漢方では「皮膚は内臓の鏡」と考えられています。
漢方治療をするときは、まず皮膚の状態を見極めるようにします。
皮膚疾患とは
皮膚疾患は、皮膚やその付属物である髪や爪に影響を与える様々な病気や状態を指します。
皮膚がさまざまな刺激を受け、そこに体質的な要因が加わることによって、皮膚に反応が起こることがあります。
湿疹や皮膚炎などと呼ばれる皮膚疾患は、何らかの原因によって皮膚表面の機能が障害を受けて発生します。
これらの疾患はさまざまな原因に起因し、症状や重症度も異なります。
以下に、いくつかの一般的な皮膚疾患について簡単にまとめます。
湿疹
- 皮膚の炎症で、赤くてかゆい発疹が特徴です。
- アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎などがあります。
蕁麻疹
蕁麻疹(じんましん)は、皮膚に発生するかゆみを伴う赤い発疹や腫れが特徴的な疾患です。
以下に、蕁麻疹に関する要点をまとめてみます。
- 症状:
- 蕁麻疹は、通常、急激に発生し、赤い発疹や腫れ(蕁麻疹)が皮膚上に現れます。
- 症状はかゆみを伴い、熱感や灼熱感も感じられることがあります。
- 原因:
- アレルギー反応によるものが多いですが、非アレルギー性の蕁麻疹もあります。
- アレルギー性の蕁麻疹は、食物、薬物、昆虫刺咬、植物の接触などが原因となることがあります。
- 非アレルギー性の蕁麻疹は、ストレス、薬物反応、感染症などが引き起こすことがあります。
湿疹は表皮に炎症が起こることが原因で起こりますが、じんましんは、表皮の下にある真皮内の血管から水分が漏出することが原因で起こります。
湿疹では改善までにある程度の時間を要し、治癒後に皮膚に色素沈着を残しますが、じんましんでは短期間で跡形なく消失することが特徴です。
(引用:葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニック)
皮膚疾患を漢方的に4タイプに分類
大きく次の4つのタイプに分けられますが、実際は、これらの症状は重なり合っている場合も少なくはありません。
どの症状が強いかを判断して漢方薬を使い分けることが大切になってきます。
かゆみが強いタイプ
かゆみは「風邪」の影響を受けて発生すると漢方では考えています。
風邪は2~4月の春に起こりやすく、風が吹くように軽い・上昇する・発散するといった特徴があり、からだの上の方または表面に症状が起こりやすくなります。
風邪はあらゆる病気を引き起こす原因になるとかんがえられているので「風邪は百病の長」「風邪は百病の元」とも言われることがあります。
ジクジクタイプ
ジクジクして患部に浸出液を多く含んでいる症状は、「湿邪」の影響を受けていると漢方では判断します。
湿邪は7月の雨がよく降る梅雨の時期に起こりやすく、重く濁った特徴があります。
湿は五臓の「脾」に影響を与えやすく、からだが重だるくなるのが特徴です。
発赤タイプ
患部に赤みや熱感があり炎症が強く出ている場合には、「熱邪」の影響を受けていると漢方では考えます。
肌が赤くなる・腫れる・痛みがあるなど、からだの一部が化膿したり、炎症が起きたりすることがあります。
さらにからだに侵入すると、吐血・血尿・血便・高熱などの症状が起こります。
カサカサタイプ
症状が長く続いて慢性化してくると、血(栄養物質)が不足し、カサカサした症状へと変化していきます。
血(栄養物質)や津液(潤い物質)の不足によって皮膚が乾燥していると漢方では考えます。
皮膚疾患によく使用する漢方薬とは⁉
まず最初に使ってみると良い漢方薬が『十味敗毒湯』です。
皮膚疾患は長期に渡っていることが多いために、体質改善的なイメージで漢方薬を使ってみると良いと思います。
皮膚疾患は「便秘」を改善してあげると、一緒に皮膚症状も改善していくことが良くあります。
便秘に使用される生薬の代表は「大黄」ですので、逆を言えば「大黄」が含まれている漢方薬は皮膚疾患に良い場合が多いということになります。
『消風散』の生薬構成の中には、「蝉退(せんたい)」と呼ばれるセミの幼虫のぬけ殻が含まれています。
『荊芥連翹湯』は、皮膚疾患などで様々な漢方薬を使ってもなかなか良くならないような場合に体質改善を目安に気長に長期に使用する方剤です。
『治頭瘡一方』は、主に頭皮に皮膚症状が出ている場合が使用の目安になります。
皮膚疾患の塗り薬に『太乙膏(たいつこう)』、『紫雲膏(しうんこう)』があります。
太乙膏は「太平恵民和剤局方」記載の『神仙太乙膏』を日本で忠実に再現した軟膏で、鎮痛、鎮痒、抗炎症、肉芽形成促進などに効果があり、「かゆみ、切り傷、虫刺され、軽いとこずれ(褥瘡)、やけど」などに使用されます。
家庭の常備薬として役立ちます。
成分は当帰、桂皮、大黄、芍薬、地黄、玄参、白芷、ごま油、ミツロウです。
紫雲膏は、濃い紫色をした漢方の軟膏です。
含まれている生薬の「紫根」によって紫色をしています。
江戸時代の名医「華岡青洲」が「潤肌膏」という軟膏を元に改良を加え完成されたといわれています。
「ひび、あかぎれ、しもやけ、魚の目、あせも、ただれ、外傷、火傷、痔核による疼痛、肛門裂傷、湿疹、皮膚炎」などに使用されます。
成分は胡麻油、紫根、当帰、白蝋、豚脂です。
「宮崎県川南町」に位置する「ほどよい堂」において、「薬剤師×中医薬膳師×ペットフーディスト」として、健康相談を行っています。
代表の河邊甲介は、漢方医学、薬膳、そして腸活を組み合わせた独自のアプローチで、個々の健康に寄り添います。
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