『治験ボランティア』には幅広い年齢層の方、さまざまな職業をもつ方が参加してくださっています。
参加者には、学生や社会人の方もおられます。
治験には参加条件があり、条件の中には「年齢制限」があります。
多くの治験では、参加条件の年齢は、20歳以上の成人の方を対象としたものがほとんどです。
「治験についてもっと知りたい」「治験に参加してみようかな」と考えた方は、ぜひ登録説明会に参加してみてくださいね。
フジテレビで放送の、石原さとみさん主演の薬剤師ドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』。
日本の連ドラ史上初!
病院薬剤師を主人公にした新・医療ドラマ『アンサングシンデレラ』の第10話でも『治験』が題材に取り入れられていましたね。
「治療の臨床試験」の略である『治験』について詳しく解説します!
治験とはどんなもの?
ひとつの薬が誕生し、私たちの手元に届くまでには、およそ10年~15年という年月がかかります。
さまざまな化合物の中からくすりの候補を見つけ、効果と安全性を確認し、国の厳しい審査を通ったものが、やっと世に姿を現します。
病院で処方されるくすりも、ドラッグストアに並ぶくすりも、すべて、大勢の人の時間と努力がつまった結晶なのです。
治験とは、発売前の薬の「安全性」「有効性」「副作用」を検証するための臨床試験のことです。
英語では、クリニカル・トライアル(Clinical Trial)と言います。
製薬メーカーが、新しく開発された薬を販売するには、厚生労働省の承認・認可が必要になります。
治験はこの申請の過程においてで必ず必要となっています。
また、被験者として治験に参加していただいている方のことを「医学ボランティア」あるいは「治験ボランティア」と呼んでいます。
治験には段階があります【1~4段階(フェーズ)】
治験は複数の段階に分かれています。
それぞれの段階(フェーズ)によって参加できる人や試験内容も変わってきます。
第1段階(フェーズ1)とは
主に健康な成人を対象にします。
男性が治験ボランティアになる場合が多いです。
極めて少量の治験薬を用いる試験が多く、その薬の吸収速度や体内分布、代謝、排泄などのチェックします。
投与する量を少しずつ増やし、副作用についても調べます。
第2段階(フェーズ2)とは
第1段階のテストで安全性が改めて確認され後に、実際に病気を患っている少数の患者さんを対象に、治験薬の「有効性」、「安全性」、「効果的な使用方法・使用量」などを調べていきます。
有効性・安全性を確認しながら徐々に投与量を増量させたり、プラセボ群を含む3群以上の用量群を設定して用量による効果の程度を検討します。
第3段階(フェーズ3)とは
第1~2段階で得られたテスト結果が、より多くの患者さんにも当てはまるかどうかをチェックします。
有効性の検証や安全性の検討を主な目的として、より大きな規模で行われます。
それまでに検討された有効性を証明するのが主な目的です。
現在治療で使用されている似た種類の薬と比較をしながら、効き目や安全性をチェックする場合もあります。
第4段階(フェーズ4)とは
発売後に行う試験で「製造販売後臨床試験」と言います。
実際に発売した後に広く使用されることにより、第3段階まででは検出できなかった予期せぬ有害事象や副作用を検出するのが主な目的です。
市販直後調査及び市販後調査によって行われるのが通例です。
治験に参加するメリットとは?
①丁寧な診察が受けられる
治験中は、定期的に丁寧な検査・診察が行われます。
わかりやすく説明すると「無料で健康診断が受けられる」ということです。
病院や健康診断に縁がない人も、この機会に自分の健康状態をチェックしてみてもよいかもしれませんね。
治験に参加したおかげで早期に病気が発見された例もありますよ。
②負担軽減費(協力費)がもらえたり、治療費の負担が軽減する
「検査のため指定された日に通院する」、「日常生活上のきまりを守る」、「定期的に薬を服用する」といったご協力に対して、一定の基準に従って『負担軽減費が支払われます』。
施設や試験に異なりますが、おおよそ事前健診の負担軽減費は2,000~3,000円程度、治験参加になると1回の通院で7,000~10,000円、入院に関しては1泊1~2万が相場です。
治験に参加している間は、治療薬・診察・検査などの費用の全額(または一部)を製薬会社が
負担してくれるため、治療費の軽減につながります。
治験はあくまでもボランティアなので、本人の自由意思での参加になります。
治験に参加すると、治験参加者に金銭の支払いが発生しますが、この金銭は「負担軽減費」と呼ばれます。
※正確には「負担軽減費」と「アルバイト代」は全く別物になります。
負担軽減費(謝礼金)の構成要素
負担軽減費は、治験に参加するボランティアの負担を軽減するために支払われる謝礼です。
この金額は、治験内容や負担の程度に応じて異なります。
以下に、負担軽減費を構成する主な4つの要素についてまとめます。
1. 拘束時間
治験は決められたスケジュールに沿って行われるため、ボランティアは時間を確保しなければなりません。拘束時間が長いほど、負担軽減費は高くなります。治験は主に以下の2つのタイプに分けられます:
- 通院タイプ:1回の通院で終了するものから、1年以上定期的に通院するものまであり、拘束時間が短い場合が多い。
- 入院タイプ:指定された医療機関での入院が必要であり、拘束時間が長くなるため、負担軽減費も高額に設定される。
2. 予想されるリスク
治験に参加する際には、新薬の投与による副作用や人体への影響などのリスクがあります。ボランティアは、インフォームドコンセントを通じてリスクについて十分な説明を受ける必要があります。副作用の程度や体への負荷が大きい治験ほど、負担軽減費も高くなります。
3. 経済的負担
治験参加による経済的な負担には以下が含まれます:
- 治験に参加するために仕事を休むことで生じる収入の減少
- 施設までの交通費
- 指定された薬剤の購入費
- 指定の病院での診察費
これらの自己負担を補填するために負担軽減費が支払われます。
4. 制約条件
治験期間中には、データ収集のために日常生活に対する様々な制限が課されることがあります。これには以下が含まれます:
- 飲食や嗜好品の制限:飲酒、喫煙、他の薬の服用禁止など
- 生活習慣の制限:運動の制限、旅行や海外渡航の禁止、規則正しい食事と睡眠の維持
- 入院タイプの治験:外出や帰宅が禁止され、24時間施設内に滞在
このような制限が厳しい治験や、参加条件が細かく定められている治験では、負担軽減費が高く設定される傾向にあります。
以上のように、負担軽減費はボランティアの負担を総合的に考慮して決定されます。
③社会に貢献できる
治験は、新しい薬を世に送るために必要なプロセスです。
治験に参加することは、新しい薬で誰かを支えることにつながります。
④新しい治療を受けられる
現在行われている治療では治らない病気を患っている患者さんが、新薬(治験薬)の治療を受けられるため、場合によっては病気が治癒したり、改善したりする可能性がある。
治験のデメリット
①指定された日に入院・来院する必要がある
指定された日に入院や来院をする必要があります。
原則として日程の変更はできません。
②ルールを守らなければならない
治験薬の正しいデータを集めるために、治験期間中は、いくつかルールを守っていただく場合があります。
ルールは治験によって異なりますが、たとえば、暴飲暴食の禁止、激しい運動の禁止、禁煙などです。
③副作用が生じる可能性がある
副作用が生じる可能性があります。万が一、副作用が生じた場合には、適切な処置が行こなわれます。
治験参加の流れとは
治験実施施設(病院など)は、治験に参加してくれるボランティアを募集します。
治験実施施設(病院など)で直接募集するケースもあれば、支援機関(SMO)に募集の協力をお願いする場合もあります。
協力を依頼された支援機関は、民間の紹介会社・NPOなどを使って、ボランティアを募集します。
①紹介会社などの治験モニターに登録する
民間の紹介会社・NPOなどの会員登録をして、個別に案件に申し込みます。
②治験に申し込む
定期的に登録先から案件の紹介の連絡が来ます。
または、民間の紹介会社・NPOなどのホームページで希望の条件に合う案件を検索します。
③事前検査を行う
薬剤の詳しい説明(作用、副作用)や治験の参加意思の確認を行った後、治験の前に臨床試験の基準値に適しているかを調べるため、指定の医療機関にて事前の検査を受けます。
医療機関より合否の連絡があり、この検査で合格した場合は、次の当日検診に進めます。
また、仮に落ちても数千円の負担軽減費(協力費)を受け取れます。
④治験が始まる
治験の開始前にスタッフより治験の概要とスケジュール、負担軽減費(協力費)などの説明が行われます。
さらに医師から効果や副作用などのリスクの説明を受けて、納得した人のみ同意書にサインをします。
⑤負担軽減費(協力費)を受け取る
治験によって異なりますが、「一括支払い」か「分割支払い」、方法は「手渡し」か「振込」となります。
※事前健診(治験参加の可否を決める事前の健康診断)の負担軽減費は、その場で手渡しされるケースが主流です。
参加する施設や試験の種類によっても異なりますので、詳しくは参加する際に問い合わせて下さい。
医学ボランティア会の治験最新情報サイト「JCVN」による、治験ボランティア無料会員募集プログラムです。
治験ボランティアとは、多くの人々が救われる、身近で社会貢献度の高いボランティアです。
また、専門医師による診察とアドバイスが無料で受けられ、治験協力費(謝礼)が受け取れます。
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