植物が自身を害虫や病原体から守るために合成する成分である「ファイトアレキシン(フィトアレキシン):phytoalexin」をご存じですか?
植物が様々なストレスにさらされた際、生体防御機構が働き、植物体内で生合成される防御物質(2次代謝化合物)の総称なのです。
植物を意味するファイト(phyto)と補体を意味するアレキシン(alexin)から命名されています。
このファイトアレキシンのひとつが『サルベストロール』です。
植物はつねに病原菌からの攻撃にさらされていますが、その主な外敵のひとつは真菌=カビです。
カビから身を守る役割をもつ成分のひとつが「サルベストロール」なのです。
果物の皮に見られる黒い斑点にはサルベストロールが含まれています
果物の皮に見られる黒い斑点は、植物がカビと戦い抜いた傷跡で、サルベストロールがたくさん含まれています。
きれいな皮の果物は、農薬などを使用して商品の見栄えが良くなるようにしていることが多いため、農薬を使用しているかもしれません。
農薬栽培と無農薬栽培ではサルベストロール生成量に大きな違いが!
育つ環境や作物の種類にもよりますが、無農薬栽培と農薬栽培の農作物が含む「サルベストロール」の量の差は、約3倍~30倍にもなるといわれています。
日本の有機JASの認証マークがついた農作物でも、一部許可された農薬を使用している場合があります。
自然栽培と呼ばれるような、自然のままの環境で育った植物にサルベストロールは多く含まれます。
サルベストロールがガン細胞を体外に追い出す働きが判明!
「サルベストロール」はガン細胞特有の酵素「CYP1B1(シップワンビーワン)」と反応し、抗ガン物質になります。
こうすることでガン細胞を細胞死(アポトーシス)へ導き、がん細胞を排除する働きをするのです。
正常な細胞には「CYP1B1」が存在しないため、影響を与えません。
そのため、サルベストロールはガン細胞だけに反応する天然の抗ガン剤として、注目されるようになりました。
(引用:サルベストロール研究会)
ガン細胞特有の酵素「CYP1B1(シップワンビーワン)」とは?
CYP1B1は、女性ホルモンを発がん性物質に変換する働きをする酵素であり、乳がん発症要因の一つとされています。
また、CYP1B1酵素はガンの種類に関係なく発生することがわかっています。
TCDDにより誘導されるチトクロームP450分子種の一つとして同定されたCYP1B1は、ベンゾピレン等の多環芳香族炭化水素、およびアリルアミン等の環境中に存在する化学発癌物質を代謝活性化することから、これらの化学物質の発癌性に極めて重要な働きをすると考えられています。
チトクロームP450の遺伝子多型と発癌感受性について : CYP1B1を中心として/渡辺 潤子, 川尻 要
世の中には様々な種類のガンが存在していますが、CYP1B1酵素はガンの種類に関係なく発生することがわかっています。
ハーバード大学のガン研究所をはじめ、多くの研究機関が3,300件以上の様々な種類のガン細胞を調べたところ、ほぼすべてでCYP1B1の存在が確認されました。
サルベストロール研究会
サルベストロールの作用を弱めてしまう「阻害物質」をチェック!
サルベストロールとCYP1B1の働きには、生活習慣や栄養素が関係しています。
取り入れたサルベストロールの威力を失わないために、障害となるものを知り、その阻害物質を避けるような工夫をしましょう。
食事で避けるもの
- 農薬、殺菌剤、防カビ剤を使用している食材:
農薬自体にはCYP1B1の動きを阻害する作用があり、残留農薬のある野菜や果物を食べると、サルベストロールの働きは鈍ってしまう。
※食材を流水で30秒流すだけでも残留農薬を減らすことは出来ます。 - 人工甘味料、天然甘味料:
サルベストロールが細胞に侵入するのに必要なβグルクロニダーゼを阻害するため、サルベストロールがガン細胞に侵入することを邪魔してしまいます。
植物由来の天然甘味料「ステビア」も避けましょう。 - 多量のジュース:
肝臓でのサルベストロールの代謝を妨げてしまいます。
※もし飲む場合は、CYP1B1の活性が落ち着く午後3時行こうの摂取がオススメです。 - グレープフルーツ:
グレープフルーツに含まれる「ナリンゲニン」という成分がサルベストロール代謝を阻害するため。 - 亜麻仁油:
阻害物質であるビタミンB17を含むため。
※ビタミンB17とは、シアン化合物の一つである「アミグダリン(レートリル、レトリル)」のかつての名です。「ビタミン」と付けられてはいたものの、厳密にはビタミンではありません。
亜麻仁油には、オメガ3(n-3)系脂肪酸(以下オメガ3)であるα-リノレン酸が多く含まれています。
亜麻仁油は熱に弱く、酸化しやすいという性質があります。
亜麻仁油に含まれるビタミンB17(アミグダリン)は、ガン細胞に含まれる酵素であるCYP1B1の発現を阻害し、血液中の酸素の量を低減させてしまいます。
そこで、亜麻仁油の代替品にはビタミンB17が含まれていないエゴマ油がオススメです。
サプリメントで避けるもの
- ビタミンB17(アミグダリン、レートリル、レトリル)
- レスベラトロール:
1日50mg以上は避ける。サルベストロールと構造が似ていて、レスベラトロールの代謝物が阻害効果を発揮するため。 - イチョウ葉サプリメント:含まれる「ヒベリシン」がCYP1B1を直接阻害するため。
- 西洋オトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート/St. John’s wort):含まれる「ヒベリシン」がCYP1B1を直接阻害するため。
- 大麻(CBD/カンナビジオール):
カンナビオイドはCYP1B1酵素の活性化を阻害するため。
大麻草の成熟した茎や種子のみから抽出・製造される成分で、ストレスの軽減、眠りを良くする、痛みを緩和するなどの効果があるとされている。違法成分ではない。
生活習慣でさけるもの
- 殺虫剤や農薬が多量に使用されているような場所(ゴルフ場、農場など):
殺虫剤や農薬はCYP1B1の強力な阻害物質です。 - たばこ:CYP1B1の活性を阻害するため。
- 抗真菌剤:
CYP1B1の強力な阻害物質です。
水虫の治療に使用されている抗真菌剤クリームやフケ予防シャンプーに含まれるケトコナゾールは皮膚を介して吸収されるため、内服薬でなくてもサルベストロールの効果を弱めてしまいます。
サルベストロールの力を最大限に引き出す重要な要素とは
サルベストロールの効果的な利用には、いくつかの鍵要素が関与しています。
この記事では、サルベストロールの最大の利点を引き出すための要素について詳しく解説していきます。
新鮮な酸素がサルベストロールには必要!
サルベストロールがCYP1B1と結びついてガン細胞を攻撃するという一連の反応のためには、酸素が必要とされています。
特に、サルベストロール摂取後の3~4時間がゴールデンタイムです。
- 有酸素運動:ウォーキング、散歩、ヨガ、太極拳など
- 深呼吸
- 酸素カプセル
体内時計=サーカディアンリズムを利用
サーカディアンリズムは、生物学的な時計として知られ、約24時間の周期で生体の機能や活動が変動する自然な生理現象を指します。
このリズムは日夜の変化に対応し、体温、代謝、睡眠覚醒サイクルなど様々な生理機能に影響を与えます。
このリズムは体内時計によって制御され、主に日光の明るさや暗さに対する感受性に基づいて調整されます。
ガン細胞特有の酵素CYP1B1にも活性リズムがあることが分かっています。
CYP1B1は早朝から15時までに活性のピークを迎えます。
このタイミングでサルベストロールを摂取すれば、活発に働いてCYP1B1と結びつくので、消滅するガン細胞の数がより増えるのです。
サルベストロールを摂取してから血中濃度が上がるまでに3時間ほどかかりますので、朝食・昼食でオーガニックな食事を心がけることがオススメです。
サルベストロールの働きを助けてくれる栄養素
- ビタミンC:
1日1~3gが目安。免疫系を刺激し、細胞死で生じる細胞残屑の除去を助けます。
また抗酸化物質として作用し、サルベストロールが生体内で分解されるのを防いでくれます。
なかでも、リポソーム型ビタミンCサプリメントがおすすめ。
通常のビタミンCは水溶性で体から排出されやすいという特徴があります。
リン脂質という油の膜であるリポソームで包んだリポソームビタミンCは脂溶性で、吸収しやすく、生体利用率が高まります。
- 鉄(Fe):
1日推奨量(貧血がある方のみ)。
CYP1B1がサルベストロールを代謝して癌細胞に有害な物質を作るためには鉄が不可欠です。 - マグネシウム(Mg):
1日400mg。CYP1B1酵素の活性化に不可欠な補助因子です。 - ビタミンB3(ナイアシン、ナイアシンアミド):
1日100mg(1日2回)。サルベストロールの活性化に不可欠な栄養素のひとつです。 - ビオチン(ビタミンH):
1日1~5mg。CYP1B1の生成を刺激し、CYP1B1濃度を増加させてサルベストロールの代謝を促進してくれます。 - 未精製必須脂肪酸:
月見草(EPO)油、EPAなどに含まれるオメガ6脂肪酸であるγ-リノレン酸が良いと考えられています。
血液から脳組織への輸送を助けるため、脳腫瘍や脳転移に有益と考えられています。
サルベストロールが効果を発現するためのポイント!
サルベストロールが効果を発現するには、まずはからだに吸収されることが必要です。
摂取したサルベストロールは腸内壁から吸収されて、グルコーストランスポーターに抱合され、血液を介して全身に輸送され、そして細胞膜を通過して癌細胞に到達しなければなりません。
薬が体の中に入ってから排泄されるまでの変化の過程は薬物動態と呼ばれていて、吸収(Absorption)、分布(Distribution)、代謝(Metabolism)、排泄(Excretion)の4つの過程からなり、それらの頭文字をとって「ADME」と略されます。
飲み薬の場合、飲んだ薬は胃を通り、小腸から吸収され、全身に分布されます。
その後、肝臓などで代謝され、腎臓から尿中に排泄されます。
サルベストロールの吸収(Absorption)
ヒトの健康に良い影響を与える植物由来の化合物である「ファイトケミカル」が注目されています。
ファイトケミカルのうち、グルコースなどの糖が結合している形のものを配糖体(グリコシド )といいます。
また、配糖体から糖が外れたものをアグリコンと呼びます。
配糖体が体内に吸収されるためには、一般的に配糖体からアグリコンに変換されることが重要と考えられています。
植物由来のサルベストロールは、腸内フローラによって糖が切除され、腸管より吸収されます。
配糖体を切除することで、腸管より吸収し、全身に薬効を発揮させるのも腸内細菌が一部役割を担っているのです。
加水分解の過程で、けっしてメジャーとはいえない腸内細菌が大活躍しているのです。
こうした菌群を「資化菌」と呼んでいます。
糖がついた結果、水溶性が高く、脂質でできた消化管の細胞膜を通りにくいものが多く、簡単には吸収されません。
下部消化管に届き、腸内細菌によって糖を外されて初めて吸収されるものが多いのです。
まとめ
私たちの体では、1日当たり約6,000億個の細胞が生まれ変わっているとも言われています。
健康な人でも遺伝子の突然変異によって、毎日約5,000個のがん細胞が発生していると言われ、その多くは体に備わっている「免疫」の働きによって排除されています。
ところが、免疫力の低下や老化などが原因で遺伝子の突然変異が増え、がん細胞の数が増加すると、免疫の働きによる排除が追い付かなくなり、がん細胞が生き残りやすくなる環境が生じてしまうのです。
そのため、がん細胞が止めどもなく増殖していきます。
1㎝程度のがんでは症状が全くないことがほとんどですが、その中のがん細胞の数は約5億~10億個にもなります。
がんが約2~3㎝の大きさになると症状がではじめることが多くなってきます。
がん細胞は、体や周囲の状況を無視して増殖し続けるため、大切な組織を圧迫したり、破壊したり、機能障害を引き起こしたりします。
中医学では「未病」のうちにしっかり養生することが大切であると考えます。
がんになってから何かをするのではなく、がんになる前に何かをした方が絶対に良いということです。
『サルベストロール』は、がん予防に対しておすすめの養生法のひとつではないかと考えています。
『ほどよい堂』でも、サルベストロールをお取り扱いしていますので、興味がある方はお声掛けください。
サルベストロールの摂取量とタイミング
詳しくはサルベストロールのホームページをどうぞ!
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