枝湯葛根湯』です。
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川芎茶調散せんきゅうちゃちょうさん』の構成生薬である、「川芎(センキュウ)、羌活(キョウカツ)、白芷(ビャクシ)」は風寒を発散させ、通経し、痛みを和らげてくれます。

そのうち、「川芎」は気を巡らし、血に停滞する風邪を取り除き、頭部や目に行き渡らせ、外感頭痛の要薬の位置づけとなります。

「荊芥(ケイガイ)・防風(ボウフウ)」は昇散し、「川芎・羌活・白芷」の疏風止痛作用を助けます。

  • 熱によるもの(風熱)
    寒さとは逆に、血流が良くなりすぎるために起こります。
    熱風邪、熱中症や熱射病などが当てはまります。
    発症は急であり、頭痛はの脹痛でひどい時は頭が割れるように痛みます。
    高熱の事が多く、悪風・喉が渇き水を欲しがる(口渇)・顔面紅潮・目の充血・便秘かつ小便が黄色・舌質は紅、舌苔は黄です。
    治療は「疏風清熱そふうせいねつ解表げひょう」です。
    おすすめのツボは「風池ふうち風門ふうもん大椎だいつい外関がいかん曲池きょくち」です。
    代表的な方剤は荊芥連翹湯けいがいれんぎょうとう清上防風湯せいじょうぼうふうとうです。

  • 湿によるもの(風湿)
    台風が近づいている時や梅雨時期の低気圧頭痛が代表的です。
    締め付けられるような頭痛・四肢が重だるい・ムカムカして食欲不振(脾は湿を嫌う)・小便が渋り・下痢する場合もあります。
    舌苔は白膩はくじ。舌質は胖大はんだい
    治療は「疏風去湿そふうきょしつ」です。
    おすすめのツボは「風池ふうち風門ふうもん大椎だいつい外関がいかん陰陵泉いんりょうせん豊隆ほうりゅう」です。
    代表的な方剤は『九味檳榔湯くみびんろうとう』、『五苓散』です。
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湿邪は表位にあるため、「羌活・防風・川芎」などを以って袪風勝湿・湿去表解が作用し、清陽の気がスムーズに巡るようになり、頭痛と体のだるさが寛解されます。

湿濁中阻の場合は、胸のムカムカと食欲不振、下痢が見られます。

「蒼朮(ソウジュツ)・厚朴(コウボク)・陳皮(チンピ)」などの燥湿薬を用いると良い場合があります。

内傷性頭痛

内傷性頭痛とは、七情の変化・飲食不節・生理物質の不足などによる緩慢で断続的な頭痛のことを意味しています。

緩やかに発症して、痛みもそれほど強くなく、繰り返して起こり、疲れると増強するのが特徴です。

  • 肝陽証
    ストレスタイプです。
    めまいを伴った脹った感じの頭痛が多いです。
    イライラして怒り易い、顔面紅潮して口が苦くなることがあります。
    または耳鳴りや脇腹の痛み・寝つきが悪い場合があります。
    舌質は紅、舌苔は薄黄です。
    治療は「平肝潜陽」です。
    代表的な方剤は『釣藤散』『抑肝散』です。
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「天麻(テンマ)・釣藤鈎(チョウトウコウ)・石決明(セッケツメイ)」などを以って平肝潜陽を図ります。

「黄芩(オウゴン)・山梔子(サンシシ)」などを以って肝火を清めます。

「牛膝(ゴシツ)・杜仲(トチュウ)」などを以って肝腎を補います。

「夜交藤(ヤコウトウ)・茯苓(ブクリョウ)」などを以って養心安神させます。

  • 腎虚証
    空虚感を伴う頭痛が特徴的あり、腎に伴う症状であるめまいや耳鳴り・足腰がだるい・遺精・おりもの・不眠健忘などを伴います。
    舌質は紅、舌苔は少ない。
    治療は「滋陰補腎」です。
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「熟地黄(ジュクジオウ)・山茱萸(サンシュユ)・山薬(サンヤク)・枸杞子(クコシ)」などを以って、肝腎の陰を滋補します。

「人参(ニンジン)・当帰(トウキ)」などを以って、気血の両方を補います。

「杜仲(トチュウ)」は益腎し、腰を強くします。

『杞菊地黄丸(コギクジオウガン)』や『六味地黄丸(ロクミジオウガン)』にて腎陰を補い、肝陽を潜ませ、症状の改善が期待できます。

  • 気血虚証
    虚弱タイプです。
    めまいを伴う頭痛で過労により悪化する・顔色が悪い・動悸かつ落ち着かない・自汗(じっとしていても汗をかくこと)・息切れ・悪風(風に当たるとゾクゾクと嫌な感じがする)・精神的に疲労し、やる気が出ないなどの特徴があります。
    舌質は淡い、舌苔は薄白。
    治療は「気血双補」です。
    代表的な方剤は『八珍湯はっちんとう』、十全大補湯じゅうぜんたいほとうです。
のんびり太郎
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四君子湯しくんしとうによって健脾補中益気を図り、四物湯しもつとうによって腎を補い、血を養います。

肝経に入る「菊花(キッカ)・蔓荊子(マンケイシ)」を加味することで、標治の清頭明目を図り、標本ともに治療することで治療効果を高めることができます。

  • 痰濁証
    水太りタイプです。
    軽度の意識障害をともなう頭痛・胸腹部の膨満感・痰やよだれが出やすい・舌苔は白膩はくじ、舌は胖大かつ歯痕あります。
    治療は「健脾化痰、降逆止痛」です。
    代表的な方剤は『半夏白朮天麻湯』です。
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「半夏(ハンゲ)・白朮(ビャクジュツ)・茯苓(ブクリョウ)・陳皮(チンピ)・生姜(ショウキョウ)」によって健脾化痰・降逆止嘔が期待できます。

痰濁が取り除かれれば陽気が昇り、頭痛が緩和されます。痰濁は重濁性(重い性質)があるため、下に向かう性質があります。

「天麻(テンマ)」は平肝熄風の効能があり、頭痛やめまいの要薬です。

  • 瘀血(血瘀)証
    慢性的な頭痛で痛みの性質は刺されたような感じで、特に夜に悪化することが多いのが特徴です。
    痛む部位は一定でピンポイントでここが痛いと示すことが出来ます。
    または頭部の外傷歴があることもひとつの目安になります。
    舌質は紫あるいは瘀斑や瘀点があり、舌苔は薄白。
    治療は「活血通竅止痛かっけつつうきょうしつう」です。
    代表的な方剤は『桂枝茯苓丸』です。
のんびり太郎
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「桃仁(トウニン)・紅花(コウカ)・川芎(センキュウ)・芍薬(シャクヤク)」などは活血化瘀を図ります。

病期の長い気血不足の場合は、「黄耆(オウギ)・当帰(トウキ)」を加えて、活絡化瘀の力を助けます。

「当帰」は養血類、「黄耆」は補気類に分類されています。

誘因による分類

過労・七情内傷・性生活の不摂生などが誘因の場合の多くは内傷性の頭痛で、気血や陰精が不足したために発症します。

低気圧が近づいたり、季節の変わり目などで頭痛が起きるような場合など、気候の変化に起因するものの多くは寒湿が誘因です。

情緒の不安定などにより悪化する場合の多くは肝火と関連していることが多いです。

暴飲暴食により悪化する場合の多くは陽亢です。

打撲など外傷があった場合の痛みは瘀血に分類されます。

頭痛の痛みの部位における分類

気血不足や肝腎陰虚の場合は頭部全体が痛むことが多いとされています。

陽亢の場合は後頭部~頸部(首)の筋肉にかけて痛みます。

寒厥が原因の場合は頭頂部、肝火が原因の場合は両側頭部が痛むことが多いとされています。

  • 前頭部:陽明経
  • 後頭部:太陽経
  • 側頭部:少陽経
  • 頭頂部:厥陰経

痛みの性質による分類

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痛みの性質を鑑別することは病因の分析する目安のひとつになります。

実証

実証の場合は、一般的に脹った感じの痛み(脹痛ちょうつう)で痛みが激しいのが特徴です。

ひっぱられるような痛み・ズキズキした痛みの多くは陽気の過剰な亢進によるもので、火邪や熱邪が原因で上昇するという熱の特徴によって、熱が頭部に集まることで生じる痛みです。

重だるい痛みの病因の多くは痰湿で、ボーっとした感じがあり、フワフワとした痛みが特徴です。

また、冷感を伴ったチクチクとした痛みは寒厥のために生じます。

そして針で刺したような痛みで痛む部位が一定なものは瘀血が原因です。

痛みに伴って膨満感を感じる場合の多くは陽亢です。

虚証

虚証の場合は、一般的にシクシクとした痛みが特徴です。

シクシクして空虚感を伴う痛みの多くは精血の損傷によるもので、フワフワとしてめまいを伴う痛みの多くは気血の不足によるものです。

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これらの法則は腰痛などを含め、他の痛みにも共通します。

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