お薬がたくさん余ってきた時に、
あなたはどうしていますか?
飲み忘れたり、自分で調節していたりでお薬がたくさん余っていることをお医者さんに言えば、怒られたり、嫌な顔をされたりするかもしれないから黙っておこう…。
薬局でコッソリ減らしてもらえば、医師にはバレないからいいよね…。
こんな感じのひとは多いですね。
薬局でコッソリ減らしたつもりかもしれませんが、薬剤師は勝手に処方箋の内容変更はしてはいけないという規則があるので、変更がある際は必ず処方医に疑義照会という形で連絡をしています。
つまり、”バレています!”
知ってた⁉
調剤薬局を通して、お薬が削除・処方日数・処方内容の変更となった場合は、新たに手数料が発生しているんだって!
つまり、お金が余計にかかるって。
『このお薬とこのお薬は余っているから減らしてください』と調剤薬局で言って実際にお薬を減らすことになった場合は、実は「重複投薬・相互作用等防止加算」という手数料が取られているんですよ!
知らない方の方が多いと思いますが…。
知らないと損する!調剤薬局で残薬調節するとお金がかかります!
調剤薬局において、お薬の変更時に発生する手数料を「重複投薬・相互作用等防止加算」といい、薬学管理料として加算されます。
詳細は「残薬調整に係るものの場合は300円」・「残薬調整に係るもの以外の場合は400円」が加算され、その分の保険負担分(1割~3割)が処方変更の手数料として上乗せされます。
つまり、患者さん自身が支払う実際の金額としては「30円~120円の手数料」が上乗せされることになります。
よくある『お薬代のジレンマ』の例を紹介するよ!
便秘のお薬で有名なプルゼニド🄬(センノシド)がたくさん余ってきた場合をシミュレーションしてみるね。
頓服)プルゼニド錠🄬(センノシド):1回1錠 30回分と処方箋に記載してあって、今回は10錠だけもらえば十分という場合の概算だね。
- プルゼニド錠🄬(センノシド)の薬価(お薬の値段)は約5円くらいです。
- 頓服薬の調剤料は、調剤した剤数、回数にかかわらず21点なので調剤料は変更前後同じです。
まず、プルゼニド錠🄬(センノシド)が合計30錠から10錠に減るので、約5円×20錠=約100円分お薬代が減りますよね。
ただ、調剤薬局で変更すると「重複投薬・相互作用等防止加算」という手数料300円が発生するので、300円ー約100円=約200円分のプラスになります(※実際はこの金額に自己負担分1~3割)。
えええっつ!!
お薬を減らしたのに、窓口での支払額は高くなってる⤵。そんな・・・。
実際は、損しているのはそれだけではありませんよ。
薬剤師は、医師の承認なくお薬を増やしたり・減らしたり・他のお薬に変えたり出来ません。
お薬が余っていて減らす場合でも、処方した医師に電話などで連絡して承認をもらわなければなりません。
いわゆる『疑義照会』という作業です。
そのため、患者さんにはしばらく待ってもらうことになります。
調剤薬局でお薬を減らしたら、余計にお金がかかって、
その上待ち時間も長くなるなんて踏んだり蹴ったりだよね…。
たくさんの残薬がある場合どうすればいいの?【薬剤師としてのアドバイス/お金と待ち時間の損を無くしましょう!】
余っているお薬の数をきちんと把握できているような場合は、
診察の際に医師に伝えるのが一番です!
薬局において「お薬が余っているので減らして欲しい」と要望された場合、薬剤師は勝手に処方内容は変更できないので、必ず処方した医師に「疑義照会」を行わなければなりません。
その場合、薬剤師は処方元の医師に対して電話やFAXにて変更内容確認する義務があるため、変更の是非を確認した後での対応になるため、しばらく待ってもらうことになります。
患者さんにとっては、何のメリットもありません。
待たされたあげく、手数料も取られてしまいます。
※患者さんのなかには、医師に残薬があることを話すと「飲んでいないことがバレるから・・」と話されることがありますが、上記のように、薬剤師は勝手にお薬を増やしたり、減らしたりすることはできませんので、結局はバレます。
もし、自分だけではきちんとお薬の管理ができないような場合は、遠慮なく病院または調剤薬局にお薬を持参するといいよ!
お薬がたくさん残っているうえに、バラバラになっていて収集がつかないような場合は病院にお薬を持って行くと、もしかしたら調剤薬局で見てもらってと言われるかもしれません…。
(たくさんのバラバラになったお薬を整理するのは、かなり時間がかかる作業なので、病院としてはお金にならない大変な作業は薬局で・・・ということです)
ちょっと飲み間違いが多いような場合は、一回分ずつ袋詰めしたりすることも出来るので薬剤師と一緒に一番いい方法を考えていきましょう!
薬学管理料(重複投薬・相互作用等防止加算)の詳細【2020現在】
ここの説明は、そうなんだ~ってくらいで流してもいいよ!
概要(調剤報酬点数表)
薬剤服用歴に基づき、重複投薬、相互作用の防止の目的で、処方箋を交付した保険医に対して照会を行った場合は、重複投薬・相互作用等防止加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。
- イ 残薬調整に係るもの以外の場合・・・40点
- ロ 残薬調整に係るものの場合・・・30点 ※1点=10円で換算
補足(調剤報酬点数表に関する事項)
(1)重複投薬・相互作用等防止加算は、薬剤服用歴の記録又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、次の内容について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
ただし、複数の項目に該当した場合であっても、重複して算定することはできない。
なお、薬剤服用歴管理指導料を算定していない場合は、当該加算は算定できない。
(2)「残薬調整に係るもの以外の場合」は、次に掲げる内容について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
- 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
- 併用薬、飲食物等との相互作用
- そのほか薬学的観点から必要と認める事項
(3)「残薬調整に係るものの場合」は、残薬について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
(4) 重複投薬・相互作用等防止加算の対象となる事項について、処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を薬剤服用歴の記録に記載する。
(5) 同時に複数の処方箋を受け付け、複数の処方箋について薬剤を変更した場合であっても、1回に限り算定する。
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