体が丈夫な人の体調不良におすすめの漢方薬【大柴胡湯⑧(だいさいことう)】

大柴胡湯

体が丈夫で体力があるひとの様々な体調不良におすすめの漢方薬が『大柴胡湯(だいさいことう)』です。

肋部(きろくぶ)と言われる腹部の肋骨に近接している(肋骨の真下)あたりに張りや痛みつまり感があるような場合に使用すると良いと言われています。

【大柴胡湯】の生薬構成(ツムラ)

柴胡(サイコ)、半夏(ハンゲ)、生姜(ショウキョウ)、黄芩(オウゴン)、芍薬(シャクヤク)、大棗(タイソウ)、枳実(キジツ)、大黄(ダイオウ)

【大柴胡湯】の効能効果(ツムラ)

胆石症、胆のう炎、黄疸、肝機能障害、高血圧症、脳溢血、じんましん、胃酸過多症、急性胃腸カタル、悪心、嘔吐、食欲不振、痔疾、糖尿病、ノイローゼ、不眠症

【大柴胡湯】の特徴・説明

  • 体が丈夫な「陽実証」「胸脇苦満」「便秘」の3点が認められる場合が使用する目安になります。
のんびり太郎
のんびり太郎

「胸脇苦満(きょうきょうくまん)」とは、季肋部から脇腹が膨満し、圧迫感があって苦しい状態をいいます。

この部を押さえると抵抗と圧痛を訴えます。胸脇苦満は、呼吸器から上部消化器の炎症の体性反射によるものと考えられています。

※日東医誌において、胸脇苦満は飲み込んだ空気が大腸の肝湾曲部と脾湾曲部にたまり、横隔膜を刺激するために起きていると解説されています。

(画像引用:日本東洋医学会)
  • 肩こりをはじめとする頸部から肩にかけての筋肉の緊張があって、筋緊張性頭痛がある場合にも効果が認められています。

  • 不眠症・インポテンツ(ED)など心身症傾向が認められる場合にも使用の目安になります。

  • 味は表現法が難しいですが、苦いです。

【大柴胡湯】のクリニカルパール

クリニカルパール(Clinical pearl)とは、とは経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。

<em>和田東郭</em>
和田東郭

髪の毛が抜けるような場合で、胸脇苦満が強いような場合には『大柴胡湯』が著効することがある。

(わだ とうかく 和田東郭. (1744-1803) 江戸中期の折衷派漢方医)

新見正則Dr
新見正則Dr

『大柴胡湯』は ”実証の人の生活習慣病” に使用することもあります。

『大柴胡湯』は「大黄」が含まれているので、柴胡剤の中で一番実証向けというイメージで使用してみてください。

(引用:漢方.jp)

松田邦夫Dr
松田邦夫Dr

『大柴胡湯』には筋弛緩作用があります。

肥満で胸脇苦満があるような人が使用の目安になります。

項背部が凝ってつらいような場合には『大柴胡湯』に『葛根湯』を合わせるとより効果が期待できます。

柴胡剤には ”肩こり” によい場合が多く、『大柴胡湯』は慢性化している場合に、『葛根湯』は急性期が使用の目安になります。

(引用:漢方.jp)

新見正則Dr
新見正則Dr

漢方薬の併用には相性があります。

がっちりタイプに使用する漢方薬の『大柴胡湯』と相性のいい漢方薬が『桂枝茯苓丸』です!

ちなみに華奢なタイプには『小柴胡湯』『当帰芍薬散』の併用がおすすめです!

(引用:漢方.jp)

【大柴胡湯】の入手方法

  • 病院で処方してもらう
  • ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
のんびり太郎
のんびり太郎

『大柴胡湯』はクラシエ薬品から「コッコアポG錠」、小林製薬からは「ビスラットゴールドEX」という商品名で販売されています。

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