今回は、体の陰液(潤い)が不足して起こる「肺陰虚(はいいんきょ)」と「肝陰虚(かんいんきょ)」のお話をします。
たとえば、空咳が続いたり、痰が少なくて切れにくい、舌がつるっとして赤い…こんな症状は「肺陰虚」が考えられます。
これは、肺の潤いが足りなくなり、炎症や虚熱(体内にこもる余分な熱)が生じている状態です。
また、目がかゆくなったり、夜に手足がほてる場合は「肝陰虚」かもしれません。
これは、ストレスや疲れが原因で肝の潤いが不足している状態です。
そんなとき、頼りになるのが『滋陰降火湯(じいんこうかとう)』という漢方薬。
潤いを補いながら余分な熱を鎮めて、体を整えてくれる優しい味方です!
気管支炎・慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、”コンコンと乾いた咳(空咳)” におすすめの漢方薬が『滋陰降火湯(じいんこうかとう)』です。
『滋陰降火湯』は乾性咳嗽(空咳)に効果が期待できる漢方薬のようだけど似たような作用がある『麦門冬湯』とはどう違うのかな?
皮膚粘膜の乾燥状態が使用の目安であることは『麦門冬湯』と同様です。
『滋陰降火湯』は、”就寝時の咳など体が温まると咳がでる” ような場合におすすめです。
夜にかけて咳が強くなるような場合は、西洋薬の鎮咳剤や抗アレルギー薬と併用するとよいことが多いです。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とはどのような状態なの?/ 15~20%の喫煙者が発症する、COPDの予防と早期治療がカギ!
慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とは、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。
タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。
最大の原因は喫煙であり、喫煙者の15~20%がCOPDを発症します。治療によっても元に戻ることはありません。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状にはどのようなものがあるの? / 慢性的なせきとたん、COPDの兆候を見逃さないで
歩行時や階段昇降など、身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難や慢性のせきやたんが特徴的な症状です。
一部の患者では、喘鳴や発作性呼吸困難などぜんそくの様な症状を合併する場合もあります。
(引用:日本呼吸器学会)
滋陰降火湯(じいんこうかとう)の生薬構成(ツムラ)
蒼朮(ソウジュツ)、 地黄(ジオウ)、 芍薬(シャクヤク)、 陳皮(チンピ)、 天門冬(テンモンドウ)、 当帰(トウキ)、 麦門冬(バクモンドウ)、 黄柏(オウバク)、 甘草(カンゾウ)、 知母(チモ)
滋陰降火湯(じいんこうかとう)の効能効果(ツムラ)
のどにうるおいがなく痰の出なくて咳こむもの
滋陰降火湯(じいんこうかとう)の特徴・説明
- 気管支炎・慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの乾性咳嗽に使用される漢方薬です。古典的漢方では ”枯燥” といわれる潤いのない状態が目安になります。
どちらかというと、『麦門冬湯』より遷延した慢性的な状態に使用されることが多い漢方薬です。
- 咳の状態は、間歇的で夜間に悪くなってきたり、コタツや布団などに入ってからだが温まってくると咳き込んでくるような場合に効果があるとされています。
- 味は表現法が難しいですが、甘くて渋いです。
肺陰虚による空咳や痰が少ない症状に「滋陰降火湯」
「肺陰虚(はいいんきょ)」は、五臓の肺における陰液(潤い成分)が不足した体質を指します。
この状態では陰液の不足が相対的に熱を余らせ、虚熱(熱邪)を引き起こしやすくなります。
結果として、気管支炎や炎症が生じることがあります。
肺陰虚の特徴的な症状
- 空咳が続く
- 痰が少なく切れにくい
- 鏡のようにツルツルとした舌(鏡面舌)
これらの症状が見られる場合、体の陰液を補い、炎症や熱を抑える治療が必要です。
「滋陰降火湯」で陰液を補い気管支炎を改善
漢方薬『滋陰降火湯(じいんこうかとう)』は、肺の陰液を補いながら体内の余分な熱を取り除く作用があります。
乾燥した咳や痰の出にくさなど、肺陰虚の症状を和らげ、気管支炎の改善をサポートします。
▶滋陰降火湯のおすすめポイント
- 肺に潤いを与える
- 気管支の炎症を抑える
- 虚熱による不快感を軽減
気管支炎の症状がなかなか治まらない方や、空咳が気になる方は「滋陰降火湯」を試してみてください。
体の内側から潤いを補い、快適な呼吸を取り戻しましょう。
肝陰虚によるドライアイや手足のほてりに「滋陰降火湯」
「肝陰虚(かんいんきょ)」は、五臓の肝における陰液(潤い)が不足している体質を指します。
慢性疾患やストレス、緊張状態の持続、激しい感情の起伏などによって、肝の陰液が消耗することで発症することが多いです。
肝陰虚の主な症状
- 目のかゆみやチクチク感
- 夜間の手足のほてり
- 舌が紅く乾燥しており、舌苔がほとんどない
これらの症状が見られる場合、肝の陰液を補い、体のバランスを整える治療が必要です。
「滋陰降火湯」で肝陰を補いドライアイを改善
漢方薬『滋陰降火湯(じいんこうかとう)』は、肝の陰液を補いながら、体内の余分な熱(虚熱)を鎮める働きがあります。
特に、目のかゆみや乾燥感、手足のほてりなど、肝陰虚の症状を和らげる効果があります。
▶滋陰降火湯のおすすめポイント
- 肝に潤いを与え、目の乾燥やかゆみを改善
- 手足のほてりを抑え、快適な夜をサポート
- ストレスや緊張による体質の乱れを整える
肝陰虚による不調を感じる方は、『滋陰降火湯』をぜひお試しください。
日々のストレスや乾燥による目のトラブルを改善し、健やかな生活を取り戻しましょう。
滋陰降火湯(じいんこうかとう)の注意点
むくみ・体重増加・血圧上昇などが現れた場合は医師・薬剤師に相談するようにしてください。
滋陰降火湯(じいんこうかとう)のクリニカルパール
クリニカルパール(Clinical pearl)とは、とは経験豊富な臨床医から得られる格言のようなものです。
滋陰降火湯(じいんこうかとう)の入手方法 / 通販で買える!:楽天とAmazonのおすすめ商品一覧
『滋陰降火湯(じいんこうかとう)』は、肺や肝の陰液不足による不調を改善する漢方薬です。
肺陰虚による空咳や痰の絡み、気管支炎、肝陰虚によるドライアイや手足のほてりなどに効果を発揮します。
陰液を補いながら、余分な熱(虚熱)を鎮め、体内バランスを整える働きがあります。
慢性疾患やストレスで疲れた体に寄り添い、健やかな日常をサポートします。
- 病院で処方してもらう
- ドラッグストアや楽天・Amazonなどのインターネットで購入できます。
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