漢方薬の得意分野とは!キーワードは「未病を治す」「不定愁訴」「何となく」です!

漢方薬の得意分野とは!キーワードは「未病を治す」「不定愁訴」「何となく」です! 漢方薬
漢方医学は、「どんな未知の病気でも何らかの漢方治療が施せる!」ということが魅力

 漢方医学は、「どんな未知の病気でも何らかの漢方治療が施せる!」ということが魅力ですね!現在の西洋医学的では明らかにされていない病気や、よく分からない症状や・認知できない症状にでも漢方薬は、漢方的視点を持ち込みアプローチすることができるのです。

 また、「未病を治す」という概念が、漢方薬の特徴です。「未病を治す」とは、体に変化があればそれを軽い状態のうちに元に戻すという概念になります。厳密にいえば、現在使用されている西洋的な「予防」とは異なります。

 「予防」とは、まだ何も起こっていない状態の時に、病気にならないように何かテコ入れするということを指しています。

漢方薬と西洋薬の『薬』としての価値観の違い

 西洋薬は、「単一成分で1点集中型」。漢方薬は、「生薬の複合体でお互いの生薬が助け合って効果を示す」。

 また、漢方薬は副作用のない緩やかな薬をよいとする考え方をとります。『神農本草経』では「無毒養命」の生薬を「上品(じょうほん)」としていることからもその価値観がうかがえますね。

病院に行って検査しても異常なし⁉辛い症状はあるのに・・「不定愁訴」とは?

 西洋医学による現在の見地では「原因を特定できない症状」のことをいいます。専門医へ新規紹介されたうちの不定愁訴の有病率は50%程度あると言われています。

漢方の基礎理論とは

 独自の概念として「陰陽」「虚実」「表裏」「寒熱」「六経理論」「気血水」などを駆使して、人の体に起こっていることを体系づけています。

 現代のようにまだ医学や科学が発達していなかった時代において、先達がこのように意味付けしていたんだと考えてみると腑に落ちるような気がします。

 例えば、「気血水」における「血」を現代医学の「血液」と全く同じとしてしまうと所々で???となってしまいます。「血」≒「血液」くらいと大まかに捉えてみると納得できると思います。

陰陽とは

 ひとの体質的な側面を表す方法として『陰と陽』という概念を利用しています。

陰証とは

 冷え性、寒がり、顔色が悪い、温かいものを好む、下痢しやすいなど代謝の低下したような状態のことをいいます。

陽証とは

 暑がり、顔色は血色がよく赤みがある、冷たいものを好む、便秘しやすいなど代謝の亢進したような状態のことをいいます。

虚実とは

体質的側面からの概念

  • 「虚証」:生まれつき虚弱、食が細い、胃腸系が弱い、消極的な性格、声が小さい
  • 「実証」:骨太で丈夫、食欲旺盛、胃腸系が丈夫、積極的な性格、活動的、声が大きい

体力的側面からの概念

  • 「虚証」:疲れやすい、何らかの原因で体力を消耗している
  • 「実証」:疲れ知らず、体力を持て余しているような感じ

病気の勢いからの概念

  • 「虚証」:弱毒性の感染などで症状は穏やか
  • 「実証」:強毒性の感染などで症状は激しい

表裏

 「表」「半表半裏」「裏」と3つに分けて、病変部位・症状を表現します。

  • 「表」:頭部、筋肉、関節、皮膚 ※皮膚付属器などの機能を意味することが多い。
  • 「半表半裏」:口腔、肺、食道、胃、肝臓、胆嚢
  • 「裏」:腸管、中枢神経 ※消化管を意味することが多い。

寒熱

 西洋医学の「体温」とは、完全に一致しない漢方医学的概念が含まれます。「寒証」「熱証」とは単に体温が低い・高いというだけではありません。

 「温補剤」を使用すると症状がよくなる場合を「寒証」、「清熱剤」を使用するとよくなる場合を「熱証」ということもできます。

  • 「清熱剤」:石膏、黄連、黄柏、山梔子、大黄、知母など
  • 「温補剤」:附子、山椒、呉茱萸、乾姜、当帰など

「寒証」とは

 患部の冷感、寒がり、青白い顔色、冷えると痛みが強くなる、下痢傾向、湿潤舌、白舌苔、脈が遅い、副交感神経緊張、低体温

「熱証」とは

 患部の熱感、暑がり、赤ら顔、便秘傾向、乾燥舌、黄舌苔、脈が速い、交感神経緊張、高体温

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六経理論

 熱性疾患を6つの病期に分けて治療を変えていきます。漢方医学では、時間の経過とともに病態が変化することを考慮して治療法も変化していきます。

太陽病期

 熱性疾患の初期で、病の中心がまだ「表」にある病態です。悪寒・悪風・首から背中にかけての凝り、頭痛、ふしぶしの痛みなどが出ている状態です。

「悪風」とは、かぜが吹くと寒気を感じること。「悪寒」とは、かぜが吹かなくても寒気を感じることと表現されます。

少陽病期

 病の中心が「表」から少しずつ「裏」に移行してきて「半表半裏」に進行した病態です。「往来寒熱」といって悪寒と熱感が交互に出現する状態が特徴です

 胸苦しい感じ・食欲不振・悪心・嘔吐などが出ている状態です。

陽明病期

 病の中心が「裏」に入り、「裏熱」という状態になった病態です。現代医学で「脱水」のような病態が特徴です。便秘・口渇・尿量減少などが出ている状態です。

太陰病期

 「裏寒証」の病態を示しますが、「寒証」が少し「表」にも現れている病態です。熱感がなく、冷えに傾いており、下痢がはっきりしていることが特徴です。

少陰病期

 気力が減退して冷えの症状がはっきりしてきた病態です。「陰病期」の代表的な病態で「太陰病」からさらに気力・体力が疲弊した病態で、冷えも全身にわたってきています。

厥陰病期

 疲労困憊の極限に達した状態で、「裏寒証」の極致にあたります。「完穀下痢(かんこくげり)」といって、完全に未消化な便が排泄されることがあります。意識レベルも低下している場合もあります。

気血水とは

 「気血水」とは、生命活動を維持する要素であり、漢方医学において、生体の健康が維持されるためには「気血水」が過不足なく、偏りなく「中庸」の状態にあることが必要と考えられています

 「気血水」はそれぞれ独立して存在するものではなく、互いに関係しあってバランスを取っていると捉えられています。

「五臓六腑」の概念も漢方医学で治療するための診断理論としての便宜的な臓器であり、西洋医学的な臓器とは一致しない場合もあります。

気の概念

 「気」とは、生命活動の根源的なエネルギーとして捉えられています。精神的なものだけではなく、肉体の機能的な働きも意味します

気の生成

 「腎」に「先天の気」が宿ると捉えます。生まれ持った生命力と考えると分かりやすいと思います。

 「肺」からの「精気」と「脾胃」からの「水穀の気」が合わさって「後天の気」が形成すると捉えます。「先天の気」と「後天の気」が合わさって生体の「気」となると捉えます。

 ※「精気」とは、西洋医学では「酸素」として、「水穀の気」とは西洋医学では食べ物などから得られる「栄養素」と考えると分かりやすいと思います。

気の機能
  • 推動作用:成長と発育、生体の生理機能のエネルギー的作用
  • 温煦作用:体温の維持をつかさどる作用
  • 防御作用:免疫機能をつかさどる作用
  • 固摂作用:皮膚付属器の機能、血管の止血機能、腹腔内の臓器の位置を保つ作用
  • 気化作用:臓器の生理的機能を維持する作用
気の異常とは
気逆

 「気」が体の上部に集積した状態を示します。自覚症状としては、イライラ、冷えのぼせ、頭痛、驚きやすい、焦り感など。

 他覚症状としては、顔面紅潮、臍上悸などがあげられます。交感神経が緊張しているような状態です。

気うつ

 「気」の循環が滞っている状態を示します。抑うつ的な状態と捉えられます。自覚症状としては、頭帽感、不安感、不眠、曖気など。他覚症状としては、臍上悸、胸脇苦満などがあげられます。

気虚

 「気」が不足、消耗した状態を示します。自覚症状としては、元気がない、気力がない、全身倦怠感、疲れやすい、食欲不振、日中も眠いなど。

 他覚症状としては、眼勢無力、舌が分厚くて舌苔が白い、腹部が軟弱などがあげられます。

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「血」の概念

 血液そのものではなく、血液循環、内分泌系(ホルモン系)、自律神経系、免疫系の相互作用をまとめたものになります

「血」の生成

 胃腸系からの栄養分の吸収、肺からの酸素の取り込みなどが統合されたものを「血」と考えます。漢方医学的には「水穀の気」と「精気」が統合し、「心」の気の作用で赤く変化して生じると説明されています。

「血」の機能

 滋養や滋潤の作用があると説明されています。「駆瘀血剤」や「補血剤」は栄養を運び滋潤させるはたらきがあります。

「血」の異常とは
瘀血

 西洋医学的な視点では、うっ血、微小循環障害、凝固系の異常、月経に関する不調などが当てはまります。自覚症状として、生理痛、月経不順、局所の煩熱感、口渇など。他覚所見としては、皮膚の色素沈着や紫斑、紅斑などがあげられます。

血虚

 「血虚」とは、「瘀血」の特殊型と説明されています。「大塚敬節」の口けつに「虚証の瘀血を血虚という」があります。

 自覚症状として生理痛、月経不順、かすみ目、冷え、しびれなど。他覚所見として顔色不良や皮膚枯燥 、腹直筋攣急などがあげられます。

「水」の概念

 「水」とは、細胞内液、細胞外液、リンパ液、分泌液などの生理的な水分と、尿、鼻水、喀痰などの排出物などもまとめてあらわします。中医学では、前記の生理的な水分を「津液(しんえき)」といい、後記の病的な水分を「痰飲(たんいん)」とあらわします

 また、日本漢方では、生理的な水分の過不足・停滞・異常が生じている場合を「水毒」「水滞」と表現します。

「水」の機能
  • 「清熱作用」:体温・自律神経の調節(ほてり・のぼせ)
  • 「滋潤作用」:消化管分泌促進、皮膚の保湿(便秘・口乾・枯燥)
  • 「鎮静作用」:精神神経系(興奮・不眠)
  • 「滋養作用」:皮膚・皮下組織・内臓の栄養補給
「水」の異常とは
「水毒」「水滞」

 水毒・水滞とは、西洋医学の「水中毒」とは異なる概念であり、「水」の過不足として説明されています。ポイントは、「利水剤」といわれる方剤で病状が改善する状態と理解するとわかりやすいと思います。

 自覚症状として、口渇、鼻水、喀痰、胃内停水、悪心、嘔吐、下痢、関節痛、こわばりなどがあげられます。他覚所見として、尿量の増加・減少、浮腫、胸水、関節水腫、心下振水音などがあげられます。

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