近年、薬局やドラッグストアでは、お薬手帳の提示によるサービスが増えていますが、その恩恵について知っていますか?
お薬手帳を持参することで、医療費の節約や正しい薬の管理が期待できます。
お薬手帳を持参するメリットは大きく、まず第一に、薬剤師や医師が過去の処方履歴を確認することができる点です。
これにより、薬の重複投与や相互作用のリスクを減らすことができ、安全性が向上します。
また、お薬手帳の提示により、医療費控除や高額医療費制度の適用など、経済的なメリットも享受できる場合があります。
一方で、お薬手帳を持参しない場合、薬剤費や処方料金が高くなることがあることも事実です。
特に、継続的な治療が必要な場合や、慢性疾患を抱える患者にとって、お薬手帳の管理は非常に重要です。
さらに、お薬手帳には健康保険証と同様に、薬剤師や医師からのアドバイスを受ける際にも重宝します。
症状や服用中の薬剤など、正確な情報を共有することで、より適切な治療や健康管理が可能となります。
お薬手帳を持参することで、医療費の節約や安全な治療を受けることができるため、積極的に利用することが推奨されます。
また、定期的にお薬手帳の情報を更新し、正確な記録を保つことも大切です。
病院や調剤薬局に行くと決まり文句のように「お薬手帳はお持ちですか?」と聞かれると思います。
毎回毎回、お薬手帳、お薬手帳とうるさいな~!
なんて思ったりしていませんか?
患者さんのなかには「ここの薬局しか利用していないから必要ない」「お薬手帳をわざわざ持ってくるのが面倒だから」など様々な理由があると思いますが、お薬手帳を利用していないそんなあなたは、金銭的な面でも損をしているかもしれませんよ。
そもそも、お薬手帳って何か役に立ってるの?
よく意味は分からないままお薬手帳を使っている人もいるかもしれませんが、とても大切なものなので今回は「お薬手帳」について解説してみますね!
お薬手帳とは?【お薬手帳の役割】
お薬の使用歴はもちろんのこと、お薬の副作用歴、病気の既往歴など患者さんにとって重要な情報が記録されていくのがお薬手帳なのです。
複数の医療機関を受診していたり、お薬に対してアレルギーが出たことがあるひとならば、特にお薬手帳は必需品です。
複数の医療機関を受診している場合は、それぞれの医療機関から処方されたお薬の飲み合わせや重複などがチェックできます。
また、今までにお薬で副作用が出たことがあれば、副作用歴のところにそのお薬名とその時の症状を記録します。
そうすれば、今後同じお薬が出ないように管理できますし、同じ系統のお薬では副作用が出やすいので、早めに副作用に気づくことも出来ます(※名前が違っても同じ成分の場合、薬剤師さんが気づいてくれます)。
目薬・軟膏などの外用剤の場合、「内服ではないから飲み合わせは関係ないでしょ」という理由で、お薬手帳は必要ないと言われる方がいますが、例えば、緑内障などの患者さんには使用できない内服剤(禁忌薬)なども多くありますので、どこの医療機関に行くときでも必ずお薬手帳は持参しましょう。
お薬手帳を使用していれば、緑内障で使用する目薬が眼科から処方されていることが確認できるので、眼圧を上げたり、緑内障を悪化させる作用のあるお薬をお医者さんが出したとしても薬剤師さんが気づいてくれるのです。
また、お薬手帳は災害時にも力を発揮します。
現在の多くの医療機関では電子カルテ・電子薬歴などを採用していますので、災害などで電力が途絶えた時は、過去の既往歴はおろか、現在どんな薬を服用しているかさえ分からなくなります。
デジタルのデメリットだね…。
仮に、避難所などにいたとしても、お薬手帳があれば、現在服用している薬剤がわかるので、現在どんな病気でどんな治療をしているかも推測でき、非常時の際もスムーズにかつ的確な医療を受けることが可能になります。
お薬手帳を持参しないと薬局での支払いが高くなる理由とは
薬局で処方してもらう際にお薬手帳の有無を尋ねられた経験や、お薬手帳があると料金が安くなると聞いたことがある方も多いでしょう。
今回は、お薬手帳の特徴やお薬手帳を薬局に持参すると、薬の料金がどの程度安くなるのかについて解説します。
お薬手帳とは?
お薬手帳は、自分のこれまでの薬の処方記録が記されている手帳のことです。
これを持参することで、薬の重複や飲み合わせのチェック、健康情報の共有などがスムーズに行えます。
最近では電子版もあり、持ち歩きが面倒な方にも便利です。
お薬手帳を持参すると安くなるの?
お薬手帳を持参すると、薬の料金が安くなる場合があります。
これは、薬局で支払う会計に関わる「服薬管理指導料」が割引になるためです。
具体的には、調剤報酬点数において数百円程度の割引が適用されます。
お薬手帳を持参した場合の割引額
薬局での支払いが安くなる割引額は、お薬手帳を持参した場合とそうでない場合で比較すると明らかです。
3ヶ月以内の再調剤で同じ薬局であれば、お薬手帳を持参することで数百円程度の割引が受けられます。
かかりつけ薬局の利点
割引だけでなく、かかりつけ薬局を持つことでさまざまなメリットが得られます。
新しい薬の副作用チェックや、薬の飲み合わせの確認、在宅医療のサポートなど、安心して医療サービスを受けられます。
詳しく解説!
お薬手帳の利用が、まだ過渡期であった時代では、現在とは異なり、お薬手帳を持参してもらうことで調剤薬局では、「手帳記載加算」という名目で手数料を得ることができていました。
以前は、お薬手帳を持って行けば、手帳記載加算の分だけ患者さんは支払いが高くなっていたんだね。
ところが、マスコミなども含めた報道機関が、『お薬手帳を持っていくと調剤薬局での支払額が高くなる』というマイナス面を前面に押し出した情報を流したために、多くのメリットが享受できるお薬手帳の利用が、自制されてしまうような風潮が出てしまったのです。
テレビやマスコミなどの報道もかなりの影響力があるので、偏った情報発信はさけてもらいたいですね。
ただ、調剤薬局のごく一部にも問題があって、「手帳記載加算」が取れることを利用して、お薬手帳の本来の趣旨とは異なり、とにかくこの加算を取るためだけに数ページしかないお薬手帳を配布して、只々処方内容が書かれたシールや紙を貼っていくという利益至上主義の調剤薬局があったことも否定できないんです。
なんで「数ページの薄いお薬手帳」だったの?
いい質問だね!お薬手帳は患者さんに無料配布することになっているんだけど、調剤薬局は自腹でお薬手帳を購入しているからなんだよ。(※ただ、お薬手帳を無料で配布しても加算でそれ以上の利益がでるような仕組みになっていました)
薄いお薬手帳は、1冊の単価が安いからその分経費節減できるよね・・。
そこで、お薬の重複投与による健康リスク回避のみではなく、無駄なお薬を減らすことができ財政的にもメリットが大きいお薬手帳の利用促進をはかるために、現在ではお薬手帳を持参した方が支払額が安くなるような制度に改編されました。
「薬剤服用歴管理指導料」
「薬剤服用歴管理指導料」とは、薬剤師が患者さんに安全にお薬を使用していただくために必要な情報の収集・分析・管理・記録や、お薬のお渡しの際の説明に対して与えられる報酬(手数料)です。
お薬手帳を持参することで医療費のご負担が軽くなるようになっています。
- 原則3カ月以内に同じ薬局に再度処方せんを持参し、お薬手帳を持参した場合:430円
- 特別養護老人ホームの入所者の場合:430円
- オンライン服薬指導を行った場合(月に1回限り):430円
- 1以外の患者さん又は、お薬手帳を持参しなかった場合:570円
つまり、お薬手帳を持参しないと570円―430円=140円となり、140円に対する自己負担額割合が実際の支払額の差になります。3割負担の方であれば約40円支払額が高くなります。
お薬手帳を持っていくだけでお薬代が安くなることもあるんだから、忘れずに持っていこうね!
お薬手帳を持参して薬局での支払いを安くすることができる一方で、かかりつけ薬局を持つことでさまざまなメリットが得られます。
健康管理や医療費の節約に役立つ情報を活用し、安心して医療サービスを受けるために、お薬手帳の活用を心がけましょう。
お薬手帳と保険証・診察券などが一緒に整理できるおすすめの『お薬手帳ケース』を紹介!
病院に行くときはこの「お薬手帳ケース」さえ持って出れば安心!
忘れ物も減ると思うよ!
この「一目瞭然通院ウォレットBIZ お薬手帳 ケース 」は、ファスナーポケットも付いているので小銭入れや、常備薬入れとしても使えます!
この「お薬手帳ケース」が購入できるお店はこちらです!
まとめ
お薬手帳は、医療過誤などから自分を守るためにも、メリット満載のツールです。
ぜひ利用してみてください。
お薬手帳を、医療機関ごとに分けている患者さんが、稀に見受けられますが、それでは、本来のお薬手帳のメリットは半減されます。
飲み合わせや、重複投与などのチェックができません。
お薬手帳は1冊にまとめましょう!
お薬手帳の新規作成は『無料』です。
受付時に、お薬手帳が無いことを伝えてくださいね!
また、紛失した際も同じく『無料』でお薬手帳が再発行できます。遠慮なくその旨を伝えてください。
他にも調剤薬局の仕組みで知らないと損することはいっぱいあるよ!
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