お薬はいつのんだらいいの?お薬を飲むタイミング(用法)について解説!

お薬はいつのんだらいいの?お薬を飲むタイミング(用法)について解説!

お薬を飲むときに使われている『用法』とは、薬を飲むタイミング・時間帯という意味のことです。

一般的によく使われている用法は「食後」「食前」「食直後」「食直前」「食間」「寝る前」「起床時」などです。

お薬を飲むときの「用法」を詳しく解説します!

食後とはいつ飲んだらいいの?

「食後」とは一般的に ”食事の30分以内” のことを意味しています。

大抵のお薬は「食後」に飲むように指示があることが多いと思いますが、これは食物が胃の中に残っていることで、胃の負担を軽減する目的であったり、通常は1日3回食事をすることが多いために「食後」に服用することで飲み忘れを防ぐことを期待しての指示になります。

食前とはいつ飲んだらいいの?

「食前」とは一般的に ”食事の30分前” のことを意味しています。

「食前」に飲むお薬の特徴は、食前では胃の中には何も入っていない状態なので、食べ物や胃酸の影響を受けやすい薬などを服用する時に食前服用と指示されます。

代表的なお薬には一部の糖尿病薬、漢方薬などがあります。

のんびり太郎
のんびり太郎

漢方薬は飲み忘れたり、服用が面倒なときは、「食後」でも全然いいよと説明される東洋医学・漢方専門医は多いですね!

食直後とはいつ飲んだらいいの?

「食直後」とは一般的に ”食事のすぐあと” のことを意味しています。

直後に飲むお薬の代表には、透析患者さんが飲むリン結合剤などがあります。

これは食物リン結合が胃の中で混ざり合うことで、食物に含まれるリン(P)をお薬が吸着して体に取り込まれないようにするためなのです。

また、脂質異常症に使用されるエパデール、ロドリガなどは胆汁の分泌によってお薬の吸収が高まるので食直後に飲むことが推奨されています。

食直前とはいつ飲んだらいいの?

「食直前」とは一般的に ”食事の直前(食事開始と同時くらい)” のことを意味しています。

食直前に飲むお薬の代表には、一部の糖尿病薬があてはまります。

α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)や速効性インスリン分泌促進剤と呼ばれている食後の過血糖を抑える薬では、お薬が作用する仕組みの関係で食後に服用してしまうとお薬の効果が期待できなくなってしまうためなのです。

食間とはいつ飲んだらいいの?

「食間」とは一般的に ”食事の2時間後” のことを意味しています。

これは、お薬同士の相互作用を防止するため(時間を空けて他の薬の影響を避ける)などを目的にする場合があります。

のんびり太郎
のんびり太郎

「食間」のことを ”食事中(食事をしている最中)” と勘違いしてしまうことがあるようですので注意してくださいね!

寝る前とはいつ飲んだらいいの?

「寝る前」とは一般的に ”寝る30分前” のことを意味しています。

寝る前に飲むお薬には下剤や睡眠薬、抗アレルギー剤などがあります。

眠気が強く出てしまうような薬などは昼間に服用すると生活の質が低下するので寝る前に服用することがあります。

ロゼレム🄬、ベルソムラ🄬などの睡眠薬は、食後の服用により吸収が低下し入眠効果の遅れに繋がるため、お薬の服用は食事をしてから30分以上の間隔をあける必要があります。

起床時とはいつ飲んだらいいの?

「起床時」とは一般的に ”朝起きてすぐ(朝食の30分以上前)” のことを意味しています。

フォサマック🄬、ベネット🄬、ボノテオ🄬等の骨粗鬆症治療薬は、カルシウムとキレートを作ることで吸収が抑制されてしまうため、食べ物に含まれているカルシウムなどの影響を避けるために起床時の服用と指示されます。

また、牛乳やカルシウム・マグネシウムを多く含むミネラルウォーターでの服用は避け、服用後30分間は食事を控えることが必要となります。

お薬を水またはぬるま湯以外の飲み物で飲んでも大丈夫?

お茶やジュース、牛乳でお薬を飲むとお薬の効果が変化する場合があるために一般的には避けるように指示されています。

お薬の成分が飲み物の成分と結びついてお薬の効果を変化させてしまうことが理由です。

また、ビールなどのお酒でお薬を服用するとお薬の作用に影響を与えたり、副作用を高める可能性があるために一般的には避けるように指示されています。

お薬を飲むときの水の量はどれくらいが最適なの?

一般的にお薬を飲むときの水の量は「コップー杯(200ml程度)の水とお薬を一緒に飲むのが良い」と言われています。

そうすることで、お薬も胃の中で溶けやすくなり、胃への直接的な刺激を回避することができます。

また、食道などにお薬が引っかかって食道炎を起こすことも予防できます。

お薬と食事(食べ物)の関係について解説!

お薬によっては食べ物に含まれている様々な成分にってお薬の効果が変化してしまうものがあります。

食事(食べ物)によってお薬の吸収が妨げられる場合とは

一般的にお薬は食事と一緒になると吸収が遅くなるため、即効性を期待するお薬の場合には不利になります。

一部のお薬では、お薬が食物に包まれて吸収されにくくなることもあります。

ある種類の抗生物質では食べ物(特に乳製品)に含まれているカルシウムと結合してしまうために体に吸収されなくなり効果が得られなくなることもあります。

また、食事をして消化液がたくさん出ると胃酸に不安定なお薬は分解されてしまい効果が得られなくなってしまいます。

食事(食べ物)によってお薬の吸収が高められる場合とは

食事をすることにより消化液(胃酸や胆汁など)の分泌が起こり、お薬の吸収が良くなることがあります。

蛋白質の多い食事をとると胃腸の血流が増し、特に肝臓への血液の流れがとても速くなります。

このことで、血圧を下げるお薬の吸収が増大することが知られています。

お薬と食品の組み合わせで相互作用が生じる場合とは

様々な食品や栄養素との組み合わせによって、お薬は相互作用を受けることがあります。

ビタミンKとワーファリンの相互作用とは

緑の濃い野菜、納豆、クロレラなどには多くのビタミンKが含まれています。

ビタミンKには血液を固める作用があります。

ワーファリン🄬はビタミンK類似構造のクマリン誘導体で、ビタミンKに拮抗し、肝臓においてはビタミンKが関与する血液の凝固因子がつくられるのを抑えて血を固まりにくくし、血栓ができるのを抑える薬です。

そのため、ワーファリン🄬はビタミンKと一緒に服用すると作用が弱くなることがあります。

特に納豆菌は腸内ではビタミンKをつくるので、特にこの作用が強いとされています。

納豆は食べてから数日間はその効果が続きますので要注意です!

グレープフルーツジュースとカルシウム拮抗剤との相互作用とは

グレープフルーツジュースには、体内でお薬を分解する酵素を邪魔する物質が含まれており、カルシウム拮抗剤と呼ばれている血圧を下げるお薬と一緒に飲むとお薬の作用が強く現れることがあります。

アルコールと薬剤との相互作用とは

酒類などのアルコールは、中枢神経(脳や脊髄)の働きを抑えます。

中枢神経に作用する鎮痛剤・安定剤・催眠剤・抗ヒスタミン剤などのお薬は、酒類で服用すると作用が強く現れることがあります。

まとめ

ほとんどの場合、お薬の服用法は「食後」と説明されることが多いと思いますが、実際のところ薬学的には食事に関係なく服用できるお薬の方が多いのも事実です。

「食後」という服用法は、お薬の飲み忘れを予防するという意味合いもあって便宜的に使用されていることも多いのです。

ということは、多くのお薬は食後に必ず飲まなくても全く問題はないのです。

「1日3回毎食後」にお薬を服用するように指示があっても、すべての人が1日3回きちんと食事するとは限りませんよね。

人によっては1日2食、または1日1食の場合もあるかもしれません。

そのような場合は1日3回服用するようになっていても食事の回数に合わせてしまうとお薬の服用も1日2回、または1日1回になってしまいます。

それでは本来のお薬の効果が得られません。

食事の回数や食事のタイミングが不規則な人は、服用しなければいけないお薬が食事に影響される薬なのか医師や薬剤師に尋ねてみてくださいね。

のんびり太郎
のんびり太郎

ちなみに、薬剤師は処方せんに書かれている指示通りに説明しなければいけない規則になっています。

「食後」と処方せんに記載されているのに薬学的には問題ないとしても、医師への確認なく、勝手に薬剤師の自己判断で「食前」「食事なし」の服用でもいいですよとは言えないのです。

しかし!

その辺りは機転を利かして「オフレコ」で薬剤師さんは説明してくれるはずです。

お薬の内容によっては、薬学的には最低限の服用間隔をあけていればいつ飲んでもいいものもあります。

患者さんの自己判断で食事をしなかったからお薬を飲まなかったということがないようにしてくださいね!

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