
妊娠初期には妊娠していることに気付かず、お薬を飲んでしまっていることは多いと思いますが、その様な場合はどうすればいいのでしょうか?

基本的には心配することはありません。
その理由について説明していきます!
お薬の ”妊婦に禁忌” の意味と、妊娠の4つの時期で対応が異なるのはなぜ?

妊娠に気付いた時点で主治医に連絡し、対応を相談するようにしてください。
自己判断で薬を中止してしまうと、母体の健康を損ない、胎児により大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
妊娠中でも安全に使える薬はたくさんあるのです。
また、”妊婦に禁忌” とされている薬の中にも、妊娠の時期や病気の状態によっては、薬を使った方が母子共にメリットが大きく、治療に使用されるケースもあるのです。
ただ、催奇形性以外にも、胎盤や羊水などへの影響による胎児環境の悪化、胎児の発育抑制や機能不全などを起こすような胎児毒性が問題となる場合もありますので薬物の投与は慎重に行われるべきといえます。
妊娠中でも安全に使える薬にはどのようなものがあるの?

薬には妊娠中でも安全に使える薬がたくさんあります。
世の中に ”絶対安全” というものは存在しませんが、これまでに多くの妊婦や妊娠可能年齢の女性に使用されてきた薬の場合など、それによって奇形の頻度や胎児に対する有害作用の頻度が増すといういかなる証拠も確認されていない薬はたくさんあるのです。
”妊娠の4つの時期”で、禁忌の薬も意味も変わります

妊娠の時期によって、その時期に対する薬のリスク許容度は変わってきます。
そのため、単に ”妊婦に禁忌” という表現だけでは正しい判断を下すことはできません。
妊娠前(受精が成立していない時期)

薬が身体に長期間蓄積するようなタイプの薬を使っている場合などは、その薬剤の影響には気を付ける必要があります。

妊娠を希望している様な場合には、事前に主治医と相談するなどの対応が必要です。
All or Noneの時期(受精から妊娠3週末まで)
受精~2週の期間は、ほとんど妊娠と気づくこともありません。
胎児もまだ器官形成を始めていないため、もし致命的な影響を受けた場合はそもそも着床しません。
しかし、多少の影響であれば受精卵は修復されて健康体になります。
このような場合は薬による「催奇形性」の可能性はゼロに近いと考えられています。
妊娠中の薬剤服用に最も注意が必要な時期(妊娠4週~12週末まで)
4週~~12週末までの期間は、胎児が最も薬に敏感になる時期です。
この時期の場合は、胎児は心臓や中枢神経・消化管・四肢などを形成している状態のため、薬による「催奇形性」に最も注意が必要な時期になります。
妊娠に気づいた際は、その時点で早めに主治医から適切な指導を受ける必要があります。
催奇形性の危険は少なくなる時期(妊娠13週以降)
13~15週以降になると、胎児は大人と同じ臓器を持つようになっています。
そのため、服用した薬はそのまま大人と同じような薬理作用を発揮することになります。
このときホルモンを抑える薬を服用すると、胎児のホルモンも同様に抑えられることになり、胎児の臓器機能を低下させる恐れがあります。

この時期は ”催奇形性” に対してではなく、胎児の生育や、子宮に作用する薬剤などに注意する必要があります!
妊娠週数の数え方とは

妊娠期間の数え方として、「受精後胎齢」と「月経後胎齢」の2種類あります。
「受精後胎齢」は受精初日を1日目として満日数・満週数であらわします。
「月経後胎齢」は最終月経の初日を0日目として満日数・満週数であらわします。
日本では一般的には「月経後胎齢」の数え方が用いられます。
最終月経の初日を妊娠0週0日として、40週0日が標準的な妊娠期間と考えられています。
受精後胎齢は月経後胎齢から2週を引くことで計算することができます。
アルコール(飲酒)が及ぼす胎児への影響にはどのようなものがあるの?

アルコールは容易に胎盤を通過して胎児に移行しますので、母体の血中アルコール濃度がそのまま胎児に影響を及ぼすと考えられます。
アルコールによる胎児への影響としては、「胎児性アルコール症候群」のほか、早産児や低出生体重児・流産・死産との関連も報告されています。
まとめ:”禁忌” という表現に惑わされないように!
現代はインターネットを使えば何でも情報が得られ、薬の「添付文書(説明書)」も簡単に情報にアクセスできてしまいます。
しかし、そこに「妊婦に禁忌」と書かれているからといって、絶対に自己判断で今服用している薬を中止したり、人工中絶を選択したりしないでください。
先述の通り、「妊婦に禁忌」という原則だけで正しい判断を下すことはできません。
必ず、妊娠に気付いた時点で主治医に相談し、今後の治療方法について指導を受けるようにしてください。
多くの場合は、気付くまでに飲んでしまった薬による悪影響について、心配する必要はありません。

”どんな薬をいつからどれだけの量を飲んでいたのか” を医師に正確に伝えるようにしてください。

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